理由?本人がカッコいいからで選んだだけです
今回のG1各種は荒れますね
安田なんてガチガチが外れました
アメリカのとある地、其処には特設ゲートが作られ何が起こるかをすぐに理解させてくれる。
そう、此処は少し前に出来たG1の舞台。
その名は『highway classic』
2400m前後の中距離レースで、主催者は「近代的に迫力有るレースを」で作り出したのだ。
歴史こそ浅いが各国のウマ娘が喜んで参加するこのレース。
日本から参加するのは2名、ウオッカとホクオウガンバルだ。
2人の間には恐ろしい程の火花が散らされ、どちらも負ける気は無いと目で訴えている。
観客席ではスピカとサジタリウスのメンバーが応援しているが、中山の目は何処か冴えない。
「まさか本当に出るとはな」
「ガンバルなら当たり前よ」
「まぁ…」
highway classicの参加条件は1つだけ
勝利を5回手にしろ、そんな簡単なら誰だって挑むだろう。
だが、その後の抽選で決まるのがたち悪い。
一応確定参加出来るレースはあるのだが、それを知ればこぞって応募してくるから秘密らしい。
ちなみにそのレースは【中山金杯】、G3のあのレースだ。
わりと参加者が多いので地味に厄介だ。
「顔色が優れないわね『中山君』」
「悪い、少しな」
「大丈夫トレーナーさん?」
先日の一件で色々と考えてしまい、寝ることさえままならない状況、故に慣れない酒を飲み無理矢理寝ているのだ。
そんなのでは寝たと言えないが、ウマ娘は嗅覚に優れているのですぐに理解してしまう。
「悩んでいる、迷っている」とだ。
だが、言うは易く行うは難しと言う様に言うのは簡単だが敢えて言わずに見守る2人。
この問題は2人が口を出してはいけないと直感的に理解しているからだ。
『1番人気は8番のグリスグラマー』
『素晴らしい仕上がりですね
1位は決まったと言える程です』
実況の声は許せない。
確かに凄い仕上がりだが、うちの
「まぁ、そうなるわね」
「イットー!」
「島国のレースで勝ってきたのと、大陸で勝ってきたウマ娘じゃ根っこが違う
相手はそう思ってるのよ
でも私は2人ならやれると信じてるわ」
敵に塩を送る様に、イットーショーはウオッカの仕上がりを見なさいと言った。
気迫は十分、足は一瞬で差す様な鍛えぬかれた物。
だが他を見れば鍛えたかと言うと首をかしげる物ばかりだ。
一応フォローするなら、並みのG1なら制せる程には鍛えているが3名に比べればだ。
心臓が高鳴る、負けるなと言いたい…いや負けて自分を留まらせて欲しいと願う中山。
G1には似つかわしくない激し目なファンファーレが鳴り響くと心臓がはね上がる。
始まるのだ、運命のレースが。
バタン!と激しい音が響き開くゲート。
各ウマ娘は最初こそ並ぶが徐々に作戦の位置について動き出す。
ウオッカは差せる中間より少し後ろの位置へ、グリスグラマーは先頭よりの方へ。
そしてホクオウガンバルは最後尾に。
『スタートしました、各ウマ娘綺麗なスタート
先頭はゴルジオン、その後ろにエスワイズ、ギーバ、アッシャーマン
最後尾はウオッカ、その後ろにホクオウガンバル』
列はまさに何時も通りだ。
最後尾について一気に追い抜く、そんなスタイルな筈なのに不安が拭えない。
(参ったな…これはヤバい
まさかこんなにやられるなんて)
ホクオウガンバルの言う通り、1つ上の順位との差が開きすぎた。
少し細かく言うとゴールドシップとホクオウガンバルの追い込みは違う。
ゴールドシップは兎に角脚を貯めて貯めて、そして一気に追い越すタイプ。
ホクオウガンバルは自分の1つ上の順位とは離れすぎず、そして一気に追い越すタイプ。
追い追いとゴールドシップを分別したら、ホクオウガンバルは追い差し。
言葉で説明するのは少し難しいので、何となくの感覚で理解してほしい。
「不味いわね」
「えぇ」
「そうなのか?
いつもの走りに見えるけど」
「全然違うわ
あれじゃゴルシと同じ走り、ガンバルは基本的には最後尾でも次の順位とは大きくは離されないタイプよ」
「っ!?」
「とは言え彼女の走りは基本的に前半じゃあまり力を使わない癖走り
下手にペースを乱すと後に響くわ」
芝でもダートでも無いこの場が一番の敵となっている現状。
それにより何時もを出来なくなってしまう。
反対にウオッカは確りと練習してきたのか、何時も通りの走りをしている。
普通なら敗けが頭に過るだろう、だがサジタリウスのメンバーはただの天才か?
それとも秀才か?
いや、鬼才だ。
常識なんて何度も覆してきた。
3人に着ける煽りはこれ以外無いと言える程に決まっている。
『敵は常識だけだ』
「最終コーナーをカーブ、先頭は代わりアイアンカリブ、その後ろにグリスグラマー…おっと此処でウオッカが上がってきた!
速い速い!
どんどんと抜いていく!」
(勝った!
ガンバルさんに勝っ────!?)
コンマ数秒の気の緩み。
ウオッカは先頭に立った瞬間、最終コーナーの悪魔に勝ったと思ってしまった。
だが、その直後に背筋が冷えた。
例えるなら殺人鬼との鬼ごっこでゴールしたと油断し安心した瞬間、背中に斧を当てられた様な…心臓が途轍もなく跳ね上がるあの恐怖感だ。
「ホクオウガンバルが上がってきた!
速すぎる!
ホクオウガンバルグリスグラマーとアイアンカリブを抜きウオッカの後ろに!
その差は1馬身を切った!」
「負けられねぇ…アイツ以外に負けられねぇ!!!」
「っ!?
俺だって!」
互いに研鑽する相手が居るからか、ソイツ以外に負けられないと互いに脚を爆発させる。
何馬身を差が着いた?
後続は遥か彼方に、圧巻の走り。
「ウオオオオオオ!」
「ダアアアアア!!!」
1歩、わずか1歩だけの差で競い合う。
距離にしたら30cmにも満たない極限までの接戦、
持っている技術全てを使いゴール前で激しく争う。
観客席は無音となり、ただ2人だけを見ている。
これが違いなのか、それとも天の采配なのか…
「ゴール!!!
後続を遥か彼方に置き捨てて今ゴール!
勝ったのは────」
レース終了後、イットーショーは通路で1人黄昏ているホクオウガンバルに声をかけた。
他の2人は居ない、文字通り2人だけの空間だ。
「お疲れ様」
「おう」
「見事ね」
「まぁな」
「ねぇ…」
「言うなよ」
「あら、なら止めておくわ」
第3回highway classic
勝者は…
「ライブの準備をしておきなさいセンターさん」
「言われなくてもするって」
勝者はホクオウガンバルだった。
だが、スッキリしないモヤモヤする勝利だ。
写真判定とは言え、僅かすぎる差での勝利なんて気持ちよくない。
勝った筈なのに負けた気分だ。
「なぁ…これって勝ちなのか?」
「…それはウマ娘のイットーショーとして聞いてるの?
それとも馬のイットーショーとして?」
「…馬として」
「なら勝ちよ」
「そっか…」
「あの日…貴女のせいで私は敗北の苦汁を舐めさせられた」
「でも満足した」
「あの時と同じじゃない」
「………だな」
僅かでは有るがスッキリした表情のホクオウガンバル。
彼女は更衣室に向かいライブ用の衣装に着替えようとした。
だが、中に入れなかった。
先客が居るからだ。
「悪い…負けた」
「別に…何でアタシに謝るのよ」
「負けた原因が解ってるからだよ…後、お前との約束が守れなかったから…」
勝ったら大舞台で雌雄を決する、その約束をしていたのに破ってしまった。
しかも敗因が解っているからか、謝ってしまうウオッカ。
「なら、次は1番になりなさい」
泣いてしまうウオッカ。
勝ってた、勝ってたのにコンマの油断で負けてしまった。
その悔しい気持ちが彼女の頬を濡らすのだった。
勝ちが有ると言う事は負けも有る。
今回はたまたまホクオウガンバルが勝っただけ、もし次勝負したらどうなるかは解らない。
それは何処の世界も同じだ。
highway classic
海外で開催されたG1
コンセプトは「近代的に迫力有るレース」
実際こんなの無いですからね
そろそろ最終回なので
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お疲れさん
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じゃあ第2部行こうか
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イットーハンターの始まりだな
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聖闘士一等賞の始まりだ
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神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと