最愛のあなたが、いない日々   作:おみのSS部屋

9 / 14
Op.8 Letter

8月のある日……

 

「ああ〜試験終わった〜」

 

この日は試験が終わった日だった。

みんなと話しながら外を歩いている。

 

「じゃあね」

 

「あれ?帰るの?」

 

「うん、ちょっと寄りたいところがあるから」

 

「そっか、行ってらっしゃい」

 

友達に見送られながら、僕は大学を後にする。

テストは無事受けることができたのでまずは結果どうこうよりも、受けれたことが何よりホッとしていた。

そんな気持ちも束の間……

 

「よし……」

 

壊れた音を修復した僕はこの日、切符片手に出かけていた。

この日は夏休みの火曜日だが、人は少なかった。

やってきたのは……

 

「涼しい〜」

 

山奥にある、とある駅。

まずはここで撮影をする。

 

「やっぱり速いな……」

 

撮影を終える。

この駅は智頭急行線恋山形駅。

この駅は一度美晴さんとも行ったことのある駅。

この駅で何をするのか。

それはもう決まっていた。

僕はピンク色のポストに1つの封筒を入れた。

そう、美晴さんに手紙を送ることにしたのだ。

この恋山形駅近くにあるポストに入れると、山形郵便局の人が受け取った際に、封筒にハートマークのシールを押してくれるとのこと。

だから、ここにしたんだ。

そして、恋山形駅で願い事も書いた。

その願い事は……

 

 

8月のある日……

 

「美晴〜手紙が来てるよ〜」

 

「ありがとう……」

 

わたしのところにやってきたのは、1つの封筒。

その封筒はピンク色をしていた。

 

「何だろう……これ……」

 

裏面を見てみると……

 

「え……?ハートのシール?」

 

ハートのシールが貼られていた。わたしはそっと封筒を開ける。

その中には……

 

「……!」

 

マネージャーさんからの手紙だった。

その手紙にはこう書かれていた。

 

美晴さんへ

 

元気ですか?

忙しいから、何もすることなく夏を迎えてごめんね。

でも、テストは無事に終わったから、今はちょっとホッとしてます。

 

最近、ピアノを弾いていると、どこからか美晴さんがピアノを弾いている時の音が、聞こえるような気がしてます。

届くはずのないのに……何でだろう……

ちょっと不思議だよね……

また美晴さんのピアノを聴きたいし、一緒に弾きたいな。

美晴さんの優しい音を、ずっと……響かせて……僕がその音を、調和するから……

美晴さんのその時の想いに合わせて……

 

最後になったけど、誕生日プレゼント、渡せてなくてごめんね。

郵送でもいいんだけど……僕はやっぱり、僕の手から、美晴さんの手へ渡したい。

だから……もうちょっと待ってて……

 

手紙、不器用でごめんね。

でも、最後まで読んでくれてありがとう。

また美晴さんと一緒に、声優を目指して、歩んでいく日々を待ってる……だから美晴さんも、待っててくれると嬉しいな……一緒に声優目指そうね……

 

P.S

美晴さん、愛してる。

 

 

 

 

「マネージャーさん……ずるいよ……」

 

わたしの目からは涙が零れ落ちていた。

マネージャーさん……わたしのこと、本当に大切に思ってくれていた……

こんなわたしのことを……嬉しい……

 

わたしはマネージャーさんからの手紙をそっと封筒に入れた。

手紙だからこそ伝わる想い。それを、感じた……

マネージャーさんの1文字1文字が……すごく嬉しい……

わたしは青い空を見上げる。

 

「マネージャーさん……手紙……ありがとうございます……わたしも……マネージャーさんのこと……愛してます……」

 

この声はマネージャーさんには、届かない。

でも、想いだけは届いてほしい。そう思いながら呟いた。

 

 

ー8月3日ー

 

「最愛の彼女に、手紙と想いが届いていますように」

 

僕は恋山形駅で願い事にこう書いた。

あれから数日が経った。

今日も、また新しい1日が始まってく。

 

「おはようございます」




皆さん、こんにちは。おみです。
この度は「最愛のあなたが、いない日々 Op.8」を読んでいただきありがとうございます。
智頭急行線、恋山形駅近くのポストに入れると、ハートのシールを押してくれることで有名なので、もし手紙を好きな人に送りたいという際は、ぜひ恋山形駅に足を運んでみてほしいと思います。また、絵馬に願い事も書けますので、是非書いてみてください(ただし、ペンを必須で持参してください)
さてこのシリーズについてですが、少しお休みします。
理由は、日程調整のためです。
次回は8月25日投稿を予定していますので、皆さんお楽しみに!
学生の皆さん、いい夏休みをお過ごしください。
それでは次話もお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。