馬、ウマ、うま!   作:ジャックマン

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今回はコメントを見て、そう言えば書いてなかった事を思い出した馬時代の話です。


日本のポケモン退治はどうやるんだ?

凱旋門賞

それは世界最高峰のレース

それは芝のチャンピオンを決めるレース

4歳以上の最強を決定する超一流のレースだ。

 

日本からも何年も何頭も参加しているが1度も優勝したことが無い。

参加した馬はエルコンドルパサー、マンハッタンカフェ、ゴールドシップ、サトノダイヤモンド。

他にも有名な馬が参加しては居るが記録は最高でも2位。

 

それ程までに凱旋門の壁は厚いのだ。

 

時期は10月、イットーショーも5歳を迎え準備万端。

意気込んで凱旋門へと挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国内無敗を誇るイットーショーが挑むからか、日本のテレビ局は我先にとイットーショーのプロモーションビデオを作った。

勿論公式も作った。

 

時代は違うのだが、公式の場合はやたらとカッコいい煽りを付けるのである時代のは非常に人気が有る。

「勝利より、たった3度の敗北を語りたくなる馬」

シンボリルドルフ

「その馬はわずか4度の戦いで神話になった」

アグネスタキオン

「天才を天才にした馬」

スーパークリーク

一部抜粋だが、これ程カッコいい。

そしてイットーショーにもカッコいい(?)煽りが付けられた。

 

「俺は敗北を知りたい」

 

カッコいい、カッコいいはずなのに映し出されてる映像はパドックでの超笑顔だ。

煽り文句がただの煽りにしか思えないレベルだ。

 

ちなみに、公式もファンも馬主でさえもイットーショーはこうやって良いと暗黙の了解が有り、一部の人は満面の笑みで走ってる絵や何故か二足歩行で走ってる絵を上げている。

 

閑話休題

 

話を戻そう、場所はフランス

パリロンシャン競馬場、そこには各国の超一流達が勢揃いしている。

そうなれば必然的にジョッキー達も超一流ばかりだ。

 

右を見ても左を見ても超一流、唯一二流なのは自分だけだ。

イットーショーのジョッキーである二階堂はやっと一人前と呼ばれるレベル。

勝利の大半がイットーショーのお陰であって、厳しい言い方だが凱旋門の舞台に立てるレベルではない。

 

そんな彼が何故イットーショーに乗ってるのか。

それはイットーショーの相棒だからだ。

奇行が目立つ気まぐれな最強、それが唯一背に乗せるのは一流のジョッキーではなく二階堂ただ一人。

馬としてはよくは無いが、だがその甲斐があるのかイットーショーは無敗神話を築いた。

 

ネットでは二階堂から変えろなんて声も多いが、本人はそれを納得している。

しかもこの地に居ること自体が間違いとさえ思っている。

 

此処はホースマンの夢の舞台。

野球で言うならメジャーリーグ、サッカーで言うならプレミアリーグ、テニスで言えばグランドスラムの舞台に立ってると言えば伝わるだろうか。

 

メジャーリーグに草野球の選手が、プレミアリーグに趣味がサッカーの人物が、グランドスラムの舞台に健康維持のテニスプレイヤーが来る。

それ程だ。

 

「す、スゲエ…スゲエ怖い…」

 

「ブルルル(落ち着け相棒、俺のスマイルを見て元気出せ)」

 

思わず弱気になってしまうがいつもの笑顔を見せるイットーショー。

その姿にパドックは沸き立つ。

 

「日本の馬はレースに勝つトレーニングじゃなくて芸を仕込んでたのか」「これじゃ勝てないよ」「此処でそれは許されない」「なんて可愛い、応援しようじゃないか」「あら素敵なスマイルね」

 

反応は様々だが、凱旋門の舞台に相応しくないと苦い顔をする者。

素敵だと好意的に思ってくれる者。

この様に分かれている。

 

そしてレースの瞬間を待つ馬の皆。

超一流と言えど緊張はするのか沈黙している。

そして順番が来たのでゆっくりとゲートに入った。

 

「7番イットーショー」

 

「またあのスマイルを見せてね♪」「日本の文化を見せてくれ!」「頑張ってねスマイル君♪」「応援してるからな~」

 

意外な事にあのスマイルの受けが良かったからか、応援してくれる人が声を出している。

そして運命の時を迎えた。

一斉に開くゲート、そして駆け出していく16頭の馬。

 

「さぁスタート!

各馬好調な滑り出しを見せて…おぉっと!

イットーショーが前に出た!

逃げるのか日本の無敗は凱旋門を越えれるのか!」

 

凱旋門賞は2400m、今までのイットーショーなら難なく走れる距離ではある。

だが、何故誰も凱旋門勝利の栄光を持って帰れないのか、それは全て此処に詰まっている。

 

(うわ走りにく!?)

 

この芝だ。

日本の芝と違い確りと伸びている芝は脚を獲られてしまう。

日本の芝は短くされており兎に角速くがモットー、そうなると筋肉量が増えて重くなり芝に沈んでしまう。

超一流の馬にこの芝、それが今まで一度も勝利出来ない理由なのだ。

 

実際に好走した日本の馬は450kg少々で、凱旋門賞を優勝した馬も少ししか違わない。

イットーショーの体重は500前後、つまり敗北する条件が整ってしまっているのだ。

 

「負けるな…負けるなよイットーショー」

 

(相棒!?)

 

小さな声でそう呟く二階堂。

抜け出したはずなのに既に後ろには4頭の馬。

追い抜かれるのも時間の問題、やはり今年もダメだったか。

 

競馬ファンだけでなく実況までそう思った時、イットーショーは加速した。

 

(走りにくい?普段よりスピードが出ない?

なら普段の倍以上筋肉使うわ!)

 

「なんと更に加速した!

引き離されるキャラメルキック、スワンウィン、コムドバキ!

まさかまさかまさかぁ!」

 

こうなったイットーショーは止まらない。

更に加速、限界まで加速、いや限界を超えて加速。

これを見た観客の1人はこう呟いた「光だ」

 

「な、なななんとなんとなんとコイツがやらかしたー!!!

一着イットーショー!

無敗の侍此処に見参!見よ世界よこれがイットーショーだぁ!」

 

疑い様の無い5馬身差での勝利。

これには観客は声も出ない。

勝つわけがない、そう思い一部の人以外は馬券を買っていないのだ。

最低人気、それが伝説を作り出した。

 

「中山の悪夢は島国を離れて凱旋門の悪夢に変わったぁ!!!

やはりコイツには日本は狭かった!

日本初の凱旋門を制した馬、その名はイットーショー!」

 

他の馬がゴールしてから沸きだす会場。

歴史上日本の馬が勝ったこと無いレースでの圧勝、しかもそれが笑顔を見せたふざけた馬なのだ。

 

(ほなお姉さんや、たんと見とき)

 

ウィニングランの最中、余所見をしたかと思うと何時もよりも輝く満面の笑み。

此処まで見せられたら誰も文句は言えない。

 

その日の競馬ファンはイットーショーの話題で持ち切りだった。

尤も、レースもなのだがあの凄まじい笑みを振り撒いてる姿が凄かったからだ。

 

こんな面白い事をメディアが放っておく筈もなく、イットーショーの馬主やジョッキーには連日連夜対応に追われてしまうのだった。




二階堂英
若手ジョッキー
イットーショーのジョッキーを勤めているが、本人は全てイットーショーのお陰であって自分の力はかなり下と評価している
イットーショーの相棒

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