『反転』が術式の高専先生   作:揚げ物・鉄火

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書きたかったので書きました。以上。
反応が良ければ続きます。

時系列的には百鬼夜行の二ヵ月後くらいです。

それでは、どうぞ。ごゆっくり!


第一話

東京都立呪術高等専門学校、通称.呪術高専東京校の廊下を黒髪赤目の高身長の男が歩いていた。

 

「えーと、これを伊地知くんに渡して…それから硝子さんにこの新しい薬品を持って行って、それから夜蛾学長にこの書類に目を通して貰って…それが終わったら準一級呪霊の討伐任務に行って…それも終わったら歌姫さんと打ち合わせをしに京都まで向かって…全部終わったら食事にでも誘おうかな?」

一人でブツブツ呟きながら術式の応用で大量の書類を宙に浮かし廊下を早歩きで歩いていると廊下の角から一人の男が飛び出して来る。

 

「お疲れ様でぃーす!」

「あっ、お疲れ悟くん。廊下の角から飛び出るのは危ないから止めようね?」

廊下の角から飛び出て来た白髪に目隠しをした高身長の男性、五条 悟に大量の書類を持った男が注意する。

 

「なんだよ、ちょっとくらいいいじゃないケチ!そんなんじゃモテないぞ?」

注意された五条が資料を持った男、禪院 転弥(てんや)にそう言い放つ。

 

「君にそう言われると結構キツイね…」

空いている方の手で胸を軽く押さえながらそう呟いた。

 

「おやぁ?結構響いちゃう?最強()の言葉って結構響く?」

「結構響くよ。はぁ…仮にも君の先輩なんだけどなぁ」

五条の言葉に溜め息を吐きながら再び歩き出す。

 

「あっ、そうだ。真希が探してたよ」

「……そうか」

五条の言葉に一瞬だけ立ち止まるがすぐに返事して再び歩き出す。

 

「行ってやらないの?お兄さん(・・・・)

「兄じゃない…先生だ。分かったか?」

五条の言葉に一気に振り返り呪力を込めた拳で殴るが常時展開している無限によって阻まれた。

 

「おお、怖い怖い。短気はモテないぞ?」

「お前が怒らせてんだろうが!」

五条の煽りの連続に転弥の怒りが増して行くがすぐさま術式を使い気持ちを落ち着かせる。

 

「反転…ふぅ。ごめん、取り乱した。それで何か用でもあるの?」

「特に無いよ」

「……」ピキッ

何の用も無いのに煽って来た後輩に蟀谷に血管が浮かび上がるが何とか心を落ち着かせる。

 

「そうか…じゃあ、この書類を届けないといけないから先行ってるね」

さっさと話しを切り上げて先に向かう。

 

「うん、じゃあね~」

五条も手を振りながら見送った。

 

 

 

 

「学長。こちらの書類のチェックをお願いします」

転弥が呪術高専東京校学長の夜蛾 正道に数枚の書類を渡す。

 

「ああ、ありがとう。…確認した。特に問題は無いな、お疲れ。確かこの後、京都校に行くんだったか?」

「はい。準一級呪霊を祓ってからですね」

「そうか。ならあちら(京都校)の学長によろしく伝えておいてくれ」

「はい、お任せください。では…」

書類を確認し終えた夜蛾学長が確認の判を押して転弥を見送った。

 

 

「…禪院 転弥。『禪院家の異端児』。相伝の術式を持たずに生まれ、実家に妨害されながらも努力だけで一級術師まで登り詰めた天才か…」

転弥が部屋から出て数分経った頃に学長の夜蛾が思い出したように口にする。

 

「昔から強かったが今も更に強くなったな…庵 歌姫、五条 悟と夏油 傑、家入 硝子に出会って…呪術師殺しの伏黒 甚爾と闘って、そして二ヵ月前の百鬼夜行で遂に化けた」

二ヵ月前に呪詛師に堕ちた自分の嘗ての教え子が起こした百鬼夜行を思い出しひっそりと呟く。

うさぎ型の呪骸を作りながら自分の教え子の成長を喜び、同時に別の事を思い出す。

 

「そういえば、歌姫とは上手く行ってるのか?本人は隠してるつもりだがバレバレだったからな。…帰って来たら聞いてみるか」

そう言って呪いを込めながら呪骸の作成を続ける。

その数分後に五条が部屋に突入して来たせいで作成中の呪骸を破壊されるがそれは別の話。

 

 

 

 

俺は、禪院家と言う呪術界の御三家と呼ばれる名家で生まれた。

生まれて間もなく相伝の術式を持っていないと言う理由だけで役立たず扱いされた。

『使えない奴』、『役立たず』、『種くらいの価値はあるだろう』と言われて育った。

正直に言うと俺の実家はクズだ。

『禪院家にあらずんば呪術師にあらず。呪術師にあらずんば人間にあらず』って堂々と言ってしまうあたり割りとイカレてると思う。

だけど俺は、そんな実家で十数年過ごして高専に入学した。

 

高専に入学して好きな人が出来たし(告ってない)、生意気な後輩達も出来た(片方は最強になり、もう片方は闇落ちした)。

そして素直な後輩達も出来た(片方はサラリーマンに成ったけど帰って来たし、もう片方は片腕失って補助監督やってる)。あと一回死にかけた(生きてるから別に良い)。

 

振り返ってみると割りと充実した学生時代を送れたと思う。

高専在学中に一級呪術師に成って卒業と同時に実家と縁を切ってやったけど、あの時の顔は見物だった。

カメラを持って居なかったのが悔やまれるレベルには。

 

実家と絶縁する時にもちろん色々と言われた。

『今まで育ててやった恩を忘れたか!?』←そもそも邪魔ばっかして来たから恩なんて感じてない。

『貴様に禪院家の人間としての誇りは無いのか!?』←クズとしての誇りなんてある訳が無い。

『その術式を禪院家の為に使う気は無いのか!?』←微塵も無い。

『仮にも次期当主候補として恥ずかしく思わないのか!?』←次期当主候補だったなんて初めて知った。

『お前が可愛がってる真希と真衣がどうなっても良いのか!?』←困るから実家の奴等をボコした(主に直哉)。

とか何とか色々とあって何故か当主の禪院 直毘人と一対一で闘う事になり本当に闘った。

 

『投射呪法』は、確かに動きが速く攻撃を当て辛いが当たらない訳では無いので本気でやってたら「参った。降参だ」って降参してくれた。

そして当主直々に絶縁宣言をしてくれた。そのお陰で実家と完全に縁を切れた。たまに宿として使わせて貰ってるけど。

 

と、まあ。実家とは色々あったし可能な限り思い出したく無いが京都と東京に一人ずつ妹のように可愛がっていた娘達が入学したから困ったもんだ。

理由を聞いたら何でも「実家の奴等を見返してやるため」らしい。

呪術師として成長してくれるなら嬉しいが何だか複雑な気分だ。

 

 

それも置いておこう。

今回の任務で『窓』の人に「海辺で牛頭の準一級呪霊を確認した」って報告を受けて近場で手の空いてる準一級以上の術師が居なかったから俺が向かう事になった。

補助監督の人が帳を降ろしてくれたし目的の呪霊も見つけた。

そこまでは良い、普通に良くある事だ。でも、これだけは言わせて欲しい。

 

「相手の等級を間違えるのマジで如何にかしてくんないかなぁ?」

目の前の牛の頭に蜘蛛の体を持った呪霊。どっからどう見ても『牛鬼』ですね。はい、ありがとうございました。

『牛鬼』は、呪いの中でも有名な部類だし確実に『特級呪霊』に分類される。

なのにこれを準一級とかふざけないで欲しい。

 

「他にお仲間でも居るのか?」

「……?」

俺の質問に牛鬼が頭を傾げる。

「ブモォオオオ!!」

そして何を考えたのか急に雄叫びを上げた。

 

「うるっさ…」

突然牛鬼が上げた雄叫びに耳を塞いでいると複数のそこそこ強力な呪力が近づいて来るのを確認出来た。

 

「…なるほど。仲間を呼んだか」

周囲の岩陰から現れた呪霊を一体ずつ確認していく。

 

「特級の牛鬼が一体。一級が二体。準一級が四体。二級が七体。準二級が五体。それ以下が十体。合計、二十九体か…」

どうしよう。思ったより多い。

 

「仕方ない。特級には特級をぶつけるか」

そう呟いて腰に着けている三節棍の特級呪具を取り出して構える。

 

「特級呪具 遊雲…拾い物だけど良いよね?それと…やっぱり本気でやった方が良いかな?」

目の前の牛鬼に視線を向けて戦闘の構えを取る。

 

「ブモォオオオ!!」

「っしゃああ!反転!」

牛鬼が咆哮を上げて突っ込んでく来ると同時に術式を発動させて自分も駆け出した。

 

 

 

~数十分後~

 

 

「はぁ…疲れた。クソッ、京都行く前に服を新調しなくなったじゃねぇかよ!この野郎!!」

俺の足元で蹲って動けない牛鬼に悪態を吐きながらボロボロになった服を見る。

 

牛鬼との戦闘で苦戦を強いられたかと聞かれれば否と答える。

牛鬼単体ならそこまでの脅威では無かった。ただ周りの呪霊達がクッソうざかった。

攻撃中に邪魔してくるし、牛鬼の身替わりになろうとするし、地味に硬いしで本当に邪魔だった。

怪我は反転術式で治せるが服は、本当に如何にもならない。

 

「近くに服屋あったっけ?取り敢えず探そう」

足元の牛鬼の頭を呪力を纏わせた足で踏みつけて祓う。

 

「あぁ…ヤバいな。金が凄い勢いで減っていく…それ以上の勢いで貯まるけど」

三節棍を仕舞って独り言りながら岩場を歩いて京都校に持参する手土産を何にするかを考え始める。

 

今回の任務も無事達成。

報告ついでに報酬額と近くの服屋を聞こう。

補助監督の人と何を話すか考えて補助監督の人の所へ向かう。

 

「歌姫さん…元気かな?」

想い人の名前を口に出して空を見上げる。

補助監督の人が戦闘終了の気配を察知したのか帳が上がって雲一つない青空が広がる。

綺麗な青空だ。

 

 

その後、補助監督の人に近くの服屋へ連れていって貰い服を新調した。ついでに補助監督の人(女性)の分の服も買ってあげたら引くほど感謝された。

買い物が終わって、そのまま駅に送って貰いそこで別れた。

 

「手土産どうしよう?適当に饅頭でいいか」

駅で手土産と京都行きの新幹線のチケットを買い京都へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「禪院 転弥…どんな女がタイプだ!」

「………なぜ?」

呪術高専京都校に着くと同時に変態に絡まれた。

もう一度言おう。変態(東堂)に絡まれた。




オリ主情報

名前.禪院 転弥

等級.一級術師

術式.反転呪法
術式の能力.一定以下の呪術や呪力攻撃を全て反射する&相手の呪力を反転させ術式を乱す。

天敵.
呪力を持たない伏黒 甚爾や禪院 真希。
魂に直接干渉する術式を持つ真人。
自分より強い相手等。

領域展開.使用可
後々登場予定。

呪術師としての強さ.
万全の状態だったら花御を倒せるが漏瑚とは相打ちになる位の強さ。

その他の情報.
禪院家の元当主候補だったが本人は知らなかった。
庵 歌姫と同級生で五条 悟や七海 健人の先輩。
高専で体術と数学を教えてる。
黒閃経験者(連続記録3回、合計記録7回)。

他の呪術師と比べれば比較的まともな人物(ナナミンには劣る)。
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