6月のある土曜日。
僕はその日バイトを休みにして、博多に行くことにした。
その日は、新幹線で博多へ向かった。
ちなみに、僕は仁さんの顔を知らないので、僕の顔を仁さんに見せて、「仁さんから話しかけてください」というお願いをした。
仁さんも快く引き受けてくれたのだ。
仁さん、どんな人なのかな……
期待と不安を抱きながら新幹線は博多にたどり着いた。
空気は少し重い。
あの日以降、美晴さんと話せていなかったから。
「美晴さんと、会いたいな……」
そんなことを思いながら、改札をくぐり抜ける。
するとそこには……
「マネージャー、いらっしゃい」
仁さんが暖かく迎え入れてくれた。
「おつかれさまです。こちらこそ、ありがとうございます」
「いいよ、気にしないで」
すごく優しそうで、おおらかな方だ。
僕はそんな仁さんを見ているとホッとしていた。
何故なら怖い人ならどうしようとか考えていたから……
でも、その心配はいらなさそうだ。
「ところで、何故今日は僕をここに?」
実は僕は何故博多に来たかはわからない。
仁さんに呼ばれたから来た。ただそれだけ。
今回は「やりたいことがある」と仁さんが言っていたので、プランを仁さんに任せることにした。
だから、仁さんが何をしたいかはわからなかった。
「それはー」
仁さんが何をしたいかを、聞いた。
「でも、それをどうして?」
「それなんだけど……」
仁さんが少し言いにくそうにしながら、口を開いた。
「僕、癌が今あって、余命半年と宣告されたんだ……」
「そ、それでこれを僕と……」
「こんな僕のことに付き合わせてごめん。でも、これをマネージャーとやりたい……」
「わかりました。やりましょう」
これは今しかできない。
だったら仁さんの要望を叶えてやりたい。
そう思い、僕は仁さんについていく。
ちなみに、お金については、仁さんから「心配しないで」と言われた。
大丈夫なのかなと不安になるけど、仁さんは社会人だから大丈夫だと思っていた。
お昼は仁さんが「僕は病院で食べるから、自分で食べてね」って連絡があったのでお昼は駅弁を食べた。
「ふー……たくさん買いましたね……」
「ごめんねこんな買い物に付き合わせて……」
「いえいえ、仁さんが後悔しなければ僕はそれで十分です。きっと、美晴さんも喜んでくれると思いますよ」
「美晴に思いが届いているといいな……」
ちなみに買ったものは、僕がすべて持っていた。
だって仁さんに持たせるわけにはいかないから。
「マネージャー」
「はい?」
「お願いなんだけど……」
「なんでしょう?」
「今日買ったもの、後日郵送してもいいか?」
「わかりました」
仁さんが何をしたいかはまったくもってわからなかった。
それでも、美晴さんのために……という思いだけはわかる。
僕ら2人は病院にたどり着いた。
荷物を近くのテーブルに置く。
「じゃあこれは後日郵送で……」
「準備出来次第、よろしくお願いします」
「それと……お願いがある……」
「お願い……ですか?」
仁さんは僕の手を握る。
その握りは力強かった。
「美晴を幸せにしてほしい。今日出会ってわかったことがある。マネージャーなら美晴のことを幸せにできるって」
もちろん、それは考えている。
美晴さんを幸せにする。これは僕の使命だと思っているから。
でも、仁さんにそういうことを言われると、よりその思いが強くなる。
僕も握り返す。
「わかりました。美晴さんは僕自らの手で幸せにします。なので、応援してくれると嬉しいです」
はっきりした言葉で言い返した。
皆さん、こんにちは。おみです。
この度は、「最愛のあなたが、いない日々 Op.6」を読んでいただきありがとうございます。
ついに僕が博多で仁さんと会ってきました。
まぁ、現実では行ってないですけどね(笑)
最近学畜が忙しいですので……
博多も行きたいなとは思ってますけどね(笑)
さて、本編でここからは少しだけ日常のお話がメインとなります。
夏まではその話が多くなりますが、是非最後まで読んでくださると嬉しいです。
それでは次話もお楽しみに