うん、流石にそろそろガンバル出さないと忘れられそうですし
ある日の夜、サジタリウスの部室は戦場と化していた。
何ブラックが言ったか、闇鍋をしたいと。
奇行種2人はすぐに乗っかり部室に炬燵や鍋、更にはストーブなんて用意したのだ。
ちなみに海に行った後日なのでまだまだ夏だ。
「暑いっての!」
「我慢しなさい
暑い時に厚着して熱い鍋を食べる、若者だけの特権よ」
「その通りだ
イットーもトレーナーもキタちゃんも食材は持ってきたな?」
「勿論よ」
「うん!」
「ちっ…誘拐されたくないからな」
そう言って満足そうな表情のホクオウガンバル。
先ずはと炬燵の中心に置かれた鍋の蓋を取ってみる。
立ち上る湯気がどれ程熱いかを教えてくれるが、それと同時に芳しい香りが漂ってくる。
もうこれだけで一品の料理として完成している、そう思える程に素晴らしい出汁だ。
ちなみにこれはイットーショー作で、生徒会にも同じ物を届けている。
実はシンボリルドルフが闇鍋をしようとしたのだが、
「…これ誰が作ったんだ?」
「私よ」
あまりのショックに落ち込んでしまう中山。
料理出来ない奇人では無く、料理しない奇人だったとはと自身の甘さを呪った。
「よし、電気を消すぞ」
「…おう」
「うん!」
「えぇ」
ホクオウガンバルは返事を聞くと電気を消し、皆に食材を入れる様に伝える。
そして入れ終わったのを確認すると蓋を閉じてグツグツと煮だす。
「ルールは解ってるよな?」
「うん、一度箸を着けた食材は確り食べる」
「残した物には残り汁での雑炊を強制的に食べさせる」
「持ってくるのは食材ならセーフ」
「よし、じゃあ行くぞ!」
蓋を取る音が聞こえると最初に箸を伸ばしたのはキタサンブラックだった。
食材から滴る汁音が響き、恐る恐る口に入れてみる。
「あ、甘くて美味しい…この食感、カレーに入ってる煮込まれた人参みたいです」
「お、俺の持ってきた人参はキタに当たったか」
「「何!?」」
「えへへ、ありがとうございますトレーナー♪」
超が付く程普通な食材に思わず突っ込む2人。
流石奇行種、普通を異常と感じるか。
次はイットーショーだ。
箸で摘まむと途轍もない重みが襲ってくる。
目を凝らしても見えない全容、果たして何なのだろうか。
「ん…大きいわね…ちょっと入りきらない…」
「…見えないってだけで凄いな」
「はい…」
「音声だけで売ってみるか?」
何か危ない事を言い出すホクオウガンバル。
まぁ、字面だけ見れば確かに売れそうではあるのだが。
「ハマグリだったわ…普通に美味しかったから悔しいわね」
「次は俺だな」
意気揚々と挑むホクオウガンバル。
さて、どんなリアクションをしてくれるのやら。
「ん?固いけどいけるな…蟹か」
「殻ごとかよ」
「強靭なアゴ…」
「力を入れる際に食い縛るでしょ、そこの力が強いって事はその分脚や背にも良い感じで力が入るの
まぁ、歯並びが悪ければ効果はあまり無いけどね」
ちなみにこの話は嘘では無い。
テンプレート等で確りと食い縛れる様にすると、バランス感覚が向上し、筋力、瞬発力、集中力がアップすると言われている。
こう言うと変に聞こえるが、プロのスポーツ選手やアイドル等の沢山の人目に触れる人物はまさに『歯が命』だ。
ちなみにホクオウガンバルとイットーショーの歯並びは非常に良いので、ナチュラルに良い食い縛り方が出来るのが強さの1つだ。
閑話休題
「最後は俺か…よしこれだ」
箸で掴んだのはかなり重く、恐る恐る口に入れてみる。
何だろうかこれは?
「どんな感じですか?」
「うーん…固いような柔らかいような…」
「味は?」
「甘いような…苦いような…しょっぱいような…酸っぱいような…辛いような…渋いような…」
「何だそれ?」
「解らん…何なんだあれは?」
体に害は無さそうだから飲み込めたが、本当に何だったのだろうか。
非常に疑問が残る食べ物だ。
「それはイットーショースペシャルね
作り方は秘密よ」
「本当に何なんだあれ!?」
「だからイットーショースペシャルよ」
あまりにも恐ろしい食べ物。
コイツ、最早錬金術師なのではないかと3人は思ってしまうのだった。
ちなみにその後は非常に穏やかな闇鍋パーティーとなるのだった。
持ち込んだ食材
中山
灰汁抜きした山菜数点
人参
ホクオウガンバル
ハマグリ
蟹
海老
鯛
キタサンブラック
ほうれん草
ゴボウ
猪肉
熊肉
イットーショー
イットーショースペシャル
イットーショースーパースペシャル
イットーショーハイパースペシャル
イットーショーマスタースペシャル
イットーショーアルティメットスペシャル
尚、イットーショースペシャルシリーズを全部食べた中山は翌日全身に力が滾ったそう。
そろそろ最終回なので
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お疲れさん
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じゃあ第2部行こうか
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イットーハンターの始まりだな
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聖闘士一等賞の始まりだ
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神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと