❀幼女は緑 姉は紅❀   作:ゆっくろ❀

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※狂い花:季節外れに咲く花。狂い咲き。


第十二話【狂花】

「……うっ……いったたたぁ。ハッ――! 東郷さんと風先輩はっ!?」

 

 ヴァルゴ、ライブラにより形成されたスタークラスターの攻撃で、随分遠くまで吹き飛ばされてしまった友奈は何分気を失っていたのか、目を覚まして、辺りをキョロキョロと見回す。

 ――遠くで覚えのある銃声が聴こえているので、ひとまず生存は確認出来た。

 

「まさか合体するなんて……私もこんなところで寝てる場合じゃない。早く二人のところへ行かないと!」

 

 友奈はそう言うと高く飛翔し、遠くに見えるヴァルゴ・スタークラスターの元へ急いだ。

 

 

 * * * *

 

 

 一方その頃、病室では芽吹が友奈たちの帰りを待ちながら、夏凜の手を握り続けていた。

 小さな手を両方使っても余る大きい手を、ギュッと握る。

 

「……ダメ……よ……友奈っ、みんな…………私の前、から……居なく……ならな、いで…………。――――ッ!?」

 

 そんな寝言を夏凜が呟いた瞬間、まるで夢?から逃げるように夏凜は目を醒ました。

 冷や汗が凄いことになっているがそんなことを気にする余裕はないようで、手を握っている芽吹をじっと見つめる。

 

「め、ぶき……? あ……友奈は!? 風と、東郷と……樹と園子は!? ……あ、いや……みんなは……あれ? でも、だって……私さっきまで……」

 

「か、夏凜お姉ちゃん……?」

 

「……ご、ごめん芽吹。なんか記憶がこんがらがっ……て――――」

 

 そこで夏凜の思考は停止する。

 いや……記憶の整理が完了したと言えばいいのか。

 

 夏凜は虚無を見つめ、ハッと我を取り戻すとその手にはスマホ……勇者システムが握られていた。

 樹海化警報の文字が点滅し、戦闘中であることがわかる。

 

「…………あっ、そうか。倒れて……それで……」

 

 夏凜は倒れる直前に感じた頬の傷を思い出し、右頬を指で撫でる。

 しかし、そこに傷はない。

 傷跡だって存在しなかった。

 

 幻覚症状……いや、記憶の反映による未来体験だったのだ。

 

「……じゃあ、この記憶はこの後起こる……。ッ……こうしちゃいられない……芽吹、私も行ってくる!」

 

「え……!? でもお姉ちゃんたちがしゅつげきせいげん? って言って……」

 

 芽吹の言葉は届かず、夏凜はすぐさま変身して病室の窓から飛び出して行ってしまった。

 

 

 * * * *

 

 

 ――ヴァルゴ・スタークラスターの爆撃弾が放たれる。

 

(何か……何かおかしい……)

 

 そんなことを考え、意識が逸れてしまった東郷に爆撃弾が向かうが、風がギリギリ大剣で防いで事なきを得る。

 

「ちょっと東郷、どうしちゃったの?!」

 

「す、すみません風先輩……少し考え事をしてしまって……」

 

「……確かに、考えることはあるわ。でも今は集中して。友奈ももうすぐこっちに合流するから、それまで持ちこたえるわよ」

 

「は、はい」

 

 風の言う通り、今は集中すべきだと自分に言い聞かせ、東郷はスコープを覗く。

 分銅付き触手を振り回し、前方に竜巻を発生させたヴァルゴ・スタークラスターは、さらに下腹部から爆撃弾を発射する。

 

「動きが読めない……!」

 

「くっ、東郷、回避!」

 

 竜巻に呑まれた爆撃弾は、その渦の中を暴れ回り、東郷が撃つ暇もなく着弾する。

 爆風に巻き込まれた東郷は後方へ吹き飛ぶと、後ろから合流しに来た友奈にキャッチされた。

 

「うわっと! 東郷さん平気!?」

 

「ありがとう友奈ちゃん……ごめんなさい、どうしても気になることがあって」

 

「気になること……?」

 

「えぇ。……敵の難易度、これまでとは全く違うわ。それだけならいいのだけれど……あの姿……見たこともない形態よ」

 

 東郷がそう話していると、風も二人の元に合流する。

 

「これまで、勇者も増えて苦戦することがなかったから……だからって緊張感がなくなったわけじゃないけど。今の、この緊張感は……なんだかこの世界に来る前を思い出すわ……」

 

「……考えられることは二つです。私たちが知らない間に以前の勇者システムへ……つまり弱体化している。そしてもう一つは……」

 

 そんな東郷の言葉を遮り、ヴァルゴ・スタークラスターは触手をムチのように叩きつける。

 咄嗟にジャンプして避けるが、もう片方の触手が横に薙ぎ払われ、友奈たちは重い一撃を喰らう。

 

「ぐっ!? やっぱりいつもより強いよ……!!」

 

 友奈がそう言うと同時に、地面に叩きつけられる。

 よろよろと三人は立ち上がり、ヴァルゴ・スタークラスターを見上げる。

 

 触手が再び捻り始め、瞬間に二つの竜巻が発生すると、またも爆撃弾が何発も放たれ、竜巻に呑まれる。

 数秒後、打ち上げられた爆撃弾はランダムに周囲に散らばり、無差別爆撃が開始された。

 

「まずい……!! こうなったら満開で一気に行くわよ!」

 

「「はいっ!」」

 

 風の判断で、三人は一斉に満開を発動しようとする。

 ……が、しかし――それはヴァルゴ・スタークラスターの頭部に紅い太刀が突き刺さることで中断される。

 友奈たち三人が呆然と攻撃される敵を眺めていると、一人の声が樹海に響く。

 

「――『満開』ッ!!!」

 

「夏凜!?」「「夏凜ちゃん!?」」

 

 そこに現れたのは夏凜だった。

 大人の姿で勇者に変身しており、満開を発動するとそのままヴァルゴ・スタークラスターへ突っ込む。

 投擲した刀を回収すると同時に、複腕で巨体を掴むと放り投げ、さらにその手に出現させた大太刀を四本、投擲する。

 

「せやァァァァァァ!!!」

 

 大太刀が地面ごと体に突き刺さって身動きが取れない敵に対し、夏凜はその巨体を踏みつけるように着地すると、何度も何度も縦横無尽に斬り付ける。

 その様は『乱舞』と呼ぶにふさわしく、誰一人として介入を許さなかった――。

 

「はァ……はァ……。殲滅、完了……」

 

 ヴァルゴ・スタークラスターが消滅し、夏凜は満開を解いて荒い呼吸を整える。

 見事に敵を打ち倒した夏凜だったが、その状況は異常と言う他ない。

 

「どうして……出撃制限があったはずなのに……」

 

「風先輩、そのことは一度帰ってからにしましょう。もしかすると……私達が思っている以上に、厄介なことになっているのかもしれません」

 

「厄介……。で、でもでもっ! 夏凜ちゃんが来てくれて助かったよ? きっと出撃制限のところ書き忘れてて、夏凜ちゃんも最初から来れたんだよ!」

 

「そうだといいのだけれど……」

 

 友奈が心配させないようにそう言うが、東郷の不安は積もるばかりだ。

 

 神樹がいつか来る天の神との戦いのため、勇者たちの実力向上……レベルアップのために、試練に挑ませるシュミレーション……神樹の中にある異世界。

 造反神の試練をクリアし、続いて中立神の試練となっていた。

 これは全て試練なのだから当然ルールに従い攻略するものだ。

 そうでなければ、成長など到底出来るはずがない。

 だから、そもそもこの異世界で出撃制限……ルールの無視など、許されないはずなのだ――。




 ――この作品、もはや忘れられていても不思議じゃない。
 ということでまたまたお久しぶりですゆーしゃですすみませんですはいぃぃぃ!!!

 キャラ崩壊が怖くてなかなか進められない&内容が濃くなり始めた(早く百合日常に戻りたい)&オリジナル作品の方が進みまくってる(もといリアルが忙しい)って感じなんですワ。

 あ、ちなみに満開祭りは無理です\(^o^)/
 一回くらいそういうイベント行きたいけどネ……まぁなかなか難しいよネ……そもそも聖地巡礼すら出来てないしネ……肉うどん食べたいネ……骨付鳥食べたいネ……しょうゆ豆ジェラート……そういえば例のイネスのオッティモさん閉店しちゃうんでしたっけ……通販で買うしかないネ……食べたらここに感想書きまs(((Twitterでもしようネ



PS,こんなグダグダなくせに別のゆゆゆ二次創作を考えてる。多分書き始めたらこっちがさらにグダるので書かないけど……いつか公開出来たらいい奈☆
  ちなみにオリキャラありに挑戦と、珍しそうなホラージャンルでやりたい奈って思っています。やりたい(切実) いつかやりたい(願望)
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