敵(ヴィラン)個性でもヒーローになってやる   作:マーボーDon

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初めまして!
結構自己満足的な作品ですが面白いと思ってもらえるように頑張ります!


第1話

世界総人口の約八割が何らかの『特異体質』である超人社会となった現在。

人々には個性と呼ばれる力が根付き、その力を悪用する犯罪者『(ヴィラン)』と、取り締まる『ヒーロー』が群雄割拠する時代。

個性は遺伝する。

親から子へ、子から孫へ。

その度に違う個性が混ざり、変異し、個人としての色のようにオンリーワンなものとなる。

しかし、すべてがそうではない。

極まれに個性を持たない『無個性』と呼ばれる状態でが生まれもする。

またそれとは別に親とは全く違う個性で生まれる子供も存在する。

 

『突然変異』と呼ばれるそれは時に悲しい現実となる。

親と同じだと思った個性を発現させ、その制御に失敗し、取り返しのつかないことになることもある。

もしくは個性そのものに全く理解を示してもらえず親から捨てられる事象もある。

なぜそんなことを説明するか?

簡単だ。俺がそういう待遇だからだ。

 

俺の親の個性は物の軌道を変化させるのと、指から光を出せる個性。

その二人から産まれた俺が持っていた個性はなんだと思う?

俺の個性は親から想像できるようなものでは全くなかった。

 

 

 

 

俺の個性は『(ホロウ)』 白く恐ろしい怪物の個性だった。

 

 

 

 

 

「行くのか?」

 

「もちろん」

 

今から試験会場に向かおうとする息子に、義父が声をかけてくる。

 

「険しい道だぞ。お前がヒーローを目指すこと」

 

「知ってる。でも行くさ。俺のやりたいことのために」

 

息子は義父の言葉を聞いてなお考えを改めることはしない。これはずっと二人の間で交わされてきた話だった。

男は息子の父親の友人だった。15年前、友人との飲みの席で聞いた話に激怒し、無理矢理話を聞きだして施設に置き去りにされたその子供を引き受けて養子にした。

愛情は注いだ。成長し分別がついたころ、息子には本当のことを話した。

両親のこと、個性のことを。隠すことなくすべて。

 

息子がヒーローにあこがれていることは知っていた。

だが応援はできない。いつか彼らにあってしまうから。

 

「別にどうも思ってないし、どーでもいいんだけどなぁ」

 

「あいつらがどう思うかは別だ。お前は目立たずに生きてほしいんだよ」

 

「そりゃ無理だ」

 

息子はケラケラと笑う。心配など関係ないというように。

 

「決めたら一直線。義父(とう)さん譲りだから」

 

「…気をつけてな」

 

息子はサムズアップしてから家を出る。見送ることしかできない義父。

いばらの道になろうとも、その先を行く自慢の息子を見つめて。

 

 

****

 

 

国立雄英高校

 

 

 数多くのヒーローを輩出している有名校。そのヒーロー科は難関といわれているが、それでも競争率は高い。東日本では最大のヒーロー育成機関だ。西日本には士傑高校という学校も存在するがまぁ今は関係ない。

 

「でけー門」

 

入試のため来ている人の数はどこかのドームを埋めれそうなほどだ。

全員がヒーロー科というわけでもないだろうが、それでも高々高等学校の入試なのだとすれば規模の大きさがわかるだろう。

 

「白夜」

 

「お、人使じゃん。いよいよだな」

 

声をかけてきたのは同じヒーロー志望の心操人使だ。

中学の同級生で同じクラス。関係性は友人ってところ。

 

「受かるかな」

 

「そんな気持ちじゃ受かんねぇぞ?」

 

そう声をかけてから門をくぐり、会場に向かう。

人使と仲良くなったのはシンプル、個性に関して馬が合ったから。二人とも敵っぽい個性でもヒーロー志望ってことで仲良くなった。

 

「まぁ、駄目でも普通科あるし」

 

「それでいいのかよ。俺はぜってぇヒーロー科受かってやる。んでもってやりたいことを実現する!」

 

「ベストは尽くすさ」

 

その後別会場ということで人使とは別れ、自身の会場に向かう。

今日行われるのは実技試験。筆記は別日にすでに終了。

国内トップクラスの学校なので、筆記問題も簡単ではない。

それでも何とか終了させて今日。

 

会場内はすでに多くの試験参加者で埋まっていた。

ここだけで100人近くはいるように見える。

こりゃ大変だなおい。

 

「隣失礼」

 

「あ、ごめんね」

 

「いや、大丈夫」

 

隣は髪の毛をサイドテールでまとめている女子だった。

まぁその後会話などあるわけもなくそのまま説明に入る。

 

説明を行っているのはセメントス。

災害救助などで活躍しているヒーローだ。

入試要項は次の通り。

・各演習会場ごとに10分の模擬演習を行う。

・会場の中にいる仮想(ヴィラン)を倒していくことでポイントが加算される。

・仮想敵は0ポイントのものが存在する。

 

恐らく加算されたポイントがそのまま点数なんだろうが、問題は最後の0ポイント敵。

何が出るかはお楽しみだと言われれば気にもなるがそれ以外は特になし。

質問事項を挟んですぐに会場に向かうことになった。

 

 

****

 

 

「でけー。なにこれ」

 

実施試験会場は思った以上に大きかった。

え、なにこれ。田舎の駅前より市街地してるじゃん。

雄英金あるのなぁ。敷地面積どんだけあんだよ。

いくら山の上の学校だからって。

 

『スタート』

 

どこからともなく聞こえたその声に反応して駆け出す俺。

まわりは立ち止まっているが、問題ないよな?

 

『ヒーローにカウントダウンなんてないよ。早くしないと』

 

優しい声だが言葉は辛辣。

他の受験者たちも慌てて動き出した。

 

『ブッコロス!!』

 

目の前には仮想敵。緑のメカだがこれ壊していいのかよ。やっぱ金あるんだなぁ。

まぁこんなところで全力出す気もないからまずは小手調べ。

俺は掌に意識を集中させる。

そうすれば掌は白く、そして爪は鋭く尖り異形のものとなる。

サイズが極端に大きくなるわけではないが強度は増し力も強くなる。

 

『ブッコロ』

「うっせぇ!」

 

仮想敵の腹部、一番もろそうな同線部分を狙い腕を横に振って一線。

ちぎれたことで仮想敵は動きを止める。

この調子ならそのまま行けそうかな。

そう思いながらもわらわらと集まってくる敵を破壊して先へ進む。

10分しかないし速度上げるか。

 

「うぉ!?」

 

敵を探して移動していると倒れてしまいそのまま敵に囲まれているやつがいた。

見過ごすわけにもいかないので

 

「大丈夫かっ!」

 

掌行った強化を今度は足先に行い敵の集団を回し蹴りで対処する。

まだ制御がうまくいかないから足裏で飛ばすように意識するため少し時間がかかっちまう。こういう時に感じるけど制御域増やさねえとな。

少なくとも腕とか膝下とかくらいまで。

 

「あ、ありがとう…」

 

「気にすんな、気をつけろよ」

 

そう伝えてその場を後にする。こんだけ人がいりゃその分敵も多くなるわな。

さてその後も困ってそうな人が入れば助けながら仮想敵を倒していく。

気が付けば35体くらいになるか?途中から数えるのはやめたけど。

 

『残り3分ー』

 

 

会場に響く声。残り時間を知らせるセメントスの台詞に息を吐く。場内はどこもかしこも乱戦状態。全員が一つでも多くのポイントを必死になっている。

そういや0ポイント敵はいつになるのかね。

そろそろ終わり、なんて考えていれば、だ。

 

ドオオォォン!!

 

会場にド派手な音が響き渡る。

 

「まじかよ!?」

 

誰かが言ったその言葉がその場にいた全員の心境を表していた。

目の前には今まで倒してきた仮想敵の数十倍の大きさを誇る超巨大敵。

お邪魔虫ってこういうことかよ!?

その姿をみて逃げ惑う人でできる波。逃げ惑う受験者たち。

だがその波に乗れない人間はどうなるか。

 

俺の目に映ったのは立ち尽くす受験者の姿。

ここまでで疲労が溜まり、呆然としてしまっている。

 

「あんた!逃げないと!」

 

そんな人に声をかけるのは先ほどの説明時に隣に座っていたサイドテールの女子だった。

なんとか誘導しようとするが目の前の超巨大敵にも目が離せない、そんな状況だった。

んー、ちょいとあれぶっ飛ばすかな!!

 

「おい!そこのサイドテール女子!」

 

「え、ってさっきの」

 

「話はあとだ。こいつは俺が何とかするからお前は避難誘導に専念しろ」

 

「はぁ!? あんなのどうすんのさ!」

 

「いいから早く!」

 

俺の言葉に耳を疑い戸惑うのも強めの声で制して非難するように呼び掛ける。

まぁ普通に考えりゃあんなのに勝てるわけねぇわな。

さて、本気出しますか。

 

「人もいなくなったし恐らく見てるのは学校関係者だけ。なら先に見せといていいか」

 

掌を顔に向けて覆うようにしてイメージする。

顔を覆い、纏うイメージ。力が全身に行きわたるイメージ。

数秒もすれば俺の顔を覆う仮面ができる。

ただの仮面ではない。人骨のようで、左側(人から見ると右だが)に赤い刃物のようなラインの入った仮面だ。

そして俺の瞳は通常の白黒から黒と黄色の瞳になる。

 

『仮面状態』今俺の出せる最大火力。切り札。

 

その状態から足に力を入れて飛び上がる。そのまま向かうは巨大敵の眼前。

 

「寝てろ!!」

 

右拳を振りぬきそのままカメラになっているであろう球体を押し潰す。

そのまま大きな風圧を生み出し、敵は勢いそのままにのけぞり倒れる。

その結果爆音を響かせながら倒れてしまった。粉砕は無理かぁ。

よし、と思っていれば気が付いた。

 

「着地考えてなかったぁぁ!!!!!」

 

この状態の継続時間は最大10秒。

つまり俺は今絶賛落下中だ。

骨折で済むかなぁ、なんて考えて覚悟していたら何かに掴まれた。

 

「あんた馬鹿でしょ」

 

「初対面で馬鹿とは失礼な」

 

目を開ければサイドテール女子が目の間に。

つか何この掌、でっか。

 

『そこまで!実技演習終了!!』

 

とそのまま試験は終了。

最後は女子の手の中というなんとも格好つかない結果に終わった。トホホ。

 

「受かってんのかなー」

 

「待つしかないでしょ。お互い受かってたらまたね」

 

「おう、またなー」

 

デカ手女子と別れそのまま帰路へ。

受かってるといいなー。

 

 

****

 

 

試験後、雄英校内での合格者の選定会

 

「今年は豊作ですね。1位は敵ポイントのみでこれとは、センスの塊だな」

 

「あとは救出ポイントだけで60ポイントの子もすごいわね」

 

「こいつもすげぇ!敵ポイント35に救出ポイント40!」

 

「超巨大敵を殴り飛ばしたはいいけど、市街地の被害を考えていればねぇ。

それにただ個性が敵っぽいのよね。大丈夫かしら?」

 

「そこを正し導くのも僕ら教員の仕事なのさ。

入試1位とはいかないけれど、この結果を見れば落とすことなどありえないのさ!」

 

「なら時間もありませんし組み分けを始めましょう」

 

「負けんぞイレイザー!」

 

「なんの勝負だ」

 

その日のうちに合格者と組み分けが決定された。

 

入試実技試験

敵ポイント  45P 

救出ポイント 30P

 

今年度の入試第2位を記録したその男の名は、虚影(きょえい)白夜(びゃくや)

 

これは彼のヒーローになる物語。

 




読了ありがとうございます!
感想などあると嬉しいです!

10話までは朝夕で毎日2話投稿予定ですのでお楽しみに!

仮面にイメージは一護のものとなりますのでご了承ください。



ヒロインは誰がいいですか?(その他はコメントください!)

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  • その他
  • え、ハーレムかけよ
  • いらない
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