魔法少女 ヒェアデーモンコア! 作:北の倶利伽羅
夜9時。実家の辺りだともう終電も行っちゃった後だろうが、東京ではまだまだ走ってるらしい。俺たちは今、そんな電車の一本に乗っていた。
「そういやゼリイム!魔法少女に変身するだけなのに何で隣の県に行かなきゃならないんだ?」
「対戦相手のモンスターがこの辺だとあそこくらいにしか居ないからだンッグプィィィィィ!アレを呼べる場所は精霊指定都市だけなんだンッグプィィィィィ…」
「せめて東京23区にくらい呼べるようにしろや…」
そんな事を話していると、あっという間に列車は目的地の大葉駅(千玉県千たま市中宮区)に到着した。改札を出て駅前広場に向かうと、そこは帰宅途中の人でごった返していた。
「こんな人混みの中で変身なんてして大丈夫なのか…?」
「この情報社会に対抗する魔法少女の身バレ対策を舐めないでほしいンッグプィィィィィ!」
②変身シーンと戦闘はマジックフィールド内で行われます 隠蔽効果があります
③終わったら周囲の人間の記憶を消します
「これらの対策が為されているから安心ンッグプィィィィィ!」
「③あるなら①と②要らなくね…?」
「何重にも対策をしておかないと何かあった時に痛い目を見るんだンッグプィィィィィ…それはそうとそろそろ変身するンッグプィィィィィ!21:30からLIVE配信するンッグプィィィィィ‼︎」
「クソが 勝手に人の予定を決めやがって 殺すぞ」
などと言いながらも魔法のシャーペンを2回ノックしたら、周りの人が光り始めて変身が始まった。
『落ちる塊 触れる半球 賢者も愚者も等しく滅ぶ 蒼き光は殺しの光』
「えっ…突然シャーペンが喋り始めたんだが…怖っ…」
「そういう仕様だンッグプィィィィィ」
その直後、身体が光り、粘土のように形を変えた。そして目を開くと、俺は少女の姿になっていた。
「何このチェレンコフ光みたいな髪の色は…」
「それが君の変身した姿だンッグプィィィィィ!早くその力を使ってあのオークを倒すンッグプィィィィィ!」
「えぇ…つってもどうすれば…」
瞬間、俺の脳裏に溢れた訳の分からないリスト。
セット
・第一回事故再現キット
内容物:プルトニウム塊、炭化タングステンブロック
・第二回事故再現キット
内容物:ベリリウム製半球×2、プルトニウム塊、マイナスドライバー
単品
・プルトニウム塊
・炭化タングステンブロック
・ベリリウム製半球
・マイナスドライバー
「えぇ…(困惑)デーモンコアが武器とか頭おかしなるで」
「とりあえず何とかしてあの敵を倒すンッグプィィィィィ!そうしないと収入減るンッグプィィィィィ!」
「クソッ!マイナスドライバー召喚!」
様子見でマイナスドライバーを投げてみると、意外と深々と刺さった。
「しゃあっ なめるなクソブタァッ」
「なんで平然とマイナスドライバー投げてるンッグプィィィィィ…?」
「某いじめられっ子に憧れて投げアイスピックの練習してたからな…んじゃとっとと終わらせるか」
マイナスドライバーをいくつか召喚、敵に投げて突き刺す。痛みでのたうち回っている所へ、頭上に炭化タングステンブロックを召喚して頭を強打。哀れなオーク君は塵になっていった。
「よっしゃ倒したぜ!それで今日の収入はいくらだ?」
「え〜大変言いづらいンッグプィィィィィが…108円だンッグプィィィィィ…」
「てめぇぇぇぇ‼︎‼︎‼︎」
「痛ぁぁぁぁぁぁぁンッグプィィィィィ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
今日一番のマイナスドライバーが、精霊に深々と突き刺さった。
いや〜もしかして俺って魔法少女の才能あるのかも?そう思っていた時に突如襲いかかるピンチ!次回「同業遭遇!」大学の授業は高校の復習が終わったらフルスロットルだぜ!