【イットーショー】ってジャンルにしましょう
今日は少し違ったキャラから話を始めよう。
年を跨ぎ新たな気持ちを胸に練習の声が響くトレセン学園、そこに3人のウマ娘が居た。
規格外のパワーことウオッカ
ミスNo.1ことダイワスカーレット
白い稲妻ことタマモクロスだ
「今回集まってもらったのは他でもない、イットーさんの秘密を探るだ」
「はぁ?なしてイットーなん?」
「タマモさんだって知ってるだろ
この間のレースで最新レコードを叩き出したってのは」
「それくらいは知っとるよ、でも何でイットーなんや」
ウオッカは目を閉じると感慨深そうに語り始めた。
「イットーさんはぶっちゃけかなりの奇人だ
でも実力だけは会長クラスの化け物、その化け物のトレーニングを探ったりして強さの秘密を暴くんだ!」
「まぁ、理にはかなってるわね」
ダイワスカーレットは少し怯えた様子で言葉を吐く。
その理由はイットーショーだ。
先日のレース、ホクオウガンバルとイットーショーの本気のプレッシャーを食らってから妙に落ち着かないのだ。
それ程までに規格外の存在は一体どんなトレーニングをしてるのか。
もし応用出来るなら自分達も行い前回の様な残念な結果を無くしたい気持ちがある。
「あー…止めといたええよ」
「何でだよ?」
「そりゃ…まぁ…あれやあれ、人には知られたくない秘密ってのがあるんよ」
煮え切らない返事のタマモクロス。
何か理由が有るのだろう。
「変装道具だって用意したし、絶対にバレないから平気平気」
「はぁ…しゃーないわ」
そう言っていそいそと着替えを始める3人。
ウオッカは黒のスーツに黒の帽子とサングラス。
ダイワスカーレットは黒のロングコートに黒の帽子。
タマモクロスは黒の全身タイツだ。
「コードネームを決めようぜ」
「らしくなってきたわね」
「アホくさ…」
「俺はウォッカでスカーレットはジン、タマモさんはコルンな」
「なんやそれ?却下や却下」
「えー、なら○ルガイム、○ンバイン、レイズナ○にするか?」
「伏せ字だらけや!
ならコルンでええわ!」
思わずツッコミをいれてしまい、仕方無しにコルンを名乗るタマモクロス。
こうして、最強最悪の尾行が始まるのだった。
「こちらウォッカ、星はスーパーで大量のお菓子を購入どうぞ」
「こちらジン、星は甘い系のお菓子を購入した模様どうぞ」
「こっちゃコルンや、この肉屋のコロッケ旨いな」
「俺達にも持ち帰ってくれどうぞ」
双眼鏡を片手に散らばりながらイットーショーを見る3人。
タマモクロスは飽きたのか、近くの肉屋でコロッケを買い食いしていた。
「星が動き出した」
「ついていくわよ」
「おばちゃん、メンチにハムカツもちょーだい」
「行くぞコルン」
「ちょい待ちや、うっほなんやこのハムカツ
めっちゃ分厚いしカリカリやん、これだけで白飯3杯は行けるで」
謎の食レポをしているタマモクロスを背に、2人は尾行を続けた。
次は商店街の玩具屋で沢山のぬいぐるみを買い、そして近くのスーパーでポチ袋を購入。
いったい何をしているんだ?2人がそう口にしようとした時に答えは出た。
「希望園?」
「孤児院…っぽそうだな」
古ぼけた小さな孤児院に入っていったのだ。
どうやらイットーショーの目的地は此処らしく、何をしているのか確認してみる2人。
園長だろうか、1人の老婆と親しげに話すイットーショーの姿にそれ程大事な人なのかと思ってしまう。
「いつもごめんねイッちゃん」
「気にしないで園長
トレセンには特待生だから費用がかからないのよ」
「でも…」
「それに、園長が居なかったら私は死んでたもの」
軽く園長と話すと、今度は子供達にお年玉とぬいぐるみを配り始めた。
いったい何なのだ?
2人は今一状況が読み込めずハテナマークを浮かべてしまう。
と、そこにタマモクロスが戻ってきた。
「タマモさん?」
「イットーはな孤児なんよ
ちっこい頃からバイトしまくって稼いだら全部此処に、んで今でも賞金とか全部此処に寄付しとるんよ」
「「!?」」
「イットー自体は特待生やから学費かからんしで、賞金まんま
まぁ、色々あるんよ」
「知ってたんですか?」
「そりゃ、イットーとは長い付き合いやし」
呆れた様子で話すタマモクロス。
2人の出会いは結構昔に遡る。
あれは丁度タマモクロスがUmer Eatsと言う配達サービスで働いていた時だ。
徐々に増えていく配達サービスに対抗するためウマ娘を配達員として雇っていた。
その中にイットーショーが居たのだ。
無口な同期、程度の認識だったタマモクロスだがすぐにその考えを改めさせられた。
早い、いや早すぎる。
注文を受けてから配達までの基本タイムはだいたい30分なのだが、イットーショーは商品を受け取ると同時に最高速で走りそのタイムを縮めたのだ。
そうなったら後は簡単だ。
リピーターが増え、イットーショーに配達してほしいとオファーが届く程になった。
だが、タマモクロスにもプライドは有り負けじと最速での配達。
2人は配達のライバルとなったのだ。
そんなある日、タマモクロスはつい訪ねてみたのだ。
どうしてそんなに血眼になって働くのか、どうしてそこまでするのかだ。
『…私は孤児なの
孤児院の経営が苦しいから少しでも支えたくてこうしてるだけよ』
『は、はぁ!?』
驚いた。
まさかそんな理由でこんな事をしているのかとだ。
孤児院の経営は大人の役目なのに、子供であるイットーショーがこんなに頑張ってる。
驚きが隠せなかった。
『これは秘密よ』
『お、おう…』
コイツはどれだけ真面目なんだ。
タマモクロスからの第一印象は真面目なウマ娘だった。
そんな事があったからか、どうも嫌いにはなれないのが正直な感想だ。
その後イットーショーは、たまたま届けたのがトレセン学園の職員室でその速さを見込まれてスカウト。
最初は断るも特待生としての特典を聞き入学するのだった。
「ま、マジかよ…」
「彼奴の脚の速さはそんで鍛えられたっちゅう訳や
ま、天性の物ってのも有るけどな」
「…」
「誤解しとったんやな
ほな、なら面白い話1つしたるから元気出し」
「「面白い話?」」
あまりにもヘヴィーな背景に落ち込むも、タマモクロスが気を利かせて面白い話をすると聞き僅かに元気が出る2人。
「ルナ…あールドルフとイットーショーって出るレース被らんやろ」
「そう言えば」
「あれな、2人の間で決め事してるんよ」
「「?」」
なんだそれ?
2人の頭にはそれが真っ先に思い浮かんだ。
解らない、いや確かにあの2人が競ったらどっちが勝つのか興味は有るのだがその決め事とは何なのか。
「凱旋門賞、2人はそこで雌雄を決するつもりなんよ」
「嘘!?」
「マジかよ!?」
「…ありゃイットーと会って少ししてからやな
たまたまイットーが近くのグラウンドを見ると走っとったルドルフを見つけたんよ、その姿に闘志を燃やしてつい挑んだ」
あまりの事に驚いてしまう2人。
どういう事なのだ?まさか7冠の皇帝と無敗の悪夢が戦った?
情報が上手く整理出来ずにハテナマークが乱立してしまう。
「結果は…また今度な
んでルナとイットーは会う度に競争競争、そっから時間が経って生徒会長とサジタリウスのエースになりましたとさ」
「大事な所が飛んだ!?」
「あれよ、ルナにとっちゃイットーがいっちゃん素で関われるっちゅう訳よ
多分やけどあの姿を感じたからかも知れんな」
まさかあの会長とイットーショーに繋がりが有ったとは、あまりにも予想外な事に理解が追い付かない。
いや、それ以上に孤児院出身であんなに優しい笑顔を向けているのすら理解が追い付いていない。
「訳が解らねえ…」
「えぇ…」
「ま、人に歴史有りウマ娘にも歴史有りっちゅう訳やな
あんまりズケズケ行くんは感心せえへんで」
「「はい…」」
「ほな帰ろか
コロッケとハムカツ奢ったるから元気だし」
タマモクロスは軽く笑うと2人の腰を押してこの場を立ち去るのだった。
皇帝と悪夢と稲妻、この3人はかなり深い関係だった。
それだけでもいい収穫だったかも知れない。
希望園
訳アリの子を預かる施設
イットーショーの出身地
シンボリルドルフ
イットーショーと戦った事の有るウマ娘
2人の本当の決着は凱旋門で着けようと約束し、レースが被らないように調整している
タマモクロス
イットーショーとシンボリルドルフと仲の良い姉御
戦う気は無いが挑まれたら買う位の覚悟は持っている
もっと暴れますか?
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やれよ男だろ!
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止めておけ
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これが暴れてるって温いだろ
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やるならとことん貫けよもっと行けよ!
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キタちゃん大丈夫?
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座布団全部持って行きなさい