オトモの枠にウマ娘があるとしたら[凍結]   作:つヴぁるnet

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《まえがき》
プレイヤーとしてモンスターハンターの世界観に限度を求めるのは愚かにしてもだ。 百竜夜行とは言え、あんな大軍の大型モンスター相手に少数のハンターやオトモ達、あと里人、それだけ戦えるとは思えなくて、それでももう少しくらい何か後押しないかな? と思ったら…

選ばれたのはウマ娘でした(綾鷹並の発想)


こんな感じにこの小説が始まったんですね。

ではどうぞ



第2話

 

カムラの里に来てから翔蟲と言うものに出会った。

 

ユクモから派遣されたハンターとは言え、素性が分からぬよそ者だった俺だけど、その実力が認められた頃にウツシ教官から直々に翔蟲の使い方を学んだ。 これを使うことで壁を登ったり、また武器に力を纏わせて火力を高めたり、なんならエネルギーを保持して解放したらと、使い方は様々だ。 翔蟲の存在で狩は進化したように思えた。

 

まぁ、とある地域ではモンスターの背中に乗ってその背骨や脊髄などデリケートな部分を刺激して強引に転ばせる技術を得ているハンターとかもいるくらいだ。 モンスターをロデオするなど何事かと思った。

 

だがそんなユクモ村も負けてはない。 あの村は武器の技術開発が盛んであり、太刀ならば鬼神大回転の様な一閃を編み出せば、片手剣は盾も混ぜ合わせた連撃を限界まで振るい続けるコンボ、弓やガンナーにも曲射や構えを増やしたりと、連撃の概念に可能性を持たせた場所だ。 また初めてスラッシュアックスの開発に成功しただけではなく形態変化を行いながら攻撃もできるように技術も込められているあたり、ユクモ村と言う場所は武器の扱い方に技術を深めた紅葉の如く華麗な地域なのだろう。

 

ただこうなったのはジンオウガのようなモンスターと戦う環境なので、力に任せただけの武器では戦えないからそうする必要もあったと話を聞いた。 地域によって狩は変わるのだろう。

 

そしてここカムラの里では翔蟲の存在が更に狩を後押しする。 広大なこのフィールドで足となってくれるガルクの存在もだが、壁すらも戦場にしてしまうカムラの里で戦うハンターには驚きしかなかった。 攻撃にも使用できるなどこの里にしかない魅力が込められている。 俺はこの里に来て一年は越えたがその華やかさはいつも胸いっぱい感じているところだ。 一体狩はどこまで進化するのだろう?

 

そしてそれを後押しするように現れたのが…ウマ娘だ。

 

 

「セイウンスカイ、いつも通り回収したら一気に逃げるぞ。 君はあの道具袋を頼んだ」

 

「うん、いつでも良いよー」

 

 

ウマ娘のセイウンスカイと8のエリアと言われる場所だろうか、隠し通路からこっそり顔を出して観察…いや、機会を伺っている。 先程までイズチ以外何もいなかったがリオレイアがタイミング悪く降りて来た。 野ざらしにされているライトボウガンを眺めているが、あの感じだと大地を踏み締める女王の足直々に踏み潰して壊すだろう。 飛竜はなにかと頭が良いからハンターが紛失した武器を破壊する知能も少なからず持ち合わせている。

 

 

「3、2、1……今!」

 

「!」

 

 

閃光玉を投げてリオレイアの視界を眩ませる。 俺はリオレイアの足に一撃だけ片手剣を切り込むと破損したライトボウガンを背負って回収する。 その傍では鬼神薬や焼肉セットと言った貴重なアイテムを回収したセイウンスカイの姿。 鬼神薬はともかく焼肉セットを軽々と片手で持ち上げるあの小柄な体身体にどんな力が込められているのか? それと同時にウマ娘の心強さに今一度感心しながらリオレイアから走り去る。

 

しかしこれだけで終わる筈はない。 6のエリアまで駆け抜けようにもあのエリアはモンスターにとって重要な水飲み場となる。 出くわす可能性も捨てきれない。 かと言ってリオレイアのいる場所に引き下がるのも難しい話。 セイウンスカイとは二手に分かれた。 逃げ馬の彼女だから足並みを合わせることは難しく、アイテム回収だけに意識を高めてもらっている。 俺の事はあまり気にしないようにしてもらっている。

 

だからこの場をなんとか抜けるには俺自身でなんとかするだけの事。 幸いにも今回の回収物は前回の大剣とは違って軽めのライトボウガンだからそこまで重量は無い。 翔蟲をつかえるはずだ。 しかしできれば翔蟲は使いたくない。 これは強力な分、切り札なのだからそう安安と切る事は出来ない。 一応野生の翔蟲を回収する事も可能だが扱いが難しくて気づいたら何処かに逃げてしまう。 カムラの里で育成された翔蟲だけが頼りなら、確実に頼りになるタイミングで使うべきだろ。

 

 

この緊張感と共に6のエリアに抜け…

 

俺以外のものに出会した。

 

 

 

「アマグモさん! こっちです!」

 

 

「なっ!」

 

 

緑色の耳にオレンジ色の長い髪、お淑やかそうな振る舞いだが、容易く射抜かれそうな静かなる眼光を兼ね備えた一人のウマ娘。

 

 

「お前スズカか!……じゃあ、そうなると」

 

「はい"あの人"もいます、今頃リオレイアに斬りかかっているかと」

 

 

 

 

 

__うおおお! 気炎万丈ッッ!!

 

 

 

 

 

「あ、聞こえた、たしかにいる」

 

「はい。 ともかくここからはわたしが"先行"します。 ついて来てください」

 

「頼んだ!」

「はい」

 

 

 

他人の武器ってのは怖い。

 

特にライトボウガンや狩猟笛のようなものには変な癖をつけられている可能性がある。 誤ってなにかの属性弾が発火したり、リミッター以上に音を出して自身の鼓膜を攻撃して、さらにモンスターを引き寄せたりと、他者の武器は扱いが難しい。 モンスターの素材をあまり使わないカムラ製の鉄で作られた大剣やハンマーのようものなら単純一途で困らないが、それ以外は神経を使う。 片手剣ですら誤って自身の肌に傷を入れてしまって、それがフロギィのような毒属性の武器だったら笑いどころではない。 だから回収(ハン)ターってのはこの時に結構神経を使う。 もちろんモンスターの襲撃にも対応しなければならない。

 

しかし周囲警戒を代わりに補ってくれるウマ娘がいるとしたらどうだろうか? それは当然とても頼もしいの一言に尽きる。 また身体能力が高いだけで比較的人間とはそう変わらない彼女達だからこそ意思の共通が滑らかだ。

 

もちろんオトモアイルーもそれは可能な事だがアイルーはなにかとパニックになりやすい。 百戦練磨のアイルーならともかくだが、それでも人と人ってのは安心感がとても大きい。 だから連携が大事なハンターにとって人間と喜怒哀楽変わりないウマ娘が寄り添ってくれるのは本当に助かる話。

 

現に"先行"してくれる彼女が行先の周囲を警戒してくれる。

 

今この地域は百竜夜行にて環境は不安定で様々なモンスターが現れる。 クルルヤックの様な奴なら放っておくがアオアシラとか気性が荒いモンスターは面倒極まりない。 見つかるとそれこそ面倒である。 万が一、ナルガクルガのレベルが現れたらライトボウガンどころの話ではない。 むしろライトボウガンをタル爆弾代わりにして逃げるところまで考える。 有りったけの閃光玉と音爆弾で凌げるならそうするが、もし出会った場所が狭い通路なら考えは変わる。

 

人間にとってモンスターから逃げ延びるのはそう簡単ではない。

 

 

ならどうしたら良いのか?

 

 

それは最初からモンスターと出会わない事だ。 そしてその状況を揃えてくれるのが"先行"してくれるウマ娘である。 フクズクとはまた違った安心感と共に俺は無事に駆けれるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アマグモ!」

 

「スカイ、迎えに来てくれたか」

 

 

ベースキャンプから近いエリア1までやってきた。 ウマ娘のよく聞こえる耳を使ってスズカがモンスターのいない道を探して先行してくれたので助かった。 すると蔦から降りて来たセイウンスカイが迎えに来てくれた。 互いに無事な様だ。

 

 

「あ! スズカが居るって事はあの人もいるの?」

 

「スカイさん、こんにちは。 ええ、あの人も居るわ。 オトモアイルーを二人連れてリオレイアを狩猟してるところです。 わたしは念のために来たの」

 

「いやいや、スズカさんが居るなら頼もしいよ。 アマグモを無事に連れて来てくれたみたいだし」

 

「すごい頼もしかった。 ありがとうサイレンススズカ」

 

「いえ、大丈夫よ。 それではあの人のところに行ってくるわ」

 

 

 

そう言うと風を切ってまた走り出す。

 

うわ、やっぱり早い。

 

ハンターを乗せてないガルクの速度と同じとかやはりすごいなウマ娘。

 

 

 

「じゃあ俺たちもこのライトボウガン届けるか」

 

「うん、そうしそうしよ。 あ、ところでそのライトボウガンってどんなのなの?」

 

 

気ままな彼女だけど、ふわふわとした感じに訪ねてくる。

 

 

 

「これは『ヴァルキリーファイヤー』ってライトボウガンだ。 毒の性能に優れた武器で素材はリオレイアだ」

 

「あ、じゃあ…」

 

「うん、リオレイアがこのライトボウガンに近づいたのは多分そう言う事。 どんな感情を持ち合わせてこのライトボウガンに近づいたのかは分からないけどな」

 

「同胞が! とか、そう言うのかもね〜」

 

「かもな。 じゃあ帰ろうか。 リオレイアを狩ってる人があのハンターならなにも心配いらない」

 

「うん、カムラの里、最強のハンターだからね」

 

 

 

 

 

ちなみにリオレイアに斬りかかったあのハンターは無傷で帰ってきた。

 

そんで持ってちゃんと狩猟したらしい。

 

飛竜相手に数時間で帰ってくるとか人間やめてんだろアイツ。

 

てか、たまに居るんだよな人外のようなハンターが。

 

なんならユクモ村の専属として戦う先輩ハンターもジンオウガを2頭を同じエリアで同時に相手して無事に狩猟を終えて帰ってくるくらいだし。 終いにはユクモ温泉での土産話が「お気に入りのユクモの三度笠が台無しだ」と苦笑いしてた先輩ハンターのとフィジカル差は次元が違いすぎた。 正直アレくらいの強さは憧れるが、ああはなりたくない変な気持ちもある。

 

 

それだけのはなしだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はちみつください」

 

 

「だからソレやめろ、トウカイテイオー」

 

 

「ぶー! なにさ! なんでボクのために持って帰って来ないかな? このテイオーに献上出来るなんて光栄極まりないのにね。 それともこのボクの魅力に気づいてないのかな? にっしし」

 

 

 

手を伸ばしてテイオーの鼻をつまむ。

 

 

 

「ぴぃ!!?」

 

 

「お前みたいなクソガキは一度わからせてやろうと思ってたところだ」

 

「まー、まー、それまでにしなよ。 お土産のお団子冷めちゃうよ?」

 

「だな」

 

 

「もう! なんだよ! 二人して!ふーんだ!」

 

 

涙目になりながら撤退するトウカイテイオーの姿だが向かったは俺の家の方角だ。

 

まーた団子をたかられるのか。

 

やれやれ、追加で買っておこうかな?

 

 

 

「む、しばらく団子は無いぞ」

 

 

「「え?」」

 

 

 

トウカイテイオーとはまた別のウマ娘が横長い椅子に座って食べている。 しかも何段も重ねられていて、それはまるでカムラの里の受付嬢を務める健啖家なヒノエさんの如く、ウマ娘の彼女もまたその団子の量は負けていない。 食べたものはすぐに消化してしまうだろうが、ぷっくり出ているお腹に対して食べる速度が落ちない光景は何度見ても驚く。

 

 

 

「相変わらずだな、オグリキャップ」

 

 

「ヨモギちゃんのお団子が美味しいのがいけない」

 

「あっ、それわかるよ〜」

 

 

 

たしかにヨモギちゃんのお団子は美味しい。

 

ユクモ村でもお団子は美味しいがヨモギちゃんが作るお団子は元気が込められている味だ。 クエストも元気に熟る。 何より翔蟲や壁など忍者のように立体的に動くからお団子は程よい量で有り難い。 あとクエスト中でも持ち運べて、クエスト中でもベースキャンプで一息つくときに食べるお団子は疲れが取れるし「もう一息だよ!」とヨモギの元気が伝わる。 もちろん集会所で作ってくれるキッチンアイルー達のお団子も美味しいが、ヨモギちゃんのはまた一段と違う。

 

そのくらいにお団子が進むのだ。

 

その結果がお腹を出したオグリキャップ。

 

傘鳥アケノシルムの素材が使われた装衣でも強引に腹を出せるのだからどれだけ食べていることやら。

 

 

 

「ともかく、追加のお団子はいま無いんだな?」

 

 

「ああ、申し訳ない。 しかしお団子が美味しいのが悪い。 "差し"馬だけに、串に()してる団子達が、胃袋のターフを次々と駆ける」

 

 

「え? あ、うん。 ……それで?」

 

 

美味(うま)ぴょい」

 

 

「「………」」

 

 

 

前に「こいつら美味(うま)ぴょいしたんだ!」と悲鳴が聞こえたがおそらくこの事だろう。

 

 

追加のお団子は諦めてセイウンスカイと帰宅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに待ちくたびれたトウカイテイオーが玄関で寝ていたのは余談である。

 

 

 

つづく

 





実況「おおと!追い上げて来た!オグリが指している!オグリが(団子を)刺している!」


《先行》
追い、差し、先行、逃げ、のスタイルの中で絶妙な足捌きが求められる。 何かしらを率いる能力が非常に高く、モンスターが見失わない絶妙な距離感で惹き付けて誘導したり、運搬や逃走などで進行方向に障害などの有無を前線で確認したり、名の通りハンターより"先行"する能力が高いウマ娘の事。 ただし耳や感覚などを通してその時の高い集中が無ければならない難しい役割でもある。


ではまた
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