ところで、イットーショーが最近大人しかったのは何故でしょうかね
3日後、スピカとサジタリウスのメンバーはあるレース場に集まっていた。
今日、此処でイットーショーと海外のウマ娘がレースするのだ。
海外では無敗を誇る金髪碧眼のウマ娘対無敗のレジェンド、ファンからしたら入場料を払ってでも見たい一戦ではあるのだが本人の希望により観客は20に満たない。
星条旗を模した勝負服に身を包むのは挑戦者である『マスカレード』
グレーの勝負服を身に纏うのは『イットーショー』
見るからに2人の気迫は十分だと感じられる。
そんな2人がゲートインする前、イットーショーはマスカレードに手を差し出した。
恐らく握手でもするつもりなのだろう。
そして一言…
「I bought meat at the next greengrocer」
「why?」
「イットーさんって英語出来たんだ…」
「あの言葉の意味は?」
ウオッカとサイレンススズカの疑問に答えるのは、チームスピカの珍獣ことゴールドシップ。
彼女はサングラスに黒のスーツ、そして黒のハットと某有名人風な格好だ。
「あれはな「お前ごときが私に勝てると思うなよ」だ」
「ふん!」
「うおあ!?!?!?
目が、目がぁ!?!?!?」
メジロマックイーンに何かを投げ付けられ、痛みのあまり悶えるゴールドシップ。
そして今度は正解を彼女が教えた。
「あれは「隣の八百屋で肉買った」ですね」
「は?」
「ん?」
「え?」
「なんじゃそりゃ!?」
八百屋で肉?いやそれ以前に何処の隣の?
疑問があまりにも尽きず、スピカの面々は唖然としてしまうがサジタリウスの面々は納得していた。
昨日、近くの商店街の八百屋に何故かコンビーフとチキンナゲットを買いに行っていたからだ。
多分からかうためにやったのだろうがそこは訓練された八百屋、すぐにその2つを作り持たせたのだ。
そして満足そうに帰っていくイットーショーと、満足気な笑みを浮かべて『サジタリウス御用達』なんてのぼりを掲げる店主の姿をタマモクロスは目撃するのだった。
もっとも、その後に彼女はでちゅね廻戦とか進撃のでちゅねとか走る西松屋と名高いウマ娘に捕まり絶望したとかなんとか。
その時の事を彼女はこう語るのだった。
『え、イットーが八百屋で肉買ってた時の姿?
すまんな、実はあん時な八百屋のおっちゃんの尻がフジキセキしててそっちに目が行ってたんや
ほら、あの身長2mくらいで元軍人のシュワちゃん風の店主がやで尻がぱっくりフジキセキしててそこからデフォルメされたクマさんパンツがこんにちはしてるんよ
あの破壊力はヤバかったなぁ、あの兄ちゃん生け贄にしなかったらでちゅねの刃にヤられとったわ
それよりSさんから優勝プレゼントもらったんでしょ、そっちも教えて下さい?
ざけんなー!!!
何が悲しゅうていきなりおしゃぶりとがらがらと哺乳瓶もらわなあかんのや!
しかもクリークのトレーナーの色違いとか自分の頭が色々違っとるわ!!!』
その後、タマモクロスはフジキセキと2人っきりでお話する羽目になっていたが此処では割愛。
さて、2人がゲートインすると周りの音が一気に無くなった。
日本とアメリカの一流同士の試合、一瞬も目が離せないと感じたからだ。
極限の無音に達した時、勢いよく開くゲート。
そして駆け出す2人。
奇しくも2人の選んだ戦術は逃げ。最初こそ並んでは居るのだが、最高速はマスカレードの方が早いのか徐々に引き離されていくイットーショー。
「マジかよ!?」
「沖野トレーナー、誤解してる様だから言っておくがイットーショーの最高速はそれほどでも無いぞ」
「いや、でも映像を見てると…」
「アイツが早いんじゃない、周りが遅くなるんだ!」
「???」
驚いている沖野に解説するホクオウガンバル。
だが、何を言いたいのかさっぱりなので頭に疑問符が浮かんでしまう。
「アイツは疲れ知らずでね、瞬間最高速こそそれ程だが常にそれを維持できる
筋肉とスタミナが桁違いなんだよ」
「………嘘だろ」
思わず咥えていた棒付きキャンディを落としてしまう。
先ず答えから言えばありえない。
人間が全力を維持できるのは2秒前後と言われるほど、例えウマ娘であろうが10秒少々が限界だ。
モーターを使った車のオモチャで例えれば、皆は電池とモーターを消費しドンドンとスピードが落ちていくのにイットーショーはそれが無い、常に新品状態で走っているのだ。
これがどれ程ありえない事か伝わるだろうか。
「ハッハッハッ………」
「苦しそうね」
「っ!」
2000mを越えた辺りで2人が並び、余裕綽々と言った感じで追い抜いていくイットーショー。
勝てない、マスカレードの脳裏にその文字が過った瞬間にゴールドシップは確信した。
「帰る」
「ゴールドシップさん!?」
「だってイットーショーの勝ちが決まっちまったしさぁ」
珍獣と称される彼女では有るが、また同時に超一流のウマ娘でもある。
負けが過った瞬間勝負は決まる。
もうマスカレードが勝つことはあり得ない以上、此処に居ても時間の無駄だと判断したのだ。
3600mの終わり間近、ゴールラインの寸前でイットーショーは突然反対方向を向いた。
マスカレードとの距離は10馬身を越えており、歩いてでも勝てるのだがそれ以上の屈辱を味合わせた。
「はぁ!?」
「おいおい!?」
「あれって!?」
「ム、ムーンウォーク」
頭に手を当てながら某レジェンドの代名詞なんて呼ばれたあの歩き方でゴールしたのだ。
その姿には誰もが唖然とし、そしてえげつないと思うのだった。
これをくらい引退を決意するマスカレード、こんなに悲しい事はない。
イットーショー
サポートカード
『五老夆の仙人』童虎
『秘伝の継承者』比古清十郎
『蝦蟇の大男』自来也
『東方不敗』シュウジ・クロス
『謎のトレーナー』ライナー・ブラウン
『時を越えた女』陽炎
前に感想でイットーショーのサポートカードが師匠固めになってそうって言われたので全力でネタに走ってみました
あくまでもネタですwww