「バーカバーカ」
「……」
「あいつ、ウザっ」
僕は……いつしか1人になってた。
それに、いつしか慣れてしまっていた。
でもどこかで……1人にしないでほしいと思う時が何度かある。そういう時は話しかけてほしいとも思っている。
でも、そんな人なんているはずもなかった過去。
馬鹿にする奴も、何人もいた。
その度に心が傷つき、幾度か耐えられない時もあった。
どうすれば、僕のことを馬鹿にする奴らを見返せるのか……
それは、「自分が努力すること」という結論に至った。
口で言うのは簡単なのかもしれない。でも、これって相当難しいことだと思う。それは僕も知っていた。
そしていつしか、僕は学校の中では、心を開く場所を失っていた。つまり、感情を顔に出さない、ポーカーフェイスとなっていた。
それは、意識してやっているとかそういうことは全くな
く、自然とそうなっていた。怒りや悲しみも、表に出すことなど、ほとんどない。自分の心の中に、そっと閉じ込めるようになってしまっていた。
そこからは、1人でいる時間が多くなっていた。1人でいる時間が苦痛かと言われたら、そんなことは全くない。
ただひたすら、人に見えないところで頑張り続けていた。人に見られたくなかった。それだけ。
それでも、人に僕の努力を見られたくないって言う気持ちはだんだん薄れていっていた。努力すれば、必ず報われる。そう思っていた。けど、現実は残酷だった。努力したのに、それが報われない場面に直面してしまったのだ。それ以降、僕はずっと、みんなから隠れて努力をするようになってた。そのうちに1人でいる時間が多くなって、虚無感に駆られるようになっていた。どうしたら報われるのか、ずっと考えていた。
そうしているうちに、自分からどんどん追い込まれているような気がしていた……
それが今に繋がっている。
「んん……」
僕は病院の中にいた。
気付けば外は夜になっていた。
「あれ?なんでここに……?」
意識がなかった。あの時、たしかに近鉄で帰ろうとしていた。その途中で、意識がなくなった。
そこからは、どうなったのか、全く分からなくなっていた。
「ん……?」
誰かの暖かな手が、僕の手に当たる。
その温もりを、ずっと感じていたいと思えるような暖かさだった。
「美晴……さん……」
何でいるのか、わかっていなかった。
誰かにずっと監視されているような気はしていたけど……まさか、美晴さんだったの?
なんだか美晴さんに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
それと同時に、少しだけ胸が締め付けられる。
「んん……」
美晴さんがゆっくりと目を覚ます。
「起こしちゃった……?」
「マネージャーさん……」
「美晴さん……心配させてごめん……」
美晴さんは僕のことを強く抱きしめる。
「マネージャーさん……心配しました……急に倒れたから……」
「無理しすぎちゃった……ごめん……」
美晴さんに申し訳ない気持ちで頭の中がいっぱいになる。
すると、美晴さんが僕の唇を突然奪う。
僕はそれに戸惑った。
「ん……」
唇が触れ合った時、どこか心の底にあった痛みが、消えていくような気がした。
僕は1人なんかじゃないんだって気持ちが強くなる。
そして、親に対する反感が募る。
もうずっと、美晴さんと一緒にいたい。そんな気持ちが勝ってしまう。
僕の狂った音が、さらに狂っていくのか、調律されていくのか、わからないような感覚に襲われる。
「マネージャーさん」
「……ん?」
美晴さんはゆっくりと僕を抱きしめる。
その時、僕は1人なんかじゃないんだって思える。
狂った音が調律されていく気がした。
「ゆっくりしてください……」
甘い声が僕の心に響く。
いつしか自分だけじゃなくて、美晴さんにも辛い思いさせてしまった罪悪感に襲われる。
それでも美晴さんは何も言わず、優しく受け止めてくれる。
僕が美晴さんのパートナーでいいのかと不安になる。
肩に疲れがどっとくる。
その疲れを取ってくれるのは、今ここにいる……僕の最愛の人だけ……
その優しさを優しく受け止めて、僕は深い眠りについた。
皆さんこんにちは。製作者のおみです。
この度は「最愛のあなたが、いない日々 Op.11」を読んでいただきありがとうございます。
今の自分の気持ちや感情をありのままに出した回です。
体のだるさと、やる気のなさが今勝ちすぎててどうしようもないです……
いつも楽しみにしてくださっている皆さん、申し訳ないです。
あと、大学生になってメンタル面が崩壊してます。
なので、メンタルが壊れない程度に今後も頑張りますので、応援してくれると嬉しいです。
次話の投稿は11月2日の予定です。
ちょっとだけ期間が空きます。申し訳ないです。
それでは次話もお楽しみに。