「んっ・・・」
白はシェイナの服を掴みながら唇が離れないようにしていた。
(これは、ステフとはまた違うやわらかさだな・・・)
シェイナは白の頭を何度か撫でると、視線をジブリールに向けた。
ジブリールは頬を少し赤らめながらもシェイナ達の予想外の行動に驚きを隠せないといった感じだった。
(『あ』か・・・。不安だから白に確認しよ・・・)
シェイナは唇を塞いだまま次に言う言葉の口を作って白に知らせる。
すると直ぐに白は「ぐっじょぶ!」と手で合図した。
「ぷはっ!」
同時に唇を離した二人は精一杯息を吐いて、小さく呟くように言った。
「「
「!!!」
(今空気を吐いたのはその為・・・!くっ!!)
ジブリールは身を弓のようにさせ、コレまでに無いくらい苦しい表情をしている。
だが2、3秒すると元通りになりニッと笑って手を伸ばした。
「---ッ!!」
ジブリールが言おうとした瞬間、初めて自分の声が出ないことに気付いた。
(声がッ!!!)
(・・・よし!)
シェイナは白を抱き寄せて呆気に取られているジブリールを見た。
(あとはジブリールが30秒間喋らなければ・・・勝ち!)
ジブリールのことだから・・・とシェイナはまだ不安を残しながら時間が過ぎるのを待った。
(私をここまで追い詰めるなんて・・・。貴方方に位階序列最下位という地位は余りにも勿体無い・・・。だからこそ、敬意を表しましょう)
ジブリールは指で空中に書いた『闇弱』という文字を指で突いて、二人に送った。
(そんな貴方でもここからは絶対に、超えられない。
ジブリールは目を閉じて両手を開いて、完全に勝ち誇っていた。
(貴方は己が創造したこの世界と共に負け・・・、私が勝つのです・・・・・!!)
ゆっくりと目を開けたジブリールの視界に移ったものは再び予想を覆すものだった。
シェイナに抱かれている白がいつの間にか持っていた白い紙に書いてある『闇弱』という文字が消える。
白がその紙を反対にするとそこには『クーロン力』という文字があった。
(そういえばさっき適当に暗弱って言ったのをメモったんだったな。いつの間に白は俺の服から取ったんだ・・・?)
シェイナには裏に書いてある『クーロン力』という言葉にも思い入れ(?)があった。
(そうだ、あれは元々アカデミーでステフに教えられたときの紙か・・・!ってかステフどこだ?)
事が進んでいく中でシェイナは辺りを見渡したが、ステフの姿は何処にもなかった。