オトモの枠にウマ娘があるとしたら[凍結]   作:つヴぁるnet

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第8話

翡葉の砦(ひようのとりで)にハンター達が集まる。

 

 

 

そして、まもなく百竜夜行が始まる。

 

 

何故この様な宴が始まったのか分からない。

 

 

理不尽にカムラの里を襲う獣たちの宴。

 

 

参加費はその命で支払われてしまう悪夢の祭り。

 

 

夜が明けるまでつづく残酷な生存競争。

 

 

カムラの里で生きる者はこれに抗うため、戦う…

 

 

 

「ナイスネイチャ、緊張しすぎるのも良くありません。 いつもの自分を保って戦えば問題は無いでしょう」

 

「そ、そうは言うけど、ほら? モブみたいなわたしが出来ることなんて…」

 

「関係ありません。 百竜夜行だろうがあなたらしくやれば良い。 いつも通り、ゆるりと行く…で、良いではないですか」

 

「あ、あははは……やれやれ、あなたには敵わないわね。 でも、トレーナーがそう言うなら…うん、わかったよ。 いっちょやってやりますよ」

 

 

ルドロスの装備で固めたハンマー使いのハンターは戦線に赴く。

 

理系的に丁寧な口調を持ち合わせるも、鋭く放たれるその視線は来たるモンスター達を狩り尽くそうとしている。

 

 

 

「腹は決まってるかい? オグリキャップ」

 

「もともと腹は決まっているが、まだ少しだけ腹は満たされないな、もぐもぐ…」

 

「はは! そりゃ頼もしいねぇ? なら帰ったらあたいとたらふく食べるとするかねぇ!」

 

「むぐ……うん、そうしよう、トレーナー」

 

 

バサルモスの装備で固めた狩猟笛使いのハンターは戦線へ意気込む。

 

女性ながらも重装備を纏った逞しいその佇まいと、そこから始まる演奏は勝利のために鳴り響く。

 

 

 

「うぅ…はぁ…緊張する…怖いなぁ…」

 

「大丈夫だよ! ハルウララとトレーナーさんが戦って! みんなを助けるだよ!」

 

「っ、う、うん! そうだね! みんな戦うんだもん! わたしも負けていられない!」

 

「その通り! ハルウララ!がんばりまーす!

 

 

イズチ装備で固めた新人ハンターはライトボウガンを担いで戦線に震える。

 

けれど笑顔を絶やすことをやめない彼女に元気を貰って百竜夜行へと一歩ずつ進む。

 

 

 

「百竜夜行だがなんだが知らねえが、オレはいつも通りに楽しく狩らせてもらうぜ。 まぁハンターとしてしっかり果たすさ。 安心しろ」

 

「ふふっ、どんな時でも揺るがないその姿勢は一流の佇まいですわね。 だからその大腕をキングである私と共に振るう権利をあげますわ!」

 

「やれやれ相変わらず物好きな小娘だ。 こんなオレについて行くなどよく飽きない…が、それもまたお主だろう! さぁ今日も行くぞ! 楽しい狩の時間だ!!」

 

「言わずとも! このキングが皆に安静を齎せますわ!」

 

 

ゴシャハギの装備を纏ったベテランハンターは大剣を掲げて進軍する。

 

これから来たるモンスターを狩り尽くすつもりで、その剛腕はいつでも狩のために温めているから。

 

 

 

「うおお! すごく燃えてきたな!そうだろ!!」

 

「はい! サクラバクシンオー! いつでも燃え盛る勢いであります!」

 

「ならば後は驀進のみ!! 驀進の先を求めて!! うおおおお!! やってやるぜェェえ!!大驀進だぁぁあ!!」

 

「ダイ!! バク!! シーン!!!!」

 

 

不安すら感じさせない声と共にアケノシルムのランスを抱えて戦線に爆進する。

 

爆進と驀進、それに爆進、あと驀進を込めれば、爆進する百竜夜行に向かって大驀進する爆進的な熱意を込めることで驀進の加速は更に爆進して大驀進と化す二人は大爆進の大驀進だ。

 

 

 

「おお、猛き炎よ…! 皆の心は今日を乗り越えようと団結してる。 とても素晴らしい闘気だ。 これは出遅れることはできないなエアグルーヴ。 私たちも出来る事を果たそう!」

 

「言わずもがなウツシ教官。 わたしは大丈夫だ」

 

 

「シンボリルドルフ、各エリアに位置ずるウマ娘達の作戦に問題ないな?」

 

「ああ、心配はご無用だ。 ウマ娘の皆は強い…と、言いたいが百竜夜行は今回が初めてと言うウマ娘もいる。 何名か新人ハンターもいるようだが、ここに立つ以上もう引き返せないだろう。 立ってしまったターフは駆け抜けるほかあるまいからな」

 

「そうか。 しかし、カムラの里で戦うハンターにはカムラの御加護がある。 それぞれが抱える力と強さを信じよう」

 

 

 

真上を飛んでいたフクズクが騒ぎ出し、空は赤色の煙幕を散りばめる。

 

 

モンスターに動きが起きたようだ。

 

 

 

第一波が訪れようとしていた。

 

 

 

「バリスタ構え!」

 

「「「!!!」」」

 

 

バリスタの迎撃部隊の班長が叫び、里人達が構える。

 

侵入口から現れるポイントに銃口を合わせて徹甲榴弾の装填を終えた。

 

静かに時が流れ……

 

指先が震える緊張感の中で何かのモンスターの雄叫びが聞こえた。

 

そいつらは現れた。

 

 

 

 

「っ……今だ!放て!」

 

「「「!!!」」」

 

 

里人やハンター達はバリスタから徹甲榴弾放った。

 

もちろんガンナーも自前の武器から徹甲榴弾を放ち、侵入口の先頭にいたアオアシラやヨツミワドウの顔に直撃させると目を眩ませて地面に跪かせる。

 

爆発する投げナイフでも援護だ。

 

すると気絶して倒れたモンスターが障害物となり、後方のモンスターは倒れたモンスターを乗り越えて進んできた。 そこに水流が降り注ぎモンスターを濡らすと雷属性を纏った大砲が放たれる。 強烈な電撃が走らせた爆発はモンスターを感電させて動きを止めた。

 

 

「集中砲火だ! 連射砲撃ち方はじめ!」

 

 

連射砲は弾がある限り最後まで放ち続ける。 一方的に攻撃を受けるモンスターは連射砲の嵐の中で蜂の巣となり、次々と討伐に成功する。 命の危機を悟るモンスターは失っていた冷静さを取り戻すように退いてゆく。 逃げ帰るなら深追いはしない。 それでも命知らずで襲いかかってくるモンスターはバリスタや大砲で集中砲火を行って防衛戦戦の中で封じ込める。

 

 

今のところ兵器だけで百竜夜行を抑えている。

 

この調子ならば百竜夜行の第一波は完封出来るだろう。

 

 

 

 

そう、"第一波"は…の話である。

 

 

 

「次だ! 速やかに準備しろ!」

 

「第二波に備えろ!急げ!」

 

 

ナルガ装備の女性ハンターとナリタブライアンの声が響き渡ると、翔蟲を使って上からや、設置台の傍や、その地下に隠れていたウマ娘とハンターが次々と出てくる。

 

ハンターは道具箱から罠を取り出して地面に印されている部分に設置する。

 

しかし設置するならば動きを封じ込める罠だけではなく、攻撃で大ダメージを与えるタル爆弾も置きたい。

 

だがタル爆弾は火薬などが詰まってなかなかに重たく、そう安安と運べる物ではない。 鍛えたハンターでも苦労する。

 

なぜなら重たい装備を背負った上で運ぶのはかなり苦労するからだ。

 

そもそもタル爆弾はこのような短い時間の中で設置するのではなく、あらかじめモンスターを誘う位置に設置してから余裕を持って扱うことが基本。 そのため第二波が来る短い時間とその緊張感の中で罠と同時に設置など危険である。 力自慢の里人でも持ち運びは苦労を強いられ、戦えない身で戦線のど真ん中に降り立つなど正気ではない。

 

だからタル爆弾を取り扱うことは案外にも難しい。

 

しかし走る事を優先とした軽装備のウマ娘ならそれは容易だった。

 

身体能力の高さから大型のタル爆弾を軽々と持ち運ぶことが可能であり、第二波が来る短い時間でも余裕を持って次を備えてくれる。

 

しかも次に出てくるモンスターに合わせた属性のタル爆弾を選べることは大きい。

 

空を見上げれば各色に塗装された煙幕が放たれる。

 

 

「赤は炎で黄色は雷デース!みんなエルに続いてくださーい!」

 

「この王者である僕こそテイエムオペラオーに任せたまえ!」

 

「うむむ……お団子みたいに美味しそうだな…」

 

「まぁまぁ、それは後で美味しく頂きましょう」

 

 

第二波の先頭に立つモンスターの情報が空に打ち上げられた煙幕で把握できる。 第一波のように徹甲榴弾で気絶させて転ばしたモンスターを利用したバリケードを作ればバリスタなどの兵器で撃退は捗る。 そのためには確実にモンスターを地に伏せさせる必要がある。 そのため的確な属性のタル爆弾を使ってモンスターを怯ませ、それでもダメなら徹甲榴弾で目眩を起こしてソイツらを跪かせ、そのバリケードを乗り越えてきたモンスターは設置された数々の落とし穴に嵌める。

 

第二波はこのように乗り越える。

 

そのためにはまずタル爆弾での攻撃が効率的である。

 

だからこそ煙幕の色を確認したウマ娘を使うことで各属性が備わったタル爆弾をこの短時間で設置して、第二波に向けて可能な限り猶予を作り上げる。

 

だがこのためのプレッシャーは大きい。

 

もしかしたら急にこの場にモンスターが現れるかもしれない。

 

このような恐怖心も隣り合わせにタル爆弾を設置する必要がある。

 

だがそれに負けない精神力を持ち合わせた"差し"のウマ娘が輝く。

 

 

いつだったか百竜夜行の中でも"差し"のウマ娘は輝くと言った筈だ。

 

まさにこれがその一つだ。

 

 

誰でも百竜夜行は怖いもので危険と知っている。 その恐怖心を押し殺して皆は戦う。 それはウマ娘も同じ。 誰よりもその先を駆ける事がウマ娘の魅力で最大の力となる。 特に逃げや先行と言ったウマ娘は最初から最後まで先頭を目指して後ろを見なければ、そいつらの後ろすらも拝もうとしない。 だから背筋に感じるプレッシャーを真正面から受けることができるウマ娘は早々いない。 そもそも『馬』は敵に立ち向かわない生き物だ。 その脚で逃げ延びるために力が備わっている。 だからラージャンの威圧感を真正面から受け止めたセイウンスカイを思い出す。 可哀想な事をしたと今でも後悔するくらいに彼女達は脆い。

 

 

しかし例外は居る。

 

エルコンドルパサーやオグリキャップ、他にもグラスワンダーやキングヘイローなど、そう言ったウマ娘はむしろその威圧感と闘おうとする精神力を持っている。

 

武器は握れないにしろモンスターと対面して戦うハンター達と似た何かを持ち合わせている。

 

あと何というか"差し"の特性を持つウマ娘は『自分に揺るが無い』子が目立って多い。

 

なんなら自分を理解してると言った方が正しいか…?

 

エルコンドルパサーやキングヘイローの様なタイプはわかりやすい。 自分を持ってそれに立ち向かわせる力を持っている。

それは強さだ。

 

グラスワンダーやナイスネイチャーの様なタイプは一旦退いてるも、どこで差すべきタイミングが大事なのか自分の力量を持って弁えている。

これと差す強さだ。

 

オグリキャップは言わずもがなアレは大物だ。 あとテイエムオペラオーもこの地獄の様な宴でもまったく揺るがない。 余裕の強さだ。

 

あいにくカムラの里にはウマ娘は多くて、それで百竜夜行に強い精神力を持つ差しのウマ娘で多い。

 

もちろん逃げや先行がダメとかそうではない。

 

百竜夜行ではない時のクエストはむしろ迎撃ではなく"討伐"がメインだ。 しかし百竜夜行の余韻にてモンスターが近くで固まっている場合が多く、特にカムラの里から近い大社跡なんかはモンスターを分断させないとクエスト中の事故が起きやすい。 そのためか万が一の回収班が求められる。 これではネコタクも休まらない。 でもその事故を減らしたい時に力を貸してくれる"逃げ"や"先行"のウマ娘は頼もしい。

 

これに関してはセイウンスカイやサイレンススズカを通して嫌と言うほど俺は知っていている。

 

だからそれぞれの適正を持ってそれぞれの場面でウマ娘を頼りにする。 だから百竜夜行の中で逞しくその脚を使ってくれる差しのウマ娘に感謝してカムラの里はこの宴に負けないために戦う。

 

 

 

 

 

ならば、百竜夜行の中で逃げや先行を得意とするウマ娘はどこで戦うのか?

もちろん差しのウマ娘と"併走"して足並みを合わせるだろう。

 

タル爆弾を置いて、バリスタの補充などに駆ける。

 

馬は群れる生き物だからその特性を持てば差しのウマ娘に続いて役割を果たせる。

 

だから百竜夜行でタイプが"差し"じゃないからと言って何もできない訳じゃないのだ。

 

 

 

 

けど、俺とセイウンスカイは違う。

 

 

 

 

百竜夜行は翡葉の砦まで続く"道"がある。

 

これ利用して百竜夜行の進行を遅らせるのが俺の役目だ。

 

 

そもそもなぜ『第一波』や『第二波』が存在するのかご存知だろうか?

 

 

それは大群が押し寄せないようにするためだ。

 

命を怖ない人海戦術はこの上なく怖い。

 

知性を持たない獣はどうでも良いが、人生を豊かに生きる人間はどうでも良くない。 差別的な言葉だが、そんな獣と人間を比べたらまだ知性を持って生きる方に大地を踏み締めて欲しいと俺は思う。 互いに殺させれるつもりはないけど、俺たち人間が生きている場所にモンスターを踏み込ませるつもりはない。 平穏を侵す者は淘汰されるべきだ。 けれどモンスターは獣の如く命惜しまず大群となって襲いかかる。 それではカムラの里は持たない。

 

ならばその大群を分断させ、兵器が充実している翡葉の砦で向かい打てばモンスターは無理なく迎撃できるだろう。

 

 

ではどのように分断させるのか?

 

まずカムラの里は高山が多く谷底も多い。

 

そしていくつか別れ道が存在する。

 

翡葉の砦まで続く道や、ぐるりと一周できる道が存在する。

 

翡葉の砦の道まで続く別れ道には関門が取り付けられていて、モンスターを分断して夜行の進行方向を変えたりも可能だ。

 

しかしそれだけではダメ。

 

しっかりと手を施してモンスターをコントロールする必要がある。

 

高い崖の側面に取り付けられた撃龍槍、高台に設置したバリスタの後退弾、肥やし玉や閃光玉を使って進行を遅らせ、可能ならばそこで迎撃もする。

 

しかしそれでも10%ほどの迎撃にしかならず、関門や柵を壊してモンスターは乗り越える。 それでもある程度は分断できるので闘技場で使われるような地面から飛び出す柵を使って取り残されたモンスターを一時的に堰き止める。

 

タル爆弾を崖の上から降下してモンスターにダメージを与えたりする。 そして最終手段は先頭のモンスターを"操竜"してエンエンクのフェロモンを振り巻いてから命懸けの鬼ごっこをする。

 

するとエンエンクのフェロモンは密集するモンスターに感染して、操竜されているモンスターを追いかける。

 

 

これがもう怖い。

 

 

 

てか、俺がこれをやっていた。

 

 

操竜しながらマキムシを撒いたり、雪玉コロガシを後ろに投げつけてモンスターの動きを鈍らせたりと、あらゆる環境生物を使って抵抗しながらフェロモンが続く時間ギリギリまで鬼ごっこをする。

 

カムラの里の最終防衛戦である翡葉の砦も大変だが、そこまで続く舞台裏でもこれだけの苦労を抱えて戦っている。

 

しかしそうしなければ里は蹂躙されてしまう。

 

皆が命懸けなんだ。

 

 

だから地獄の鬼ごっこも耐えないとならない。

 

 

 

しかし、それはいま、別の者に託された。

 

 

 

「ぜぇ、ぜぇ! この程度! まだ爆進を…!」

 

「そろそろね。 スカイさん、まだ行けますね?」

 

「問題ないよ〜、スズカさん! 全然行けるって! むしろ"長距離"は得意だからね!」

 

「マヤも全然テイクオフ出来るよー!」

 

「わかりました。 では離脱します!」

 

 

 

駆ける脚は誰よりも速いサイレンススズカだが、長い距離は苦手であり息が耐える。 しかしモンスターを引き連れる一週目は彼女が適任だ。 元気有り余るモンスターの脚はサイレンススズカに追い付かず、そして追いかけるに夢中なモンスターはバリスタなどのダメージで体力を削っていく。

 

そして翡葉の砦に続く関門を塞がれると残った別れ道に進み、またグルリと回る二週目で長距離を得意とするセイウンスカイやマヤノトップがサイレンススズカやサクラバクシンオーとバトンタッチで代わり、モンスターを引き連れる。

 

ちなみに"バトンタッチ"と言うよりかは"地獄の切符"を託すと表現が正しいだろう。 そしてバトンとなる代用品は"陽動"のスキルが込められた"護石"である。 それにエンエンクのフェロモンで更に効果を引き出してモンスターを引き寄せるのだ。 陽動はモンスターに狙われやすい効果を持っており、そこにエンエンクのフェロモンをプラスして、逃げや先行のウマ娘はそれを持ってモンスターとの追いかけっこを始める。

 

このようにぐるぐると立地を活かして第二波になった群れを分断する作戦。

 

見ているとヒヤヒヤものだがウマ娘の脚だからできること。

 

戦力を過剰させずに百竜夜行の流れをコントロールして、最後は仕留める。

 

 

 

「セイウンスカイ…」

 

 

 

俺が操竜して逃げていたよりも安定したレース。

 

これほどに適材適所と言える存在がいたのか?

 

ああ、そうとも…

 

彼女達は竜夜行からカムラの里を救うために現れてくれたのだ。

 

 

 

けど最初は皆が思った。

 

 

 

_【馬】と【人】が合わさった馬人族に何が出来るのだろうか?

 

_オトモダービーと名付けられた彼女達に何を求めたら良いのか?

 

_駆けるだけのその脚にどこまで可能性を秘めているのだろうか?

 

 

 

 

間違いなく、カムラの里における全てだ……

 

 

 

 

「おっと? 何匹か道を間違えて逃げ帰ってたようだ。 行くぞ!」

 

「うっしゃぁぁあ! 燃えてきたぜぇぇ!」

 

「気炎万丈ォォ!!」

 

 

サイレンススズカのトレーナーを除いて細道でバリスタなどを務めていた俺を含めるハンターは崖から降りて『帰り道を間違えた』モンスターに向かって攻撃を仕掛ける。

 

当然ながら本命の迎撃ポイントとなる翡葉の砦でボコボコにされてふらふらと来た道を戻ってきたモンスターに翔蟲を使って攻撃を叩き込み、操竜状態にすると奴らの来た道を逆走させる。

 

別れ道の関門を超えて翡葉の砦に向かおうとする第二波のモンスターに向けて勢いよく突進させた。 正面衝突が始まる数秒前に操竜から離脱して翔蟲でその場から退避すると、その間に逆走するモンスターと向かってくるモンスターの肉同士がぶつかる音が響き渡った。

 

成功したようだ。

 

 

「ざまーみろ、バーカ」

 

「あっははは!! なかなかに燃える操竜だった!!!」

 

「ふっ…たわいもないな!」

 

 

 

それでも百竜夜行は止まらない。

 

まだ第三波が残っている。

 

ウマ娘の脚は疑わないがセイウンスカイが心配だ。

 

そう思ってバリスタのエリアに戻ろうとした…

 

 

 

その時である。

 

 

耳をつんざくような音と、背筋が凍るナニカ…

 

 

 

 

「くっ……!?」

 

 

 

 

 

 

 

紫色の炎が嵐となって襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ッッ!!???」

 

 

 

なんとか体は反応していた。

 

 

心臓を守るように盾を構えて何かを凌いだ。

 

 

そして生存本能故か腰に手が伸びていた。

 

 

翔蟲を握って岩壁に隠れるように後方に放つ。

 

 

 

「くっ…なんだ今のは!? 何かが薙ぎ払われたのか!? ラージャンの光線か!? いや、もっとあれは持続的だ。 今のは弾け飛ぶような破壊力だ…何が一体」

 

 

 

 

すると…

 

ランス使いのハンターが弾けた。

 

 

 

「ぐぁぁあ!!」

 

「おい!? どうしたと…ッッ!? がっ!!」

 

 

 

「!?」

 

 

 

突如爆発が襲う。

 

ランスハンターは壁に吹き飛ばされた。

 

そしてもう一人のハンターすらも爆破が襲い、壁に吹き飛ばされる。

 

 

 

「!?」

 

 

 

な、何が起きている!?

 

ば、爆発…??

 

 

いや、冷静にならないとダメだ。

 

あの破壊的攻撃は…

 

そう、あの方向から…

 

 

 

セイウンスカイが走る……

 

 

 

 

 

「はっ!!? セイウンスカイッッ!!!?」

 

 

 

 

 

彼女の顔が浮かび上がる。

 

 

岩影から飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが迂闊だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ____」

 

 

 

 

 

 

 

 

「グルルルル…」

 

 

 

 

 

 

 

死んだ__

 

 

 

そう思えるくらいに、まずかった。

 

 

 

見たことない正体がこちらを嘲笑う。

 

 

 

いつのまにか漂っていた紫色の炎。

 

 

 

これが最後の景色かのように……弾けた。

 

 

 

 

 

 

 

つづく




カムラの里にとって命がけの百竜夜行をビュフェやバイキング感覚で訪れたマガイマガド君好き。
さっさと玉を落とせや。

あとアマグモ以外に出てくるハンター達はRisz体験版に出てくるハンターたちが元ネタです。
ルドロスのハンマー使いやイズチのライトボウガンの女性とか。


百竜夜行の構造は作者のご都合主義です。
ウマ娘を使うならこのような形が求められると思ってのご想像でした。

一応イメージとして頑張りました。

[ 大社跡とか]
→→↓←←←←←←
□□↓□□□□
□□↓□□□□
□ ← ← ←←□
□↓□□□↑□<<ウマ娘がぐるぐる
□↓□□□↑□<<距離は1マイル位?
□↓□□□↑□
■↓ → → ↑□
[関門]■□□<<黒いのはバリスタとか
□↓↓□□□□
□↓↓□□□□□□
□↓↓→→→→→[出口]
[翡葉の砦]□□□
□□↓↓□□□
□□□↓↓□□
□□↓↓□□□
□↓ ↓ ↓ □□
[最終関門]<<イブシマキヒコ戦の場所
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
[カムラの里]


ただ『第二波』とか『第三波』とか都合よくあるくらいならどこかで分断して、時間稼ぎして、戦えるエリアで撃破ができるようにしてるのでは? と、ご勝手な想像から生まれました。 まぁモンハンのゲームにマジレスなんてどうかしてますが、描写上はこれイメージしてます。それでもフィールドの構造が研究不足で矛盾点があるならもう何も言うまい…うん。


あと百竜夜行で差し馬を活かしてみた解釈でした。
ゲームじゃタル爆弾をハンターはポコポコ置いてるけど、設置するのにかなりの労力とプレッシャーを必要する考えならば、その身体能力を使えるウマ娘が代わりにやってくれるなら? と、考えて完璧な後方支援です。
里人がバリスタや大砲を操り、ハンターが心置きなく武器で戦い、ウマ娘が即座に罠を仕込み裏方でも物資補給のためにの差し馬は輝く。

百竜夜行が安定した瞬間でした。

それでもマガイマガドみたいな理不尽には勝てない。
これがモンスターハンターの怖いところですね。


ではまた
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