二部って言っても妙にシリアスになりそうだけどどうしようか考えたら一つ案が…
中山が居なくなって早数日、3人は新たに迎え入れるべきチームメイトの選定を行っていた。
内容は芝の2000m
極々ありふれたメイクデビューでの距離なのだが、誰一人としてお眼鏡に叶うのが居なかった。
新規レースを筆頭に海外のレースを勝利するホクオウガンバル
逃げのステイヤーとして最高峰に位置するキタサンブラック
そしてレジェンドとなったイットーショー
ミーハーなウマ娘はこの3人が所属するサジタリウスに入りたいと生半可な気持ちで挑んでくる。
(ダメね、有名税だとしてもこれは酷いわ)
夢を語るのは良い、ただ夢を語る為に鍛えていないのが問題だ。
ハッキリ言えば新入生に2000を走りきれや自分達に勝てなんて言わないが、まさか殆どがこれ程軟弱とは思わなかった。
「で、お前さんはまだ走るのかい?」
「オス!」
ホクオウガンバルが相手している白髪の少女は負けようとまた挑んでくる。
しかも長距離、一応年齢を考慮して2500mでだが。
既に8敗、心が折れて諦める数字なのにだ。
「ねぇブラック…」
「解ってます、体型からして既に長距離は不向きです
それに足の形からしてマイルや短距離…ですよね」
「えぇ」
受験生の体はかなり小柄であり、普通に考えれば短い距離に向いている。
一部の例外を除くとして、どうして大きければ有利なのかを説明しよう。
先ず、それはカロリー量の違いだ。
プロレスラーの様な常に動かす者はある程度の体重をキープする、それは長時間動くためだ。
もし解りにくかったら短距離の陸上選手と長距離の陸上選手を見比べてほしい。
短距離のは非常に絞った『早く走る』に特化している
だが長距離はそうはいかない、一定の体脂肪率をキープし長時間の戦いに備えている。
キタサンブラックもイットーショーもホクオウガンバルも実は体脂肪率は10%を越えている。
まぁ、あれも有るが長距離を走るためにだ。
彼女の体脂肪率は見たところ8%前後、更に足は逃げ。
とてもではないが長時間の戦いに向いていないのだ。
「しかも…」
「今日のために絞ったわね」
勿論彼女にも光る物はある。
特にスタートだ。
それから200mはイットーショーでさえ引き離せないだろう、だがそれからが落ちてしまい第3コーナーを曲がったところでホクオウガンバルに抜かされてしまうのだ。
だからこそ、3人は決めた。
「ねぇ、貴女はどうして長距離に拘るの?」
「家系が長距離ですので!」
なんて清々しい阿呆だろうか。
そうだ、サジタリウスに賢い…いや自分の適正がこれだからと納得する阿呆はいらない。
欲しいのは中途半端な阿呆じゃなくて振り切った阿呆だ。
説明を怠っていた、この子が言う様に身内が長距離に適応していただからといって違うウマ娘が産まれるは不思議ではない。
例とするならサクラバクシンオーだろうか。
彼女の戦績は基本的に短距離での勝利ばかり、だが親は中距離メインだ。
まぁつまりだ、別に距離の適正は親から受け継がれる訳では無いがそれを気に病む子も一定数居るのだ。
ちなみにイットーショーもそっちだ。
「へぇ…良いわ、貴女は合格よ」
「っ!?」
「だな」
「ですね」
「それでね、貴女の名前を教えて」
どうせ居ない、3人はそう思っていたので誰一人として名前は覚えてなかった故の発言。
「はい!
ウチはクロムハート言います!」
ホクオウガンバルとイットーショーは驚いた。
2人は主に長距離だった故に1度も戦えなかったもう一人の最強、それこそこの『クロムハート』だ。
裏レース、短距離で1度も負けなく引退した最強の短距離馬。
それこそがこのクロムハートだ。
イットーショーとホクオウガンバルは密かに微笑む、なんて最高なんだ。
まさか一度も戦えなかった敵と戦えるなんて、だからこそ面白いだからこそ楽しいだからこそ嬉しい。
「歓迎するわクロムハート」
「お前もサジタリウスの一員だな」
「いらっしゃい♪」
「オス!」
何度感謝しただろうか、強い敵とあり得ない勝負を何度も繰り広げさせてくれるこの世界は…
「なんて楽しいのかしらね」
1人イカれた様に喜ぶイットーショー。
芝の最強?無敵のステイヤー?なら次は自分はマイルを蹂躙して…全てをイットーショーの名に染めようと決めるのだった。
クロムハート
主に短距離やマイルで無敗を誇った最強馬
中距離以降には出てこなかったので、2人の馬主たちは敢えて勝負をさせなかった
だが、勝負していたら2人に新たなライバルが産まれていた程の実力者
小柄な体格にタレ目でグラマラスな体型と、マニア受けする子
返事もオス等とちょっとマニア受けする返事なのでデビュー前なのにファンがそれなりに居る程
ちなみに
ホクオウガンバルくキタサンブラックくイットーショーくクロムハート
何がとは言わないが