(ステフ・・・)
シェイナがテンションを落としている中で白は「ふっ」という感じに微笑んだ。
(これに、耐えら、れる・・・?
完全に圧倒されたジブリールは誰かに語るように思った。
(
ジブリールはゆっくりと目を閉じて光の中に身を任せた。
何もかも無くなった空間が奥のほうから爆発を起こす。
ゆっくりとゆっくりと、それはこちらに向かってくるように周りを消していく。
ついには目の前まで来てフラッシュのように真っ白になる。
しかし数秒で今までのことが無かったかのように図書館の景色が現れ、さっきと同じように天井の光が眩しく光っていた。
「お兄様ッ・・・・・」
ステフは唇を尖らせてプイっとそっぽを向いている。
「悪かったよステフ。別に本心でやったわけじゃないからさ・・・・」
シェイナがそう言うとステフはシェイナの服の胸元を掴んでぐっ、と顔を近づけた。
「頭・・・撫でてください。それで、許してあげます・・・」
シェイナは両手をステフの犬耳の右耳、左耳それぞれに置くと、わしゃわしゃと円を描くように撫でた。
「んッ・・・」
ステフは目を瞑って顔をシェイナの胸板に預けるとスリスリと頬すりをした。
(すげー尻尾動いてる・・・)
後ろで異常なくらい左右に動いている尻尾をシェイナは撫でながら観察した。
一方の白はそんなステフにムカついたのか「チッ」とわざとたしく舌打ちした。
「ステフ、ちんちん・・・」
「あんッ!」
白の言葉を聞いたステフは直ぐに床に座り込み、両手をグーにして命令を待つポーズを取った。
(あ、まだ犬だったのか・・・)
「ッて、まだ続いてたんですのおっ!?」
ステフもシェイナと同じことを思っていた。
シェイナは座り続けているステフの近くに行くと、ポンと頭に手を置いた。
「ま、なんだかんだで助けてもらったからな。ありがとな、ステフ」
「はうっ!?」
シェイナの笑顔にステフの顔は火山が噴火したように真っ赤になり2、3秒見つめた後に目を逸らした。
「遠慮すんなって、好きなだけ撫でてやるから~」
シェイナのその発言に顔が赤いままのステフは小さく呟いた。
「お兄様は、私だけのモノ、です・・・」
「ステフ、何か言った?」
「い、いえ!何でも無いです!」
「そう?」
「は、はい!」
シェイナは構わず、ステフの頭を撫でた。
「---私の完全な負けです」
声の方向にシェイナは顔を向けると、ゆっくりと降りてきたジブリールの姿があった。
「貴方方の予想できない行動には本当に踊らされました・・・。お見事です」
優しい声で言ったジブリールにシェイナも温かく返事をする。
「
「・・・ですね」
シェイナとジブリールはお互いを見ながらクスッと笑った。
「あ、盟約に従って今からジブリール、君は俺らのものだ」
ジブリールはシェイナの話を笑顔で静かに聞いている。
「あ、別にやらしいこととかしないからな?そこはご理解いただきたい」
「ッ・・・はいっ」
「あと、俺の脳の知識も見ていいぜ。でも、許可取れよ、俺の」
「はい♪」
ジブリールは立っていたところからゆっくりと降りると、床に足を着けて両手を組み祈りのポーズを取った。
「・・・今は亡きマスター・アルトシュよ、遂に私は我等を従えるに相応しいマスターを今、見つけることが出来ました」
シェイナもステフも白もジブリールをじっと見ていた。
「
言い終わるとジブリールは深く体を前に出して、祈りのポーズをとった。
「ジブリール」
シェイナはジブリールの前にしゃがんだ。
「はい、マスターーーーー」
ジブリールが顔を上げた瞬間、シェイナはジブリールの唇に触れるだけのキスをした。
突然のことでジブリールは目を見開いている。
「マスターとの契約ってことで。大丈夫、後ろには見えてないから」
シェイナが言うとジブリールは人差し指をシェイナの唇に置いた。
「ありがとうございます、マスター」
ジブリールの返事を聞いたシェイナは立ち上がって白とステフを両隣に来させた。
「任せとけ。きっと後悔はさせない」
白はうんと頷いた。
ステフも最初ジブリールに怯えていたが、時間差で「は、はい!」と答えた。
それを見たジブリールも笑顔で返事をしてゆっくり立ち上がった。
光が照っていた図書館の中は、ジブリールの儀式の影響で雪のようなものが綺麗に舞っていた。