「あ、ちょっ・・・!」
ステフが手を伸ばした時にはもうジブリールは完全にいなくなっていた。
「・・・・・」
正直気まずい。
今のタイミングで兄にはあまり会いたくない。
それが本音・・・本当の気持ちだ。
ステフは両手で鍵を握って目を瞑る。
自分は今まで'二人'の温もりを受けて育ってきた。
でも今、温もりをくれるのは一人しかいない。
ステフの頭の中で自分の体の半分だけが冷たくなっていく感覚があった。
現実そうなっているわけではないが、心は何となく寂しい感じだった。
亡くなった祖父の分まで、兄の温もりで埋めようとしていた。
「・・・・・ッ」
いつの間にか片手で掴んでいたシーツを離すと、ステフはベッドから降りた。
そしてゆっくりとドアの方へと歩き出した。
「こ、怖い・・・」
図書館へと続く道をステフはゆっくりと歩く。
ロウソクの灯りがあってもここの道は怖い。
もし
ステフは立ち止まって、ユラユラと小さく揺れているロウソクの火を見た。
ぼんやりと見つめていると、ロウソクの火がシェイナに見えてきた。
「おにいさまぁっ・・・!」
突然涙が零れてきてステフは床にしゃがむ。
顔を見られないように下にしながら、必死に涙を抑える。
「泣き虫ですね、私・・・・」
すっかり泣き止んだステフはロウソクの皿を持って、再び歩き始める。
少し進むと灯りが見えた。
ただ図書館の作り上、何をやっているのか、誰がいるのかはわからなかった。
「ふみゅ~・・・zzzzz」
シェイナの背中に抱きつきながら、白は寝息を立てている。
「マスター、幾ら本を探しても前国王・・・マスターの祖父様の愚行を弁護するのは難しいかと・・・・・」
「ん・・・・」
シェイナは軽く返事をすると今見ていた本のページを忘れないよう開いたまま裏返しにした。
その後、自分のことを見ているジブリールに言った。
「ちょっと気になったことがね・・・」
「それはドラちゃん・・・マスターの妹さんの為にやっているので?」
ジブリールは敢えて目を逸らして言った。
「そうだな、ちょっと言い過ぎちゃったからさ。アイツを泣かせた責任もあるし・・・」
「やさしいですね、マスター」
「でしょ?」
「はい♪」
シェイナとジブリールの会話を、真後ろでステフは聞いていた。
ドクンドクンドクン、と心臓の音が大きくなる。
「・・・・・」
ステフは取り合えずその場を動かずにその場で待機することにした。
「それで気になることとは?」
ジブリールが質問したのでシェイナはその場を立とうとした、が後ろで白が寝ていたのでジブリールに近くに来て貰った。