お待たせしました!
深夜になり辺りには静けさや夜の動物達の鳴き声が静かに聞こえてくるのが千景の耳に届く。
「……いい夜だな」
俺はトランスチームガンを持ち、もう片方の手にコブラロストフルボトルを持っていた。
そして、それをボトルを振りトランスチームガンに差し込む。
《コブラ!》
「……蒸血」
《ミストマッチ!コブラ‥コッコブラ‥ファイア‼️》
俺はトランスチームガンは俺の周りに軽く振るい煙に包まれる。
「これがブラッドスタークか」
ブラッドスタークに変身した自分を見て身体の調子を確かめる。
「あれもやってみるかな……ん、んん!!‥‥ふぅ、へぇ~こんな感じに声が変わるんだな。でもやり過ぎると声を忘れたら嫌だな………戻すか」
声を変えて遊んだりをしたが、すぐに止めた千景。
因みに先ほど変えていた声はデザストの声に変えていた。ブラッドスタークの姿なのにデザストの声に変えてたのは特に意味はない。
「さて、目的の場所に行きますかね♪」
ブラッドスタークに変身した千景は夜の森の中を進んでいく。
少し旅館から離れた場所に歩いていると何かしらの結界に巻き込まれたのが感覚的に伝わった。
「これが封鎖結界ってやつか?」
千景は少し周囲の情報を得るために五感の感覚を集中して上げる。
それによって話し声が千景の耳に聞こえてきた。
「声の感じからしてなのはとフェイトの2人か……。てっきりユーノかアルフの方かと思ったが、別々に結界でも張ったか?」
俺は声の聞こえた方に向かい歩いていく。
「ハァッ‼️」
「やぁぁ⁉️」
そこで千景が見たのは高町なのはとフェイト・テスタロッサの2人が魔法戦を繰り広げている姿だった。
「このまま見てるのもいいが、そろそろ俺も介入するかな」
「少し待てよ」
「ん?」
俺が声のした方に視線を向けると、そこにはパラドがいた。
「何のようだパラド」
「後、少し待ってくれると面白いものが見れるからさ。お前には手を出さずにいてほしいのさ♪」
パラドが楽しげにしながら俺に言ってくる。こいつがこんなに楽しげな理由は考えられるのは──
「また、あいつに何かしらの用意をしたのか?」
「あぁ!これでヒロマサのレベルが更に上がるからな」
「嫌だと言ったら?」
俺はパラドへと拒否の言葉を投げ掛ける。
「お前とは1回ガチで殺り合いたかったからな……今の俺の全力で相手をしてもらうさ」
千景から投げ掛けられた言葉に殺気と共にパラドは返答した。その言葉に嘘偽りはないと証明するように。
「俺も俺で動いときたい理由があるからな。今回はお前を沈めて動かせてもらうぞ」
拳を握りしめ戦闘態勢に入る千景にパラドのギアデュアルガシャットを取り出した。
「変身したらどうだ?それくらいなら待ってやるよ」
「なら、遠慮なくガチで行かせてもらうぜ」
《パーフェクトパズル》
「変身」
《デュアルアップ!》
ブラッドスタークに変身している千景と仮面ライダーパラドクスレベル50に変身したパラドが互いに拳を構える。
「っ‼️」
「クッ⁉️」
先に動いたのは千景だった。
千景は右ストレートでパラドクスに殴り掛かったが、それに反応して千景の攻撃を躱したパラドクスだが、すぐさま次の攻撃の蹴りがパラドクスを襲い掛かり直撃した。
「動きがまだ甘いな」
「ならこれならどうだ?」
パラドクスは自身の力を使い、周囲にあるエナジーアイテムを使用する。
《マッスル化》《マッスル化》《マッスル化》
《高速化》《高速化》
「行くぜ!」
エナジーアイテムを使用したパラドクスは目にも止まらぬ速さで千景に接近する。
「ふん………おっと」
千景は高速化をして高速で動くパラドクスの動きを読み攻撃を回避する。
何度も千景へと拳や蹴り放つパラドクスだが、一撃も千景には当たらなかった。
「マジかよ⁉️」
「攻撃が当たらないならマッスル化の対処もしなくていいからなっ‼️」
「ガッ⁉️」
パラドクスが千景に攻撃する擦れ違いの瞬間に千景はパラドの腹を殴り地面に倒す。ドガッ⁉️と音を立てながら倒れるパラドクスを見下ろす千景。
「なるほどな。やっぱ経験値の差はデカイな……心が滾る!」
「仕置きだ、パラド」
《コブラ》
俺はスチームガンにコブラロストフルボトルをセットしてパラドクスに銃口を向ける。
《スチームブレイク!コブラ》
ドギャァァン‼️
「グワァァ!……ッッ⁉️」ドタ!ゴロゴロ⁉️
スチームブレイクの直撃を受けたパラドクスは地面に転がり、その後を俺は歩きながら追う。
「ガハッ‼️……クソ⁉️」
「変身は解除されてないみたいだな」
俺としては変身解除が出来るくらいの威力は出したつもりだったけど無事のようだった。……それでもライダーゲージは半分は減ったみたいだが。
「こんだけ騒いでたら、向こうにいる2人も流石に気付くか」
千景は自前の感覚により戦っていた2人の魔力反応がこちらに向かっているのを知覚していた。
「余所見とは余裕だな!」
ガシッ!
「な⁉️」
視線をパラドクスから外していた筈の千景は殴り掛かったパラドクスの拳を見ずに止めた。
「俺の目的の為にもお前には働いてもらわないといけないからな。だが、俺の行動を邪魔するならば容赦はしないぜ」
「ガァッ⁉️」
パラドクスの拳を離した瞬間に千景は蹴りをパラドクスに叩き込む。
それによりパラドクスのライダーゲージは更に少なくなった。
「アナタは⁉️」
「え、誰?──貴方は⁉️」
どうやら、この場になのはとフェイトも到着したようだ。なのはも俺の近くに倒れているパラドクスを発見して驚いているようだ。
「こんな夜更けに君たちのような子供が夜遊びとは感心しないな」
俺はなのはとフェイトの方を見ながら言った。
緊迫した状況になっていく中、なのは達の前にいた千景は急にその場から後ろに下がった。
ドガガガガ‼️
先程まで千景が居た場所に無数の弾丸が撃ち込まれる。それを見たなのはとフェイトもその場から少しだが離れた。
「やっと来たか」
唯一パラドだけはその存在の事を最初から知っていた。
千景たちが弾丸が放たれた方向である上空に視線を上げれば、そこには仮面ライダースナイプがいた。
「面倒になってくるな」
千景は本当に面倒だなと感じてため息は吐きたくなった。
「そう言うなよスターク。ここから面白くなるんだからな!」
ライダーゲージが半分以下にまで減っているパラドクスは倒れていた身体を起こして立つ。
「っ⁉️」
今この場には千景、パラドクス、なのは、スナイプ、フェイトの5人がいて膠着状態になっている。
今回のジュエルシードの回収が出来ているフェイトはなのはとの戦いに勝って更にジュエルシードの回収をしようとしたが、近くで戦闘をしていた千景とパラドクスの戦闘音が聞こえてきた為に、なのはとの戦闘を中止してこの場に来たのだ。
「フェイトォォ‼️」
「あ?」
「──ッ⁉️」
膠着した状態の中で突然現れたのはフェイトと契約している使い魔のアルフであった。
奇襲のように近くにいたパラドクスに襲い掛かるも軽やかに避けられ自身の腹に一撃を貰ってしまう。
「なのは⁉️」
「ユーノ君!」
「そっちの方も来たのか」
アルフが来たことからその相手をしていたなのはのパートナーであるユーノのこの場に来ていた。
「何でここにスタークとパラドクスが⁉️……」
スナイプはここに本来はいる筈のない2人の存在にマスク越しでも驚きを隠せないようであった。
千景もスナイプに変身しているヒロマサがここに来るまでにある程度は終わらせていたかった。
「………」
俺は現状を確認し、それぞれの相手への対処は簡単に出来るが後のことを考えるならここで退散してるのが得策だと考えた。
次も面白くなるように頑張ります!