最愛のあなたが、いない日々   作:おみのSS部屋

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第1章 会えなくなって
Op.0 別れ


美晴さんと離れる日……

その日の前日、美晴さんは大阪に泊まっていた。

理由は最後に、僕に会いたいからだった。

そう思ってくれていることが、何よりも嬉しかった……

 

「美晴さん、ごめん、遅くなったかな?」

 

「うふふ、マネージャーさんなら来てくれると思った」

 

「そんなの当たり前だよ」

 

時刻は10:00、今は新大阪駅にいる。

今日はここに集合しようというのを約束していた。

美晴さんと一緒にいる時間も残りわずかとなっていたが、そんなことは気にしていなかった。

ただ、緊張が走る。

 

その後は2人で思い出を語った。

AiRBLUEでのこと、僕と美晴さんだけの旅行のこと、いろんなことを話した。

どれもいい思い出で、そこに悪い思い出など一つもなかった。

実はこういうことは初めてで、正直びっくりしていた。

それは、きっと美晴さんだからなのかもしれない。

美晴さんとならどんなことでも乗り越えられるって思っているからなのかもしれない。

 

そして気づいたら11時になっていた。

「あ、もうこんな時間!」

 

「そろそろ……ホームに入ろうか」

 

「そうですね……」

 

少し早い気もするけどホームに入る。

改札を通った直後……

 

「マネージャーさん……手、繋ぎませんか?」

 

美晴さんが僕の耳元で囁く。

 

「うん」

 

そう答えると、美晴さんは僕の手を繋ぐ。

その手は暖かい。

ずっと、この温もりを感じていたい。

そう思った……。

それは、美晴さんも同じだった。

 

「わたし、マネージャーさんとずっとこのままでいたい……」

 

その横顔は寂しかったが、どこか決意の表れでもあった。

 

「うん、僕も美晴さんとこのままでいたい。この温もりを、ずっと感じていたい」

 

美晴さんに思っている全てを話す。

僕のありのままを話せるのが美晴さんで良かったなってずっと感じる。

 

そんな話をしていると……

 

「まもなく、22番線に、12時2分発、のぞみ21号、博多行きが到着いたします」

 

美晴さんが乗る新幹線のアナウンスが流れ始めた。

いよいよ、美晴さんとお別れの時がやってきた。

その時……

 

「マネージャーさん」

 

甘い声がした。

すると……

 

「ん……」

 

2人で新大阪駅で唇を合わせた。

このまま時が止まって欲しいと思った。

ずっとこのままでいたいと思った。

その時間は、いつもよりも長かった。

これから先、会えなくなってしまうからなのかもしれない。

そしてホームに新幹線が滑り込んできた。

その瞬間、ゆっくりと唇を離した。

美晴さんの目には涙があった。

 

「わたし、マネージャーさんのことが、大好きやけん」

 

美晴さんが初めて僕に見せた、博多弁。

多分、僕にだけしか見せないのかもしれない。

これが、本当の、夜峰美晴さん……

 

「うん、僕も美晴さんのこと、大好きやで」

 

ならばと思って僕は関西弁で答えた。

地方の方言の良さを一つ感じた瞬間だったし、これからも僕たちのありのままの素顔で。そんな風に思った。

 

新幹線のドアが開く。

2人で抱き合った。

これから先、しばらくは会えなくなる。

だからこれを、胸に刻もうと思った。

ゆっくりとくっついた体を離して……。

 

「22番線から12時2分発、のぞみ21号、博多行きが発車いたします」

 

このアナウンスが流れた。

 

「じゃあ、マネージャーさん、行ってきます」

 

「うん、気をつけてね」

 

そう最後に言葉を交わして美晴さんは新幹線に乗り込んだ。

そしてドアが閉まる。

その瞬間……

 

「ずっと……大好き」

 

甘い声で美晴さんが言った。

そしてドアが閉まる。

少しだけ、美晴さんの目には涙があった。

美晴さんを乗せて、12時2分、のぞみ21号は定刻通り博多駅へ向けて新大阪駅を出発した。




みなさん、こんにちは。おみです。
この度は「最愛のあなたが、いない日々 Op.0」をご覧いただきありがとうございます。
CUE!がサービス停止してから最初の投稿となりました。
さてこれから2人はどんな日々を過ごすのでしょうか?
みなさんお楽しみに!
次回は5/8.9と連日投稿します!(実は既にできてる)

それでは次話もお楽しみに!
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