火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ 作:完全怠惰宣言
本小説主人公。
外見イメージはリボーンの獄寺氏。
転生組だけど、物語がどう動くかは綺麗サッパリ記憶から消えており、キャラクターに関して朧気に覚えている程度。
自己評価を低めに見積もる癖のある自称2.5枚目。
両親は5歳の頃に殉職(両名ヒーロー)、その後色々あったが現保護者に引き取られる。元成人男性であり、現保護者のために家事全般を頑張ったため主夫技能が開花している。
自分の中にある線の内と外で周りを区分しており、爆豪曰く解りにくいが態度に現れているとのこと。
また、元々別の価値観で生きてきた前世の名残があるので今の個性ありきの社会情勢に対しても懐疑的な考え方をしている。
明日に備え各員其々が帰宅し、緑谷・爆豪・火埜も歩けるまで回復したので教室を出ようとした時だった。
「やぁ、お疲れさま3人とも」
そこには、成人にしては痩せ細っている金髪で背の高い男性が立っていた。
「あ、オー疲れ様です先生」
「おや八木さん、お仕事はもう宜しいのですか?」
「今日は診察日じゃねえだろ。何やらかしたんだ。正直に言いやがれ」
生徒3人から三者三様の返事に大人としての信頼の無さを感じた男は少し泣きそうになった。
「HAHAHA、安心したまえ。
「今、今日はって言いましたね」
「八木さん、またあの地獄を味わいたいんですか?」
「オイコラプロヒーロー。マジでこれ以上翔織に世話やかすなら連絡するぞコラ」
イイオトナに向けられる子供たちからの微妙に冷たい視線。
この3か月、色々やらかした結果であるため、八木としても冷や汗しか流せない状況であった。
「Oh、Shit待ちたまえ爆豪少年。とりあえずその一斉送信ボタンから手を放してくれないか」
「あ、脚が小鹿のように震えてる」
「師匠に親友に相棒に僕の保護者。こう揃うとキャラが濃いな」
「チッ、取り合えず要件を言いやがれコラ」
華麗なる土下座スタイルに移行した八木を心配そうに見つめる緑谷。
既に若干あきれ顔の火埜。
顔から怒りが爆発しかけている爆豪。
「うん、今後の緑谷少女の修行の件んでちょっと相談が」
「とりあえず、車で送ってください」
「ボケが、ココだと誰かに聞かれるかもしんねえだろが」
「なるほど、車内なら完全な個室だから“ボク”のこと話しても問題ないか」
4人の出会いは思い出というには最近のことであった。
「緑谷少女、
ゴミだらけの海岸。
朝、まだ暗い時間に大人1人と子供3人が立っていた。
「はい、爆豪勝己と火埜翔織です」
「おい、おっさんなんだテメェは」
「シズ、案件かな?案件なら迷わず警察に連絡しようよ」
連れてこられた少年2人から放たれる言葉に冷や汗を流しながら、男性“
「ふざけてんじゃねえぞ、オイコラ!!」
最後まで聞いていた爆豪と火埜であった。
しかし、話の途中から爆豪は体を震わせ、血が出るほどに拳を握りこんでいた。
そして、今その怒りは爆発した。
「いや、今見せたように私は」
「テメェが本物のオールマイトか偽物かなんかどうだって良いんだよ」
爆豪の顔は灼熱のマグマを思わせるように怒りに染まっていた。
「シズは“無個性”だからって、勝己がいなかったらどうなっていたか解らない様な苛めを受けていたこともあります」
「貴方の様に「個性を上げる」と言われ誘拐されかけたこともあります」
火埜は逆に表情から一切の感情が読み取れない、まるで極寒の氷河を思わせる冷たさを顔に張り付けていた。
「シズにとって“個性”っていうのは、それだけ特別なんです。やる気があれば何でもできるとまでは言いませんが、希望を持たせるだけなら止めてください」
「コイツの“夢”を弄ぶ奴は誰だろうとぶっ殺す」
少年と言っても差し支えない年齢の2人から明確に放たれる殺意。
数多の敵、それこそ宿敵を前にしてもここまでの殺意を浴びたことはなかった。
「ボクは2人がいてくれたから今日まで頑張ってこれました」
「それは、あなたも同じなんじゃないですかオールマイト」
「2つ目の条件、『大切な人と話し合ってください』っていうのは貴方のことを心から心配してくれている人たちがいるということを理解してほしかったんです」
目の前の少女から放たれた言葉に八木、オールマイトは衝撃を受けた。
彼女にこれから託そうとしている個性、“ワン・フォー・オール”はできうる限り秘匿すべきと考えていた。
しかし、後継者と見据えた少女は本当の意味でこの個性を理解しているように思えた。
「すまない、緑谷少女。1週間、私に時間をくれないか」
「いいですよ、こちらも準備がありますから」
「それでは1週間後、再びこの場所で会おう」
気が付くと殺意を放っていた少年2人からは呆れたような視線を向けられていた。
これが、後にオールマイトこと八木俊典が自身の最後の仕事と定めた後継者の育成に本気で臨む切っ掛けとなった日であり、歴史がぐるりと音を立てた変わった瞬間であった。
「そろそろ次の段階に移っても良いのではとお師匠から連絡があってね。すごいよ緑谷少女」
オールマイトの運転する車の中、憧れのヒーローに褒められ顔を真っ赤にして照れている緑谷。
「オールマイトのお陰です。正直、こんなにもすごい方々がボクを育成してくれているなんて夢のようです」
そう言って両手を思い切り握りしめる緑谷。
「確かに、オールマイト一人だったらこんなに早く個性を馴染ませられなかっただろうね」
「教え方がヘボ過ぎんだよ、目のおっさんとぶっ飛びジジイにサポートのおっさんが居なかったら今頃シズクぶっ壊れてたんじゃねえか?」
緑谷の両脇に座る少年から放たれる棘を一切隠そうとしない物言いに、復活したばかりの胃が痛むオールマイト。
「うん、確かに私一人だったらもっと遅かったかもしれないな」
「あ、話変わりますけど次回の診察まで固形物は絶対に食べないでくださいね」
「やっぱり、相当キツいのとーくん」
幼馴染みの個性を熟知している緑谷は火埜の個性を使用しすぎた時のリバウンドの辛さを知っていることもあり心配そうである。
声にこそ出していないが、爆豪も若干心配そうな視線を向けている。
「いや、僕じゃなくてオールマイトが心配でさ」
「え!?私?」
「だって、損傷した内臓の再構築と免疫系のホルモンの増強は済んでるじゃないですか。残り火を回復に回さないようにするってことは次は無理矢理最速再生を強行する可能性がありまして」
「まさか、あの地獄の1週間分の激痛が」
「恐らく、1時間に凝縮されるのではないかと」
顔を青ざめるオールマイト。
治療の過程を見てきた緑谷と爆豪も顔を青ざめさせている。
「ま、2日後まで無理しなきゃ良いんですからね」
その後、車内では4人分の乾いた笑い声が木霊していた。
ちなみに、後日案の定無理をして回復しきっていない内臓を痛めてしまい、どす黒い何かを背後に顕現させた火埜とその保護者による「そこまでやる必要なかったかもしれないけど、安静にしてろって言ったよなボケ」という思いが込められた、気絶することも叶わない激痛に襲われる再生治療が行われ、久し振りにマジ泣きしかけたオールマイトがいた。
数日後
「シズクちゃん、今日は朝からソワソワしてるわね」
プレゼント・マイクによる英語の授業(案外普通でした)の後の女子皆と数人の男子とでランチラッシュの極上のランチを堪能した緑谷。
そんな、朝から子供のようにワクワクソワソワしている緑谷の席にはクラスの女子達が集まっていた。
「うん、だって今日は待ちに待った日だから」
「私も、次の時間とっても楽しみ」
そんな女子の花の咲いた様な雰囲気から一変、窓際に佇む一人の男子からは正反対の気配が漂っていた。
「滾るぜ、滾っちまうぜ。次の時間、制服越しでも解る数多のマウンテンが遂にその姿を現すのか。おふぅ、落ち着けリトル峰田」
峰田から漂う怪しい気配に同じ男子勢も流石に曳いていた。
「あんのザコが。爆破する」
「勝己、まだダメ。せめて、手が動いたらにしなよ」
「お前らの会話も、中々に危ねえよ」
峰田の背後で、両手の爆発を繰り返す爆豪。
そんな爆豪を言葉で諌めているように見えて、自分も殺る気が洩れている火埜。
そんな二人の近くにいてしまったが為に、怒気に怯える上鳴がいた。
チャイムが鳴り、全員が席に着く。
少し遅れて前の扉が開き、次の時間の講師が現れた。
「YaHAHAHAHAHAHAHA、有精卵諸君。私が来たよ」
生徒たちの目の前の教壇には、一般男性からすれば筋骨隆々だが、まだ常識の範囲に収まる肉体を黄色いストライプの入ったスーツに身を包んだ現NO.1ヒーロー“オールマイト”が教師として立っていた。
「私の担当するのは“ヒーロー基礎学”!!ヒーローとしての下地をつくる為に様々な訓練を行う科目だ!!単位数も最も多いぞ」
HAHAHAHAHAと豪快に笑うオールマイトは懐からカードを取り出し、生徒たちへと見せる。
「早速だが、今日はコレ!!“戦闘訓練”!!」
出されたカードには“BATTLE”の文字。
戦闘訓練、昨今ではヒーローの必須技能ともいわれる戦闘技術。
自身の個性やそれ以外の特性に合わせたスタイルを確立させ、敵との戦闘においても市民を安心させられるだけの力を誇示するのに最も適した技能である。
「それに伴い、今回はこちらを使用する!!」
オールマイトが小型のリモコンを操作すると、教室の壁から番号が書かれたケースが出てくる。
「入学前に送ってもらった“個性届”と各自の“要望”に沿ってあつらえた“
「「「おおお!!!!」」」
コスチュームの登場に教室に歓声が響き渡る。
「更衣室の場所はちゃんと把握しているね、それぞれの出席番号が振られたトランクを持って更衣室に移動してくれたまえ」
「着替えたら順次、グラウンド・βに集合だ!!
「「「はーい!!!」」」
生徒たちは元気よく返事をし、各自自分の番号が書かれたトランクを持つと更衣室へと走っていった。
「HAHAHA、君たち気持ちは解るが廊下を走るんじゃないぞ!!」
八木俊典(やぎとしのり)
皆さんご存知No.1ヒーロー。
本来であれば生きてることが不思議な状態であったが、この世界線では翔織とその保護者、親友の技術者による裏技的な治療により全快している。
その際、人間関係も修繕され元相棒とは熟考の末、静空を後継者として正式に育て、親友の技術屋には自身の全てを話た上で本当の意味での協力者になってもらった。
死ぬほど怖い師匠を後回しにした結果、半殺しの目に遭ったが。
今は年相応に食事を楽しみ、ちゃんと先生出来るように頑張っている。
ヒーロー活動は引退を見越して後進の育成をしたいという表向きの理由を公表、実際は周囲の威圧により正式な依頼以外は自粛(我慢)出来るようになってきた。