それでもいいよと言う方は是非ご覧ください。
日に日にお兄ちゃんの体調は悪くなっていく。
私はそれがすごく不安だった。
だって、いつかお兄ちゃんは亡くなってしまう。
その日がいつかわからなかったから。
だから、10月からは毎日お兄ちゃんのもとに足を運ぶようになっていた。
足を運ぶ時間帯は毎日違ったけど、必ず運んでいた。
その度に今の状態とか、最近あったことを話すようにしていた。
そんなある日のこと……
病院から電話がやってきた。
「お兄さんの容態が悪化しました」
と連絡があった。
わたしはその時、大学院にいた。だけど、お兄ちゃんのことは放っていられなかった。
だから、講義の途中で抜けて、お兄ちゃんのもとに駆けつけた。
大学院からは1時間くらいかかる。
それまでにお兄ちゃんが息を引き取らないでほしい。それをただただ願うばかりだった。
そして、お兄ちゃんがいる病院に着いて、部屋に入る。
「お兄ちゃん!」
お兄ちゃんはびっくりしていた。
「みはる……どうして……」
お兄ちゃんの声に力はなかった。
「だって……だって……」
「泣くなよ……俺まで悲しくなるじゃないか……」
「お兄ちゃんのそばに……もっといたいから……」
気づいたら私はずっと泣いていた。
今の思いが言葉になった。
それに驚いていた。
「ごめんな……みはる……」
「ううん……お兄ちゃんにずっと負担ばっかりかけて……わたしの方が謝らないといけないのに……」
「でも、こうして、美晴と話してる時間が……僕は一番幸せ……」
わたしの涙は止まらない。止まることを知らない。
(もう……お兄ちゃん……ずるいよ……)
「うん……わたしも……お兄ちゃんと話してる時間が……好きだよ……」
これは、紛れもない事実。
だって……だって……お兄ちゃんはいつもわたしのことを気にかけてくれる。
それが、何より嬉しい。
なんだか、わたしの心の中でお兄ちゃんとの別れる時間がタイムリミットのようになってくる。
それがわたしの胸を締めつける。
「みはる……」
「はい……?」
お兄ちゃんがわたしに向かって、一つの袋を差し出した。
「これは……?」
「一足早い……」
そう言いかけたところで、ピコン、ピコンとなっていたものが、急に止まった。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
わたしは必死に叫んだが、お兄ちゃんがそれに答えることはなかった。
わたしのお兄ちゃんは帰らぬ人となった。
11月2日のことだった。
わたしを襲った突然の別れ。
もっとお兄ちゃんと話をしたかった。
楽しかったこと、嬉しかったこと、寂しかったこと……
その全てが思い出だったから。
わたしが辛い思いをした時、誰よりも心配してくれたのはお兄ちゃんだった……。わたしはそれに何度救われたのだろう……。
でも、これからはお兄ちゃんはいない。
わたしはどうしたらいいのだろう……
「お兄ちゃん……」
わたしはずっと泣いていた。
まるで、子供のころのわたしのように。
全身の力が抜けて、そばでは看護師さんがずっと見守ってくれていた。
わたしのこころにぽっかりと大穴が空いた。
その日は家に帰ってからも、ずっと泣いていた。
外は雨が降りしきる。
わたしは1人、途方に暮れていた。
マネージャーさん……わたしを……助けて……
届くはずのない願いが、今だけ届いて欲しかった……
皆さんこんにちは。執筆者のおみです。
この度は「最愛のあなたが、いない日々 Op.12」を読んでいただきありがとうございます。
少し話が飛んでしまいました。皆さん本当に申し訳ないです。
僕自身なかなか書く時間がなかったが故にこうなってしまいました……
少しだけお話しすると、2日というのは、僕のおじいちゃんの月命日でもあるんですよね。(月は11月ではないですけど)
実際のところ半年は経ってないですけど、約半年ということで、この日にしました。
さて物語はまた少しだけ飛びます。
次回は12月21日です。
そして、この小説の最終話になります。
この小説の最終話ですが、続きのお話は現在執筆中ですので、続編をご期待ください。
それでは次回、感動(?)の最終話をお楽しみに。