「でも、確かに・・・。たった半世紀でこんなに大きくなるはず、ない・・・」
「な?、そうだよな?な?」
白の機嫌を損ねないように少し必死にシェイナは言った。
「口を挟むようですがマスター、私に心当たりがございます♪」
ジブリールはそう言って立ち上がった。
本人は特に意図は無かったが、ステフからは威圧したように見えて少しビクっと肩を震わせた。
「心当たり?何のだ・・・?」
すると白はジブリールが何を言いたいのか察したのか、テーブルに積み上げられている本を探し始めた。
「どれかの本に書いて、あったはず・・・、東部連合に挑んだ、唯一の国・・・・・」
「「・・・・・」」
シェイナはなんとなくそれがどこかわかったが敢えてそれを言わずに黙った。
ステフも同じくそれがどこか知っているのでそ~っと後ろに下がる・・・。
「どこへ行くのですかドラちゃん?直接ご覧になった方が良いですよ♪」
「ふぅっ?」
すぐに背後にジブリールが現れ、逃げ道を塞がれたステフはガクッと肩を下ろした。
「~~~~っっ・・・・」
ステフは顔を引きつらせながらジブリールを見ていた。
同じくシェイナもあまり乗り気ではなかった。
「さあ皆さん、しっかり捕まって下さいね?」
ジブリールの右腕にシェイナ、白、左腕にステフがそれぞれ掴まっている。
「それでは・・・失礼します」
ジブリールは一度目を閉じて、ゆっくりとまた開いた。
同時に魔方陣が展開されて、その風でドーナツが空中に舞う。
「ッ!!」
ガラス細工をミキサーで磨り潰したような音がして、ステフは目を瞑って耳を塞ぐ。
その間にも三人は到底足のつかない高さまで浮かんでいた。
真ん中にいるジブリールは魔法の影響だろうか普段よりも2、3倍大きな翼を広げて魔法が起動するのを待っていた。
瞬間、突風が三人を襲い三人は目を瞑った。
目を開けたときには図書館ではなく、空中にいた。
片手でスカートが捲くれないようにしているステフは、絶叫した。
「ふぇぇぇぇぇっ!?一体何ですのぉっ!?」
「今日は晴れてて見晴らしが良いですね~♪」
遥か彼方を見ているジブリールの上には巨大な魔方陣らしきものが回っていた。
「なあ、これって空間転移魔法的なやつだよな・・・?」
「はい♪テレポートですよ♪」
「やっぱり・・・。高スペックなんだな、ジブリール」
「褒め言葉、ありがとうございます♪」
シェイナの言葉にジブリールが喜んでいると、その隣にいる白が質問した。
「ジブリール、これ、どれくらいできる・・・?」
「え~と、視界に入るところなら何処でも大丈夫です。一度訪れた所なら無制限に♪」
「「「・・・・・」」」
シェイナと白、ステフの三人は目を点にして唖然としていた。