偶然出会ったユウカの視線の先にはアリスがいた。
ユウカと共にゲームで遊ぶアリスを尾行、先生ユウカ、ユウアリ成分を楽しめるブルアカSSです。
PIXIVにも投稿しています。

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第1話

「ユウカ、あんな所でなにしてるんだ?」

 徹夜続きで運動不足だった体を少しでも動かそうと散歩にでかけた所、ユウカが電柱に隠れている姿がみえた。

 キヴォトスは治安悪いとはいえ、この辺りは物騒というわけでもないはずだけど、なにが起こるか解らないのもキヴォトスの現状。

「ユウカ」

 できうる限り忍び足で近づきそっと肩を叩くと、

「な、なに! え? 先生!?」

 びくっと体を震わすほど驚かれた。普段の任務中のユウカならわたしの存在にきずいていそうだけど、こんなこともあるなんて。

 よほど集中して観察しなければいけないターゲットなのだろうとユウカが監視していた方向を除くと

「けんけんぱ、これで20回達成。パンパカパーン、ミッションクリアです!」

 元気に遊ぶアリスがいた。

「これどういう状況?」

「先生、アリスちゃんの邪魔はしちゃ駄目ですよ。いいとこ……とても楽しんでいますから」

 必死になにかをユウカを隠そうとしている。悪いことだったら……

「もしかしてアリスを盗撮してる?」

「な、なに言いだすんですかいきなり」

「え、なんかすごいひた隠しにしてたから」

「う、それは……そう。監視しているんです。治安が悪い地域ではないとはいえ、ミレニアムの生徒を守るのが生徒会の仕事。先生もそう思いますよね?}

「……はい」

 にっこりと笑っているけれど、それ以上突っ込まないで欲しいというユウカの圧に負けた。

「アリスちゃんが次の目的地へ移動を」

「わたしもついていっていい? なんか授業参観みたいで楽しそうだし」

「先生、アリスちゃんのこと興味があるんですか。あんな小さくてかわいい娘を」

「わたしは先生だから生徒達みんなのことが好きだよ。もちろんユウカ含めてね」

「また先生はそういうことを平気で……しかたないですね。ついてきてもいいですけど、くれぐれも見つからないようにしてください」

 なんだか楽しそうだから。そんな理由でアリスちゃんの授業参観をすることになった。

 

 まずアリスが向かった場所は公園だった。

 古びた遊具なんかが置かれているだけで少し活気がない公園。たむろしている生徒達や親子の姿もなく自由に遊べるようになっていた。

「さぁ掘りますよ!」

 アリスが選んだのは砂遊び。しかし砂場を手当たりしだいに掘り始めていた。砂山といえば小山をつくったりして砂で形をつくるのが主流だ。掘ることはどちらかといえばタブ-。形を作る遊びをする時にやられてもしたら侵略戦争へと発展する。人がいないからいいものの明らかにマイナーだといえる遊び方。

 もしかしてこれって、日々の欲求不満を砂を掘ることで解消しているってことなのか?

 ユウカにアリスが日頃どうしているのか聞こうと思ったら

「そこ、あ~惜しい。そこそこ」

 アリスの姿を応援しているユウカがいたので聞く内容を変えることにした。

「惜しいってどういうこと?」

「え? ああ~それはですね……すごい掘り方が惜しいなと」

「掘り方?」

「いいですか、スコップで掘るにしてもコツがいるんです。角度、タイミング、力具合、そういったものがありまして」

「なんだか最近掘ったような言い方だね」

「ま、まぁ。土いじりみたいなものが好きで」

「本当に?」

 なんか今日のユウカはやたらといじりかいがあるきがする。これもアリスがいるからなの。わたし楽しくなってきちゃった。

「う、実はあそこにはお宝が眠っているんです。それを探しているのかと」

「もしかして、ユウカが置いた」

「だ、だってアリスちゃんといっしょにラストファンタジー9をやってたら、すごく楽しそうにしていたので」

 隠しきれないと思ったのかユウカが全容を話しはじめた。

「ラストファンタジー9?」

 ただしなぜラストファンタジーが関わりあいがあるのか意味が解らなかった。

「先生、まさかラストファンタジーを知らないんですか」

「ドラゴンストーリーと並ぶ二台巨塔とも言われているRPGとは。いや、でもそれがなぜアリスちゃんが穴を掘るのと関係が?」

「先生、それではアリスちゃんの先生失格ですよ。ラストファンタジーには『ここほれモコボ!』というミニゲームがあるんです。モコボで穴を掘ってお宝を探すというゲームが!」

“ドチャーン”

 みたいな効果音が流れそうになるくらいにはドヤっていた。ユウカ時々どやるよね、しかもうやたらと。まぁそれが学生ぽくってかわいいと思うのだけど。

「ラストファンタジー9にそういったミニゲームがあることは解ったよ。アリスのためにユウカがリアルなミニゲームを用意したってこともだけど」

 ユウカはなんとか言い返そうとしていたが途中で諦め、

「ええそうですよ。そのとおりです」

 完全に開き直っていた。

「先生もかわいい生徒がいたら、手を施したくなる。そういったことはありませんか、ありますよね?」

「そうだね。今のユウカはお母さんみたいにかわいくていろいろと手を施したくなるよ。ユウカまま、すごいすごい!」

「先生、からかわないでくださいよ」

「でもかわいいのもママみたいだって思うのも事実だし」

「かわいいはいいですけど」

「かわいいはいいんだ」

「別に言われたいとかそういうんじゃないですよ。ただ先生がそういいだから、そういっただけです」

「ユウカママは」

「絶対にやめてください!」

 少しからかうと、やたらきょどきょどしながら照れるユウカはやっぱり可愛かった。

 

「パンパカパーン、、お宝ゲットです」

 アリスはユウカ自作の『ここほれモココ!』のお宝をゲット。嬉しそうに宝箱を天にかかげていた。

 それからもアリスの行く先々を事業参観していくことに。

「パンパカパーン、黄金カエルさんゲットです!」

 『カエル収穫祭アルよ!』というカエルをたくさん集めるゲームを

「パンパカパーン、当たりました!」

 道端にひっそりと置いてあるスロットを

『パンパカパーン、大物ゲットです!』

 畔で釣り等をアリスはプレイ。

 その度にわたし達まで楽しい気持ちになれた。

 

「あ、またアリスが立ち止まった。今度はなんのゲーム」

 スーパーオマワリパーティに負けないミニゲーム収録数、次もどんなものがあるのか期待していると

「今度はゲームじゃないです。ほら、先生いきますよ」

 以外な反応が返ってきた。

「え、顔みせていいの」

「ここではいいんです。待ち合わせしているようなものなので」

 今まで律儀に遮蔽物に隠れて行動していたのだが、ここに来てまさかのターゲットに接近。

 いったいなにをするつもりなんだ。

 

「あ、ユウカさん、それに先生まで。お二人はどうして一緒に?」

「そこで奇遇にも出くわしたの。そうですよね、先生」

「…………ちょうど体を動かしに散歩してたらぱったりね」

 ここで真実を話すのはさすがにユウカに申し訳がたたない。なんだかまだ隠そうとしているみたいだし、その流れにのっかることにした。

「へぇそうだったんですね」

 アリスも純粋な子だからか疑ってこないし、これは知らないほうがいいって考えにしておこう。

「先生も参加されませんか」

「そうね。せっかくだしそうしてもらおうかしら」

「えと、話しの流れが読めないのだけど」

「これをみてまだそれを言えるんですか。先生のデスク周りは汚いとはいえ先生なんですから整理整頓は心がけましょうよ」

 よく周りをみるとやたらとゴミが散らかっているようにはみえる。

「もしかしてゴミ掃除」

「パンパカパーン、大当たりです。アリスと一緒にゴミ掃除をしていきましょう!」

 ミニゲームではなくゴミ掃除、いきなりの流れに戸惑いながらもゴミ掃除をしていくことになった。

 ゴミはやたらと散らばっていて、細かなゴミを拾い集めるのも一苦労だ。

「ミレニアムならお掃除ロボットとかありそうなものだけど、そういったものを使わないの」

「使ってますよ。巡回ルートにさだめられた場所だけですけど。後はゴミがどうしても溜まりやすいです。ミレニアムといっても地域によって管轄は違って来ますから」

「それでゴミが拾いきれない地域のゴミ拾いを二人でしてるんだ。きっかけはなんだったの」

「きっかけといえば、あの時ですよね」

「ええ、あの時ね」

 そう二人で相槌をうちながらその時のことについて二人は語ってくれた。

 

「アリスちゃん、ゴミ拾いしているなんて偉いじゃない」

 人気がない場所でアリスがゴミ掃除をしているのをみかけ話しかけてみた。

「ユウカさんもよくしておられますよね」

「なんか綺麗に管理されていないと落ち着かなくて」

 誰にも認められるわけではないけれど、汚いよりも綺麗な方がいい。ただそれだけだ、報われる必要なんてない。

「わたしがここに来る前からそうしていたんですか?」

「そうね。ずっとそうしてきたわ」

「すごい、そんなレベルの方がいたなんて」

 ゴミ拾いを褒められるなんてはじめて。そんなアリスちゃんだから少し興味が湧いていた。

「アリスちゃんはどうしてゴミを拾うの」

「ゴミさんがかわいそうだからです」

「ゴミさんがかわいそう?」

「捨てられてままなんてかわいそう、アリスのように見捨てられたままでいるのは嫌だから手を差し伸べたかったんです……これは変なのでしょうか?」

「変なんてことはないわ。すごい立派なことだと思う」

「ほんとうですか!」

「わたしが保証するわ。アリスちゃんはとっても立派よ」

「わたし、これからもゴミ拾い毎日かかさずやります。ユウカさんに負けないように」

「そう、それならわたしも負けてられないわね。一緒にがんばりましょ」

 そうしてわたし達は共に旅する仲間になった。

 

「へぇ、そんなことが」

 そんなアリスとユウカの微笑ましいエピソードを聞いた後、

「先生は部屋汚いですよね。ゴミもそこらじゅうにほったらかしているし」

 手痛い反撃をユウカがくらわしてきた。

「すいません」

 これには悶絶。詫びの言葉が先にでた。

「いいですよ。忙しいのは知っていますから。でもたまには整理くらいはしましょう……わたしも頼ってくれてもいいですし」

「アリスも頼ってくださいね」

「そのかわり絶対に自分でも片付けしてくださいよ。先生にもレベルアップしてもらってわたし達のパーティに加わって欲しいですからね」

「精進します」

「大人ならそこはできますとはっきりと言ってください。まったくいつまでも困った先生ですね。やっぱりわたしが管理してあげないと」

「それって親子になるってこと」

「だからからかわないでください!」

 そんな親子ともとれるような談笑をしながら、アリス達と一緒にゴミ掃除をしていくのだった。

 

 

 

 モモトークにて

 アリス

「先生今日は楽しかったです。実はわたし先生達が尾行をしているのを知ってましたよ。ユウカさんには内緒にしておいてくださいね」


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