抱き締め合っていた二人は互いに手を離す。
「あの・・・」
ステフは片手に持っていた花飾りから鍵を取り出すとそれをシェイナに見せた。
「これを・・・、お兄様に・・・・・」
「・・・これは?」
チャリン、と金属の音と共に鍵はシェイナに渡される。
「小さい頃お祖父様から貰った鍵です、でもどこで何の鍵なのかは・・・」
「・・・・」
シェイナは鍵を一周するように見渡すと、言った。
「爺さんの部屋にヒントがあるかもな・・・」
ステフはコクッ、と頷いた。
「うし」
シェイナは鍵を握り占めると、白を起こしに行った。
「お~い、起きろ~」
頬を人差し指で撫でていると白は片目を少しだけ開ける。
「あ、さ・・・?」
「まだ。探し物が終わったから、行くぞ」
「ん・・・、りょー、かい・・・」
白はゆっくりと立ち上がると、ステフのところに歩いていくシェイナに続いた。
「じゃ、部屋行ってみるか」
ステフ、白、ジブリールの三人は頷いて、図書館を後にした。
「ん~~~~・・・・・」
祖父の部屋のベッドに座っているシェイナはもう一度、鍵を見た。
「やっぱりエロ本だ、ステフ。だって俺小さいとき見たぞ、『未成年閲覧禁止』って小さく書いてるダンボールをメイドが何個もここに運んでいるのを・・・」
「う・・・、嘘ですわよね?お兄様?」
「いや、ほんとだよ。だって・・・」
シェイナは王室の家具の後ろを指差した。
ギリギリ見えるか見えないかの場所なので、ステフは顔を近づける。
視線の先には目立たないように塗装されたダンボールらしき物があった。
見事に部屋の壁と一致しているが、塗り忘れの部分に『未成年閲覧』まで書いてあった。
「お祖父様ああああああああ~~~~!!」
ステフは発狂した。
「そんな、そんなぁ~」
ステフは未だに泣崩れていた。
「えっちなものを隠すときは、自分のへ、や・・・。これ、常識・・・」
白はそう言うと、泣崩れているステフをよしよしと撫でた。
「泣くなって、ステフ。確かにまあアレだけど、これで隠し部屋があるって確信したよ」
「え・・・?」
ステフは見上げてシェイナを見た。
そして伸ばした手に掴まってゆっくりと立ち上がる。
シェイナはベッドの横にある固定された棚に行く。
上にはスライドさせて動かせる小さなチェス台があった。
「これ、外せるんだよ」
両手でチェス台を外すと、その下には円形の穴があった。
真ん中は空洞だが、周りには動かせる円がいくつか付いている。
それをカチ、カチ、と動かすと横の本棚の一部が自動で動き、隠し扉が現れた。
「ここに爺さんが集めまくったエロ本が・・・」
シェイナはごくっと息を呑んで言った。
「違いますわよっ!!」
ステフはすかさずシェイナに突っ込んだ。