敵(ヴィラン)個性でもヒーローになってやる   作:マーボーDon

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どうも!
第3話楽しんでいただけると嬉しいです!


第3話

空のように真っ青な空間。足元は黒い床が一面に広がる世界。

数度足を踏み入れた場所。そこに奴は立っている。

 

「なんだまた来たのか。今回は随分間が空いたじゃねぇか」

 

「うっせぇ。こっちも色々とあんだよ」

 

「ビビってた癖に」

 

一々カチンとくるが否定はできない。出来るはずもない。こいつに隠し事など、出来るはずもないのだから。

見た目は俺に瓜二つ、違うのは肌の色と髪、そして瞳。

肌は真っ白、髪の毛は俺と正反対に真っ黒。瞳は、仮面状態のそれ。

 

「んで? 何しに来た?」

 

「決まってんだろ、認めさせにだよ」

 

ケラケラと笑う奴に拳を向ける。知っていて聞いてくるとか馬鹿だろ。

 

「またブッ殺されるのが関の山なのになぁ?」

 

「前負けたのはてめぇだろ。今度も負かしてやるよ」

 

こいつとやり合うのは初めてじゃない。たった2回。一勝一敗、引き分けだ。

 

「ハッ! ならてめぇの牙が錆びてねぇことを証明してみろやっ!!!」

 

そう言って飛びかかって向かってくる右拳を左の掌で受け止めゴングが鳴る。

制限時間なし、互いが折れるまで続く死闘。

何度続けなければいけないかもわからないこの戦いを俺は続けていく。

 

 

自身に向き合うために。

 

 

 

 

****

 

 

「いてて…」

 

「大丈夫か?」

 

個性把握テスト翌日、俺は頬に傷を負いながら登校していた。

一緒に登校している人使にへーきと伝えるがまぁ痛い。

だがしょうがないよな、そうしなきゃやべぇし。

 

俺の個性で恐らく他人と違うのは個性の所有権を今のところ奴が持っていること。

初めて会ったのは物心ついたころ。わけもわからずにぶん殴られた。

その時はあいつが何者なのかも正直わからなかった。曰く、

 

『でかくなって出直せ』

 

その言葉だけが頭にこびりついた。

 

二回目は義父(とう)さんから自分の出生やらの話を聞いた後。個性の強化のためにと瞑想した際。その時は何とかギリギリで勝つことができ、今の制御が可能になった。

だが、俺の意識がないだけで俺の体自体は動いている。

暴走状態で、だ。

 

これは義父さんと何度か試した結果だが以下が条件だ。

・奴と対峙するさい個性が暴走状態になり本体の制御は効かなくなり、対峙が終了するまでその状態は継続される

・勝敗に関係なく対峙が終わったとたんに暴走状態は停止、気を失う

・その際の記憶は残っており、勝った場合には個性の制御する割合が変化する

・対峙途中に意識を失った場合その対峙自体が無効となる

 

今のところの条件はこのくらい。一応昨夜も勝つことが出来たため制御域が拡大してはいる。ただ全身はまだまだ先のようだ。

 

それなら毎日やればいいって?そうもいかない。なぜなら俺は対峙している間、気を失うことなく暴走し続けなければならない(・・・・・・・・・・・・・)

つまり誰かが俺を止めてくれないといけない。基本家で止める役は義父さんになる。元ナンバー5ヒーローだから負けることはない。ただ無傷とはいかない。

そのため修行が終われば二人とも傷だらけだ。俺はまだまし、全身が痛む程度でこうして登校もできるが義父さんは打撲に擦過傷などでボロボロだ。

そのためできるのは少なくとも義父さんの最善のコンディションの場合。しかも話によると今回は前回より凶暴性が増していたらしい。

 

なので今は傷が癒えるのを待って俺はできるようになった制御域の確認と動きのキレを磨くことに専念だ。

 

「昨日いなかったなA組」

 

「個性把握テストってことでな。入学式どうだった?」

 

「校長の話が長かった」

 

あー、それを知ってたのかもな相澤先生。非合理的なの嫌いっぽい人だし。

 

そんな会話を続け、校舎内で別れて教室へ。

 

「お、虚影~」

 

後ろから声をかけられ振り返ると赤いツンツン髪、切島が声をかけてきた。

 

「おはよっす」

 

「おう!」

 

朝から元気。ヒーローっぽい感じだよなこういうとこ。

 

「昨日あのあと何だったんだ?」

 

と、昨日の放課後の話を聞かれた。そりゃ一人だけ居残りなら気にもなるわな。でも

 

「それは教室ついてからでいいか?今話すと二度手間だから」

 

絶対上鳴とか弄ってくるだろうし、他の皆がいるときのほうがいっぺんに対応できるからな。

切島はその場で追求してこなかったのでそのまま教室内へ。すると入った瞬間視線がこっちに向いた。ですよねー。

 

「きたきた問題児!何したんだよ虚影―」

 

「してねぇっつの」

 

早速弄ってきた上鳴にデコピンお見舞いして席に着く。痛そうにしてても無視無視。

 

「はぁ、俺が呼ばれた理由知りたい奴はこいよー、説明する」

 

そう言ったらクラス内の半分は周りにやってきた。来てないのは爆発頭、爆豪だっけか?それと髪の毛が左右で色の違うやつ。あとは金髪でレーザー出してたやつか。

 

「あーっとな、相澤先生が俺の保護者と知り合いだったみたいでな。その辺の話とかしてたんだよ。俺の義父さん元ヒーローだから」

 

おぉー、と周りから声が上がる。嘘は言ってない。その辺の話をしなかったわけじゃないし。俺一人追加でテストやったとか知られたらそれはそれで何言われるかわからんからな。

 

「元ヒーローって有名だったのかな?」

 

緑の髪、緑谷が質問してくる。まぁそこが気になるよな。そうなるように話したし。

 

「もう引退して15年くらいだけど。シャーティーって「シャーティー!?」」

「昔の№5ヒーローじゃないか!元敵っぽい顔のヒーロー№1でも顔に似合わないテレビ出演とかをしながらの災害救助や敵確保に尽力してこのままいけばエンデヴァーを超えて№2になることも不可能じゃないと言われた伝説のヒーロー!!一身上の都合でヒーローを引退することになったって聞いていたけどそうか子供が生まれたならそれも納得だ。でもあのタイミングで引退する必要はあったのかな15年前でもヒーローをしながらでも…ブツブツブツブツ」

 

Oh…、緑谷がブツブツと話しだしてしまった。これには周りもきょとん顔。つかこえぇ。

それにそこからはプライベート。

 

「デク君!」

 

「あ、ごめん!夢中になっちゃって…」

 

「まぁいいけど。あとプライベートなことだからその辺には踏み込まんでくれると助かる」

 

ふわふわ系、麗日だったかが緑谷を止めてくれたおかげでなんとか収まった。ついでに釘もさしておけばごめん!と大きめな声で謝られた。まぁ謝るならいいけど。

といった風な理由を話せばみんな納得はしてくれた。そこからはヒーローの息子ということで色々と盛り上がった。

 

一人、半分頭の視線がなんか気になった以外は。

その後予鈴前ということで堅物、飯田が席に着くように呼びかけたあとですぐに相澤先生が到着してHR、その後授業となった。

皆が名字やら名前を呼んでくれるから助かる。

 

 

****

 

 

雄英の午前は基本的な授業。よくある国数英社だった。日によってはカリキュラムが違うみたいだから頑張らんと。勉強苦手だし。

 

昼食、弁当持参ってわけでもないので食堂に向かう。上鳴と紫髪、峰田に誘われたのでそれに同行する形になった。

 

「虚影」

 

「お、拳藤」

 

クックヒーロー、ランチラッシュが腕を振るう食堂にて行列に並び待っていると拳藤に声をかけられた。

 

「A組、入学式いなかったけどどうしたの?」

 

「あぁ、担任に連れられて個性把握テストをな」

 

「え、それ私たち今日だよ?」

 

そうなのか。つまり相澤先生が先行して進めたってことで間違いなさそうだな。内容を聞かれて素直に答えなが順列は進みそれぞれ料理を受け取ってから分かれた。

そして先に席をとってくれていた上鳴と峰田が恨みを持つような視線でこっちを見ている。

 

「入学2日で女子と仲良くとはお前ぇ!」

 

「なにキレてんだよ」

 

「実際手早くね? さっきのB組だろ? 同じクラスならまだしもなぁ」

 

「勘違いしてるみたいだけど、拳藤とはそういうんじゃねぇよ。入試の時に知り合っただけだ」

 

事情を説明しても峰田は「モテ男かきさまぁ!!」と血涙流しているが無視して飯を腹に入れる。

うま、なにこれ真似したい。義父さん経由でレシピ聞いてみようかな。

 

「無視かぁ!!」

 

「峰田、うるさいとモテないぞ」

 

そう伝えると黙って飯を食べ進めていく。えぇ、必死か。モテようと必死かよ。

話題は次の授業であるヒーロー基礎学へ移る。まぁこれが一番気になっているところだからな。

 

「おいらぜってぇ活躍してやる」

 

「俺だって負けねぇよ峰田。だろ虚影?」

 

「もち。ただ競い合いも大事だけど、一番は授業をいかに吸収できるかだしな」

 

「真面目かよ」

 

「楽しみなんだよ、察しろ」

 

笑顔で上鳴と峰田を見れば二人とも笑顔を返してくる。ヒーローになるんだ。その道中は楽しまないと。

 

 

「私が普通にドアから来た!」

 

昼休みを終えて午後、初めてのヒーロー基礎学はオールマイトが担当のようだった。

テレビや合格発表で見たけどやっぱ画風が違うよな。

 

「今日行うのは…!戦闘訓練!」

 

用意されたのは入学前に申請していた各自の戦闘服(コスチューム)。これに着替えてグラウンドβに集合と。

この前の体育館もγだったし、どんだけ施設あんの雄英…。

 

訓練なしで戦闘を行うことに疑問を持つやつもいるけど実践が一番の訓練ってことらしい。

戦闘服を受け取り着替えに向かう。時間は有限、急ぎ目かね。

 

 

「始めようか有精卵共!!! 戦闘訓練のお時間だ!!!」

 

 

グラウンドβに着けば既にオールマイトは準備を終えているようだった。他の皆も戦闘服に着替えてるし。

印象変わるもんだよな着るもの一つで。ヒーローっぽい。

 

「虚影、かっこいいなそれ!」

 

俺の姿を見た切島が声をかけてくる。

俺の姿は黒の下地の上下。これには防刃防火加工をしてある。他にも依頼はしてたけどそこが限度らしい。

その上から白のアーマー、と言ってもフルプレートとかではなく機動性も重視した軽量なものだ。しかし侮るなかれ、これは俺の髪の毛から作られたもの。つまり硬度は虚の皮膚、鋼皮(イエロ)と同じだ。

さらに言えば掌とかにはないが腕のアーマーは個性発動時にその硬度を増すような設計になっている。といっても切島の個性みたいに伸びしろがあるわけじゃない、あくまでも一定の割合だ。

 

「切島は飾り気ないのな」

 

「おう!漢だろ!この身そのものが武器であり盾だぜ!

…?虚影の背中の窪みなんだ?」

 

「これな、まだ申請通ってねぇんだよ」

 

俺の戦闘服のもう一つ、背中に武器…刃物を収納できるスペースを作ってある。

これは義父さんからのアドバイスでなにか一つ得手を持っておくこと。

小学校から雄英受験前まで剣道を習っていたこともあって武器は刃物を選んでる。

 

刃物を持つのには『刀剣所持許可証(とうけんしょじきょかしょう)』って資格必要で現在取得中、というより試験自体は春休み中に終えている。

合否の発表がもうすぐだから少なくても夏休み前には発行されると思う。

 

「まぁ、ヒーロー仮免があればいらないんだけどな。一応の備えとしてな」

 

「なるほどな、漢だ!」

 

いや、なにが?疑問に思いつつも授業が始まる。

 

 

行うのは対人での戦闘訓練。ロボではなくいきなりクラスメイトとやり合うのか。

 

「君らにはこれから『敵側』と『ヒーロー側』に分かれて2対2の屋内戦をやってもらう!」

「勝敗の条件は?」

「ブッ飛ばしてもいいスか」

「また相澤先生みたいな除籍処分とかあるんですか?」

 

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」

「このマントヤバくない?」

 

「聖徳太子-!!」

 

オールマイト先生の言葉を待たず皆が次々に質問を飛ばしている。ほぼ同時に質問をしたため答えられずに悔しそうだ。いや普通にそれは無理でしょ。一人に関しちゃ戦闘服の感想求めてるし。

 

用意してあるカンペを読みながらの説明だと、敵チームは核を施設内に保持、それをヒーローが回収に向かうって設定のようだ。ヒーローは核の回収、もしくは敵2名の捕縛が勝利条件。敵はそれをさせなければ勝ちというルール。

チーム分けは公平にくじ引きということらしいから誰となるかはお楽しみだな。

 

くじ引きの結果

 

Aチーム 緑谷・麗日

Bチーム 轟・障子

Cチーム 八百万・峰田

Dチーム 爆豪・飯田

Eチーム 青山・芦戸

Fチーム 虚影・口田

Gチーム 上鳴・耳郎

Hチーム 蛙吹・常闇

Iチーム 尾白・葉隠

Jチーム 切島・瀬呂

 

こうなった。俺はこうだ…かな?と一緒になったので顔合わせをしておく。

 

「虚影だ、よろしく」

 

「……」

 

あれ?聞こえてない?でも手を出したら握って握手はしてくれた。その後色々質問しても身振り手振りなので多分無口か恥ずかしがり屋かどっちかだろ。

といっても後々意思疎通が厳しくなりそうだから紙とペンを渡しておいた。個性のこととか書いといてくれと伝えて。

 

早速第一戦、AチームとDチーム。爆豪が何やらやらかしそうだけど大丈夫かねぇ…。

 




読了ありがとうございます!
次は夕方18時に投稿予定です。

ヒロインは誰がいいですか?(その他はコメントください!)

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