ノー『  』・ノーライフ   作:偽帝

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テトテトトテトテ

「お、お兄様!!宣戦布告って、どういうことですの!?」

 

 

ステフはゆっくりと歩いていくシェイナの前に立って、驚きの顔で言った。

 

 

「落ち着けって・・・何とかなるさ」

 

 

シェイナはステフを軽くハグすると、再び歩き出した。

 

 

ステフは余韻に浸りながらも、直ぐに前を行くシェイナを追いかける。

 

 

「今回俺がクラミー・・・森精種に勝ったことを他種族はどう見ると思う?」

 

 

「そ、それは・・・」

 

 

堂々と立ちながらも静止しているステフをシェイナは見つめる。

 

 

「他の種族が背後にいるかもしれない・・・って思うだろ」

 

 

「確かに、そうですわね・・・」

 

 

シェイナには何のポーズか判らなかったが、ステフは胸の近くで作っていた拳を下ろした。

 

 

「俺達の背後にどの種族がついているかは、迂闊に攻めることはできないだろ?」

 

 

「あ・・・!!」

 

 

ようやく判ったのか、ステフはピクンと体を震わすように動いた。

 

 

同時に体の力が抜けたステフはゆっくりとその場に座り込んだ。

 

 

「大丈夫か?」

 

 

シェイナは直ぐにステフに歩み寄ると、ゆっくりと体を起こした。

 

 

「やっぱりお兄様は凄いです・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この部屋も久し振りだなぁ・・・」

 

 

 

先王の部屋の一番奥にある寝室でシェイナは天井を見ながらごろごろしていた。

 

 

ステフは一度自室に戻ると言っていたので、シェイナは暫く一人でこの空間に居ることになる。

 

 

ステフとよく会話していたからなのか、シェイナは少し心細く感じた。

 

 

 

(次は天翼種(フリューゲル)とかいってみるか・・・。一番仲間に出来そうだと思うんだよなあ)

 

 

シェイナは理由の無い自身を持つと、手をベッドに置いて体を起き上がらせ立とうとした瞬間ーーーー

 

 

 

周りの時間が止まったように青の空間に包まれた。

 

 

それに気づいたときにはシェイナの体を空中を浮かんでいた。

 

 

しかしシェイナは以前にもそれを体験しているので、出来るだけベッドの知覚から動かないよう体の向きを変えながら、この空間を作った本人が出てくるのを待っていた。

 

 

「な、何ですのこれ・・・」

 

 

同じ時、自室にいたステフもこの状況に驚いていた。

 

 

 

「タイミングを考えてください・・・」

 

 

シェイナはベッドから見えるカーテンから不思議な気を感じ取ってその方向に向かって言った。

 

 

すると案の定カーテンからぴょこっと小さな体が姿を現した。

 

 

「シェイ君久しぶりっ♪なんか面白いことになってるねっ!」

 

 

片手で帽子のつばを掴んでいるテトはゆっくりとシェイナが座っているベッドに近づいた。

 

 

「シェイ君、さっきのスピーチの時僕の魔法使ったでしょ?」

 

 

テトは覗き込むようにシェイナの顔を見た。

 

 

シェイナは一瞬だけテトと目を合わせると、ベッドから立った。

 

 

「すいません・・・お菓子あげますんで許してください」

 

 

シェイナはステフが作ってくれたクッキーを2、3枚皿から取ると、『何かな?』とワクワクしているテトに渡した。

 

 

「ん~、許すっ♪」

 

 

テトはクッキーを受け取ると直ぐにそれを口に入れた。

 

 

 

香ばしい匂いと抜群の焼き加減で作られたクッキーの割れる音でテトはもっと笑顔になる。

 

 

「コレ・・・凄い美味しいね!誰が作ったの?」

 

 

「妹です。もっと食べたいなら頼みますけど・・・」

 

 

「へえ!シェイ君の妹ちゃんが作ったの!?どうりで美味しいわけだ!」

 

 

テトは両手を合わせてシェイナに『よろしく♪』とジェスチャーすると指を『パン!』と鳴らした。

 

 

 

すると王室から城の上にシェイナとテトは移動していた。

 

 

テトの力で、エルキアの町が夜景のように煌く光を放っているように見える。

 

 

「シェイ君、僕のところに居た時よりも楽しそうだね!」

 

 

「ま、事実ですよ。今のこの状況全てが楽しいです」

 

 

「僕の作った世界がシェイ君に褒められると、何か嬉しいなあ♪」

 

 

シェイナとテトは空中にシャボン玉のように浮かびながら、景色を眺めていた。

 

 

「そういえば、あの時の勝負俺が勝ってそのままでしたね・・・」

 

 

シェイナがそう言うと、テトは動くのをやめてゆっくりとシェイナの方を振り返った。

 

 

「そうだったね・・・。勝ち逃げは駄目だよ?次は僕が勝つんだからっ♪」

 

 

「どうでしょうかね・・・」

 

 

二人はお互いにニッと笑うと、軽くハイタッチをした。

 

 

「また会おうねっ。今度は・・・チェス盤で。必ずっ!」

 

 

「はい。あ・・・お菓子食べたいときはいつでもどうぞ」

 

 

帰るために魔法を展開していたテトにシェイナがポロっと付け出すと、テトは笑顔で返した。

 

 

「うんっ。お言葉に甘えさせてもらうよ♪」

 

 

テトはそう言ってシェイナに手を振ると、瞬間移動の様に消えていった。

 

 

 

「お・・・っと」

 

 

シャボン玉に包まれたままのシェイナはうまくそれを調節しながら、廊下に着地すると手を組みながら小刻みに震えているステフがいた。

 

 

「お、お兄様!今の・・・て、テトってあの唯一神ですの!?それに勝ったって一体どういうことですのぉ!!」

 

 

「まあ色々だ、良かったなステフ。お前のクッキー喜んでもらえたぞ」

 

 

シェイナはステフの隣でテトがいた場所を見ている。

 

 

そんなシェイナに必死にステフが問い詰める。

 

 

「そ、それも嬉しいですが・・・。どういうことですの、お兄様!教えて下さいーーーーーーー」

 

 

途中で答えるのが面倒臭くなったシェイナはステフの頭を撫でることで誤魔化した。

 

 

 

「待ってるからね、シェイ君っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テトがいなくなったことで元に戻ったエルキアの町。

 

 

一人の少女が王宮から聞こえてくるシェイナとステフの会話を聞いていた。

 

 

 

「シェイ、ナ・・・・・王、様・・・・・・。あい、たい・・・・・」

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