敵(ヴィラン)個性でもヒーローになってやる 作:マーボーDon
第4話お楽しみください!
案の定というか爆豪と緑谷がやらかした第1試合。
対人訓練というより半分私怨混じりの喧嘩だった。
勝利したのはAチームの緑谷と麗日。でも緑谷は腕バッキバキになってるし爆発を体に受けまくってる。
どっちが勝者かわかんないじゃねぇかよ。
両チームを迎えての講評。オールマイト先生からの質問に答えたのは把握テスト2位のポニーテール、八百万だった。的確な指摘をしているがやりすぎだ。
オールマイト先生説明することねぇって顔しちゃっているよ。
話によれば八百万は推薦入学らしい、あと半分髪、轟も。
といってたら第二戦はBチームとIチームの訓練。轟が気にはなるけどどんな感じになるかね。
『スタート!』
腕がでかいやつ、障子が索敵を行って…おいおい、それヤバすぎだろ。
轟のやつビル全体を凍らせやがった。一人ですべて一瞬で条件を満たすとか。
これが推薦入学の実力か…、おもしれえ!!
講評については基本反省。でも轟の初見殺しがすぎるって感じに落ち着いた。
続いて第三戦、HチームとJチーム。テープを出すやつ、瀬呂と切島が核の前でトラップを作って陣取っていたがHチームのカエルっぽいやつ、蛙吹と鳥顔、常闇の個性でトラップをかいくぐってヒーロー側の勝利。
常闇の個性は体から意思のある影を出すって感じでどことなく近いものを感じた。なんかデメリットないようなら強個性だよな。
第四戦、GチームとCチーム。上鳴とイヤホン、耳郎がヒーロー、推薦の八百万と峰田が敵での一戦。用意周到に部屋を固めたCチームに対して耳郎の索敵で核を見つけ上鳴の個性で突破しようとしたが失敗。敵側の勝利となった。
八百万が一枚上手だったな。耳郎の索敵能力は高そうだけど今回はそれを活かせてなかった。あと上鳴は個性の使用で馬鹿になるって諸刃の剣過ぎる。もっと戦闘服の依頼できただろ。
そして最終第五戦。EチームとFチーム。つまり俺達だ。さてどうしたもんか。
「個性のことかけたか?」
渡した紙とペンを返しながらうなづいてくれる口田をみつつメモに目を通す。
何々、個性『生き物ボイス』 動物に話しかけて動物と意思疎通をして命令することができる、か。おぅ….。
「ここだとちょいきつい個性だな」
申し訳なさそうにするのを見て謝らなくていいと伝える。個性に関することだしどうしようもない。
事前に俺の個性は伝えてある。ただ体の部分強化が出来るってことでだけど。
相手の個性もちゃんと把握してるわけじゃないし、どうしたもんか。
と考えていると口田が肩をたたき、何やら見せてきた。
『芦戸さんは何か液体を出す個性だと思う。触らないように周りに伝えてたから何か怖い液体、かも』
「そうなのか、サンキュー。情報は助かる。もう一人、青山のはわかるか?」
そう聞くと首を横に振った。青山は未知数、芦戸は危険性の高い液体を出すと。青山の戦闘服を見る限り派手さに目がいくけど恐らく各所にあったレンズが個性のサポートだろうなぁ。そう考えると索敵系ではないとして、二人とも戦闘系か。
「口田、喧嘩得意?」
これに関しては全力、首と手もブンブン振って否定された。雰囲気優しそうだしそういうのとは無縁か。
となると戦闘できるのは俺だけだとしても口田に何もさせないわけにはいかないし。
妥協点はここしかないかな。
「口田、作戦ってほどでもないけど策はある。聞くか?」
うなづく口田に説明する、付け焼き刃だしうまくいく保証はない。ただこのまま核の前で待ってるだけよりはましな案だ。口田も納得してくれたようだ。
『さぁ第五戦を開始するぞ!』
さーて、いっちょやりますか。
****
「そういや虚影の個性ってどんなんだっけ?」
第五戦を観覧する上鳴が周りに質問を投げかける。しかし周りは即答できていない。個性把握テストの様子から強化系の個性であることはわかっているが詳しく知るのはその場ではオールマイトだけだった。
「彼の個性に関しては直接聞くと良い。では第五戦スタート!!」
マイク越しに宣言し第五戦が始まる。建物の中に悠々と侵入するヒーロー側の青山、芦戸。二人で共に行動しているようだ。
「芦戸の個性は相手にしたくねぇんだよな」
「酸とか怖すぎだろ」
同じ中学の切島からの情報で芦戸の個性が酸であることはわかっている。ある程度危険度を調整できるようだがそれでも基本溶ける。現に青山のマントが溶けた。
内部をすすむ二人だが足が止まる。何かが聞こえているようだった。
「あれ!」
カメラの端がとらえたのは走っている虚影の姿。二人はその足音に耳を傾けていたのだった。敵を見れば一直線。捕獲すればいいのだから追いかけることになる。
足裏から弱性の溶解液をだし滑って追いかける。青山も走って追うことになるが芦戸が先行する形になった。
「部屋に入ったぞ!」
「あそこに核が?」
「見ろあれ! 虚影は部屋の外だ!」
奥の部屋に入ったことを目撃したはずで、芦戸も同じようだった。しかしいつの間にか虚影は部屋の外にいて芦戸だけが部屋の中にいる状態になった。
そのまま扉の前に準備してあった重しを置き出られないようにする。封じ込める作戦のようだった。
「芦戸捕まっちまったぜ!」
「いやあいつの個性ならすぐにでも」
「いいえ。置かれた重し、あれは薬品に強い加工がされているもので簡単には溶けません。それに溶解液を出すにしてもそれに皮膚が耐えれるかは別問題ですわ」
切島の意見に八百万が反論する。画面内では確かに芦戸が脱出を試み扉に溶解液を出している。しかし扉が溶けてもその先の重しが溶けずに苦労している。また何度か掌を気にする場面もあり八百万の指摘が的確であることを物語っていた。
「青山一人じゃねぇか、大丈夫かよ」
「あれ! もう一対一になってる!」
芦戸を閉じ込めた直後後ろから追ってきた青山と虚影がにらみ合う。距離は離れており逃げられはする。
『かかってこいやヒーロー!! 怖気づいてんのか!』
大声を出し挑発しながら近づく虚影。一歩一歩踏みしめ足音が大きく聞こえてくる。青山は体を震えさせながらどうするかを考えている。
「そういや口田は?」
「核の前とかじゃ…っていねぇ!」
「あれ!」
ここまで登場していない口田に注意を払えば核の前にはおらずどこか別の場所に、というよりも対峙する二人の後方にいた。
『えい!!』
『うぉ!? 遠距離持ちだったのか!』
それに気づかない青山は目の前の虚影を倒すことを選択しへそからレーザーを発射。それを横っ飛びで避けた所で口田にアイコンタクト。口田はそれに合わせて青山を後ろから羽交い絞めに。
『いつのまに!?』『最初からだよ!!』
青山が口田に驚いている一瞬で距離を詰めた虚影が腹部に一発。ハウアッと間の抜けた声を出しうずくまる青山の両手足をヒーローの持つ確保テープを使って動かなくしたところで芦戸が部屋から脱出した。
「あざやかね、虚影ちゃん」
「挑発も大声も、全部口田を気づかせないためってことか」
「分断して各個撃破。敵としては理想的だもんね」
外から見ているからこそわかる。初めから一人で行動しているように見せかけヒーローを分断。その後一人を閉じ込めることで時間を稼ぎつつ一人がヒーローの注意を自分に向けもう一人が動きを止める。そうしてヒーロー一人を戦闘不能にすれば敵の勝ちに大きく近づく。
『遅かったな!お前のお仲間はこの通りだ。殺されたくなきゃ大人しくしてろ!』
「様になってんな、脅すの…」
「敵としては正しいんとちゃうかな。人質とれたわけやし」
事実芦戸は動けていない。味方を人質とされ不用意な動作は味方の死に直結するためだ。
更に言えば掌を白く変化させた虚影が壁に向かって指を突き立てる。するとコンクリートに穴が空く。自身が簡単に人質を殺せるのだというアピールだ。
「野獣のごとき凶暴性」
「あんなの見せられて動けるわけねぇって!」
『どうするヒーロー? このままじゃこいつは死んじまうぜ?』
『くっそぅ…』
掌を手刀とし青山に首に当てる虚影を見て動けずにいる芦戸。焦りと不安が顔に出だしている。
その一瞬を見逃さず虚影が距離を詰める。反応を見せた芦戸だったが腕をとりそのまま一本背負いを決める。その後流れるように関節を押さえて組み伏せる。
見ていたA組メンバーもスムーズすぎるその動きに息をのむことしかできない。実際に受けた芦戸に至っては何をされたかを理解するのに数秒を要した。
『
第五戦はそうして幕を閉じた。
****
いやー、何とか勝てた。敵ムーブもそれっぽい感じにはできたはず。
「さぁ総評だ! 今回の№1は誰かな?」
『虚影』
満場一致俺かよ。普通に見るとそうなのかね。
「では参加者はどうだい?」
「「虚影です」」
口田も俺のほうを指さしている。全部うまくいったの俺のお陰か?
「そういうことらしいが、虚影少年はどうかな?」
「俺は口田だと思います。つかそうなるように作戦組んだんで」
周りは驚いている。口田に至っては身振り手振りでそんなわけはないと伝えてくる。
「ほう?それはなぜ?」
「まず初めにこっちは芦戸の個性の大まかな情報を仕入れていた。これは口田からです。だからこそ足止めのために使用するものを選定できた。普通の家具とかなら簡単に溶かされてただろうし。
次に俺が囮になった際の対応。俺は大暴れすればいいだけ、目立てばそれでよかった。でも口田は俺の後ろについてきて且つ見つかるわけにいかない。そこの重要度ですかね」
「そうだな! あと虚影少年は芦戸少女の捕獲時に単独行動に走った。うまくいったからいいものの失敗した場合形勢不利になるかもしれなかった。そこを考慮できていれば№1だったな」
だよなー。思った以上に脅しがきいてたから短期突撃できたけど、あそこは本来別の場所に移動するなりが敵だよな。
「さて緑谷少年以外は怪我無く終わって何よりだ! 初めの訓練にしちゃ上出来だったぜ!」
「相澤先生のあとにこんな真っ当な訓練、拍子抜けだわ」
蛙吹の言葉に何人かが反応する。そりゃ確かにあの無茶苦茶のあとなら納得だわ。
そこも自由だと語り緑谷の見舞いに行くと文字通りすっ飛んでいったオールマイト先生を見送り初めてのヒーロー基礎学は終了となった。
戦闘服から着替えて教室にて今回の訓練の反省会が行われた。
「すっごい怖かったよ!!」
「わりわり」
俺は芦戸に責められていた。余りにもこっちの思うとおりにしてくれるもんだからつい、なんて伝えたらさらに怒ってくるだろうなこりゃ。
「でも完封だったな!」
「背負い投げからの関節押さえるのもすごかったぜ!」
「今度教えてー!」
切島、瀬呂、葉隠が声をかけてくる。結構皆キャラ立ってるから覚えやすいかも。
昨日相澤先生に怒られたけどこれなら何とかなりそう。
とかなんとか言ってたら問題児爆豪が帰っていった。上鳴や麗日が止めていたが聞く耳持たず。その後少ししてから緑谷が戻ってきてすぐに爆豪を追いかけていった。
腕も完治してないってのに何で動けんのかね。
女子数人が窓越しに顛末を見届けた後反省会はギリギリまで続いた。
まぁ反省会といっても互いにスゲースゲーと言い合ってただけだったけど。
こんだけ明るい奴らなら言えるかも….
なんて思いながらその日に言えることなんてなかったのだった。
読了ありがとうございます!
次は明日の朝になります、お楽しみに。
感想があると嬉しいなぁ、|д゚)チラ
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