ぐーやんでござるよ   作:ヤングコーン

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あらすじにて語ったため話す事ないで候

バックグラウンドストーリーが「チルノの学校生活」を始め「少女さとりが無人島から脱出したい話」まで地続きな事もあり原作の設定から異なる点を多々含みます。苦手な方はブラウザバックをお願いします。
m(__)m


1話 何?デジタルゲームとな?

私はぼんやりとしていた。鼻をかんだティッシュを包み、ごみ箱に投げる。

入らなかった。私はベッドから出るとティシュを摘まみ戻る。

 

それから投げた。また入らなかった。

 

「あークソ。何で入らないんだ」

 

またティッシュを拾いに行って、ごみ箱に投げる。

今度は入った。

 

「イエス!」

 

…あー暇。マジで暇。

 

ピコーン。

 

通知が来た。最近入れたディスコとかいうSNSアプリだ。

見やるとグループチャットで来てる。

 

えっと…八雲藍からだ。動画?

 

開くと、橙が鉄棒を逆上がりする様子が映像が流れる。

そのあと、字幕にこう表示された。『うちの子、逆上がりできる様になりました♪』

 

知らん…。知らんがな…。

 

わざわざグループチャットに飛ばさないでTLに投稿しなさいよ…。

ダイレクトにリアクションを要求してんじゃないよ…。

 

えー…これ既読スルーはまずいよね。

スタンプでいいのかな。

 

『うちの妖夢もできます』

 

幽々子からだ。知らん。張り合うな。

 

『私もあと100歳ぐらい若ければねー』

 

紫だ。知らん。張り合うな。

 

『私もできますよ』

 

ヤマちゃ…映姫だ。知らん。と言うか誰か橙を褒めろ。

仕方がない。藍が反応しないので私の方から褒めておこう。

 

『マジか!橙ちゃんすげえ!(驚き顔/絵文字)』

 

『ですよね(^^♪』

 

ようやく藍から返事来た。

 

『うちの早苗も昔はよくやってたんだけど、やりすぎてお腹壊した事あってさぁー』

 

諏訪子だ。いい。いい。もうそういうのいい。

既読スルー安定。他の誰かが返事するっしょ。

 

私はスリープモードにして閉じた。

 

『誰かうちの妹を見ませんでしたか』

 

…何だかんだ気になって見ちゃうのよね。

 

さとりんだ。またスマホを置いてどこかへ行ったな。

末っ子にばかりかまけてる親を見て気を引こうとあれこれしてる長男長女的な感じよね。

 

『最近うちの咲ちゃんが気泡緩衝材潰して遊んでるんだけど、あれどこで買える?』

 

レミリアだ。あれこっちで生産されてないから滅多に手に入らない。やりたい気持ちはわかる。

 

『最近うちの妖夢がルンバを買いたいって言ってたけどルンバって何?』

 

幽々子だ。会話のドッジボールだなあ…。

かくいう私はあの相槌以降はROMってるだけだけれども。

 

勝手に盛り上がりだしたので私は未読スルーを決める事にした。

 

 

 

 

私は部屋からのそのそ出てトイレに向かう。

途中で鈴仙にあった。

 

「天誅でござる!」

 

私は走りながら彼女の方へ向かう。

 

「おはようございます」

 

「天誅でござる!天誅でござる!」

 

「今日もいい天気ですね。洗濯物は乾きそうです」

 

「天誅でござる!!!!」

 

「それじゃ、私は仕事に戻るので」

 

ぐすん。構ってくれない。

 

トイレに向かう最中にてゐがいた。

こっちはまだノリがいい。構ってくれるに違いない。

 

私は駆け寄る。

 

「姫がご乱心にござる!」

 

「ええ?…ああ、おはよう…ございます???」

 

「姫がご乱心にござる!!」

 

「えー…、どうリアクション取ればいいかいまいち分からない」

 

「姫がご乱心にござる!!!」

 

「ひ、姫がご乱心にござる!!」

 

私はてゐを抱きしめた。この子は分かってくれる。

沢山頭を撫でて飴ちゃんあげた。ありがてゐ。

 

首を傾げながら私の背中を見つめるてゐを置いてトイレに向かった。

 

 

 

 

 

部屋に戻ると、グループチャットを開いた。

ミュートにしてたけど27件も新着が来てる。

 

一体何をそんなに話す事があるのだろう。

 

『こいしの部屋で置手紙見つけました。行先なのかもしれませんが、見当がつきません。分かる方教えて頂けませんか』

 

さとりんだ。すぐに画像が貼り付けられる。

内容はとても短く簡潔に書かれている。

えっと、なになに…?

 

『東経ヒトマルゴ。北緯フタマル。地点ロの二』

 

うん、良く分からん。

 

取り敢えず見かけたら連絡するとだけ書いてアプリを閉じた。

何より彼女の妹が行方不明になるのは珍しい事ではない。

 

「輝夜、申し訳ないけど届け物いいかしら」

 

永琳がひょっこりと部屋に顔を出して言った。

ああん、面倒くさいなぁ…動きたくない。

 

でも難を逃れる言い訳なんてできる状況にない。

次の言葉で華麗にこの難局を逃れる言い訳をするぞぉ!

 

「今、何もしないをしていて忙しいんだ」

 

「…プーだけにか」

 

真顔で返されて思わずふふっと笑ってしまう私。

仕方なく届け物に行く事にした。

 

渡されたのはにとり雑貨店に届ける商品だった。

ウサギにやらせればいいのにと思ったが、手が回らないのだという。

 

致し方がない。私は籠を持ってトコトコと人間の里を目指した。

 

ザザッ。

 

迷いの竹林、正体の分かり切った赤もんぺが現れた。

 

「なんだよ。迷子かと思ったら輝夜か」

 

「誰かと思えば妖怪赤モンペか。あっち行け」

 

「そう邪険にするな。今日はあまり人が来ないもんで暇してたんだ」

 

それで構って欲しいと?この寂しんぼさんめ。

 

…というか、永遠亭が忙しくしてるというのに迷いの竹林の往来が少ないってどゆ事なんだろ。最近は部屋に篭ってるからその辺は良く分からない。まあいいか。

 

「そう言えばお前、この間守矢神社と手を組んで画策してたインフラ整備の話はどうなった?」

 

提案したのは私だった。人間の里の文明レベルが上がれば病気の蔓延防止対策になるのではないかと考えたからだ。あれから予防薬や治療薬などを作ったりしているものの、蔓延防止にはもっと根幹的な所にメスを入れねばと思ったのだ。

 

それで積極的に働きかけてみたり、アイデアを出したり様々な事をしてみたり里の村人に理解を得る形で様々な事に着手してみたのだが…。

 

…上手く行かなかった。技術面の問題ではない。

発言権のある村人を筆頭に反対されたのだ。

 

専門知識がなくても分かりやすい様に、かみ砕いて説明したりもしたが…。

 

意外に多くの人が惰性で生きている。

例えそれが正しい事であったとしても、変化を好まない者共も少なくないのだ。

 

これ以上はトラブルになりかねないと判断し、手を引いたのだ。

 

「結局、何もしない方が誰にとってもいいと言う結論に至ったのだよ…」

 

「そうか…。残念だ」

 

問題の解決は新しい問題を生む。

その問題さえ我慢すれば程々に生きていけるのなら、状況に甘んじる事も多々ある。

 

そういうものなのだ。

 

「今日はどこへ行くんだ?」

 

「んー?にとり雑貨店にね」

 

私は籠を見せる。なるほど、とうなずいた。

 

それから取り留めのない最近の話をしたりしてその場を解散した。

なんだか前より丸くなった気がするなぁ…。

 

まあ辺りを歩いてていきなり襲われるよりいいか。

 

 

 

 

歩いてみると案外と人間の里まで遠いなぁ。

ああ、そういえば飛べばよかったんだ。

 

ずっと重力に甘んじてると飛べる事を忘れてしまいがちだ。

 

とはいえ、こう歩くたびに土がザリザリと言ったり草履越しに砂の擦れる感覚を味わう足の裏もこれまた心地いい。

 

「たまにはね」

 

そう思っていると魔理沙と…えっと……烏天狗が話してるのを見かけた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「えー、でもそれじゃ私が損するじゃないかー!」

 

「もちろんお礼は弾みますよ。それにこのイメージアップ、警戒心が緩む者といるやも…」

 

「んーー…そうねえ。また盗み直せばばいいか」

 

「そうそう。既成事実さえ作ってしまえばこっちのもんです。悪くないでしょう?」

 

何やら不穏なやり取りをしている。

 

「まぁいいけど何でそんな事を…」

 

「紙面をデン!と飾る様なセンセーショナルな記事が欲しいんです!いいですか、本を返すだけでいいんです」

 

このやり取りを聞いてない風に装うために回り道するのも何なので堂々と横を通り過ぎていく。

気付いた鴉天狗がこちらの方に走って来た。魔理沙はさっさと飛び去って行った。

 

ペンとメモを用意しながら横を歩く。

 

「さっきの聞いてました?」

 

「別に興味ないから言いふらさないよ」

 

「結構結構コケコッコー!いやあ、懐が広いですねぇ!」

 

トラブルの元になりそうなのと関わり合いたくないだけです。

 

私は早い所用事を済ませたいだけなのに、最近の事に関してやけに話してくる鴉天狗。

たまに質問をされるが、そのたびに当たり障りのない返答をした。

 

「ンモォー冷たいですねぇ。ここまで興味を示されないとそれはそれで傷つきますよん」

 

「はぁ…。私が言いふらさないという確証が欲しい。そうでしょ?」

 

「ぐふぅ…、食えないなぁこの人達は…。まあ我ながらまどろっこしいと思ってました。いいでしょう、それではスマホを貸していただけませんか」

 

私はスマホを取り出してロックを解除すると彼女に渡した。

彼女はぽちぽちとしばらく弄ってから私に返した。

 

見てみるとホーム画面に何かアプリが増えてる。

 

「何これ」

 

「今度、にとり雑貨店内に作られられるプチテーマパークにゲームの筐体が置かれる事になりまして。そのゲームの開発のモニターを探してたんです」

 

ゲームのモニター…。良いような悪いような。

無料で有料のゲームを楽しめると考えると聞こえはいいが…。

 

要するに私にタダで仕事をさせようって話なんじゃないだろうか。

 

一応、画面を開いてみる。案内に従ってゲームを起動させた。

 

「…これ人間の里の人間にウケるの?外の世界から流れ着いてくるゲームとかアニメのチラシを参考にしたんだろうけど、こっちにこの手のオタクコンテンツは流行してないし上手く行くとは思えない」

 

「そうそう、そういう意見が欲しいんですよ。ゲーム開発部は制作意欲を燃やしてるんですけど、若干迷走気味なんですよね。売れる物を作るためには独り善がりじゃいけないって忌憚ない意見を求めているんです」

 

ううん…。

 

「大体、デジタルゲームなんて馴染みのないものをプレイしてくれる客はいるの?」

 

「その点は抜かりないです。にとりが来たる日に向けてゲームに馴染んでもらおうと事前に非常に簡単なゲームを3種類作って既に子供向けに発売してます。無料配布とはいきませんが子供にも手の届く販売価格にすべくほぼ純利益のない計算になってるらしいです」

 

件のゲーム機を渡された。電源ボタンと十字キー、2つのボタンがある。画面に粗いドット絵が表示されている。ちょっとした効果音も鳴る。

 

「数量限定なんでもう売ってませんが、遊んでる子供はそこそこ見ますよ。私は試作モデルを貰っちゃいました」

 

最近、訳を聞かずに金を貸してほしいと平身低頭で借金をしに来たと思えばそれが理由だったのか。

将来性はあるし返済もできるだろうと思って貸したが…、確かにその話を聞いてたら断ってたかもしれない。

 

その話が巡り巡って私の元に回って来るとは、奇縁なものだ。

 

永琳に相談せず貸してしまった手前、大ゴケされても困る。

既にインストールもされてしまったし、かこれ以上口止めの相談で絡まれても面倒なのでモニターを引き受ける事にした。




2021/05/04
今更だけどモニターじゃなくてデバッガーかも。よくわかりませんです。
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