全力絶唱シンフォギア-キキカイカイッ!唄と機械がダイ合体ッ!-   作:メンツコアラ

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前回の…ゼンカイジャーはぁッ!!
ガオーンが仲間になって、三人となったゼンカイジャーッ!
巨大ロボットも出てきたけど、こっちも巨大化して勝ったチュンッ!
て、あれッ!? この反応はまさかッ!







第5カイッ!目覚めよ撃槍始まりの歌ッ!

 誰もが静かに眠る丑三つ時。都市部から離れた郊外で銃火器で武装した集団『特異災害対策機動部一課』の人間たちがノイズと交戦していた。

 

「撃てッ! 撃てぇぇぇッ!」

 

 部隊の指揮官の指示で皆がノイズに向けて、一斉に銃弾や擲弾を放つが、そのどれもがノイズの体をすり抜け、後ろの住居や樹木などに命中する。

 

「くッ…やはり、通常兵器では無理なのかッ!?」

 

 ノイズが一歩進むにつれ、隊員たちが命の危機に晒される。だが、撤退すれば、都市部の方にまで被害が及ぶかもしれない。

 部下の命を取るか、民間人の命を取るか。

 ある意味、その男にとっては究極の選択を迫られるなか、上空から何かが飛んでくるような、風を切る音が聞こえてくる。ふと上を見上げれば、最近になって現れた白、赤、黄色の希望。即ち、ゼンカイジャーと名乗る者たちが滑空してきていた。

 

「うおぉぉッ! 全力全開ッ!!」

 

「お待たせッ! すぐに助けるからねぇッ!」

 

「狙い撃つぜッ!」

 

 今回は翼のような物で飛行し、上空からノイズに向けて銃弾の雨を降らせるゼンカイジャー。どういうわけか、彼らの弾はノイズに対して有効であり、確実に命中している。一課の部隊があれほど苦戦していたノイズの群れは瞬く間に駆逐され、後にはノイズだった物しか残っていなかった。

 

「それじゃあ、さようなら~~ッ!」

 

 ノイズを倒した事を確認したゼンカイジャーはすその場から離れ、一息入れる間も無く、姿を消した。

 

「隊長ッ! ゼンカイジャーのお蔭で部隊への被害は最小限に留めることが出来ました」

 

「…そうか。なら、二課に報告しろ。救援は結構だ、とな」

 

「はッ! 所で、彼らは何者なのでしょうか? 二課との関わりも無さそうですが…」

 

「知らねぇよ。案外、その辺で普通に生活していたりしてな」

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 春真っ最中の四月上旬の朝。暑すぎず、寒すぎもしない布団の中は至高の空間であり、誰もが出るのを拒んでしまうだろう。それは、介人も同じだった。

 

「ほらッ! さっさと起きなさいッ!」

 

「眠さぜんか~い……もう少し眠らせて…夜中にノイズが現れて、まだ眠い……」

 

「そんな事言ってないでッ! 遅刻するよッ!」

 

 ヤツデに起こされ、まだ頭がボー…とするなか、身支度を整えた介人は眠気眼を擦りながら、店内にもなっている一階へ降りる。そこには居候の身となったジュランが船を漕いでいた。

 

「おはよー…ふぁぁ……」

 

「おう…眠そうだなぁ…」

 

「ジュランこそ。目に隈が出来てるよ。キカイノイドにも出来るんだね」

 

「まあな。あんな夜中に無理やり起こされたらそうなるに決まってる」

 

「眠気ぜんか~い…学校たいへ~ん…」

 

 そう言って、ジュランは調理台にでヤツデと共に立つガオーンへと視線を向ける。ジュランと同じく、カラフルで居候することになったガオーンは客や介人たちに手料理を振る舞っていた。その動きには昨晩の疲れなど感じさせず、手際よく包丁を動かしていた。

 

「そういや、介人。()()、忘れてないよな?」

 

「うん。バッチリ覚えてる。翼ちゃんの新作CD、帰ったら一緒に聞こう」

 

「響ちゃんと一緒に買いに行くんだろ? ちゃんと守ってあげるんだよ。最近、ノイズがよく出るようになってきているみたいだしね」

 

「よろしく全開…て、あぁッ!? もうこんな時間ッ!」

 

「介人ッ! これ、お弁当と朝食ッ! 残さず食べてねッ!」

 

「ガオーン、ありがとうッ! ダッシュ全開で行ってきますッ!」

 

 ガオーンからお弁当を受け取った介人は店の扉を開け、高校へ向けて全力ダッシュするのだった。

 

 

 

 

 

 一方、二課本部では弦十郎が渋い顔で資料を読んでいた。

 

「お疲れ様、弦十郎くん♪」

 

「了子くんか」

 

「何渋い顔で読んでるのよ? 幸せが逃げるわよ─て、この資料は……」

 

「ああ。五色田夫妻が行方不明になった時の資料だ」

 

「懐かしいわね。あの二人、いつも研究室で爆発を起こしてたじゃない? そんな二人に貸していた物で作られた特殊スーツを纏って闘う戦隊ヒーロー。しかも、それを使っているのがあの介人くんッ! まるで運命みたいじゃない?」

 

「もしかすると必然だったのかもな。あの二人ならあり得ることだ」

 

 目を瞑れば、まだ五色田夫妻が二課にいた頃の光景が浮かんでくる。政府機関だというのによく子供を連れてくる夫妻の姿が昨日の事のようだ。

 

「暫くしたらカラフルに向かおうと思う。着いてきてくれるか?」

 

「おっまかせ♪ 久しぶりに八津出ちゃんとも話したいしね(だけど、弦十郎ちゃんのこの様子だと時間が掛かりそうね。仕方ない。()()()()()()()()()()())」

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 

 街が夕焼け色に染まる頃。学校を終えた介人は響と合流し、二人で行き付けのCDショップへ向かっていた。

 

「CDッ♪ 特典♪ CD♪ 特典♪」

 

「楽しそうだね。やっぱり楽しみなんだ?」

 

「そりゃあ、そうでしょッ! 介人もそうじゃないの?」

 

「俺も楽しみだけど、最近は睡眠優先って感じかな」

 

「そう言えば、夜中にもノイズと闘ったんだよね? 大丈夫だった?」

 

「うん。心配してくれてありがとう」

 

「私も介人に何か出来たらなぁ。例えば、ゼンカイヒビキッ! ここに参上…とか」

 

「その気持ちだけで嬉しいよ……─て、え?」

 

 ふと、介人の視界にフワフワと風に乗って飛ぶ黒いナニカが写る。その異常に響も気づいたのか。辺りを見渡せば、店の中や建物の影、道路の端、駐車場などに黒い塵の山が出来上がっている。

 この様な現象の原因は、この世界で一つしか無い。

  

「これって、ノイズッ!?」

 

「響、逃げ『きゃああああッ!?』─ッ!」

 

 響を逃がそうとする介人だったが、離れた場所から小さな子供の悲鳴が聞こえる。その方向に向けば、今にも幼い女の子がノイズに襲われそうになっているではないか。

 

「危ないッ!」

 

ゼェンカイザー!

 

 介人はゼンカイザーとなり、女の子に当たらないよう最大限の注意を払って発砲。間一髪でノイズから少女を救うことが出来た。

 

「ゼンカイジャーッ!」

 

「君、大丈夫ッ!? 怪我はな「う…」…う?」

 

「うわぁぁぁぁッ!」

 

「ええッ!? 号泣全開ッ!?」

 

 急に泣き出す少女に戸惑うゼンカイザーだったが、少女の涙は仕方がない。ほんの数秒前まで命の危機に瀕していたのだ。そこに現れた、最近話題となりつつあるヒーローが颯爽と登場。安心から涙を流すのは無理もない。

 

「介人ッ! 大丈夫…て、泣いてるッ!?」

 

「丁度良かったッ! 助けてッ!」

 

「ええッ!? えっと……君、大丈夫? 怪我はない?」

 

 響の言葉に、女の子は嗚咽をしながらも頷いてみせた。その反応にゼンカイザーと響はほっと一安心。しかし、そう簡単には休ませてくれないのがノイズ。建物の影から十体以上のノイズが姿を現した。

 

「ひッ─!?」

 

「響ッ! 先に行ってッ! ここは俺がどうにかするッ!」

 

「分かったッ! 君、逃げるよッ!」

 

 響は女の子の手を引き、一目散に逃げ出す。

 無論、ノイズがその背中を狙うが、ゼンカイザーがそれを許さない。ガトリングモードで乱射し、ノイズを次々と撃ち抜いて行く。

 

「ここから先へは行かせないッ!」

 

 

 

 

 

 十数分後。逃走中の響は入り組んだ工場地帯を走り、ノイズを撒こうとしていた。だが、ノイズはしつこく、気付けば、避難用シェルターから離れていっていた。途中、ジュランとガオーンが助けに来たが、更なるノイズの追加でジュランたちは足止め。響と女の子だけで逃げ続ける結果となってしまった。

 

「お、お姉ちゃん…」

 

「大丈夫…大丈夫だから……」

 

 自分自身も苦しいが、なんとか女の子を励まそうと声をかける響。

 ノイズの手から逃れようと建物の屋上へと駆け上がるが、その行動は敵を撒けていない場合だと悪手でしかない。

 あっという間に周りを固められ、彼女たちは淵へと追い込まれてしまった。

 

「お姉ちゃんッ…!」

 

 女の子の顔に絶望が写る。

 文字通りの絶体絶命……だというのに、響はまだ諦めていなかった。

 今、彼女の脳裏に写っているのは今も闘っているであろうゼンカイザーと二年前のあの日、薄れ行く意識の中で聞いたあの言葉。

 

(何事も全力全開ッ! 今の私でも、今の状況でも出きることがあるはずだ)

 

 ──だから

 

「生きるのをッ! 諦めないでッ!」

 

 その時、不思議な事が起こった。

 

 

─Balwisyall Nescell gungnir tron♪

 

 

 どういう訳か、響の口から奏でられる旋律。次の瞬間、響の胸元が輝き出した。

 

 

 

 

 

 その光は遠くにいたゼンカイザーにも見えていた。

 

「あの光……響……?」

 

「オーイッ! 介人ぉッ!」

 

「助けに来たよぉッ!」

 

「ジュランッ! ガオーンッ! 丁度良かった。ここ、お願いッ!」

 

「あ、おいッ!? どこ行くんだよッ!」

 

 

 

 

 同時刻。二課では異常なエネルギー波を確認していた。いや、異常と言うのはおかしいかも知れない。何せ、それは彼らがよく見る波形なのだから。

 

「これって…まさか、アウフヴァッヘン波形ッ!?」

 

「波形照合完了ッ! これは──ッ!?」

 

「ガングニール、だとぉッ!?」

 

 

 

 

 

 響の体を引き裂くような痛みが、無理矢理作り替えていくかのような痛みが襲い、彼女の背に無機質な翼が生える。その翼は彼女の身に纏うものを作り替え、武装として、鎧として装着される。

 

 

 今ここに、血に濡れし唄を纏った、新たな戦姫が誕生した。

 

 

 

次は何が見たい?

  • ゲキゲキ!戦う意味!
  • 果て無き好奇心
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