火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ   作:完全怠惰宣言

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ヒロアカ二次小説史上ここまで展開の遅い小説があっただろうか、いやない!!
そんな作者ですが、これからもよろしくお願いします。


24th

少し狭い通路へと移動した1年生たち。

全員にやる気が漲っているのを感じつつ火埜は先ほどのミッドナイトの説明を反復していた。

 

「第1競技はこれよ!!」

 

スクリーンに映し出されていたスロットが止まり、スクリーンにはデカデカと『障害物競走+α』の文字が映し出されていた。 

 

「内容は1年生全員での総当たりレースよ。コースはこのスタジアムの外周約4㎞、そしてスタジアムの1kmトラック1周分。因みに個性の発動は自由!コースさえ守れば何でもあり!!そしてスタート地点はあの門の先の通路!」

「失礼いたします、“+α”とは一体何なのでしょうか?」

 

ミッドナイトの説明の後、A組では既にお馴染みの飯田節がさく裂していた。

 

「Good、説明してあげたいんだけどそれはラストのトラック1周分に誰かが入ってきたら解るわ」

 

ミッドナイトも説明せず、案内係の先生たちに誘導され通路へと押し込まれていく生徒たち。

その時、火埜はサディスティックに頬を染める姉貴分(ミッドナイト)を見て少し嫌な予感がした。

 

そして現在、火埜は最後尾に位置する場所に立ち柔軟をしていた。

よくよく周囲を見ると、A組メンバーが大半を占める中、見知った人間たちもいた。

 

「Hey、火埜君!今日は頑張りますネ」

「頑張りましょうねが正解よポニー」

「あれ?ポニーに鱗はコッチにいるんだ」

 

火埜に話しかけてきた2人の美少女。

愛嬌ある顔つきにハニーブロンドのクセ毛、頭から伸びる2本の角が特徴的なB組生徒「角取ポニー」。

A組にはあまり見られないアジアンクールビュティ、スラリとした体躯は龍を彷彿とさせる「鱗飛龍」。

火埜傍に美少女の影が差すと最近ヌルリと現れる存在がいた。

 

「やあやあ火埜君。こちらのレディたちはどなたですか(オイオイ火埜さんよぉ、また美少女引っかけてんのか。オイラに紹介も無しか、あぁん!!)」

 

朗らかな笑みを浮かべた峰田が紳士の様な雰囲気で近付いてきた。

 

 

「(表情とセリフが一致してないな)同じマンションに住んでる留学生の角取さんと鱗さん」

「ヨロシクねLittleBoy」

「よろしく頼もう」

 

女子からの好意的な態度、今までの人生でこのような扱いをあまりされてこなかった峰田の欲望ゲージがMAXになるのはそう難しくなかったが、彼の脳裏には昨晩の母との会話が思い起こされた。

 

「実、あまり調子に乗って“私”に恥ずかしい思いさせないでね」

 

女子高生に生で会えると暴走した父(峰田を縦に伸ばしたような男性)を慣れたように武力鎮圧し、座椅子を背中に乗せ勢いをつけて飛び乗ると誰もが見惚れるような笑顔を自分に向けてきた美少女にしか見えない母。

 

「い、Yes.mom」

 

その光景を思い出した瞬間、フルになっていたゲージは紳士ラインまで下がったのだった。

 

「えぇ、よろしくお願いいたします」

 

そう言うと峰田は準備体操を始めた。

なお、その光景に色欲魔人としての側面を知るA組生徒は驚愕の表情を浮かべていた。

 

『Hey雛鳥共、準備はいいか?』

『それじゃ、いくぜ第一種目障害物競技+α、ゲート解放まで』

『3』

 

各生徒が走り出す準備を始めた。

 

『2』

 

その中でもカメラに映りにくい後方の映像をみた時、相澤は思わず笑みをうかべてしまった。

 

『1』

 

それに気が付いたヴラッドキングが話しかけようとした時。

 

『GO!!』

 

マイクの掛け声と共に一斉に走り出した生徒達。

しかし、スタート直後に思わぬ罠が待っていた。

 

『やっぱ今年も“こう”なったか』

『出口が狭くなっている中で大挙すれば必然的に“こう”なる』

『不合理だが仕方ない、この鮨詰状態は』

 

一斉に走り出した生徒が出口に集合することで身動きが取れなくなっていたのであった。

 

『しかしイレイザー、貴様先ほど笑っていたようだが何が可笑しいのだ?』

『ん、笑ってたか?』

『HAHA、イレイザーお前意外と“親バカ”の素質あるぞ』

『ふん、そうかもしれんな』

『貴様、本当にイレイザー・ヘッドか!?』

『おいおいヴラドお前も担任ならわかるだろ』

 

出口へと殺到する生徒たち、そんな彼らの後方から物凄い勢いで複数の何かが迫ってきていた。

 

『自分の教え子が“活躍する”。そう確信した時はうれしいモノだろうが』

 

それは。

両手の爆破の勢いを利用して空を飛ぶ爆豪。

その爆豪にモギモギで作ったであろう即席ロープでぶら下がる峰田とその峰田に捕まる上鳴。

両腕を翼に両足を鳥の脚に変え、空中を飛翔する火埜。

その背にいつも通りおぶさり満面の笑みを浮かべる葉隠とコアラの子供のように両手両足個性を駆使して引っ付く麗日。

ダークシャドー(相棒)が天井を掴みサルが木から木へ飛び移る様に天井を渡る常闇。

ダークシャドウに個性を効かせてブーストを掛けるため常闇に抱き着く口田。

個性を生かし、壁に張り付きながら器用に移動する蛙吹。

壁走りの要領で天井を走る飯田。

その体に長く伸びた尾を絡めて運んでもらっている尾白。

空気を足場に空中を駆け抜ける緑谷。

緑谷に比べると危なっかしいが、何とか空中を走っている砂藤。

肘から発射するテープでス〇イダー〇ンのように飛び回る瀬呂。

〇面ラ〇ダーが乗ってそうなバイクで壁走りをする八百万。

そのバイクに相乗りしている耳郎。

巨大な氷の橋を作り出しその上を走る轟。

轟の作り出した氷の橋を硬化して滑る切島と、酸で溶かすことで滑る芦戸。

轟の氷の橋を普通に走る実は素のフィジカルがクラストップの障子。

 

「「「「「「「「「「お先に失礼」」」」」」」」」」

 

後方にいたはずの1-A生徒たちの姿だった。

 

『うぉぅい、いいのか“あれ”?』

『審判のミッドナイト先生、判定はいかがですか』

『勿論、OKよ!!個性有りで何でも有りなんだから妨害も助け合いも有りよ!!というよりもヒーロー目指してるなら助け合い(それくらい)有りでしょうが』

『ぐむぅ、頑張れ、他の生徒たちも頑張れ』

『おおっと、A組だけじゃねえぞ。あれはB組の角取と鱗じゃねえか』

『大方こうなることを予想していたんだろう、やるな推薦留学生』

 

マイクが目ざとく見つけたのはA組から僅かに遅れて空中を行く鱗とその鱗におぶさってもらっている角取だった。

鱗の足下を見ると角取の個性である角砲に自身の鱗で危なげなく乗っているのが解る。

角取に角砲の操作に集中させるために背負っていることは誰がみても解る。

 

『さぁて、トップがゲートを通過したぞ。そして、第一関門は』

 

爆豪がいち早くゲートを通過し、続続とトップグループがゲートを通過、少し遅れながら後続がゲートを通過。

そんな彼らの前に現れたのは。

 

『雄英が誇る巨大ロボの群を突破しろ!!ROBO INFERNO!!』

 

「で、でけぇ」

「ヒーロー科の奴らはこんなの相手にしたのかよ」

 

経営科・サポート科の生徒から悲鳴か上がるなか、先頭を独走していたA組がバラけていく。

空を飛ぶ火埜に轟が捕まると急上昇していく。

その最中、爆豪が更に加速し先頭のロボの関節部分に到達し凶悪な笑みを浮かべる。

 

榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)!!」

 

如何に強固に作られていようとも、稼働する関節部は全体に比べ脆い。

そこに豪烈な爆破を受けたことで先頭のロボは体勢を崩し他のロボを巻き込んでたたらを踏んでいた。

ロボと同じ高さに到達すると轟は火埜の背を足場にしてジャンプ、火埜もその勢いも利用して急降下していく。

ライブカメラが純白の翼で急降下する火埜を捉える。

更に加速し火埜自身に霜が着き始めた。

次の瞬間。

 

「オーバード・ゼロ」

 

地面に突き刺さるような両足蹴りを放つ火埜。

火埜を中心にロボ達が氷山に閉じ込められていく。

しかし、ロボの動きは止まること無く氷山の中で踠いているのが見えるが、右手に可視化できるほどの冷気を纏った轟が氷山を滑空しながらその勢いのままロボを殴り付ける。

 

白氷薔薇(ホワイトローゼン)

 

火埜が作り出した氷山という拘束に更に冷気を叩き込み氷山内のロボに絡み付くように巨大な氷の薔薇が生まれ、その棘がロボを刺し貫いていく。

両手を降りながら走る爆豪と、人の姿に戻り走り出した火埜、その二人に追い付いた轟。

三人は其々が認識すると誰からでもなく、拳を打ち付けあい、鼓舞しあった。

 

『いやー、アオハルよ!!3人ともGJ!!』

『イレイザー、お前のとこの生徒はあれか、いちいち目立たないと死ぬのか?なんだあの芸術作品は!!』

 

ヴラッドキングが言うように、数台いた筈のロボは巨大な氷山に閉じ込められ、それらを氷の薔薇が絡めとっている。

その光景はまるで新進気鋭の芸術家が作り出したアートのようであった。

 

『知るか、あれ自体はマウントレディを仮想敵として想定した授業で捕縛目的であの3人が構想した連携技だが、まさか完成させていたとは』

『ぐぬぅ、だかここまで大技を連発して後半は大丈夫なのか』

 

爆破の衝撃で痺れたのか両腕を振りながら走る爆豪、飛ぶことを止め走りに切り替えた火埜、右側に霜が付着しており少し動きに違和感がある轟。

スクリーンに映し出される3人を見て会場の大半が思ったことを代弁するヴラッドキング。

 

『確かに爆豪はともかく、轟は今走ることで体温を上げて体に着いた霜を溶かしているし、火埜もスタミナの無さに関してはクラスでも下から数えた方が早い』

『Hey!!!ヴラド、世間もそうだがお前らはA組の生徒を過小評価してるよな』

 

マイクの横槍の発言に驚いたのは突如大声が聞こえたからか、それとも“過小評価”していると言われたからか。

 

『だがな、そんなこと本人達も百も承知だ。あいつらは休日集まれる時は全員が集まって学校で不十分だと思ったところを重点的に訓練してるのを知っていたか?』

『!?な、ん、だと!』

『ウチのクラスは素のフィジカルが優れている生徒が多くてな、火埜もスタミナを着けるよりも、上手い配分をそいつらから教わってる。轟も左側を使うことを拒否しているが、熱源としては利用している。スクリーン見てみろ』

 

相澤に促され会場の視線がスクリーンへと注がれる。

そこには、スプリンターばりに加速し始めた爆豪、既に息を整え終え加速していく火埜と、霜が完全に溶け走ることに集中した轟が映っていた。

 

『あいつらの担任として宣言してやる。オレの生徒を嘗めるな、あいつらは気概も信念も何も持ってない二流以下のヒーローなんかよりもヒーローしてるぞ』

 

「ハッ!?」

「どうした火埜?」

 

仲良く並走している(ように見えるが本気で加速中)爆豪と火埜と轟。

そんな最中、なにかを察知したかのようにハッとする火埜とそれに気づく轟。

 

「今、相澤先生がデレた気がした」

「でれ?」

「アホか」

 

以外に余裕がありそうな3人であった。

 

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