敵(ヴィラン)個性でもヒーローになってやる   作:マーボーDon

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どうも!
もう10話ですね、早い。
楽しんでいただけると嬉しいです!

誤字報告、感想ありがとうございます!
励みになります。


第10話

雄英高校委員会制度

 

ヒーロー科、普通科、経営科、サポート科の四つの学科のある雄英では生徒会などは存在せず、各々のクラス委員が連携することはほとんどない。

 

ただ保険委員や図書委員、飼育委員など全体としてローテーションを組む必要のある委員会によっては年に何回か集まりがあるようだ。

そして俺の入った美化委員もその一つらしい。

 

担当はスナイプ先生。今回はこれからの2週間についてだった。

 

「例年、雄英体育祭の時期は生徒の気持ちが昂り、各エリアで皆が調整に入る。そのため人の往来の多い場所ではゴミが落ちていると報告がある。美化委員は開始までの2週間校内の見回りを行う。といってもそこまで時間をかける必要もない」

 

ということで二人一組で校内を周り目立つゴミがあれば回収することになった。一年生は三年生と組むことになっておりそこから色々と聞けって話だろう。

で、俺のペアになるのは、

 

「俺、通形(とおがた)ミリオ! よろしくぅ!」

 

「虚影白夜です、よろしくお願いします」

 

通形先輩だった。すごい明るい人だな。オールマイト先生に近しい何かだわこれ。

 

「案内するから行こうか。あ、その腕大丈夫?」

 

「ええ、今日で外れる予定なので」

 

そっかといいつつも袋は先輩が持ってくれた。そのまま校舎周辺を回ってごみを探す。

 

「こういうのヒーローの巡回に似てるよね」

 

「そうなんすか。ん、通形先輩ってそういうのしたことあるんですか?」

 

「もちろん、ヒーローインターンでサーの所に行ってるからね」

 

インターン、聞いたことない単語だな。どんなことをするのか聞いてみた。

 

「一年生にはまだ早いんじゃないかな。仮免があって初めて出来る制度だし。

実際のヒーロー事務所でヒーロー活動を実践するんだ!」

 

そんな制度あったのかよ。でも仮免取得か、来年くらいの話になるのか…

 

「そのための体育祭だよね。活躍すればプロに注目される。そうすればインターン先から声がかかるかも」

 

なるほど、そういう意味合いもあって外せないイベントってことか。

あれ、通形先輩の言ってたサーってもしかして、

 

「通形先輩のインターン先はナイトアイ事務所ですか」

 

「そう! 色々と教えてもらってるよ!」

 

サー・ナイトアイ、オールマイト先生の元相棒(サイドキック)義父(とう)さんもたまに仕事したことがあると言っていた。切れ者だとか。

 

「...、ちなみに通形先輩ってどれくらい強いんです?」

 

先輩に対して失礼だとは思ったが聞かないわけにはいかなかった。鍛えられている肉体に歩き方だけでもわかる。相当の実戦経験を積んでいるだろう。この人でどれくらいなんだろうか。

 

「んー、一応ビッグ3なんて呼ばれてるよ」

 

誇ることもなくサラッと答えてくれた。ビッグ3、雄英で!?

つまりこの人はヒーローを除いた生徒の中で上から三番目には確実に入る人ってことになる。そんな人と清掃活動中ってどういうこと。

 

「俺達も頑張ろうぜ体育祭! 俺は卒業したらナイトアイ事務所入りを決めてるけど、虚影君はまだ一年生。でもチャンスは掴んでいかないとねPlusUltra(プルスウルトラ)さ!」

 

「はい!」

 

この美化委員活動だけでも、この人が培ってきたものがわかる。周囲への気の配り方、広い視野、見てるだけでも為になる。

 

「いいねぇ、そういう盗もうとする姿勢! よし、二日に一回は校内巡回しようか」

 

「いいんですか? 先輩の準備とか」

 

「いつでも動けるのが一流のヒーローさ。俺は最後といっても気にはしない。それに君みたいな後輩は面白いからね」

 

よっしゃ! こんな機会めったにないし、お言葉に甘えよう。

 

「よろしくお願いします!」

 

こうして体育祭までの六日、通形先輩と巡回をするのだった。

 

 

****

 

 

二週間、ボケっとしていたらあっという間に過ぎてしまう日数だ。そして明日に体育祭を控えた今日。

 

「明日に響かない程度だぞ」

 

「わかってる、無理はしないさ」

 

俺は義父(とう)さんと対峙していた。二人とも空手などの道着を着ている。立ち合いにはなんと、

 

「校長さ!」

 

なぜが校長先生。というのもここは雄英の体育館α、特に変わりのない普通の体育館だ。

 

「すみませんね根津(ねづ)校長、こんなこと頼んで」

 

「迷惑をかけたからね、そのお返しなら問題ない。さぁ始めてくれたまえ!」

 

校長立ち合いのもので俺と義父(とう)さんとの試合。開始の合図はなった先手必勝!

 

「甘い!」 「どうかなっ!」

 

距離を詰めての左アッパーを読んでいると言わんばかりに右肘を拳に当てようとする。それを見てから掌を広げ肘を掴む。間髪入れずに足払い、体制を崩しにかかる。

 

それを義父(とう)さんは飛んで回避、空いた左わき腹に右フックを入れるがこれは防がれる。勢いそのままに腕を振るい相手を飛ばしながらこちらはバックステップで距離をとる。ファーストコンタクトで有効打はなしか。

 

「惜しかったな」

 

どこがだ。そっちも攻めるタイミングあっただろ。

 

「確かに、少し前より攻め手も変化してる。短い間でも成長してるな。なら」

 

っ、来る!

 

「俺も少し本気出すぞっ!」

 

背後、どんだけのスピードだよ! 右拳、なら同じく右、いや右はブラフ、本命は左のロー!?

そう考えて合わせるようにローキックを当てる。脚がぶつかるが鍛えた年数、それに体の大きさが違う、悪手だった! 思わず距離をとる。左足痛ってぇ!

 

「体格の違う相手の攻撃は基本受けない。それがセオリーだ。個性があれば、なんて考えるなよ? 相手の個性がわからないのに攻撃を受けるのは愚の骨頂。攻撃するときは基本自分の優位になるようにする。相澤は教えてないのか?」

 

「まだ対人訓練そんなにしてねぇ。あと今の相澤先生の状況考えろよな」

 

おおぉ、そうだったー。 なんて軽口をたたく。この人ほんと後輩に容赦ねぇな。

 

「まぁでも、今のは5割くらいだ。それに痛い程度なら上出来だろ」

 

今ので5割かよ。つーことは倍くらいの威力はでると、こちとら本気で受けたっての!

 

「怖気づいたか?」

 

「それこそまさか!」

 

再び距離を詰め肉薄、今度は顔面に向けて右のハイキック。これを左で受けられるが続けて左でも蹴りを入れる。瞬間体が浮くがそこも体を地面にあてるようにしウィンドミルの要領で体をひねり回す。そして飛び上がりざまに腹に両足蹴り。

 

「動きはいい、でもな!」

 

だがそれで倒れるはずもなく足を掴まれそのまま放り投げられる。もうちょい深けりゃダメージになったのよ!

 

「今度はこっちからだ」

 

投げた瞬間にこちらに走り出し上から腹に向かい拳を振り落とす。すんでのところでその手を掴み体をひねって逆に地面に投げる。これは避けられなかったかそのまま落とすことが出来た。そのまま腕を回して関節を!

 

「そうならんさ!」

 

抑え込んでも膝を使い立ち上がり振り解かれた。また距離をとる。決め手に欠ける。個性使用なしでの戦闘。互いに使っていないからこそ、技量や技術、力がものをいう。

ここまでは俺も喰らいつけているが、この後をどうするか考えろ!

 

「シッ!」

 

「一つ覚えか?」

 

再び肉薄、三度目ともなれば動きも読まれる。それでいい。低い姿勢からの突撃、下に意識を向ければ、当然上は疎かになる!

下からのアッパーを警戒させたうえで、脚に力を入れ宙返り、流れで踵落とし。簡単に言えば逆サマーソルトキック。どうだ!!!

 

「悪くはないな」

 

後頭部にいいのが入ったと思ったが義父(とう)さんはそれを前転の要領で威力を流していた。大したダメージになってないのかよっ。

 

「そこまで!」

 

まだ続けるのだろと思ったところで校長が終了の合図を伝えてきた。どうしてだ?

 

「君の負けだね鮫崎君」

 

「ですね」

 

ポカンとしている俺をよそに二人は納得したようにしている。

 

「どういうことですか?」

 

「妙だと思わなかったかい? 彼が個性なし一対一を、立ち合い人有で行うなんて」

 

「まぁ、はい」

 

確かに、今日のことは違和感だらけだった。俺のとの稽古でも一対一はやってるのに今日に限って校長を立ち合い人として迎えていた。

それにいつもならこういうことは直前に言うタイプだ、突拍子もなく。だが今回は事前に聞かされていた。

 

「これは僕と彼との賭けだったんだよ。君の成長を確かめるね」

 

「制限時間内に俺に一撃与えられるかどうか、そういう賭けだ。

時間は一分、その間に一回でも有効打が入ればお前の、延いては根津校長の勝ち。一分耐え抜けば俺の勝ち」

 

「なんだよそれ…」

 

てことは俺は賭けの材料にされてたってことじゃねぇか、腹立つな。

 

「だが条件は付けたさ。回避は全力でとね」

 

「そういうこと。個性なしだから不服かもしれねぇが、お前は俺にちゃんと打撃を与えたってことだ。最後のあれは読めんかったしな」

 

「誇りたまえよ虚影君、君は元とはいえ№5ヒーローにそこまで言わせることが出来たんだと」

 

そう言われて胸が熱くある。目標の人に近づけたような気がして、嬉しかった。

 

「で、体育祭の目標は?」

 

「んなもん、優勝以外あると思う?」

 

義父(とう)さんに質問され即答してやった。ここまで来たら目指す先は決まってる。だが、

 

「そこを目指すなら生半可な覚悟じゃいけないぞ」

 

「わかってるよ…、仮面状態を使うつもりだ」

 

「…そうか」

 

「多分今年は一年ステージの注目度合いは例年の比ではないからね。(ヴィラン)襲撃

を乗り越えたA組はもちろん、他にも粒ぞろいだよ。メディアも注目しているよ」

 

「わかってますよ。どうなるかなんて」

 

そう、全国区の生中継で今年は一年が目立っている。そんな中で行われる体育祭であれを使うということがどういうことなのか、校長は念押ししたいのだろう。

 

「向き合わないといけませんから。それに」

 

それにだ、

 

「A組なら受け入れてくれる気がするんで。他がどうであっても」

 

あいつらならと、思えている。やっぱ死線を超えるとそう思ってしまうのかどうかはわからないけれど。

 

「いい友達もてたみてぇだな」

 

「うん、いい奴らだよ」

 

だからこそ、隠し事なんかはしたくない。そう思った。ちゃんと話そうって。

 

「いい学生とってますね、今も」

 

「もちろんさ、生徒たちは僕らの宝だからね。もちろん、虚影君もさ!」

 

「うすっ!」

 

そうしていきなりではあったが俺と義父(とう)さんの模擬戦は終了した。

 

そして、翌日。

 

雄英体育祭が始まる!!!

 

 




読了ありがとうございます!
連続投稿もこれで終了、今後は三日に一度程度の頻度になると思います。

ヒロインは誰がいいですか?(その他はコメントください!)

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