Op.10 喪失
今日は、マネージャーさんの大学に来た。
もちろん、マネージャーさんには秘密で。
「マネージャーさん、どこにいるんだろう……」
わたしは広いキャンパスの中を巡っていく。
今日は木曜日。
マネージャーさんは「木曜日は一番忙しい」って言ってた。
だから今日はそっとしておこう。そんなふうに思った。
時刻は10:00、今は1限の時間帯。
マネージャーさんは「1限は講義がある」って言っていた。
そして「午後は実験」って言ってたから、キャンパスのどこかにはいるはず。
マネージャーさんにバレないように、キャンパス内を回っていく。
「広い……」
そのキャンパスは私の予想を超える広さだった。
マネージャーさん……こんな大学で学んでるんだ……すごいな……
改めて関心しちゃった……
だって大学で講義受けながら、わたしたちのお仕事もやってくれるんだもん……
「マネージャーさん、いつもありがとうございます」
その気持ちが素直に言葉になった。
それがすごく嬉しかった。
そんなことを思っていたら、気づけばお昼の時間になっていた。
マネージャーさんもお昼を食べにいくだろう。
どこかですれ違わないか確認していると……
「あ!」
マネージャーさんを見つけた。
でも、そのマネージャーさんはいつものマネージャーさんとは違っていた。
いつもは優しいオーラがどことなくあるが、そんなオーラは一切ない。
これが……本当のマネージャーさん……なのかな?
私は不安に襲われる。
そんなことを思いながらマネージャーさんはお昼を食べ終えたみたいで実験室に入っていった。
「実験終わるのは18:00くらい」ってマネージャーさんが言っていたので、それまで私はいろいろな場所を回っていた。
すると、なんだか懐かしく思えてくる。
わたしがここで過ごした日々の思い出を……
その余韻に浸りながら、時間は刻々と過ぎていく。
マネージャーさん、今頃どんな実験してるのかな……
そんなことを思っていた。
夜になって、マネージャーさんの実験も終わったみたいだった。するとマネージャーさんは図書館に向かう。
図書館の中にわたしは入れないので、外で待つことにした。
時刻は20:00を回ってもマネージャーさんは出てくる様子はなかった。
マネージャーさん、何してるのかな……
そんなことを思いながらマネージャーさんを待っていた。
すると、音楽が流れてきた。
どうやら、21:00で閉まるらしい。
そして、マネージャーさんを見つけた。
その顔は疲れきっていたように見えた。
いつもあんな感じなのかな……突如不安に襲われる。
マネージャーさんがいつも頑張ってくれているから、わたしもしっかりしなきゃって思うようになる。
マネージャーさんの家の方まで向かうことにした。ちなみにホテルは奈良市内でとっていて、すでにチェックインは済ませている。
だからマネージャーさんにバレないようについていく。
30分後、大和西大寺に到着した。
マネージャーさんはエスカレーターで上って乗り換えするみたい。
すると……
バタッ
と音がする。
少しざわざわとしている。
わたしがエスカレーターを上りきった時……
「……え?」
マネージャーさんは、倒れていた。
「マネージャーさん!しっかりしてください!マネージャーさん!」
わたしは必死にマネージャーさんをゆする。
でも返事はない。
顔がすごく赤くなっていて……
「え……すごい熱……」
わたしも体験したことのないくらいの高熱のような気がする。
マネージャーさん……なにがあったの……?
お願い……わたしだけでいいから……心の中にしまっているもの……全て開けて……
切実な願いだった。
その後わたしとマネージャーさんは、救急車で病院に運ばれた。
運ばれている間もマネージャーさんが目を開けることはなかった。
皆さん、こんにちは。おみです。
この度は「最愛のあなたが、いない日々 Op.10」を読んでいただきありがとうございます。
1ヶ月ちょっと投稿が空いてしまいました。いつも楽しみにしてくださっている皆さん、大変申し訳ないです。わたし自身疲れと、体のだるさの影響でなかなか書く余裕がありませんでした……。
さてこの回から新章になりました。是非、よろしくお願いします。
この秋、この物語が大きく動くので、どんな風に動くのか、是非読んでいただければと思います。
それでは次話もお楽しみに。