ノー『  』・ノーライフ   作:偽帝

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キリが悪い続き

「何個かあるんだけどさ・・・・・」

 

 

興味の目と緩んだ口元のジブリールを近くに来させると、シェイナが喋り始めた。

 

 

「爺さんは何で八回も東部連合に挑戦したんだ・・・。確かに、その・・・言い方は悪いがちょっと変わっている爺さんでも八回は挑まないと思うんだよ」

 

 

シェイナはそう言うと裏返しにしていた本をひっくり返して、一部分に指を当てる。

 

 

ジブリールは覗き込むようにそこを見た。

 

 

「今俺が指差している所は、爺さんが一回目の挑戦の時に賭けた場所だ」

 

 

「そこは・・・アルマタイトの鉱山ですね」

 

 

「そう。金属が多く採れるが、今の人類種(おれたち)の技術じゃ、幾らあっても宝の持ち腐れ状態になる。つまり不要な土地」

 

 

シェイナは別の場所に次々に指を合わせる。

 

 

「二、三、四、五、六、七、そして最後の八回目・・・。全部見る限り人類種(おれたち)に必要な土地は一回も賭けていない・・・。やっぱり爺さんなりの考えが何かあったんだな」

 

 

『う~ん』と腕を組んで顔を上げたシェイナとタイミング良くジブリールは目が合った。

 

 

「・・・マスター」

 

 

流石のジブリールも、シェイナが真面目に考えてるのを見て出来るだけ邪魔しないように呟いた。

 

 

(どうして東部連合は自分達にメリットが無いのに相手の記憶を消す?森精種(エルフ)のエルヴン・ガルドは何で四回しか挑んでいない?爺さんも何で八回も・・・・・)

 

 

シェイナは腕を組むのを止めて、視線を一方向にだけ絞った。

 

 

「いや・・・・・」

 

 

(爺さんは()回で、目標を・・・・・)

 

 

シェイナは地図を両手で広げてもう一度まじまじと見た。

 

 

(もしかしたら間違ってるかもしれないが、おそらく爺さんは記憶を消されていない・・・!だとしたら・・・・!)

 

 

「マスター」

 

 

突然のジブリールの声で、シェイナは一瞬ビクっと驚くが直ぐに落ち着く。

 

 

「考えている時に水を差すようで申し訳ないんですが、人類種(イマニティ)が全てマスターのような考えを持っているわけではありませんよ?」

 

 

ジブリールはそう言うと、どこから出したのかタオルでシェイナの額の汗を拭いた。

 

 

「ありがと・・・」

 

 

シェイナはタオルを受け取ると間近に迫っているジブリールの顔を見た。

 

 

「遠まわしに言うなよ・・・。『どうして同じ人類種(イマニティ)でこんなに差があるのに見限らないの?』って言いたいとかじゃないの?」

 

 

するとジブリールは少し必死になって訂正した。

 

 

「マ、マスター!決してその様な事は考えてなど・・・」

 

 

シェイナはジブリールの両頬を押さえた。

 

 

少しだけジブリールの頬が赤くなって、チラッと視線を逸らす。

 

 

「答えを教えてあげよう、ジブちゃん」

 

 

 

 

シェイナは笑顔で言った。

 

 

 

 

「俺は人類種(イマニティ)なんて信じてない」

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