流石に周りの視線が痛いと感じたシェイナは撫でるのをやめて、二人だけに聞こえるような声で言う。
「もしかして、周りの皆ステフのこと
「・・・ワービース、ト?」
白は顔を傾けてシェイナを見る。
だが説明したのはシェイナではなくステフだった。
「・・・・・、
「・・・・」
珍しく白は反論することなくステフの話を静かに聞いていた。
(
上を見上げたシェイナは雲ひとつ無いがどことなく暗く感じる空を見つめていた。
すると白がシェイナの手を握る。
「用事・・・」
「あ、忘れてた・・・」
シェイナは白の手を握り返して歩き出した。
白はステフの首に繋がれている紐を持ちながら同じように歩いた。
そんなステフは悔し涙(?)を流しながらも仕方なく白に従った。
「もう少しだからな」
「はい・・・」
ステフが返事をすると白もこくん、と頷く。
(どうしても・・・勝ちたい!白に!!!)
歩きながらステフはそんなことを思っていた。
(ここまで全敗してはいるものの私だってアカデミーを主席で卒業した・・・いわばエリート!天才!!必ず勝てますわ!!)
ステフは歩くのをやめてその場に立ち止まった。
紐で繋いでいたので飼い主(?)である白も足を止める。
「何・・・、ステフ・・・・・」
「今度こそ私が勝ちますわ!勝負です、白!!」
(またかよ・・・)
いつもどおりシェイナはため息を吐くと、出来るだけ巻き込まれないような立ち位置を保つ。
「今回は十番勝負ですわ!いきますわよ!!」
白は無表情なものの、受けて立つというオーラが感じ取れた。
「「
狭い通りを抜けて大広間に出た三人は今、公園のような場所にいる。
しかし、明らかに一人だけ服装が違った。
「まだ・・・やる?ステ、フ」
白が言った先には、胸と局部以外の布がほぼ無い状態のステフが見えないように布を押さえながらモジモジしていた。
「う~っ!!私はまだ本気じゃないですわっ!!」
一般常識から見てかなりヤバイ状況に置かれているのにも関わらず、ステフは負けを認めようとはしない。
「やめとけ、それ以上負けたら俺は一体何処を見ればいいんだ」
シェイナはもしかしたらのことがあるかもしれないと感じて出来るだけステフを見ないように話した。
(綺麗なピンク色だったなあ・・・)
さっき歩いている時にたまたまシェイナが振り返ったタイミングで、たまたまステフのアソコがすこしだけ見えたのだ。
もちろん本人は見られたことに気づいていない。
直ぐに忘れようとしたシェイナはステフの奥の方を見た。
(目的地がすぐそこなのに、こんなに時間を食うとは・・・。ステフには申し訳ないが瞬殺されてもらおう)
シェイナは少しだけ心の中で祈りながら、二人の勝負を観戦した。
「うう~」
「ははは・・・」
やはり瞬殺されたステフに、シェイナはもうかける言葉も無かったので頭を撫でて誤魔化した。
「早く、行、こ?」
「そうだな・・・」
シェイナは再び二人を連れて、すぐそこにある目的地まで歩いた。
「そういえば、言い忘れていました。お兄様」
目的地の建物に入り、静かな廊下を歩き進めていると、元に戻ったステフが言った。
「この図書館は
「・・・そうなの?」
「はい・・・。お爺様がここの本全てを賭けてゲームしたために・・・」
ステフはシェイナが怒ると思って少し申し訳そうに言ったが、シェイナは怒らずに軽く噴出した。
「爺さんらしいな」
それを聞いたステフは口を緩くして、返事をした。
「そうですわね・・・」
「どあ・・・」
白がそう呟いたので顔を上げてみると、目の前にとてつもなく大きな扉があった。
どんな物音でも吸収してしまいそうな大きく、分厚い扉。
この先に天翼種がいるかもしれない・・・と思ったシェイナは一瞬だけ難しい顔をしたが、直ぐにいつも通りに緩ませた。
「さて・・・」
シェイナが片方の扉に手を置く。
白とステフはもう片方の扉に手を置いて、シェイナの返事を待っている。
「おじゃましますか!」
ゆっくりと重い扉を引っ張ると太陽の日差しが差し込んでくる。
少しずつ部屋の中に入ると、見渡す限りの本と窓のステンドグラスが光でカラフルに輝いていた。
「「わあ・・・」」
ステフと白は目を輝かせてあたりを見ている。
シェイナもあまりの綺麗さに驚いて何も発さずにただ上を見ていた。
すると突然、奇妙な音が聞こえて部屋の天井が眩しく光る。
それはまるで神の加護のようなまぶしい光で三人は完全にその場で歩き進めるのをやめて、それを見ていた。
すると天井からゆっくりと何か、が降りてくるのがハッキリと確認できた。
白く、大きな翼。
頭の上にある魔方陣のようなもの。
それが無ければ
それは目を瞑りながら口元を緩めて笑っているようだった。
その表情が三人を動けなくするような不気味な雰囲気を与えていた。
三人が呆気に取られていると
目は黄金のような綺麗な色で、十字架のような模様があった。
そして小さく呼吸するように口を開けた。
(なんか、くる・・・!)
咄嗟に危険を察知したシェイナは身構えようとしたが、体が金縛りにあったように動かなかった。
「ヤベッ・・・!」
シェイナは呟いたがそれは聞き取れるか聞き取れないかくらいの小さな声だった。
だが
「Hey!そこの三人、meのlibraryにどんな御用でぇ~?」