最速を目指して
ある騎手は言った
「もし好きな馬に乗ってレースに挑むなら…ですか?
そうですね、僕はディープインパクトかスーパークリーク
それか彼ですかね」
「彼…ですか?」
「ええ、平成の名馬、無敗の侍、そう呼ばれた彼ですよ」
ある調教師は語る
「彼ですか?
そうですね、もし仮に馬の知能テストなんてあったら絶対に一位になれる頭の良い奴ですよ
癖は強いですが」
彼に股がっていた騎手はこう話した
「僕は人生で三度感謝しました
お母さんが僕を産んでくれたこと、お父さんが僕を愛してくれたこと…そして彼を僕の担当にしてくれたこと
もし彼が居なかったら凱旋門のトロフィーは日本には来ませんでした」
そして、彼が産まれた牧場主は叫ぶ
「彼奴は天才だよ
シンボリルドルフ、スーパークリーク、トウカイテイオー、ゴールドシップ
それの間に挟まっても見劣りしない名馬だ
晩酌一つマトモに出来ない家を毎晩霧島でさせてくれたのは彼奴だからだ…だからかな、彼奴が居なくなってスゲエ泣きたくなったのはさ
彼奴な凄い寂しがり屋でさ、でもリンゴとか蜜柑を見せると早く寄越せって言わんばかりに頭を擦り付けてくるんだよ
だから…墓にリンゴと蜜柑を皆が添えてくれるんだ
こんなに嬉しい事があるか?」
「いえ」
「俺はな、どんな形であれ彼奴が生きた証が残るなら賛成だ」
「そ、それって」
「頼む、『イットーショー』をおたくの作品に使ってくれ」
「此方こそよろしくお願いします!」
平成を生きたあの名馬を語るなら少し前に戻ろう。
彼は元々人間だった、だからか知識は確りとしていて他の馬よりも賢かった。
ただイタズラが好きで敢えて他の人を困らせていた。
「ま、待てー!!!」
『だが断る、この俺は困ってる人物にノーと突きつけるのがすきなのだ!』
そんな癖の強い彼は、第三の人生を違うところで歩み始める。
中山の悪夢、コイツが居たら予想は無意味、宝塚の悲劇。
アダ名は多々あるがほぼ全てがネガティブなもの。
「流石イットーショー、元気だな」
ハゲに小太りと見事な形のオーナーは、トレーナーをからかってるイットーショーを見て御満悦だ。
零細牧場を救ってくれるかもしれない、そんな淡い期待にかけている随分なギャンブラーだ。
ただ、それは本人の予想を大きく超えてしまう。
八番人気のイットーショー、予想屋は全員がパドックでの様子を見て外した。
それでも八番人気なのは数少ないファンが居るからだろう。
だがレースを見れば誰もが驚いた。
逃げ、最初に前に出てそのまま逃げ切る戦法。
成功する確率は低いが、時代に名を馳せた名馬達はそれを成功させている必殺の戦法だ。
「おぉっと、イットーショー前に出たー!!!
だが天皇賞は長いぞ!」
春の天皇賞はとにかく長い、力を温存する戦法こそが王道だがイットーショーは逃げ。
とにかく前に前にと進んでいった。
そして結果は…
「逃げきった…逃げきったぁー!!!
イットーショーがその名と同じく一等賞を取ったぁ!!!
早い強いタフネスが凄い
彼には敗北は前菜以下だから味わわない!」
強すぎた。
最初に前に出るとスタミナ的にバテやすいのに、最後まで一向に衰えない脚色。
これを見た予想屋達は口々に言った。
「彼奴は鉄の肺を持ってる」「彼奴は逃げじゃなくて勝利に向かってるだけだ」「悪魔だ…」「彼奴は怪物だよ」
見事な姿に唖然とする皆。
そんな彼は八歳という若さでこの世を去ってしまった。
だからか、熱狂的なファンは彼の姿を見たいと血判状まで送る始末。
こうして彼の新しい人生が始まるのだった。
イットーショー
名前こそふざけているが有馬記念や宝塚を制した馬
とあるゲームでも倍率が一ちょっとの勝ち確と言われる恐ろしい存在
現役では三十と少々しかレースに参加しなかったが全てが勝利、しかも三馬身以上の圧勝である
とある騎手は「もし参加馬を見てから決められるなら、イットーショーを見た時点で拒否しますよ」と語る程
字数はどうでしょうか?
-
今まで通り2000前後で良い
-
3000は欲しい
-
4000くらい書けよ
-
天元突破10000を狙え
-
字数よりも早く更新しろ
-
良いからイットーショーを可愛く書け