敵(ヴィラン)個性でもヒーローになってやる   作:マーボーDon

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第14話

「お疲れ虚影」

 

「耳郎、それに口田に上鳴か」

 

昼食を取りに会場をでて移動していると三人に声をかけられた。

 

「なんだよあの声! びっくりしちゃったじゃないかぁ!」

 

「あぁ、あれな。最近使えるようになった技だからよ」

 

そう。狂哮(ルヒル)は二週間の間に使えるようになった技だ。虚化させる部分、今までは腕や足、見える場所を行っていたがそうじゃない。身体を虚化させるってことは身体の内側(・・)も可能ってことだ。

それに気づき出来上がったのはあの技。声帯だから箇所としては限定的だから腕や足との併用がしやすい。便利なんだよな。

 

「昼からは頑張れよ!」

 

「あんたなら優勝も行けるって」

 

(コクコク)

 

「まぁ、頑張るよ。まずは飯食って腹を満たさないと始まんねぇし」

 

そう言い一緒に食堂へ。露店も多く並んでいるが俺達選手は基本食堂を使うように言われている。マスメディアからの取材等を防止するためらしい。

最近はSNSの広がりがすごいもんな。

 

昼は男子女子別れる形となり男子メンツと一緒に食事。ステーキを食べて腹いっぱいに。そういや上位三人がいねぇけど、どうした?

 

 

 

『昼休憩も終わり。そんじゃ最終戦、の前に。

あくまで体育祭、全員参加のレクリエーションも用意してんのさ!

ってぇ!?』

 

『何してんだあいつら』

 

昼からのレクリエーション前、俺達はフィールドに戻ってきたのだが…

何故か女子がチア姿をしていた。

 

「上鳴さん、峰田さん騙しましたわね!!」

 

どうやらレクリエーションに向けてってことで騙されたようだ。ただまぁ、眼福なので特に何も言わないけど。

 

『その後はいよいよ、騎馬戦を勝ち残った十二名によるトーナメント!!

今年はガチンコバトルだぁ!!!』

 

今年はトーナメント、しかも個性有りでのタイマン対決か。こりゃ腕が鳴るな。

 

「今から抽選しちゃうよ。組が決まったらレクリエーションを挟んで本線を開始とします。出場者はレクに参加するかは本人に任せるわ」

 

つまりほんとにレクリエーションは息抜き兼ねてんのか。

 

「じゃぁ一位のチームから」

「あの!」

 

抽選を始めようとしたとき、尾白が手を上げた。

 

「辞退します」

 

!? なんでだ、このタイミングで本線に進むのをやめるって。

 

「騎馬戦の記憶、終盤までほとんとぼんやりしてるんだ。

チャンスなのはわかってるし、それを不意にする意味も」

 

人使、チーム組んだのも個性使ってのことだったのかよ。そりゃぼんやりもするか。

 

「俺のプライドの問題だ。できるなら辞退したい」

 

「僕も。同じく辞退を希望します。皆が必至の中で何もしていないものが進むのは、この体育体の趣旨に反するのではないだろうか」

 

尾白に続いてB組のやつも声を上げる。そうだよな、こいつらも本気なんだ。そして人使も。だからこそ自分の歩む道は自分でって思うんだろう。

 

『おっとこれは予想外の展開だ』

 

『審判ミッドナイトの采配がどうなるのか』

 

「そういうのは…好み! 庄田、尾白の棄権を認めます!」

 

好みで決めやがった。流石雄英教師、自由だなぁ。そのまま上がってくるのは拳藤チームかと思えば拳藤達も棄権、権利を鉄哲チームに譲った。

そして参加するのは鉄哲と塩崎となった。

 

『抽選の結果こうなりました!!』

 

緑谷 VS 心操

轟 VS 瀬呂

塩崎 VS 虚影

飯田 VS 発目

芦戸 VS 青山

常闇 VS 八百万

鉄哲 VS 切島

麗日 VS 爆豪

 

となった。俺はB組のやつか。人使は、と見れば緑谷に絡みにいき、尾白に止められている。とりあえず尾白のフォローに向かうか。

 

「緑谷、尾白」

 

「虚影君」

 

「人使、次のお前の相手について教えとく。あと尾白すまんな」

 

「なんで虚影が謝るんだ」

 

「いや、こうなるって考えりゃわかったからさ。ただあいつも勝つのに必死だった。自分の手札で勝つ方法を模索した結果なんだって理解してくれると助かる」

 

そういうと尾白は複雑な表情をした。そりゃそうだろう、自分のプライド傷つけたやつを許してくれなんて虫のいい話だ。

 

「いいよ、利用された俺が悪いんだ」

 

「すまん」

 

そんな話をしつつ人使の個性に関して知っていることを教えておく。まぁその辺は尾白も教えそうだから二度手間かもしれないけど。

 

伝え終えたら一度、人使の元へ向かう。

 

「白夜か」

 

「おう、本戦出場おめでと」

 

とりあえず世間話に持っていこうと思ったが、こちらの考えなど読まれていた。

 

「俺は間違ったとは思ってねぇぞ」

 

「はぁ、知ってるよ。ただあとで謝っておけってだけだ。ヒーロー科転入するなら顔なじみとは仲良くした方がいいだろ?」

 

「…考えとく」

 

そう言って行ってしまう人使の背中を見つめることしかできなかったが、俺は俺でレクリエーションを見に観客席へ。皆が頑張ってたり楽しんでたりするのをみてリラックスしていた。

特に峰田の背油は笑ったw

 

そして第一試合が始まる。

 

 

****

 

 

『第一試合! 緑谷 VS 心操、スタート!!!』

 

「プライドどうこうなんて話、意味ないんだよ。馬鹿だと思うだろ? なぁ?」

 

「なんてことを!! ッ!?」

 

挑発、それも相手の神経を逆なでし、怒らせる。相手に返事をさせれば終わりの心操の個性、洗脳なら答えただけで即終了。そう思われた。

 

「どうやって洗脳といた!?」

 

洗脳によって場外に出る寸前、指を使用して爆風を作り出し洗脳を解除した緑谷。

 

(虚影君の言ったとおりだ!)

 

<人使の個性は洗脳状態でも一定の刺激や痛みがあれば解除される。殴られるとかだな>

 

聞いていた話と合致する。今緑谷の指は完全に折れてベキベキ、痛みは全身にわたっている。

だからこそ意識を保てる、意識が保てれば聞かない、そういうことだ。

 

「なにした!?」

 

(しゃべっちゃだめだ! 今は目の前の試合に集中だ!)

 

心操の言葉を無視するように突っ込む緑谷、心操の腹部にタックルをし、押し込もうとするが、

 

(予想以上に重いッ!? でも浜辺のゴミに比べたらっ!)

 

少し足を取られるもそのまま足を進め、そのまま場外へ押しやろうとする。だがそれをみすみすさせるわけもなく、心操ももがく。

 

「この、離せっ! 大層な個性はいいよな!

行きたいところに、なりたいものになれるんだからよ!!」

 

(!? 止められた!)

 

感情のまま脚に力を込めて緑谷を押しとどめる心操。緑谷も足を動かにさらに仕込もうとするが動かない。完全に抑え込まれた。抑え込んだ心操はそのまま緑谷の顔を殴る。緑谷も負けじとしがみつきながら耐える。

 

『緑谷、そのまま場外までまっすぐかと思えは心操も粘る!

泥臭い試合になってきたぜ!』

 

『互いの身体能力のみの戦いだな。身体測定の結果では、緑谷のほうが心操よりも上だ』

 

『でも今結構いい感じに張り合ってんぜ? そんな数ヶ月で変わるか普通!?』

 

『そんだけ努力したってことだろ』

 

(心操のやつ、俺の出したメニューはこなしてきたようだな。ちゃんと結果に現れてる)

 

何もしない日々ではなかった。自分にできることを、親友が敷いてくれたレールの上だとしても走り抜けた。それを証明したくてあえて遠ざけた。今の自分の力を見せたかったから。

 

緑谷を逆に投げ飛ばし、フィールド中央に戻すことが出来た。だがそこで体力の半分以上を使ってしまった。疲労が脚に来ている。もう一度突っ込まれれば脚が浮いて押し込まれるだろう。

そうさせないために身体に力を籠める。

 

「こんな個性でもヒーローになりたいって思ったんだよ。それに、なれるって言ってもらえたんだ! あいつの隣に立ちてぇんだよ!!」

 

<洗脳? すげぇ個性じゃん。ヒーローになったら強そうだよな>

<無理? なんでそんなこと決めつけんだよ。周りがどう思おうと決めんのはお前だろ?>

<そんなこと言ったら俺の個性こんなだぜ? 絶対子供に泣かれるっての>

<それでも憧れちまったんだ、あの背中に。なら、追いかけなきゃウソだろ。夢なんだから>

<ヒーローっぽい個性だって? ぽいもくそもないだろ、なっちまったらよ>

<じゃあ心操、雄英でヒーロー目指そうぜ! 一緒にさ!>

 

「俺は約束守れなかったのにあいつはまだ待ってくれてんだよ! あの時の戦線布告だって本気で受け止めてくれたんだ! だからこの先は譲らねぇ! 俺はあいつの所に行くんだよ!」

 

言葉を吐き出して心操は突撃する。頭には親友の言葉が巡り、同じ舞台に立つことだけがある。勝って先に行く。そのことだけを考えて、今緑谷と対峙する。

 

(心操君、でもそれは僕も同じだ!)

 

心操の言葉を聞いて緑谷も拳を握る。皆色々と抱えている。そんな中で運よくここまで来た。沢山の支えがあってここにいる。何より、大切な人からの言葉がある。

 

奇しくも、この二人を支える言葉は同じ。

 

『ヒーローになれる』

 

そう言ってもらえたこと。一方はずっと憧れだった人に、もう一方は生涯の親友に。その言葉に恥じないために、報いるためにと二人は激突する。

 

『突っ込んだ心操を緑谷が避ける! 緑谷の右拳が心操の顔面直撃!

だが心操も負けじと拳を振るうがこれを緑谷避けるぅ!

背後に回った瞬間に腕を引っ張りそのまま背負い投げぇ!! 下はコンクリだからいってぇぞ!!』

 

『あれが場外ギリギリなら楽に勝てただろうな』

 

『心操、なんとか立ち上がるもふらっふらだ! やっぱ普通科とヒーロー科じゃ分が悪かったか!?』

 

「まだ…」

 

フィールドに叩きつけられた心操はなんとか立ち上がる。

 

「まだ、おれは!!」

 

一歩、また一歩と踏み出すが途中で脚が固まる。動けと念じ動かそうとしても固まってしまっている。

 

『おっと、心操固まった! こりゃ勝負あったか!?』

 

「心操君!!」

 

「っ!」

 

意識が集中していない瞬間、目の前の緑谷に気が付かなかった。緑谷は右拳を振るい、そのまま腹部に一発。

 

『腹にいいの入ったぁ!!』

 

『個性は使っていないようだが、あれは決まっただろうな』

 

「くっそが…」

 

体力も限界だった心操はそのまま崩れ落ち、

 

「心操君戦闘続行不可、緑谷君二回戦進出!!」

 

本戦、第一試合は緑谷の勝利で終わった。

 

「心操君!」

 

勝った緑谷は心操に肩を貸す。傷があるわけではないがうまく立てないようだったのでそのまま一緒にアリーナを出ようとする。

 

「僕も同じなんだ。なれるって言ってもらえたから、ヒーローにさ」

 

「そうか」

 

そのまま外に出る直前、

 

「心操すげぇぞ!!」「普通科の星!」「かっこよかった!」

 

「あの個性、対(ヴィラン)には有効だな」「あれ落とすって雄英もばかだよな」

 

入り口付近で観戦していた普通科の生徒からの声援と、プロヒーローからの称賛の声を受けて頬を緩めながら緑谷とともにリカバリーガールの元へと向かう。

 

「すまなかったな、色々と侮辱するようなこと言って」

 

「ううん、作戦なんだしいいんだ。それに本気だからだってわかったから」

 

「…そうか」

 

そうしてリカバリーガールの元で緑谷は指の治療を、心操はそのまま休息として横になることになったのだった。

 

トーナメント一回戦第一試合、普通科からの下剋上はここで幕を閉じるのであった。

 

 

 




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