「やっぱりさ、これ乗り心地悪いな」
馬車の中でシェイナが言った。
「まあ・・・こんな長距離移動には適してないですわね」
シェイナの隣のステフが言うと、向かい側に座っている白が言う。
「最初から、ジブリール、の、テレポーテーション、使った方が早かった・・・」
「そうです、なのにどうしてこんな時間のかかる交通手段を選んだのですか、マスター?」
「いや、景色を見たかったから、ただそれだけなんだけど・・・」
それにはステフも頷く。
「皆さん、そろそろ着きますよ」
ステフが言って2、3分して馬車が止まる。
シェイナがドアを開け、ジブリール、白と降りていく。
一番最後に降りたステフも三人と同じように上を見上げた。
「改めて近くで見ても、デカいな・・・」
「くびいたい・・・」
「自分達を大きく見せるためにこの大きさにしたんですねぇ、とっても愚かで滑稽です♪」
ジブリールは笑顔で言った。
一番後ろにいるステフが申し訳なく手を上げる。
「お兄様、どうして今ここに来たんですの?」
そう言うステフの手を引っ張って、シェイナは歩き出す。
「ちょ、ちょっとお兄様!
「だいじょぶだって」
「大丈夫じゃないですわよっ!!後々、大変なことに・・・!」
シェイナはステフが続きを言う前に言った。
「許可とったから。ほら」
シェイナがとまったので、ステフたちは目の前を見た。
すると、大使館の立派な扉の前に白髪で
「こんちは」
シェイナが軽く挨拶すると、老人は髭の中の口を動かして言った。
「ようこそ、エルキア王シェイナ殿。私は東部連合・在エルキア次席大使、初瀬いのです」
いのはそう言ってこちらに軽く頭を下げた。
そして頭を下げたまま、いのは言った。
「皆さん、どうぞお見知りおきを・・・」
いのが言い終わった後に、耳打ちするようにステフがシェイナに告げた。
「お兄様、いつ許可をとったんですの?」
「今朝。ステフが寝てたとき。ステフの部屋、大使館の方向だからさ、がんばって気づいてもらって許可取ったんだよ」
シェイナは軽い口調で続ける。
「いや~、
「い、いえお兄様。そう言うことじゃなくて・・・」
棒読み状態のシェイナにステフが慌ててると、黙っていたいのが口を開いた。
「在エルキア東部連合大使・初瀬いづなに用があるのですな、シェイナ殿」