❀幼女は緑 姉は紅❀   作:ゆっくろ❀

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戦闘回です☆


第十一話【罪の重さを背負う乙女】

 根っこの影からヴァルゴ・バーテックスの姿がチラりと見える。

 

 そしてその隣にはライブラ・バーテックスが鎮座。

 両者が動く気配はない。

 

 

「あの刺さってるやつはわかるけど、アイツってあの鈍足よね? なんで動かな……って言った瞬間に来た!? 東郷、お願いっ!」

 

「了解しました!」

 

 

 風の言葉はすぐにフラグ回収され、ヴァルゴ・バーテックスの下腹部……尾にも見える器官から爆撃弾が射出される。

 それは緩やかな曲線を描きながらこちらに向かってくるが……東郷は冷静に狙撃銃を持つとうつ伏せになり、スコープを覗く。

 

 

「結城友奈、行きます!」

 

 

 東郷が爆撃弾を撃ち抜き、出来た隙に友奈が突撃する。

 高くジャンプし、浮遊するヴァルゴ・バーテックスに接近すると、次弾が装填されているのか尾の先が赤く光り出す。

 

 

「勇者カウンター!!」

 

 

 だが、爆撃弾が発射されることはなく、発射の直前に友奈は尾を蹴り飛ばし、弾を詰まらせた。

 想定外のことに、爆撃弾が体内で爆発したヴァルゴ・バーテックスは墜落────その下には大剣を担いだ風がニヤリと笑みを浮かべて待ち構えていた。

 

 

「東郷、友奈、ナイス!」

 

 

 そう言った風は、大剣をまるで野球バットのように持ち、落下してくるヴァルゴ・バーテックスを睨みながら思いっきり振りかぶる。

 その瞬間、大剣が花弁と共に輝いたかと思えば、一回り巨大化し、ヴァルゴ・バーテックスを打ち上げる。

 

 だが、それで終わりではない。

 風の大剣がヴァルゴ・バーテックスと接触する時、既に友奈は再び飛んでいた。

 

 

「────ていやぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 友奈は両手を握り合わせると、風によって打ち上げられた巨体を叩き潰す。

 そうして、ヴァルゴ・バーテックスはクレーターでも出来る勢いで地面と激突し、ようやく地にひれ伏した。

 

 

「友奈ちゃん、風先輩! 敵バーテックス、回転を始めました!」

 

 

 根の上でライブラ・バーテックスを監視していた東郷が、根の下にいる友奈と風にそう伝える。

 分銅を抱え、今更回転を始めたライブラ・バーテックスは徐々に遠心力で回転速度が上がっていく。

 

 

「オッケー! 東郷は友奈を補助! 友奈、こっち来て!」

 

「はい! ────っとと、でもどうするんですか? 風先輩」

 

「んっふっふっ……まぁアタシに任せて剣の上に乗ってなさい。友奈は東郷を信じて突っ込むだけよ」

 

「……へっ?」

 

 

 わけもわからず風の大剣の上に乗った友奈は、風が力を込めたことで何をやろうとしているのか察する。

 

 

「アレは上が脆い……!」

 

 

 一方で、東郷はファンネルの如く複数の銃を飛ばすと、ライブラ・バーテックスの頭を撃ち抜く。

 そして、一気に減速を始めたライブラ・バーテックスの分銅を狙撃銃で狙い、見事に破壊────した直後、風の大剣により高く吹っ飛ばされた友奈が、勢いの無くなったライブラ・バーテックスへ突撃する。

 

 

勇者ぁ~~……パァァァァァァァンチッッ!!!

 

 

 棒のように細い身体へ渾身の一撃を与え、ライブラ・バーテックスをへし折る。

 あぁ、余裕の連携だった。

 東郷のサポートのおかげで友奈も風も無傷だ。

 

 

「敵、沈黙……依然警戒」

 

 

 しかしまだ終わりではないと、東郷の勘が言っていた。

 何か……とても嫌な予感が東郷をそうさせた。

 

 

「二人とも、トドメは待ってください! そのまま離れて、私がここから仕留めます!」

 

「わかったわ! よろしく東郷!」

 

「お願いね、東郷さん!」

 

 

 友奈と風が二体のバーテックスから離れるのを確認して、東郷はとりあえずひと安心する。

 

 ────が、その少しの安心が“予感”を的中させた。

 ライブラ・バーテックスは残った分銅を唐突に下へ落とし、そのまま自らを地に落とす。

 そして、落ちた先には友奈に叩き潰されたヴァルゴ・バーテックスが待ち構えており、落下してきたライブラ・バーテックスを布のような触手で受け止めるとグルグルと巻き付かせ、自らの身体へ引き寄せる。

 

 見覚えのあるような光景だった。

 いや、数も敵の種類も状況も違いはあれど、こうして複数のバーテックス同士が唐突に集まっている。

 ……やろうとしていることは“同じ”なのだ。

 

 

「ま……さか……」

 

「う、嘘ぉぉ!? この二体も合体出来るの!?」

 

「うわぁ……これは厄介なことになったわね……」

 

 

 言うなれば、二体のバーテックスの融合……小星団か。

 二体ではあるが、星団……スタークラスターであることには変わりない。

 

 布のような触手の先には分銅が融合し、アドバルーンのような上半身の後部には、天秤の支柱、うでと思わしきものが装着されていた。

 

 そして────。

 

 

「……ッ! 仮称、《ヴァルゴ・スタークラスター》の形態が変化!?」

 

「うひゃぁぁ~! なんか捻ってるよぉ!」

 

 

 分銅付きの二つの触手を捻り合わせ、やがて解き放つと友奈たちへ向けて竜巻が襲いかかる。

 

 

「ちょおっ!? その回転を狙い撃ちしてくんのは卑怯でしょうがー!」

 

 

 そんな風の愚痴も、竜巻の中へ消えていった────。




 スタークラスターはレオだけの特権ではなさそうだったので(言い訳)、ヴァルゴさんにも合体してもらいました。ハイ。やりたかっただけでs((((満開勇者パンチ

 さて、タイトル詐欺じゃねぇかッッ!!ってツッコまれそうなメブもにぼも居ない回となってしまいましたが……次回辺りにはようやく夏凜ちゃんが────(記録はここで途切れている)


 ……あ、ぐんちゃんとしずく&シズク! そして弥勒さん役の大空さん! ハッピーバースデーでした!!!
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