全力絶唱シンフォギア-キキカイカイッ!唄と機械がダイ合体ッ!-   作:メンツコアラ

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前回の…シンフォギアはぁぁッ!

突然攻めてきたトジテンドッ! 
街を守るために、介人とジュランがゼンカイジャーになったチュンッ!
あれ? 
この反応はッ?!


第3カイッ!ガオな百獣御厄介! 

 機界戦隊ゼンカイジャーとなり、トジテンドの軍勢を撃退した介人は仲間となったジュラン、戦いを見ていた響、未来を連れ、ヤツデとセッちゃんが待つカラフルに帰宅した。

 

「あんたがジュランちゃんね。介人の祖母のヤツデです」

 

「こちらこそ──て、なんでオレの名前を?」

 

「オイラと一緒に見てたチュン」

 

「その声ッ! お前がセッちゃんか」

 

「本当に喋ってるッ!」

 

「響も未来も改めて宜しくチュン」

 

「私たちこそ宜しくね、セッちゃん」

 

「しっかし…あんたら、よくやったね」

 

「トジテンドの事か? まあ、ぶっちゃけ? それほどでもあるかな?」

 

「ねぇねぇッ! 俺たちがやったことって世界初じゃない?」

 

「この世界だけで見れば、そうかもね。でも、今回の出来事は大きな意味があるチュンッ! 介人、ジュラン、これからも宜しくチュンッ!」

 

「OKッ! それじゃあ、戦隊結成を祝って早速パーティーでもしようじゃねぇかッ!」

 

「任せな。あたしがヤツデスペシャルを作って上げるよ。響ちゃんたちも食べていきな」

 

「え? いいんですかッ!? やったね、未来ッ!」

 

「ありがとうございます」

 

「いいってことよ。その代わり、今から材料を買ってくるから店番を頼んだよ」

 

 戦いを終え、漸くいつもの時間が流れる。カラフルにいた誰もがそう思っていた。しかし、

 

「いってら~♪ …なあ、介人。ヤツデスペシャルって、なんだ?」

 

「八津出スペシャルっていうのはね、ヤッちゃん特製の「ギャアギャアッ! ギャアギャアッ!」て、どうしたの、セッちゃんッ!?」

 

「ノイズッ! 出現ッ! ギャアギャアッ! ギャアギャアッ! ノイズッ! 出現ッ! ギャアギャアッ!」

 

「ノイズ、出現? ……まさかッ!?」

 

 急に騒ぎだしたセッちゃんの言葉にある可能性が頭を過る。

 数秒も経たない内にそのサイレンは鳴り響いた。

 

「なんだ、このサイレンッ?!」

 

「ノイズ警報だよッ! ジュラン、知らな──てよく考えたら、知らなくて当たり前かッ!」

 

 『特異災害 ノイズ』

 キカイトピアと融合する前から存在する人類の脅威。正体不明、発生、並びに存在理由不明。ただ無機物に、無差別に人を襲い、接触した者を炭素の塊へ変える動く災害。

 キカイトピアが融合してから今まで観測されなかったノイズ警報に、カラフルの外からは人々の悲鳴が聞こえてくる。

 

「セッちゃんッ! 響たちを地下にッ! 俺はヤッちゃんを探してくるッ!」

 

「おい、介人ッ!?」

 

 ジュランの制止も聞かず、カラフルを飛び出していく介人。

 恐怖から逃げる人々の波をかき分け、探し人が居ないかと探す。すると人混みの最奥に転んで逃げ遅れた子供を助けようとするヤツデの姿があり、その向こうでは極彩色の異形 ノイズが迫っていた。

 

「──ヤッちゃんッ!」

 

 ノイズに物理攻撃は通用しない。

 それがこの世界の常識だ。だが、残された唯一の家族を目の前に、介人に止まるという選択肢は無かった。

 

「チェンジ全開ッ!」

  45バーン!

   ゼンカイザー!

 

 変身し、ヤツデとノイズに躍り出た介人改めてゼンカイザーはノイズに対して考え無しにパンチを繰り出す。接触すれば炭化すると分かっていても家族を守るために繰り出した拳とノイズとの距離すぐに縮まり、ゼロになった瞬間、物言わぬ炭素の塊となってしまったのだった。

 

 

 ──驚くべきことに、ノイズだけが。

 

「──………あれ?」

 

 正直な話、死を覚悟していたゼンカイザー。だが、常識が崩壊した目の前の現状に困惑し、呆けてしまっても仕方がないだろう。そんなゼンカイザーを八津出の声が引き戻す。

 

「介人ッ! なにボォっとつったってんだいッ!」

 

「…はッ! そうだったッ! ヤッちゃん、大丈夫ッ?! 君も怪我は無い?」

 

「お兄ちゃん…誰?」

 

「俺? 俺はね「余所見厳禁ッ!!」って、うわッ?! ジュランッ!?」

 

 後ろに迫っていたノイズに気づかずにいたゼンカイザーを助けたゼンカイジュラン。彼の攻撃もゼンカイザー同様、彼の攻撃もノイズに通用したのだった。

 

「おい、介人ッ! 響たちから全部聞いたぞッ! あんなヤバい奴ら相手に無茶しやがってッ! 攻撃効かないんだろッ?!」

 

「いやッ! ジュランの攻撃も効いたじゃんッ!」

 

「…あ、そういえば………何でだ?」

 

 目の前の謎に疑問符を浮かべる二人。

 そんな時、二人にセッちゃんの通信が入る。

 

『介人ッ! ジュランッ! ギアトリンガーとセンタイギアにはノイズに対抗する為の機能が組み込まれているチュンッ!』

 

「都合良すぎねぇか?」

 

「気にしても仕方ないッ! とりあえず、ノイズは倒せるんだよね? だったら、全力全開ッ! ノイズをやっつけるッ! 行くよ、ジュランッ!」

 

「了解ッ!」

 

 ゼンカイザーはギアトリンガーを、ジュランはジュランソードとジュランシールドを手にノイズの群れへ突っ込む。ノイズも本能なのか、それとも単に一番近くにいるからなのか、逃げる人々よりもゼンカイザーたちを狙い、襲いかかった。

 

「うわっとッ!? 初めて近くで見たけど、結構動きが速いッ!」

 

「でもッ! 簡単にッ! 倒せるなっとッ!」

 

 向かってくるノイズをギアトリンガーで撃ち抜き、またはジュランソードで切り裂けば、いとも簡単に炭素の塊となる。ダメージが浅いと再生されるが、それでも倒すこと自体に問題は無かった。

 

「けど、数が多いぃッ!」

 

「だなッ! 介人ッ! センタイギアを使ってみようぜッ!」

 

「なるほどッ! ジュラン、これをッ!」

 

「サンキューッ! さーてと…どんな先輩方の力かなっとッ!」

 

  39バーン!

   ニンニンジャー!

 

 ギアトリンガーを通じ、ゼンカイザーから渡されたセンタイギアに込められた39番目のスーパー戦隊『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の力がジュランの体に宿る。

 

「秘技・忍烈斬ッ!!」

 

 ジュランソードを構えたジュランは赤いオーラを纏い、最程までとは比べ物にならない…それこそ、忍者を彷彿とさせる速さと動きでノイズに斬りかかった。

 

「よしッ! 俺も──」

 

  31バーン!

   ゲェキレンジャー!

 

「はぁぁぁッ! 激気技・咆咆弾ッ!!」

 

 ゼンカイザーの放ったオーラが一つの形となり、紅の猛虎となってノイズを蹴散らす。

 ジュランの忍烈斬、ゼンカイザーの咆咆弾を食らったノイズたちは瞬く間に炭素の塊となり、あれだけあった恐怖の対象が町から消え去った。

 

「よっしッ! 世界全快ッ! オールオッケーッ!」

 

「だなッ! …って、訳にも行かなさそうだな」

 

 振り返れば、逃げ送れていた全ての人々の視線が二人に向けられていた。本来倒せない筈のノイズを倒したのだから無理も無いのだが、その視線の中には恐怖を含んだ物もあった。

 

「どうする? 普通に名乗ってみるか?」

 

「そうだね。じゃあ『介人ッ! 早く帰って来るチュンッ!』え? どうし『いいから早くッ! カクレンジャーのセンタイギアを使うチュンッ!』わ、分かった」

 

  18バーン!

   カァクレンジャー!

 

 センタイギアを変え、『忍者戦隊カクレンジャー』の力を使ったゼンカイザーはジュランと共にドロンッ!と忍者の如く消え去り、後には困惑する人々だけが残されていた。

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 その日の夜。二課本部ではトジテンドという新たな脅威と突如現れた謎の組織『ゼンカイジャー』について話し合っていた。本部にはトジテンド襲撃時にいた弦十郎たちや『緒川 慎次』、『友里 あおい』、『藤尭 朔也』の他に、迎撃に向かっていた『風鳴 翼』の姿もあった。

 

「この映像…間違いないのか?」

 

「はい。商店街に居た方々からも証言は得ております」

 

「しっかし、コスプレ紛いの格好でトジテンドとかいう奴らはまだしもノイズまで倒すなんてなぁ。あたしらが言えた事じゃ無いけど」

 

「櫻井女史、何か分かったことは?」

 

「もちろん──て言いたい所だけど、全部が分かった訳じゃないわよ? ハッキリ言えるのシンフォギアじゃないってこと」

 

「シンフォギアでは無いのに、ノイズを倒した…」

 

「米国の新兵器、とか?」

 

「それもないわ。その証拠に二つ程面白い事が分かったの」

 

 これを見て頂戴、と了子がスクリーンに写したのはある波形を示した三つのグラフ。

 

「一番右側のは彼らが戦っていた時に発していたエネルギーの波形。左側のと比べてみて」

 

「これは…ッ!」

 

「微妙な所は違うけど、結構似てるな。他の波形はなんだ?」

 

「一つはかつて、二課が保管していた完全聖遺物の波形。もう一つは私の発明品のエネルギー波形。どちらもある科学者に貸したっきり帰ってきてないわ」

 

「ある科学者? ……──まさかッ!?」

 

「そう。サクリストGことギャラルホルンとRN式回天特機装束。どれも五色田博士夫妻に貸したっきり、行方知れずになっている物よ」

 

 

 

 

 

 

 

 一方、その頃。カラフルの地下、五色田夫妻の研究室にて、二課で話題に挙がっているゼンカイジャーの力の解説が行われようとしていた。

 戦いを終え、響たちと共にヤツデの作った夕食を胃に詰め込んだ介人たちの前には法螺貝のような何かと謎の籠手がケースの中に保管されていた。

 

「これがさっき言ってたやつ?」

 

「そう。『サクリストG・ギャラルホルン』と『RN式回天特機装束』チュン。

 介人たちは知っていると思うけど、ノイズには『位相差障壁』っていう特性があって、これのせいで皆が知っている通りに攻撃が通用しないチュン」

 

「「そうなの?」」

 

「そうなのか?」

 

「そうだよ。授業でも言ってたよ」

 

「……話を戻すけど、そんなノイズに対して聖遺物の力を使えば、その障壁を打ち消すことが出来るチュン」

 

「じゃあ、その聖遺物って奴を警察とかに持たせれば──」

 

「誰もが使える訳じゃ無いチュン。RN式は精神力で聖遺物を起動させるんだけど、使う度に精神力を使うし、聖遺物に対してもある程度の適合性が必要チュン。

 そこで功博士たちがギャラルホルンを通じて観測したスーパー戦隊の世界の力を最大限に引き出し、RN式をベースにして精神力問題を解決したのがSS式回天特機装銃『ギアトリンガー』とSS式回天特機歯車『センタイギア』チュン」

 

「あの子たちがねぇ…」

 

「介人がこれを手にしたのも運命だったりしてな」

 

「恐らくだけど、ノイズは勿論、トジテンドもまた攻めてくる可能性が大チュンッ! 介人、これからもヨロシクチュンッ!」

 

「任せて。世界初、二つの脅威から世界を救うヒーローになってやるッ!」

 

「でも、二人だけって大変じゃない?」

 

「響のいう通りッ! 介人、まずは仲間を集めるチュンッ! 44のスーパー戦隊も強大な敵に対して、仲間と共に立ち向かったから勝てたっチュンッ!」

 

「なるほど。じゃあ、響と未来──」

 

「バカな事言ってんじゃ無いよ。なに幼馴染み戦わせようとしてんだい」

 

「だけどよぉ、ぶっちゃけどう集める?」

 

 仲間集めに頭を悩ますこと一時間。閃いたと響が出した案に、他の案が浮かばないからと実行することにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 トジテンドが攻め込み、ノイズまで出現するという、人によっては厄日にも等しかった日の翌日。あんなことがあったというのに、街にはいつも通りの光景が流れていた。

 そんな街中をタピオカ片手にに歩く奏と翼の姿があった。

 

「逞しいねぇ。まあ、世界融合なんて事があったんだし、これくらいはどうってことないか」

 

「そうね……」

 

「翼、顔が怖いぞ。せっかくの美人さんが台無しだ」

 

「か、奏ッ?!」

 

「わりぃ、わりぃ。やっぱり気になるか? ゼンカイジャーの事」

 

「……突然現れて、トジテンドどころかノイズすらも倒す。そんな存在がなんで今まで姿を見せなかったの? もっと早く姿を見せていれば、奏だって──」

 

「奴さんだって事情があるんだろ? 多分だけど。そこら辺は早いとこ捕まえて聞いてみようぜ…て、聞いてるか、翼?」

 

「か、奏…あれ……」

 

「あれ? あれってなん──は?」

 

 翼が指差す先に視線を移せば、そこにあるのは只の張り紙。しかし、その内容に奏は思わず目の異常を疑った。

 

「やべぇな。この前、定期検査受けたばっかなんだぞ。仲代先生にもう一度見て貰うべきか?」

 

「大丈夫よ。私も同じものが見えてる筈だから」

 

 二人を困惑させる張り紙。そこに書かれていたのは遂先程まで話題にしていたゼンカイジャーだった。

 

『仲間を募集中ッ!!

 ゼンカイジャーですッ! 現在、一緒に戦う仲間を募集中ッ! 我こそはと思ったそこの君ッ! 俺たちは下の住所で待ってるよッ!

 ○○市○○町○○前○○-○ △□△公園』

 

「…どうする?」

 

「とりあえず、この場所に行ってみましょう。イタズラかも知れないし。叔父様の指示はその後で」

 

「了解」

 

 二人は急ぎ足で張り紙に記載されていた場所へ向かうのだった。

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

「はぁぁぁぁ………」

 

「介人ぉ、ため息してたら幸せが逃げんぞ~」

 

「ジュランもヘトヘトじゃん」

 

「そりゃあ、あんなのが来たらなぁ…」

 

 響が出した案。それはバイトの求人の如く、募集してみようと言う作戦だった。他にいい案は思い浮かばず、試しにと変身して実行。思いの外、人は集まったのだが、誰もがゼンカイジャーにサインやインタビュー、写真などといった野次馬系の人々ばかり。一応、志望しに来た者も居たが、その全員はヒーローに憧れる幼い子供だけだった。頃合いを見て変身を解いた二人は公園のベンチにて休憩していた。

 

「仲間になりたい人、来なかったね…」

 

「仕方ないかもな。オレは半分勢いでなったけど、今考えてみりゃあ、ノイズやトジテンドと戦うなんて度胸と覚悟がいる」

 

「そっか…そうだよね」

 

 誰しも怖いものは怖い。それらを克服するのは簡単な話ではない。その事を改めて痛感する介人だったが、そんな彼に話し掛けるキカイノイドがいた。

 

「ねぇ、君ッ! ちょっといいかな?」

 

「ん? 誰だ、テメェ?」

 

「オジさんには話し掛けてないよ」

 

「な──ッ?!」

 

「ジュラン、落ち着いてッ! はじめまして。俺は介人」

 

「介人かぁ。ボクはガオーン。君たち、ゼンカイジャーだよね?」

 

「もしかして、ゼンカイジャー志望の人ッ!?」

 

「ごめんね。それは無理かな…だって、キカイノイドと関わりたくないし」

 

「いやちょ待てよッ! お前だってキカイノイドだろッ! なんでそんな事を言うんだよッ!?」

 

「だって──可愛くないじゃないかッ!」

 

「………は?」

 

 思わず聞き返してしまうジュラン。だが、誰が聞いたって似たような反応が返ってくるだろう。予想外の答えに理解が追い付かないジュランを他所に、ガオーンは己の思いを語る。

 

「だってそうだろうッ!? 固いし冷たいし角ばっているしゴツゴツしてるしッ! トジテンドなんかもう最悪ッ! 愛することなんか絶対に無理ッ! それに比べて、この世界はパラダイスだッ! 生き物は全員はフワフワモフモフッ! 丸みがあってキュートッ! 触れたら暖かそうで、見てるだけで愛が溢れてくるッ! 僕はもうこの世界の生き物だけを見つめて生きていきたいよッ!」

 

「オ、オウ………」

 

 ガオーンの熱意籠った演説に介人は人間が好きなんだと理解し、付いていけずにいるジュランは失礼だと思いながらも少し引いてしまった。

 

「あれ? じゃあ、俺たちに話し掛けたのは?」

 

「それは、えっと…介人ッ! ボクと友達になってくれないかなッ?!」

 

「いいよ?」

 

「即答ッ!?」

 

「ゼンカイジャーになってくれないのは残念だけど、友達でも大歓迎だよ。俺、商店街のカラフルってお店にいるから何時でも遊びにおいでよ」

 

「いいのッ! ありがとう、介人ッ! 君がボクにとって初めての人間のお友達だよッ!」

 

 バンザーイッ!、と全力で喜ぶガオーン。

 その後、少し雑談し(※ジュランも参加しようとしたが、ガオーンは全力で無視した)、また後日会おうとガオーンは去っていった。

 

「面白い人だったね」

 

「そうか? ぶっちゃけちょい嫌な感じ」

 

「まあまあ。ジュランもこれから仲良くなって行けるよ。それで…これからどうしよう?」

 

「まあ、今日は一旦お開きにしてもいいんじゃないか? 作戦を練り直s「ちょっと待ってくれないか?」…て、どちら様? 言っとくが、サインとかならお断り──って、え?」

 

 ジュランはまた野次馬系かと追い払おうとするのだが、目の前に立つ二人の少女に絶句。彼女たちは互いにサングラスや眼鏡などで変装していたが、その出で立ちや纏う雰囲気からすぐに正体を見破った。

 

「ツ、ツヴァイウィング、だと?」

 

「ありゃ? 分かっちゃったか? いやぁ、キカイノイドの人にも知られてるなんて、あたしらも有名になったもんだ」

 

「や、やべぇぞ、介人ッ! どうする──て、介人? なんで風鳴翼t「久しぶりだな、介人」──え?」

 

「もしかして、翼ちゃん? うわぁッ! 本当に久しぶりッ! 何年ぶりだっけ?」

 

「五色田夫妻が居なくなってからだからな。七年ほどか」

 

「あ……そんなに経つんだ…そうだよね…」

 

「どうした? …あ、すまない。辛いことを思い出させてしまったか?」

 

「ううん。気にしてないよ? そっか。もう七年か。翼ちゃん、スッゴく変わったね。曲、いつも友達と聞いてるよ」

 

「ありがとう。介人は相変わらず、世界初を成し遂げようとしているのか?」

 

(どゆ状況ッ!? なんで親しげに話しているのッ!?)

 

 ジュランにとって、片や最近知り合った共に戦う仲間。片や国民的アイドルユニットの片翼。話から察するに古き仲なのだろうが、随分と親しげじゃないかと困惑する。それは連れの女性、奏も同じなのか、少し驚いた表情を浮かべていた。

 

「あ、あの~…介人くん、国民的アイドルの風鳴翼さんとはどゆ関係?」

 

「幼馴染み。父さんたちの仕事場で会ってさ、よく遊んだんだ。二人で探検とかもしたよね」

 

「幼馴染み、どんだけ居るんだよ」

 

「所で、翼ちゃんはどうして此処に? もしかして、張り紙見てくれた?」

 

「ということは、やはり介人がゼンカイジャーなのか?」

 

「うんッ! 昨日から俺とジュラン、二人合わせて」

 

「「機界戦隊ゼンカイジャーッ!」」

 

(嘘…では無いな。介人は昔から変に嘘をつく男では無かった。なら──)

 

 翼は奏に視線を向け、その意図を察した奏は頷き、承諾。早速、詳しい話を…と話を切り出そうとした瞬間、街中に警報が鳴り始めた。

 

「ノイズ警報ッ!? こんな時に──」

 

「行こう、ジュランッ!」

 

「了解ッ!」

 

「翼ちゃんたちは近くのシェルターにッ! ノイズは俺たちに任せてッ!」

 

「ま、待てッ! ……行ってしまったか」

 

「どうするよ? 旦那からは現場に急行しろって連絡来てるけど」

 

「…兎に角、我々も向かおう」「オーケー」

 

 ノイズの元へ向かった介人たちを追う形で走り出す翼たち。

 この時、彼女たちは衝撃の出来事を目にするとは思いもしなかった。

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 

 時間を少し巻き戻し、公園からそう遠くに離れていない街中でガオーンが初めての出来た人間の友達(介人)の事を思い返していた。

 

(介人、可愛かったなぁ…話しているとこっちも心がホワホワしてきて……他の人間ちゃんたちとも介人みたいに友達に成れたらなぁ)

 

 ガオーンがこの世界に来たとき、正にパラダイスだと思った。機械じゃない未知の生き物たち。是非友達に…と行動するも中々うまくいかずに居た所で介人と出合ったのだ。

 他の人間とどうやったら介人のように仲良く成れるのか。そう考えていた時、突然、警報と悲鳴がガオーンの耳に届き、回りの人々が血相を変えて、一目散に同じ方向へ逃げ出す姿に困惑してしまう。

 

「こ、これってノイズ警報だよねッ!? ボクも逃げなきゃ──」

 

 その時、偶然ガオーンは見てしまった。目線が合ってしまった。

 今正に、ノイズに教われる一人の人間と。

 

「危ない──ッ!」

 

 咄嗟に駆け出すが、間に合うはずがない。人間はノイズに体を貫かれ、涙を流しながら、ある言葉を最後にノイズと共に炭になった。

 その言葉は『助けて』。これはガオーンの心に深く響くのだった。

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

「居たッ! ノイズだッ!」

 

「いや、ちょい待てッ! アイツはッ!」

 

 介人とジュランが街へ到着すれば、獲物を探すノイズが群れを成していた。その群れの先頭にはノイズではなく、一人のキカイノイド。その姿にジュランは目を見開いた。

 

「ジュラン、知ってるの?」

 

「アイツはイジルデッ! トジテンドの幹部だッ! なんでノイズの先頭に立ってやがるッ!」

 

「ほお? 貴様ら、バラシタラが言っていたゼンカイジャーとやらか。丁度いい。貴様らを最後の実験対象としよう」

 

「実験だとッ!? 何の実験だッ!」

 

「冥土の土産に教えてやろう。この殺戮兵器であるノイズの操作実験だ」

 

「ノイズの、操作? まさか、ノイズを操っているのッ!?」

 

「その通りッ! この世界とキカイトピアが融合したとき、私はこのノイズに目をつけた。これは実に素晴らしい兵器だ。一定の物理無効。恐るべき狂暴性。これを利用すべく、ワタシは出現したノイズを操る特殊なギアと装置を作り出したのだ」

 

「ギア? お前たちもギアを使うのか?」

 

「なに? と言うことは貴様もか?」

 

「そうだッ! 俺の父ちゃんと母ちゃんが作ったセンタイギアだッ!」

 

「あ、あれはッ!? ……ま、まあ、そんな事はどうでもいいッ! ここで貴様らの息の根を止めてやるッ!」

 

「そんな事、させると思うかッ!」

 

「この世界は俺たちが守るッ!」

 

「ふんッ! たった二人でこの数のノイズとどう戦うッ!」

 

 イジルデの言う通り、介人たち二人に対してノイズの数は100以上。ノイズに対抗できるとはいえ、流石に二人だけでは厳しいか?

 そう思われた時、希望の星は現れた。

 

「──ボクがいるッ!」

 

 聞き覚えのある声に振り向く介人とジュラン。見れば、後方からガオーンがまっすぐ此方に歩み寄って来ていた。纏う雰囲気は先程とは違い、戦士として覚悟を決めたように見える。

 

「介人、ごめんね。ボクがもっと早く決断していれば……ボクもゼンカイジャーになるよッ! だって、許せないんだ…この世界の可愛い生き物たちの命を奪うアイツらをッ! 何も出来ないボク自身をッ! 

 トジテンドッ! ノイズッ!

 ボクと可愛い人間ちゃんたちの苦しみ、百倍にして返してやるッ!」

 

「ありがとう、ガオーンッ! 一緒に戦おうッ!」

 

 介人はガオーンにギアトリンガーと『25』の数字が刻まれた『ゼンカイガオーンギア』を渡し、使い方を説明する。

 

「まずはね、このギアトリンガーの──」

 

「……なにやら愉快な仲間が増えたようだな?」

 

 介人が説明している間、大人しく待ってくれているイジルデとノイズたち。

 説明を終え、横並びになった介人は各々のギアをギアトリンガーにセットし、声高らかに叫ぶ。

 

「「「チェンジ全開ッ!」」」

 

 45バーン!

  16バーン!

   25バーン!

 

 ギアを回せば、流れる軽快なBGMに合わせて回転。銃口を前に向け、引金を引く。

 

ババン!ババン!

 ババン!ババン!

ババババァン!!

 

ゼンカイザー!

 ゼンカイジュゥラン!

 

ゼンカイガオォン!

 

 

 世界が、ギアを通じて戦士の心を目覚めさせる時

 悪しき力に、勇敢に立ち向かった戦士たちの力が一つとなり、新たな戦士が誕生するのです。

 

「秘密の超戦士ッ! 

  ゼンカイザーッ!」

 

「紅蓮の恐竜ッ!

  ゼンカイジュランッ!

 

「気高き百獣ッ!

  ゼンカイガオーンッ!」

 

「「命在る所ッ!

  全力の雄叫び在りッ!」」

 

──機界戦隊ッ!!

──ゼンカイジャーッ!!

 

「行くぞぉッ! 全力全開ッ!!」




次回のシンフォギアはぁッ!

「ここからが本番だよッ!」

「恐竜パワー、見せつけてやるぜッ!」

「よしッ! 俺もデカさ全開で行くぜッ!」


第4カイッ! デカい図体 大合体ッ! だチュンッ!

次は何が見たい?

  • ゲキゲキ!戦う意味!
  • 果て無き好奇心
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