ゆっくりとエレベーターが上がっていく。
半分を超えた所で、いのが言った。
「シェイナ殿。次からは正規のルートを通してお来し下さいませ」
いのが言うと、しばらく口を閉ざしていたステフが怒り口調で言った。
「そのっ!私、ここに来る前に書簡を出したはずなんですが・・・」
「書簡・・・。先ほど確認した時には届いていませんでしたが・・・」
いのは隣にいたステフの顔を覗き込んだ。
「!!??」
ステフは驚いて、後ろに下がる。
「ッ!」
ステフの靴が、シェイナの足に当たって思わず悶絶する。
「・・・出したのは本当のようですね、しかし投函時間を考えると届くのは明日になりそうですな」
思考を読んだいのは、元の立ち位置に戻る。
すると今度はステフがいのの方を向いて言った。
「私はっ、嘘はつきませんっ!お祖父様に小さいときから教えてもらっていたので当然のことですわっ!!」
「・・・・・」
いのはステフの言葉に返事を返すことも無く、シェイナに向かって話し始めた。
「先程シェイナ殿が触れ合った者達はまだ幼く純粋なのですが、先の件から
いのが続きを言う前に、コウモリのようにぶら下がっていたジブリールが目の前にあるいのの耳に直接言った。
「言葉を喋り、二足歩行をしていても所詮、犬は犬なのですね♪」
ジブリールは思いっきり皮肉を言った。
それを聞かされたいのは表情さえ変えなかったものの、耳がピクッと動いた気がした。
「・・・・ま、落ち着こうかジブリール」
苦笑いでシェイナはジブリールに言った。
「マスター、私はずっと落ち着いていますよ?」
「だ、だよな?ははは・・・」
シェイナは苦笑いを続けた後、ステフに耳打ちするように聞いた。
「なあ、先の件って何?」
ステフはシェイナから目を逸らして言った。
「か、改築の事です、お兄様」
申し訳なさそうにステフは肩を小さくした。
「他国の大使館が王城より立派だったら色々と国内で問題が起きかねないんで、新たに城を作ったんですの」
「え?ってことは・・・」
シェイナはステフを見ると、こくんと頷いた。
「お兄様がいなかった時ですから、出来るだけ似せてはいます。しかし、こちらが改築したらそれに負けじと東部連合も改築して最終的に今のこの建物になったんですの・・・」
ステフは「はぁ」とため息をついた。