8月のある日……
「ああ〜試験終わった〜」
この日は試験が終わった日だった。
みんなと話しながら外を歩いている。
「じゃあね」
「あれ?帰るの?」
「うん、ちょっと寄りたいところがあるから」
「そっか、行ってらっしゃい」
友達に見送られながら、僕は大学を後にする。
テストは無事受けることができたのでまずは結果どうこうよりも、受けれたことが何よりホッとしていた。
そんな気持ちも束の間……
「よし……」
壊れた音を修復した僕はこの日、切符片手に出かけていた。
この日は夏休みの火曜日だが、人は少なかった。
やってきたのは……
「涼しい〜」
山奥にある、とある駅。
まずはここで撮影をする。
「やっぱり速いな……」
撮影を終える。
この駅は智頭急行線恋山形駅。
この駅は一度美晴さんとも行ったことのある駅。
この駅で何をするのか。
それはもう決まっていた。
僕はピンク色のポストに1つの封筒を入れた。
そう、美晴さんに手紙を送ることにしたのだ。
この恋山形駅近くにあるポストに入れると、山形郵便局の人が受け取った際に、封筒にハートマークのシールを押してくれるとのこと。
だから、ここにしたんだ。
そして、恋山形駅で願い事も書いた。
その願い事は……
8月のある日……
「美晴〜手紙が来てるよ〜」
「ありがとう……」
わたしのところにやってきたのは、1つの封筒。
その封筒はピンク色をしていた。
「何だろう……これ……」
裏面を見てみると……
「え……?ハートのシール?」
ハートのシールが貼られていた。わたしはそっと封筒を開ける。
その中には……
「……!」
マネージャーさんからの手紙だった。
その手紙にはこう書かれていた。
美晴さんへ
元気ですか?
忙しいから、何もすることなく夏を迎えてごめんね。
でも、テストは無事に終わったから、今はちょっとホッとしてます。
最近、ピアノを弾いていると、どこからか美晴さんがピアノを弾いている時の音が、聞こえるような気がしてます。
届くはずのないのに……何でだろう……
ちょっと不思議だよね……
また美晴さんのピアノを聴きたいし、一緒に弾きたいな。
美晴さんの優しい音を、ずっと……響かせて……僕がその音を、調和するから……
美晴さんのその時の想いに合わせて……
最後になったけど、誕生日プレゼント、渡せてなくてごめんね。
郵送でもいいんだけど……僕はやっぱり、僕の手から、美晴さんの手へ渡したい。
だから……もうちょっと待ってて……
手紙、不器用でごめんね。
でも、最後まで読んでくれてありがとう。
また美晴さんと一緒に、声優を目指して、歩んでいく日々を待ってる……だから美晴さんも、待っててくれると嬉しいな……一緒に声優目指そうね……
P.S
美晴さん、愛してる。
「マネージャーさん……ずるいよ……」
わたしの目からは涙が零れ落ちていた。
マネージャーさん……わたしのこと、本当に大切に思ってくれていた……
こんなわたしのことを……嬉しい……
わたしはマネージャーさんからの手紙をそっと封筒に入れた。
手紙だからこそ伝わる想い。それを、感じた……
マネージャーさんの1文字1文字が……すごく嬉しい……
わたしは青い空を見上げる。
「マネージャーさん……手紙……ありがとうございます……わたしも……マネージャーさんのこと……愛してます……」
この声はマネージャーさんには、届かない。
でも、想いだけは届いてほしい。そう思いながら呟いた。
ー8月3日ー
「最愛の彼女に、手紙と想いが届いていますように」
僕は恋山形駅で願い事にこう書いた。
あれから数日が経った。
今日も、また新しい1日が始まってく。
「おはようございます」
皆さん、こんにちは。おみです。
この度は「最愛のあなたが、いない日々 Op.8」を読んでいただきありがとうございます。
智頭急行線、恋山形駅近くのポストに入れると、ハートのシールを押してくれることで有名なので、もし手紙を好きな人に送りたいという際は、ぜひ恋山形駅に足を運んでみてほしいと思います。また、絵馬に願い事も書けますので、是非書いてみてください(ただし、ペンを必須で持参してください)
さてこのシリーズについてですが、少しお休みします。
理由は、日程調整のためです。
次回は8月25日投稿を予定していますので、皆さんお楽しみに!
学生の皆さん、いい夏休みをお過ごしください。
それでは次話もお楽しみに!