シェイナは気楽に答える。
「だいじょぶ、世界制覇は必ず出来る。負けることも・・・多分無いからさ」
「チェックメイト・・・ぶい」
白はステフとジブリール二人に見えるように手を上に上げた。
「「・・・・・?」」
ステフとジブリールはお互いに首を傾げた。
一週間後。
エルキア王城には朝から沢山の人がいた。
今日で何日目だろうか、大量の悪口も聞きなれてきた。
「やっぱこうなったか~。支持率急落だな」
ステフ特製マカロンを、シェイナは皿の上で並べる。
「
ジブリールは浮遊しながら、外の声を熱心に聴いている。
「死の宣告をされたんですもの、当然ですわよ・・・・・。むしろ、何も行動を起こさないほうが可笑しいですわよ・・・・・」
ステフはしゃがみながらにゅっ、と顔を出してシェイナを見上げる。
すると、隣に座っている白が言った。
「気に食わないなら、自分達が全権代理者になればいい・・・・・」
「気にしない気にしない」
シェイナは一つマカロンを取って、白にあげた。
「あ~、もう一週間・・・、まだかなぁ~」
「東部連合は大陸全土に広がってますから、時間が掛かってるんですのよ・・・」
ステフはじっと、シェイナを見ている。
(私も、あ~んしてほしいですわ・・・)
しかし今はそのタイミングじゃない、と思いすぐにその考えを消す。
「覚悟のある人がそろそろ来る筈なんだよ・・・」
シェイナはそう言うと、マカロンから手を離し顔を上げた。
それと同時に三人もシェイナと同じ、前を向く。
「遅かったな・・・・・」
シェイナは小さく呟くと、今度はしっかり聞こえるように言った。
「結構待ったんだけど。罰金取るよ?」
しかし、三人の視線の先には誰もいない。
シェイナは一体誰と会話しているのだろうか?
「わーってるよ。いつでも大丈夫だから」
シェイナはそう言うと立ち上がって、白の前に行きしゃがんだ。
そして、白の髪に手を置く。
「白ちゃ・・・白。俺は君を信じてるから」
「白も・・・信じてる・・・よ?」
白はシェイナが何を言いたいのかイマイチ理解できない。
シェイナの顔を見上げながら、不思議そうに目を合わせた。
「白、俺達は二人で一人になるからこそ本領を発揮できる」
「白、俺達には約束がある」
「白、俺達は歴史上の英雄や、漫画・小説の主人公じゃない」
「白、俺達はゲームをする前から既に勝利を掴んでいる」
眠そうにしている白に軽く微笑むと、シェイナは手を避けた。
「東部連合を手に入れるための最後の'欠片'取りに行くぞ」
そう言うとシェイナは振り返って、外の方へと歩き出した。
白は離れていくシェイナの後姿を追いかけた。
「どこに、行くの、シェイ・・・?」
しかしシェイナはそれを無視して、歩く足を止めない。
「待って、シェイ・・・!」
白の指先がシェイナの服を掴もうとした瞬間-----。
奇妙な音と共に、目の前からシェイナが消えた。
「・・・・・」
白は伸ばしていた手を下ろすが、状況を理解することは出来なかった。
「じゃ、
威勢の良いシェイナの声が、白には聞こえた・・・・・。
「ん・・・にぇむい・・・・・」
白は目を瞑りながら自分の頭に手をやる。
いつものように温もりの感じるシェイナの手を触ろうとした、が・・・。
そこには何もなく、自分の頭をポンと触る。
「・・・・・・・・・・??」
ステフの所に居るのだろうか?
それとも、片付けしてるとか?
白は眠たいながらもゆっくりと目を開ける。
勿論、目の前にはシェイナは居なかった。
白は体を起こして周りを見る。
しかし部屋のどこにもシェイナはいなくて、シーンと静まり返っていた。
「・・・シェイ?」
自分の声だけが、聞こえた。
「白~。朝ですわよ~」
ステフがいつもどおりのテンションで部屋に行く。
「って、どうしたんですの!?白!?」
ステフは広いベッドの端っこで小さくなっている白を見た。
「シェイ・・・どこ?なんで・・・いないの?」
白は涙を流しながら体を小さく震わせていた。
「シェ、イ?誰の・・・事ですの?」
ステフは泣いている白に恐る恐る聞く。
それを聞いた白は目を大きく見開いてステフを見た。
「シェイナ・ドーラ・・・ステフの・・・お兄さん、だよ?」
白の言葉を聞いたステフは少し悩んだ後、申し訳なさそうに言った。
「私に兄なんていませんわよ・・・?」