オトモの枠にウマ娘があるとしたら[凍結] 作:つヴぁるnet
なんか前日、急にUA数が増えたんだけど…
なにが起こったんだ?
《追記》
ランキングに載ってやがる…
なんて事だ…
中身が案外ガバガバなのバレちまうよォ…
ユクモノカサが揺れ
ユクモノドウギは靡き
ユクモノコテを握り
ユクモノオビを締め
ユクモノハカマと
「ああ、そういうことか…」
ユクモノカサ…
この三度笠がほんの少し…
ほんとに、ほんの少しだけ、重たい。
でも、それは背負いたい、重さだ。
「お前に与えたコレは、次に俺なのかい?」
三度笠に付いている上に伸びた"羽"が違った。
お洒落のための"ガァーグの羽"では無い。
いつだったか彼女に渡した"極彩色の羽"だ。
弱った彼女を元気つけたくて、勇気を少しでも与えれてたらと思って、クルペッコ亜種から取ってきたとても綺麗な羽だ。
使われず、綺麗なまま売れば相当高いだろうが、俺にとってそれ以上の値が付いている代物になった。
「だから君はユクモシリーズを…」
正直に言えばありがたい。
何せ太刀を使う時はユクモ装備の方が戦いやすい。
馴染み深い装備で、使い慣れてある。
あと気分的にもそれは大きい。
だが、この三度笠だけは、特別だろう。
彼女に与えた勇気が、今は俺と共にある気がして。
「ヌシはただモノじゃ無い。 わかってるさ」
ランスハンターと、操虫棍ハンターはヌシ・ジンオウガに突貫する。
しかし武器が悪いのか、ヌシ・ジンオウガが異質なのか、2人を寄せ付けない。
スタミナを回復しきって驀進可能なランスハンターでも、特性の雷打石の砥石で強化した操虫棍ハンターでも、ヌシ・ジンオウガはハンター2人に引けを取らない。
まるでハンターや、強者と戦い慣れたように闘争を演じる。
「ぐっ! なかなかに! 一つ一つの攻撃が重いッッ!」
「この装備にでも強引に電気を通すのですか!?」
苦戦の一文字。
やはり真っ向から立ち向かうなど正気では無いのだろう。
ただのジンオウガでは無い。
ヌシと君臨するジンオウガだ。
亜種、希少種、二つ名、進化系の枠とは違う。
純粋に強くなった、ひたすらに強いジンオウガ。
その姿を見れば、何度
姿形だけでそれは普通とは異質である。
兼ね備える威圧感に恐怖すら与えるに容易い。
だが、俺にとっては、それでも"ジンオウガ"だった。
これまでの経験と知識を振り返る。
アオアシラ、 ラングロトラ、 ウルクスス。
時に二足となるその様は、暴力の如し。
ロアルドロス、 ギギネブラ、 アグナコトル
緩急の激しいその様は、奇怪の如し。
ベリオロス、 ナルガクルガ、 ティガレックス
強者として轟かせる様は、怪物の如し。
どれも四方の足で地を這って戦うモンスター達。
もちろんこの中には、翼を持ち合わせる奴、二足で立ち上がって見下ろす奴、さまざま体勢からハンターを襲う奴、どれも化け物として溢れているが、それでも地上戦を主体とした奴らであり、これらはユクモ村でハンターするときに良く出会ってきた奴らだ。
もちろんレウスのように飛竜も存在しているため、出会うモンスターはこんな奴らばかりでは無い。
だが空を制する飛竜よりも、地を這うモンスターばかりと戦ってきた。
それが、どんなに強くても、どんなに凶暴でも、大地を踏みしめるその足が人間の何倍も大きくとも、俺はそんな奴らとユクモ村のハンターとして戦ってきた。
巡りゆく季節を、生い茂る新緑を、枯れ落ちた若葉を、大地に垂れる黒血を、荒地となった修羅を、骸となった生命を、雨雲で潤う恵みを、俺だって沢山をこの足で踏んできた。
今だって、愛バであるセイウンスカイと共に幾度なく残酷な外の世界を、この足で駆けて、この体を掛けて、この命を賭けて、この全て懸けている。 それはこれからも続き、これからも増え続ける。
だから、お前の眼はわかる。
オマエも、幾たびを超えてきただろう。
あらゆる激闘を、惨劇を、災害を。
乗り越えた上での【ヌシ】なのだから。
「アオオオオオオン!!!」
何のためにこの百竜夜行の中で現れたか、何故この場に訪れたのかも、わからない。
ヌシとして闘争に飢えているだけなのか?
カムラの里からしたら迷惑な話だ。
だが理由なんてどうでも良い。
別にその先を知りたいとも思わない。
お前は凶悪なモンスターだ。
認めるよ。
怯えて奮うだけの人間とは違う生き物だ。
例えハンターとして認可されても、弱い者はいつまでも弱く、強い者は少数で、容易く蹂躙されるだろう。
どこかのベテランハンターはオオナズチに屠られ、俺も続いてその古龍に屠られそうになった。
厄災にも、理不尽にも、人は勝てない。
それくらいに脆い存在だ。
人間達に力を貸してくれるウマ娘ほど、俺たちは立派な生き物なんて思ってない。
この業だって、始まりは人間で、皆は知らずしてこれを抗い続ける。
哀れな生き物だろうか。
いくら自傷して足りない。
「だが、俺は__」
ハンターだ。
弱気者のためにハンターを全うする。
ユクモ村で育ったハンターなんだ。
酷く醜い人間でも狩人として辞めない。
例え、それが自己暗示だとしても構わない。
俺は、今ある、俺自身を誇る。
ユクモ村のハンターだと何度でも誇る。
それを"強味"にしてきた。
「…………フッ」
そうだな。
もういいか。
流石に長ったらしいか。
予防線を張りすぎたこの自己満足な前口上はこのくらいで良いだろう。
でも今は許してくれよ。
俺はユクモ村のハンターだから、ユクモ装備で身を整えるとさ、随分と落ち着いて、心も深く澄み切る。
元相棒のユタカも言ってた。
この状態アマグモはユクモ村のハンターって誇りが大きな力になるんだと頷いた。
俺も思う。
俺を育ててくれた村の人達も思っている。
だから、ヌシ・ジンオウガ。
この独白から、一つだけ教えてやろう。
「ユクモ村ハンターってのはな…」
自然豊かな土地に住む彩りと生きる狩人。
紅葉に舞い、若葉を払い、大地を吸う者達。
「四足歩行のモンスターに対してめっぽう強いと言うことを…ッッ!!」
疾風刀・裏月影_
コレを引き抜いたらもう関係ない。
やることは、一つ…
♢
三度笠から見据える彼の眼はいつもよりも鋭く、目の前のモンスターだけにしか視界に入っていない。
本気で本当の真っ向勝負。
本来ある作戦もトウカイテイオーの故障により失敗に終わったから、武器を握る三人のハンター達がヌシと言われれるジンオウガを命懸けで狩に出る。
トウカイテイオーの事は恨んでない。
むしろあれ程のプレッシャーを放つモンスターを背に感じながら最後まで惹きつけたのだ。
それも重大な役割である8馬身以上の最終突破を望まれたが、先行として駆け抜くトウカイテイオーは10馬身以上の差を作っていた。 理想的な走りを見せつけて、作戦を確約させるために彼女は応えようとした。
だが、第三波を超えてきた疲労と、その早すぎた脚を代償にトウカイテイオーは最後の最後で故障して、地に伏せてしまう。
だがライスシャワーがヌシ・ジンオウガの横首を狙い、短剣を殴るようにねじ込んで壁に押し付けた。 ウマ娘は人間の何倍も力がある不思議な生き物だから、ジンオウガをその腕で壁に殴れることは可能である。 ライスシャワー程とは思えないが私もそれくらいの事は出来ると思う。 だが力加減を間違えてむしろ自分の腕を粉砕してしまう恐れはあるから、ライスシャワーほどの度胸と勇気はわたしには無い。
いや、アマグモがそれを望むなら私はそれに『応える』と思う。
彼のためなら、なんだって私はやれる。
だから私はこのエピタフプレートを持っているのだ。
周りにいる里人やウマ娘は私を見る。
ハンターが使うような大剣だ。
何を仕出かすのか理解してるのだろう。
私は逃げ馬であり、差し馬では無い。
だからあの乱闘の中で武器を差しに向かうなんて芸当は早々出来ない。 モンスターの気を引く"逃げ"と、戦闘に割り込む"差し"はまた別の技術だ。 アマグモも言っていたがリアルタイムでの物資補給はそう簡単じゃ無い。 念入りな打ち合わせ、戦闘のプレッシャーに突っ込む心の強さ、どんなに場が悪い状態でもそれを見極めて完全かつ効率良く物資を受け渡してそれを託す。
水分補給気分で飲み物を渡すわけじゃない。
多少なり練習すれば私も出来ると思うが、その練習や作戦で動いたことない私だから、このエピタフプレートを持つ私を見て皆は不思議がり、中には察している者もいる。
そうとも。
私はこの大剣で奴を斬り落とす。
そのつもりで上で待っている。
「アオオオオオオン!!」
「…」
ジンオウガは何度も見たことある。
倒すためにアマグモと協力した事がある。
なんだったら子タル爆弾と共に崖の上から飛び降りたアマグモがジンオウガに斬り込み、そのまま一夜かけて討伐した姿も、私は後ろで見守ってきた。 何よりその日に彼の言った通りか起きた。
__ユクモ村のハンターは四足歩行に強い。
彼はこれまで戦ってきたモンスターの中でジンオウガが多いと言ってきた。
正しく撃退数が多く、討伐数はそう多い訳ではない。
行商人の経路や、新人ハンターの採取クエストのために追い払ったりする程度だが、渓流を越えてユクモ村から近づきすぎたジンオウガは何度も首を落としてきたという。
全てはアマツマガツチの登場がジンオウガの生態系を乱していたと軽く愚痴を言っていたほどに、ジンオウガに関しての知識も深く、武器を引き抜いて対立してからは強かった…
いや、四足歩行には本当に強い姿勢だった。
同じ四足歩行であるマガイマガドの時も片手剣で戦い、タマミツネから採取した"泡立つ滑液"を瓶使い、最後は私が投げ渡した太刀を握りしめ、マガイマガドの頸を一太刀で落とした。
四足歩行のモンスターを理解したような戦いは確かに上位ハンターを名乗るほど。
回収ハンターなんて役割に収まるのがおかしい程だった。
でも個人的にはスローペースなクエストは私も好みで、むしろそこに同感なアマグモだった。 そんな意味でも彼は確かにユクモ村のハンターだって思えて素敵だった。 紅葉を眺めながらうさ団子を添えて、のんびりと過ごすようなユクモ村の住人。 私好みがそこにいる。
でも武器を引き抜けば狩人として眼の色を変えて、何倍の背丈もあるモンスターに対して勇猛に立ち向かう。
どこぞの
立てばアマグモ、座ればユクモ、戦う姿は上位ハンター…なんて彼と共にした湯船の中で口ずさんで揶揄ったことがあるくらいに、私の事のように自慢したくなる。
でも強いのは本当。
ケシキほどじゃないと言うのは謙虚だと思う。
ユタカほどじゃないと言うのも嘘だと感じる。
彼のこの余裕ある減り張りは、上位ハンターレベルになったから身に付いた強さだ。
だからこうしてヌシ・ジンオウガと戦う姿を上から見ていて、不思議と彼が負ける光景が浮かばない。
もちろん目の前にいるのは普通のジンオウガじゃない。
凶悪の言葉で済ませて良いのかもわからないほどの強さを兼ね備えたヌシであり、ただ強いだけのハンターじゃ太刀打ち出来ない。
正直こうやって真正面から見下ろしていることも私も辛い。
プレッシャーに飲まれそうだ。
でもそんな私は何故、もっと安全なところに隠れていないのか?
他のウマ娘は『ウマ娘をしている』のに。
チラリと周りを見渡す。
マヤノトップガンと交代した時のアグネスタキオンも高まる好奇心を押し殺しながらリスク管理を考えてほんの数ミリ程度しか顔を出していない。
ライスシャワーとミホノブルボンは故障したトウカイテイオーを連れて仕掛け路に逃げ込んで安全を確保している。
物資補給に来たマチカネフクキタルとニシノフラワーもモンスターの目に入らぬところに隠れて次の物資補給に備えているところ。
ウイニングチケットもバリスタの補給を終えると騒ぎ出しそうになる自分の口を抑えながら5歩後ろに控えてモンスターの刺激にならぬよう身を隠してる。
いま戦っている第1コーナー、つまり関門前近くで次走のために待機しているウマ娘たち、ビワハヤヒデは観察しながらも険しそうに、ナリタタイシンはいつでも追い込みを掛けれるよう手元に罠を持っている。
ウマ娘は、ウマ娘として役割を果たすために、持てる適正で応えるために、皆は身を弁えてそこにいる。
けれど、私だけは違う。
ヌシ・ジンオウガがその場から崖を見上げれば、私を見つける事は容易いだろう。
逃げ馬らしからぬ、堂々とした命知らずな姿。
わたしはわかってるよ。
ウマ娘の皆が私を見てそれぞを表現に浮かべてるの。
何故隠れない?
何故潜まない?
何故逃げない?
セイウンスカイは逃げ馬だと知っての視線だ。
でも、ごめん。
あと心配してくれてありがとう。
けれど、わたしはアマグモと戦う。
アイコンタクトを取って、決めたから。
「ダメです、割り込めません!」
「いえ、これはむしろ、加勢は危険か!」
手をこまねいてる2人だが、でもそれは正しい。
むしろユクモ村のハンターの太刀使いに割り込まない方が良い。
その巧妙かつ大胆は太刀筋は
そうアマグモから聞いた。
しかし、邪魔もなく一対一で見合う太刀使いはどの武器よりも鋭さに躊躇いが無いと聞いた。
何事も、太刀が1番の最適解等だと言っていた。
アマグモはそれを証明する様に…
「グォォォンッッ!! ガウゥッッ!!」
「…!」
ヌシ・ジンオウガがその大腕で叩きつけても、振るう太刀の遠心力で回避しなぎら払うように、斬る…
ヌシ・ジンオウガが大きな尻尾で薙ぎ払っても、三度笠を掠めるように姿勢低く太刀で撫でるように、斬る…
ヌシ・ジンオウガが雷光弾を放っても、その隙間を見つけながら密度が甘いとばかりに踏み込んで貫くように、斬る…
ヌシ・ジンオウガが雷の柱を走らせても、軌道を予測したように太刀を低く構えながら後方に退避すると一気に踏み込んで、斬る…
ヌシ・ジンオウガがその巨大で突進しても、納刀したその太刀は居合の如く抜刀すれば三つの血飛沫と共に、斬る…
ヌシ・ジンオウガがその剣技に怯めば、迅竜の素材が使われた太刀は容赦ない斬撃が刃の色を血の色に光らせるために、斬る…
キって、切って、斬って、鬼った。
攻も、守も、動も、目も、腕も、足も
毛も、首も、肉も、血も、腹も、皮も
角も、尾も、胴も、背も、喉も、爪も
雷も、声も、舌も、顎も、甲も、牙も
骨も、棘も、頸も、涙も、声も、傷も
馘も、戦も、獣も、血も、名も、光も
そして、まもなく、命を…も…
「グルルルルッッ!!!」
「…」
彼は翔蟲を一つも使わない。
地から足を離さず、決して背を見せない。
常にその大地を踏みしめ、太刀を血の色に光らす。
「こんな日でも、丸いお月様…」
今日は満月。
今は地獄の宴だが、ヌシと狩人が終演を飾り。
渓流から眺めたように綺麗な月が2人を彩る。
そして、再び動き出した。
「グガァァァア!!!!」
ヌシ・ジンオウガは大口を開ける如く、その背中には雷光が瞬き、後ろに引いた右腕を大きく振りかぶるように前に突き出し、何がなんでもアマグモを捻り潰そうと迫り…
雷光を纏う巨体に対して、アマグモは腰を低く、太刀を後ろ脇へ刃を構え、満月の方向に傾く三度笠からは、嵐の中で飲み込んだ迅竜の眼の如く、狩人が眼を紅く見開き…
惨烈にヌシ・ジンオウガから血飛沫が舞う。
「「「!!」」」
だが…
「グルルル! グルルルッッ!!!」
奴は動く。
されど続ける。
ヌシ・ジンオウガは死なない。
「……!」
ヌシに対する一閃の代償。
ユクモの三度笠を掠めて、極彩色の羽が空に散った。
ガァーグの羽では無い、半年前に弱った私を元気付けるために取ってきてくれた、とても綺麗な極彩色の羽だ。
それが三度笠から弾かれて、空に舞い上がる。
アマグモ自身に傷はない。
しかし…
「…」
アマグモは一閃したまま、太刀を動かさない。
残心も取らず、背を向けたまま…
ゆっくりと太刀を下ろした。
「「「「 「 !!!??? 」」」」」」
「 はぁ………はぁ………」
荒い呼吸に追われる。
大きく動く肩。
これ以上の闘争は続かない。
そんな弱さを見せた。
呼吸が止まらない。
むしろ良くここまで一人で戦い続けた。
けれどアマグモはヌシ・ジンオウガに振り向かない。
その現実と向き合わない……
「「「「「そん、な…………」」」」」
戦意喪失……
皆はそう捉えた。
あれだけやっても怪物は倒せない。
息と刃を絶やさず、アマグモは斬り続けた。
紙一重を乗り越えて、太刀筋を重ねてきた…
しかしそれなヌシは応えない。
「グルルルッッ」
ヌシはそこに君臨し続けて弱者を見下ろす。
首から垂れ落ちる血は毛を汚す。
だがそれがなんだとばかりに、動き出す
トドメを刺すため、大腕に雷光が走る。
奴に衰えは無く、一歩一歩が迫る。
人間程度、容易く粉砕するような死の光が…
アマグモに近づく。
見ている皆の、足も、手も、動かない。
これほどのハンターでも、ヌシは倒せない…
____ 勝てない……
ううん。
そんな事を思う セイウンスカイ と アマグモ は居ない。
「テイオー、君の伝説はカムラの里を救ったよ」
三度笠の中で、不敵に笑みを描く。
太刀の刃を地面に向けて、下に突き刺した。
刹那! 眩い閃光が当たり一面に広がる。
「グオッッ!!?」
足元にあった __ 1つの閃光玉
トウカイテイオーが落としたモノだ。
あと、わたしにはわかったよ。
刃に貯めた 錬気 が解き放たれた事を。
それはヌシ・ジンオウガから奪った
同じところを斬らず、あらゆる所を斬った理由。
その光を錬気として太刀に溜めるため。
その状態で閃光玉に刃を突き刺して放った。
「グォ!? ギャゥゥン!?」
やっと吐き出された、ヌシの情けない声。
あまりにも強い閃光は予測不可能。
ヌシ・ジンオウガはその眩い光に怯む。
「セイウンスカイ」
うん、わかってるよ。
私は一歩前に出た。
「嘘っ!?」
「セイウンスカイ!?」
「スカイさん!?」
「なっ!!」
「セイウンスカイちゃん!?」
「スカイっ!!」
私は大剣を持って崖から飛び降りる。
エピタフプレートは月光を浴びて光る。
書かれている文字は分からない。
でもアマグモのことは分かる。
アマグモは色んなところを切っていた。
でもその中で" くび " の部を多く狙っていた。
ヌシ・ジンオウガのくびを斬って、少しでも斬り落としやすいようにしてくれた。
わたしがやってくれると信じて…
そう信じてくれている。
あの日から変わらずに、彼は私に信じて…
頼りにしてくれた…!
__おや〜? もしかしてこの私を選ぶのかな?
__逃げる事だけに脚が慣れてあまりご期待に添えれないかもよ?
__だからこそだよ。
__今の俺にはお前が必要だと感じてる。
出会い。
ここまで君が私に沢山をくれた。
逃げるだけの私に…
怯えていた私に…
弱くて仕方ない私に…
酷く見苦しい私に…
空の晴れない私に…
幾度なく接して、それで優しくしてくれた。
面倒な私なのに、貴方の天候は変わらずだ。
なのに私は何も返すことは出来ていない。
貰うばかりで、潤うばかりで、何も…
あなたはわたしに沢山をくれる。
たくさんの好きをくれる。
そうして好きにしてくれる。
だからわたしはあなたに【応える】よ。
それで返せるなら【応える】から。
ウマ娘なんて関係ない。
わたしが ただ アマグモ に 応えたい
やっと私は、あなたに一つくらい返せるかな?
たくさんを返させてよ、アマグモ…ッッ!!
「ォォォォッッ!!!!!!」
君がくれた 極彩色の羽 が目の前に舞う。
これも、あなたがくれた物だ。
それが目に映る。
これまでいっぱい色々あったもんね。
互いに色々を知り合ったよね。
ありがとうで済まされない、そんな彩り。
その沢山を思い出しながら、力に溢れる。
応えたいを、前に!!
貴方のためを、力に!!
「うぉぉぉぉオオオオ!!!!」
ピロリロリーン!!
セイちゃんの好感度が上限突破してました!!
なーんてね。
私は、あなたの愛バになれて、嬉しい。
ありがとう、アマグモ。
スカイさんはね。
あなたのことがね、とっッッても大好きなんですよ。
1人のウマ娘は『応える生き物』として翔んだ。
もし三女神がここにあるとしたら、そう見えただろう。
しかし大剣を握った先は、ウマ娘では無かった。
まるで馬人族の如く、戦いに身を投じて、奮う。
けれど、そのウマ娘は、種族に関係なかった。
何の者にも囚われず…
ただ、1人の【セイウンスカイ】として。
ただ、1人の【アマグモ】のために。
彼女と言うこの存在だけが…
エピタフプレートを振り下ろした。
「ガァァゥゥ? ……ァ、ァァ_____」
ゴトッ…
この日、一頭のヌシが命を絶やす。
地面にこぼれ落ちたその頸は、横たわる。
その眼は最後に、大剣を持った者を見た。
__ 人と変わらぬ、
驚きも、戦慄もなく、その眼は光を失う。
代わりに峠から光が訪れ始める。
__ォォォォォォオオオオ…ン!!
元凶である風神は傷を負ったまま空へ飛ぶ。
一つの厄災が退けられ、不穏な風は過ぎ去った。
「セイウンスカイ」
青年は少女に駆け寄り…
「ぁ」
そして抱きしめる。
「よくやった」
「…………っ、っ……うん…ッ」
大剣を手放し、青年に抱きしめられる。
「わたし、あなたに、返せたかな、一つは…」
「?」
「私は、何もかもが、貴方からだから」
「…」
震えるように、縋るように、涙を落とす。
慣れない戦闘の興奮が、少女を惑わすから。
でも、この気持ちは不安で、本当だ。
「何も返さなくていい」
青年は応える。
愛しいそうに、その頭を撫でながら…
「ただ、そのかわり…」
頭を撫でながら、少女の顔を見た。
青年は、もともと見返りなど求めてない。
共に駆けていただけで、特別は無い。
でも…
今ここでひとつだけ、青年は少女に応える
「隣に居てくれ。 それだけで良いから…」
「ぁ…っ……………うん!」
あーあ、またですよ。
セイちゃん今日も彼の雨雲に泣かされましたとさ。
しっとりながらも、めでたし、めでたし…ってね。
カムラの里に朝日が出る。
半分に裂かれた 極彩色の羽。
血溜まりの中でもソレは色鮮やかに彩った。
強いて言うなら 青雲 の色を染めて。
つづく
大胆な告白は主人公の特権って、それよく言われてるから。
あと主人公の好きを力にヌシ・ジンオウガ倒しちまうとか…
さてはお前ヒロインだな?
アマグモが 一閃 する前の文章は【MHP3】のパッケージの一枚絵を連想させました。
身につけているのはユクモ装備だけど武器は【ユクモの太刀】ではなくナルガクルガ亜種から作られた【疾風刀・裏月影】で異なります。
これはアマグモはMHP3の主人公ではないメッセージ。
使ってる武器も『亜種』だからね、その意味で彼は違う。
アマグモはモンハン世界のセイウンスカイのためだけにいる主人公だから、MHP3の主人公じゃなくて良いんです。
ちなみにモンスターの名前に使われた色文字。
意味がわかる読者はユクモ村のハンターですね。
これは間違いない。
ではまた
単体で戦うヌシ系の中で特に辛かったのは?
-
アオアシラ
-
タマミツネ
-
ジンオウガ
-
リオレイア
-
リオレウス
-
ディアブロス
-
全部