ぶっ飛んだヤンデレウマ娘たちが見たくて書き起こした物体   作:妖魔夜行@

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UA100000越えありがとうございます!
あとちょいちょいランキング載ってたりして嬉しかったですね。
やっぱり皆もぶっ飛んだやつを見たいんやなって……と言うよりは周りが正統派過ぎて私のやつが異端すぎるんだよな……。

メジロマックイーンはこry


メジロマックイーンの場合

 ミーティングルームの一室では、鳥恵が忙しそうに書類にペンを走らせていた。その書類のほとんどが自分が担当するウマ娘の不始末なのだから頂けない。

 

「これは……生徒会からか。『トウカイテイオーが生徒会室のお茶請けを食べ尽くした』? あのガキ、暫く蜂蜜禁止にしてやる」

「そんなことしたらテイオーが暴れ回りますわ。書類整理お疲れ様ですトレーナーさん。少し休憩なさったらどうですか?」

「メジロマックイーンか。気配を消して背後に立つな、怖いから」

「あら。折角紅茶を手配したというのに、つれないお人ですわね」

 

 急に声をかけられ振り向くと、そこにはティーポットとティーカップが置かれたトレイを持ったメジロマックイーンが微笑を浮かべて立っていた。

 

「何が入ってるか分からない得体の知れない紅茶なんていらねぇよ」

「なっ、なななにも入っていませんわよ!?」

「焦りすぎだろ。平常心迷子になってんじゃねーか」

 

 先程まで澄まし顔の美人だったのに鳥恵に紅茶について指摘された瞬間、目を面白いくらい左右上下しっちゃかめっちゃかに動かし冷や汗をダラダラと流し始めた。絵に書いたような動揺に鳥恵は呆れ混じりのため息をつく。

 

「で、何しに来たんだ」

「べべ、べべ別にトレーナーさんを昏倒させてメジロ家に連れて帰って婿入りさせようなんて思っていませんわよ!?」

「マルマインもビックリなくらい自爆してるけどもしかして自白剤かなんか飲んだ?」

「私の名前はマックイーンですわ!」

「誰もお前のことをマルマインって言ったつもりはねぇよ」*1

 

 問い詰めてもいないのに勝手に心の内をさらけ出すメジロマックイーンに白い目を向ける。最近、頭を撫でられることに慣れてきたのか要求値がドンドン上がってきている気がしていたのだが、まさかその要求に答えなかった反動がこんなところに響いているとは思わなかった。

 鳥恵は顔を顰めて頭痛がするこめかみに手を当てた。

 

「大丈夫ですかトレーナーさん。もし体調が優れないようでしたら車を持ってきて貰いますわよ?」

「いやそこまでしなくてもいい。ところで一つ質問なんだが、どこへ連れていくつもりだったんだ」

「それは勿論メジロ家ですわ。我が家お抱えの専属医に診てもらうつもりでしたわ」

 

 メジロマックイーンの実家であるメジロ家はレースに携わる者なら知らない者はいない程の名門だ。なのでメジロ家には専属の医者やシェフと言った人達が住み込みで仕えている。一応筋の通っているメジロマックイーンの言葉に鳥恵は頷く。

 

「なるほどな。それで、その後は?」

「メジロ家で囲い一生逃がさないつもりですわ」

「そっか、怖いね。そう簡単に囲われるつもりはないのはお前もわかってるだろ。どうするつもりだったんだ?」

「お金ですわ。世の中これで大体上手く行きますわ」

「発言ゲス過ぎない?」

 

 お嬢様とは思えない欲にまみれた言葉に白い目を向けると、メジロマックイーンは不思議そうに首を傾げた。

 

「お前ホントに令嬢か? 考え方正常じゃねーぞ」

「確かに……私は聖女とも言える美貌の持ち主ですけども」

「オーケー、異常だな」

 

 重要な書類は大体捌ききったので体を背もたれに預けて伸びをする。と、ポケットに入れていたスマートフォンが震えた。画面をつけてみると先輩トレーナーの名前が表示されている、どうやら電話のようだ。

 

「もしもし?」

『久しぶりね鳥恵、東条よ。今時間は大丈夫だった?』

「ああ、お久しぶりです先輩。問題ないです」

 

 電話の相手は東条ハナ。鳥恵の先輩トレーナーであり、トレセン学園最大手のチームである『リギル』の担当トレーナーでもある凄腕の女性トレーナーだ。

 元々鳥恵は今のチームのトレーナーになるまでリギルのサブトレーナーとして経験を積ませてもらっていた。そのため、今でも2人でたまに飲みに行く程度には親しい間柄だ。だがこちらから連絡することはあってもあちらから電話をかけてくることは滅多にない。一体どうしたのかと疑問に思っていると、横にいたメジロマックイーンが一目見て不機嫌とわかるくらいに顔を顰めて文句を言い出した。

 

「ありまくりですわ。私とトレーナーさんのイチャイチャ時間を邪魔するなんて万死に値しますわ」

「黙ってろエセお嬢様。というかどこにイチャつき要素があった、乱視かその目は」

「失礼ですわね、いつも監視しているのに乱視なわけないでしょう?」

「その素直さに感心するわ。口軽すぎだろ、たんぽぽの綿毛か」

『……忙しいようだったらかけ直すけど』

 

 電話口から呆れたような東条の声を聞き、メジロマックイーンをしっしっと手で追い払う。謝罪をして東条との会話を再開させた。

 

「すいません、もう大丈夫です。で、どうしたんですか?」

『……つい先日の話よ。須郷が私の元を訪ねてきた』

「須郷が? それは珍しいこともあるもんですね」

 

 須郷は鳥恵と同期の男性トレーナーのことだ。彼も鳥恵と同じように東条の元でサブトレーナーをしていた経歴がある。最も、須郷の方がトレーナーとしての才能が開花するのが早かったので鳥恵より早くチームリギルから巣立っていったのだが。

 今ではナイスネイチャと他四人のウマ娘の担当をしており、彼もまた凄腕トレーナーと呼ばれる腕前の持ち主である。だからこそ、そんな彼が東条の元を訪れることが不思議でならなかった。

 

『ええ私もそう思ったわよ。で、話を聞いてみれば最近担当ウマ娘との距離が近いと言うじゃない』

「……ん?」

 

 なんか聞き覚えがある話だな、と鳥恵は首を捻る。東条は少し怒りが混じった声で続きを話し始めた。

 

『そして詳しく聞いてみれば鳥恵が私を頼ればいいと言ったんだけど……アンタらいい加減にしなさいよ! 何度私の胃を痛めれば気が済むの!? 知らないわよあんたらの恋愛事情なんて! 勝手に付き合って勝手に添い遂げてなさいよ!』

「そんなマシンガントークでまくし立てないで下さいよ。血圧上がりますよ」

『誰のせいよ!?』

「俺と言うよりは担当ウマ娘のせいですね」

 

 グイグイと袖を引っ張られたので目を向けると、不機嫌なメジロマックイーンが今にも飛びかからんばかりの体勢になっていた。自分以外の女性と会話するのが許せないのか、はたまた構って貰えないのが許せないのか、もしくはどちらもなのか。このままでは不味いことになりそうなので適当に電話を切りあげることにした。

 

「すみません先輩、お話はまた後日ゆっくり聞きますんで、多分」

『こっちはもう二度と聞きたくないわよ! というか鳥恵! 早くグラスワンダーを迎えに来なさい! 最近薙刀研ぎ始めて怖いのよあの子!』*2

「逝くと分かってて行くバ鹿はいないでしょ。では」

『ちょっーーー』

 

 何か物騒な言葉が聞こえたが多分ウマ娘ではなくそれは不審者なのでさっさと通報するのが吉だろう。スマートフォンをしまい、獣のような呼吸をしているメジロマックイーンに向き直る。頭を撫でてやると呼吸は正常なものに変わっていき、直ぐに落ち着いた。

 

「お電話は終わりましたか?」

「ああ終わったよ。次リギルのミーティングルームに行ったら俺の人生も終わりそうだがな」

「まあ大変! なら私の家で匿って差し上げますわ!」

「変態に匿われるのはごめんかな」

「んなっ!? 失礼ですわね! こんな美人淑女を捕まえて変態なんて!」

「奇人囚徒の間違いだろ。お前の家行ったら俺の苗字変わりそうだから怖いわ」

「なら私が変えますわ。鳥恵メジロマックイーン……なかなかいい響きですわね」

「もしかしてその耳って飾りだったりする?というか苗字がやかましいことになってるぞ」

 

 話の通じないメジロマックイーンの耳は作り物なのではないかと撫でる手を止めて耳を弄くり回す。澄ました顔をしているが尻尾は正直なようで千切れんばかりに振り回されている。

 

「トレーナーさん、その手を離して下さいまし。でないと私おかしくなりますわ。ダメですわね、これ以上は我慢出来ませんわ」

「離した、離したから我慢してくれ。おい黙んな怖いだろ」

 

 我慢どころか数秒も耐えてなかっただろというツッコミを飲み込んでしまうほど恐怖を感じた。スーパークリークと対峙した時にも同じ種類の恐怖を感じたが、ウマ娘は覇王色の覇気でも使えるのだろうか。

 鳥恵の思考が若干ズレ始めたところでメジロマックイーンの身体がゆらりと動いた。それに気づいた時にはもう遅く、鳥恵の背中は地面とくっついており、彼女に押し倒されていた。メジロマックイーンのホテイアオイのような薄紫の髪がブラインドとなり鳥恵の顔を隠す。

 

「トレーナーさんが悪いんですのよ……いつまでも私の気持ちに答えないのだから……!」

「いやいつも答えてるよな? お前ら聞く耳持たないけど」

「…………いつまで経っても私の気持ちに答えてくれないのですから!」

「勢いで誤魔化そうとするな」

「さあトレーナーさん……私とひとつになりましょう……!」

「くっそカナディアンマン並のバ鹿力しやがって……自重しろよ自称お嬢様。名家に傷がつくぞ」

「あなたの為だったら、例えメジロ家の名前が傷ついても構わない」

「自傷の方のお嬢様だったかー」

 

 こうして呑気に話しているが、鳥恵の顔からは滝のように汗が流れ落ちている。対してメジロマックイーンの瞳は血走っており、呼吸は肉を前にした獣のように荒い。

 このままでは本当に喰われてしまいかねないので仕方なく、本当に仕方なく苦肉の策を使うことにした。

 

「メジロマックイーン……」

「なんですの? 今更頭を撫でる程度では私は収まりませんわよ」

「めちゃくちゃ嫌だけど、今俺から離れたら膝枕して耳かきをしてやる」

「何をしているんですのトレーナーさん、早く耳かきonThe膝枕をして下さいまし。はよ、はよ」

「今お前マッハ20の速度で動かなかった?」

 

 拘束が解かれたのを確認して鳥恵もゆっくりと立ち上がり、自身の体に傷がないことに安心してホッと胸を撫で下ろす。既にメジロマックイーンはソファに座っており、同じように目も座っている。保育園児なら泣いてしまうレベルで怖い。

 

 顔を引き攣らせながら鳥恵はメジロマックイーンが座るソファの横に座った。渋々、嫌々と言った言葉がこれ程似合う姿はないだろう。

 

 何故鳥恵がここまで膝枕と耳かきを嫌がるかというと、ウマ娘たちが欲情して襲いかかってくるからだ。

 以前、怪我をして調子が悪く落ち込んでいたサイレンススズカを元気づけるために彼女が要求した膝枕耳かきを行ったのだが、危うくうまぴょい*3されかけてしまったことは記憶に新しい。

 

「頼むから発情してくれるなよ」

「同情しますわ」

「同意をしてくれ……」

 

 耳かきを初めてから3分後、必死に自分の理性と格闘しているメジロマックイーンと同じく必死に応援する鳥恵の様子をたまたま通りがかったメジロライアンとメジロドーベルが発見したことでその場は落ち着いた。

 なんだかんだ理性に耐えて見せたメジロマックイーンのことを見直した鳥恵だった。

*1
体型マルマインが、とは口が裂けても言えない

*2
何故ミーティングルームに薙刀があるのかは突っ込んではいけない

*3
隠語。最近はうまぴょいは隠語ではないという説の方が正しいとされている。




私「あと三人……書ききれるのか、私に……!?」
友人「友よ……」
私「友人……」
友人「書ききれるのかではない……書くんだよ
私「え?いやでも書ききれるか分かんないし」
友人「書け
私「はい」

 というわけで、もう暫くお付き合い下さい……気長に待ってね……?
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