馬、ウマ、うま!   作:ジャックマン

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お次はこの娘




しかし、レースの描写って書くのが難しすぎて苦手なんですよね
ボケてツッコむスタイルしか出来ませんね自分


キタサンブラック

冬の寒さを消し飛ばす中山競バ場。

何故?そんなの簡単だ、日本の最高峰レースの1つが今日行われるからだ。

 

1月前から何度も告知され、数々のウマ娘達が一堂に会す至高のレース。

その名は有マ記念。

 

エルコンドルパサー、スペシャルウィーク、ナリタタイシン、ウイニングチケット、ビワハヤヒデ、スーパークリーク、オグリキャップ、マルゼンスキー、グラスワンダー、ダイワスカーレット、ナイスネイチャ、テイエムオペラオー、ミホノブルボン、マチカネフクキタル

 

現実では見られない『超』名バ達が一堂に会し、互いにしのぎを削り合い頂点を今日決めるのだ。

参加するのは勿論彼女。

 

「キタちゃん大丈夫なのか?」

 

「大丈夫…って思いたいな」

 

中山とホクオウガンバルは小声で話している。

皆が皆、超が付く程のウマ娘達である以上、簡単に勝てるとは言えない。

しかも目標が『勝つ』ではなく『新記録』なので、勝利は二の次なのが苦しいところだ。

 

「飲まれなければ勝機は有るわ」

 

「キタちゃん…」

 

「キタ…」

 

聞きたくない。

イットーショーは奇行こそ目立つが、ことレースの予想等に関しては通常。

コイツの予想は当たるのだ。

もし飲まれたら逃げ脚のキタサンブラックに勝ち目はない。

 

今回の嫌なところは後方には追い込みのナリタタイシンが、先頭には逃げのマルゼンスキーとミホノブルボンが居るところだ。

後ろから常に掛けられるプレッシャー、この大舞台も合わさり途轍もない重みが有るだろう。

 

「そろそろゲートインか」

 

「飲まれるなよキタちゃん」

 

ゆっくりと各ウマ娘がゲートに入り、僅かでも遅れない様に意識を集中させていく。

 

「恵まれた天候で迎える有マ記念

一堂に会したのは幾つもの勝利を掴んできたウマ娘達

今日、一番速いウマ娘が決まります」

 

鳴り響くファンファーレ。

ウマ娘達にそれは聞こえない、それ程までに集中しているのだ。

開くゲート、駆け出すウマ娘達。

 

「良いスタートだ!」

 

「行けぇ!キタちゃん!」

 

「気を抜かないで」

 

スタートと同時に歓声が響く。

最高のスタートを切ったキタサンブラックとミホノブルボン、僅かに遅れ普通のスタートを切ったマルゼンスキー。

 

こんなに良いスタートを取れたのに、それに着いてくるなんて。

キタサンブラックは恐怖してしまう。

離れない、いや離される。

僅かにだが離されていく2人の差。

 

「先頭はミホノブルボン、続いてキタサンブラック

その後方にマルゼンスキー

2馬身後ろにビワハヤヒデ

最後尾はナリタタイシン」

 

一瞬も気が抜けない。

それは皆が思っていた。

ミホノブルボンは僅かに脚を緩めれば抜かされてしまう、マルゼンスキーは少しでも下がってしまうとバ群に飲まれてしまう。

キタサンブラックはもし一瞬でも緩めるとミホノブルボンに離され、2度と追い付けないと。

他のウマ娘達も息を下手に入れよう物ならバ群に飲まれ、最悪の結果を出してしまう。

最後尾のナリタタイシンも、普段と違う事を感じていた。

 

(展開が早い!?)

 

早すぎる展開故か、何時もの走りでは追い付けないと判断し僅かに速度を上げてしまった。

大きな布の1本の解れ、これはそんな手だった。

 

(っ!?)

 

(イケる!アタシが1番なんだから!)

 

無理に速度を上げたせいで戦略が僅かに崩れ、己の走りを乱してしまうナリタタイシン。

それを見て同じく速度を上げるダイワスカーレット。

 

解れは徐々に広がり、取り返しのつかない事になってしまう。

後続の…いや差し追いウマ娘達が2人にひかれてペースを乱してしまったのだ。

 

「荒れるぞ…」

 

「そうだな、タイシンに釣られて皆ペースを乱した」

 

まだレースは中盤、だがそれでこの壊れよう。

メイクデビューは素人ウマ娘がただ前に行くためにとペースなんて有ったものでは無い、今まさに有マ記念と言う大舞台でそれが起きているのだ。

 

唯一乱してないのは逃げの3人のみで、後続は目安を変えたせいでペースが乱れ常に順位が入れ替わる状態だ。

 

(引き離せませんか…)

 

(流石の速さ…でも、イットーさんのあれに比べれば!!!)

 

何故かなりのウマ娘達がイットーショーが速いと思うのか。

ハッキリ言ってしまえば、イットーショーは『それなりに速い』レベルだ。

もしサクラバクシンオーやキングヘイローと速さ比べをすれば間違いなく負ける。

では何故?

少し考えれば解る、あのスタミナとプレッシャーのかけ方だ。

 

少し質問させてもらいたい。

皆は何秒間全力疾走出来る?

そこに怯えてしまうプレッシャーはあるか?

答えはNO。

 

一流のランナーならともかく、プレッシャーのかけ方なんて一朝一夕で手に入る物ではない。

スタミナだってそうだ。

チーターの全力疾走だって数秒しかもたない現実、だが奴はそれを越えている。

 

この場で尋ねるなら、ミホノブルボンやマルゼンスキーは常に全力疾走か?

その答えもNO。

必ず一瞬でも息を吸い込むタイミングが有る。

 

「はっ…」

 

(今!)

 

一朝一夕では手に入らない…だが、長い間ずっとその化け物と逃げの極意と弱点。

その為のトレーニングをしていたらどうだろうか?

 

僅か数秒、ミホノブルボンが息を吸い込んだ瞬間に加速しその横に並び立つキタサンブラック。

解れば誰でも出来る、なんて甘い技ではない。

付かず離れず、かつ相手の緩む瞬間に合わせて加速するのはコートの小さな解れに針をピッタリ落とす程に難しい。

だが、それを成し遂げた。

 

(しまった!?)

 

(行ける!)

 

僅かな隙を突かれ、順位が入れ替わってしまう先頭。

抜き変えそうと力を込めるミホノブルボンを見て、好機と見るや徐々に力を振り絞るマルゼンスキー。

 

ビワハヤヒデも徐々に差を詰めようとするが、近くのバ郡が邪魔で思うように進めない。

 

「行けるぞ!」

 

「キタちゃんとの特訓が生きたなイットー」

 

「えぇ」

 

逃げの極意は最初にどれだけ差を着けるか。

もし一瞬でも気が緩めばおしまい、だが緩まなかったら?

バ郡から離れ、ただ1人で孤独に1番を歩む至高の走りだ。

 

キタサンブラックはポテンシャルこそ最高峰だが、ことメンタル面に限って言えば少し劣る。

そこをこの2人で強化したとなればかなりの物だ。

 

最終コーナーを回ると振り絞り加速していくキタサンブラック。

ダメ押しの加速をし、僅か後方にミホノブルボンを置いて駆け抜けた。

中山の短い直線を全力で。

 

「ゴール!

勝ったのはキタサンブラック!

えっ!?レコード!!!

なんとキタサンブラック、有マ記念のレコードを更新しました!」

 

「っ!?」

 

「そりゃ展開が早いわけだ」

 

「えぇ」

 

「やったなキタちゃん」

 

涙を浮かべて喜ぶキタサンブラック。

だが忘れないでほしい、後にゴールしたウマ娘達のタイムも優勝しているタイムなのだ。

今回に限って言えるのは1つ

 

 

 

 

 

 

 

 

「運が良かったな」




キタサンブラック
史実を超えて有馬記念を2回制した怪物
レコードである2:29.5 を僅かに越えた2:29.3を叩き出した

そろそろ最終回なので

  • お疲れさん
  • じゃあ第2部行こうか
  • イットーハンターの始まりだな
  • 聖闘士一等賞の始まりだ
  • 神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと
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