火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ 作:完全怠惰宣言
原作ヒロイン。
試験で静空を助けたのが切っ掛けで独り暮し予定のアパートを引き払われ緑谷家に居候している。
引子さんからは娘が増えたみたいと喜ばれている。
お金に余裕が出来たので放課後は女子会にも積極的に参加している。居候後、幼馴染みブートキャンプにも参加(オールマイトブートキャンプは不参加)しており、地味に原作よりも成長している。
何かと世話を焼いてくれる火埜をオカンと呼んでしまうことも増えてきた。
爆豪の恋心にも気づいているが、なぜか敵対してしまうという原作の名残もある。
グラウンド・β。
オフィス街を想定した様々な建物が存在するその場所には、各々のコスチュームを身に纏った1-A生徒たちが集まっていた。
「HAHAHAHA皆似合っているじゃないか!!恰好から入るってのも大切なことだぜ有精卵諸君!!」
「そして自覚するのだ!!今日から自分は“ヒーロー”なんだと!!」
自身のコスチュームに着替えたオールマイトが生徒を見回し、その姿を褒めている。
周囲を見回す生徒たち。
自分の個性に合わせたコスチュームなのだろう。
「(目のやり場に困る子が多い)」
火埜は内心照れているようであった。
「あ、シズクちゃんのなんかウサギっぽいね」
麗日と並んで出て来た緑谷は確かにマスクを被ると耳の様に見えるパーツのせいか全身が緑色なのにも関わらずウサギのフォルムに見える。
「そうかな、コレお母さんが作ってくれたのを知り合いのエンジニアさんが更に改良してくれたんだ」
しかし、全身に筋肉が付き女性らしい体つきになってきた緑谷のコスチュームは全体的にパツパツで体のラインがしっかりと出てしまっていた。
「そうなんだ、私もちゃんと要望書けばよかったな。見てよパッツパツ」
麗日も全身タイツの様なコスチュームのため体のラインが丸分かりな状態である。
「ケロ、でも2人とも動きやすそうね。私と一緒だわ」
蛙吹も全身タイツのようなコスチュームのようだが、どうやら本人の希望だったらしく気に入っているようだった。
「ヒーロー科最高」
虚空へサムズアップする峰田に心の底では同意しつつも、火埜が必死に表に出さないようにしていると。
「火埜はなんか“マフィア”って感じ。スーツにアクセサリー、腰回りについてる変な箱。でも似合ってるじゃん」
火埜の隣に来ていた耳郎、彼女の感性的に良い評価を貰えたようだった。
「耳郎さんも素敵ですね、ロックアーティストみたいで、カッコイイですね」
「えへへ、ありがとう」
火埜は紅いシャツに黒いネクタイを巻き、黒いベストに黒いスーツ一式を纏い、透明なカフスボタン。
腰にはベルトの他に掌サイズの複数の箱がチェーンで繋がれて装着されていた。
耳郎のコスチュームも見た目はロックアーティストのステージ衣装のようで、コーラルピンクのような色のダメージTシャツに黒い丈の短いジャケット、黒のズボンにブーツ。
さらには白い指貫グローブという風貌だった。
緑谷を通して女子陣と会話をするようになった火埜と爆豪。
中でも火埜の化け物級コミュニケーション能力は数時間でラインのアドレス交換までやってのけるほどだった。
「質問があります!ここは入試の演習場のようですが、また市街地演習を行うのでしょうか?」
飯田と思われる声の方向に火埜と耳郎が振り向くと、西洋の鎧とバイクのような意匠が混ざり合ったコスチュームを着ている人がいた。
その姿に目を輝かせている緑谷を見て、似たヒーローがいるのだろうと辺りをつけて事の成り行きを見守る火埜と耳郎。
「HAHAHAHAHAHA!元気があって大変いいぞ飯田少年!!」
「しかし、君たちがヒーロー活動をする上で決めつけることは良くないぞ。現場に到着したら、まずは先行しているヒーローに状況確認を行おう!!」
「そして、今回はもう二歩先に踏み込むぞ!今回君たちが行うのは屋内での“対・人・戦・闘・訓練”さ!」
「敵退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内のほうが凶悪敵出現率は高いんだ。窃盗・監禁・裏商売、このヒーロー飽和社会、真に賢しい敵は屋内にひそむものさ!!」
オールマイトの教師らしい一面に全員が驚いている。
「君らはこれから"敵組"と"ヒーロー組"に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう!!」
「基礎訓練もなしにっすか?」
「その基礎を知る為の実践さ!ただし今度はぶっ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ」
「勝敗のシステムはどうなりますの?」
「ブッ飛ばしてもいいんスか?」
「また除籍とかペナルティがあるんですか?」
「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか!!」
生徒たちが各々発言をしてしまい、場が混乱し始めた。
「んんんー聖徳太子ィィ!!!」
流石のオールマイトからも汗を垂らしながらツッコみがはいる。
「とりあえず、全員一旦落ち着きましょう。皆が言いたいことを言い始めてしまったら、話が進まないわ」
「ありがとう、蛙吹少女!!それじゃ今回の状況設定から説明していこう」
「今回の状況は『敵がアジトに爆弾を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている!』というものだ!!」
「まず敵側に先に入ってもらい、待ち伏せてもらう!形式的には立て篭り事件に近い形かな!」
「立て篭りってことは、敵側は人質でもいるんですか?」
「お!察しがいいな、葉隠少女!敵側にはある爆弾を死守しながら、制限時間内ヒーロー達と格闘してもらうぜ!」
「そのために最初に言ったように敵側には先に屋内に入ってもらい、爆弾の配置決めとか建物内の構造の把握とか作戦思案してもらおうってことさ!」
「あ、爆弾は無論張りぼてだし、君たちにも運べるくらい軽いから安心してくれ!」
今回の授業内容の説明(カンペ熟読)をしながら、生徒たち全員の顔にやる気が漲っているようにオールマイトは感じていた。
「よし、じゃあ最後にもう一度確認ね!今回はペアを組んで、ペアごとに対戦する形式だ!」
「次に一番最初のダブルペアはここに残り、それ以外のみんなは私とともに別室にて試合観戦!」
「敵側が先に屋内に入りダブルペア其々で事前の打ち合わせ。そして、敵側が屋内に入ってから数分後に試合開始だ!」
「試合開始や終了の合図諸々は私がアナウンスで伝えるから、心配しなくていいぜ!」
「ヒーロー側の勝利条件は爆弾の確保、もしくは全敵の無力化で勝利!敵側は制限時間終了まで爆弾を保守もしくはヒーロー側の無力化ができれば勝ちだ!」
「そして、無力化の条件は“これ”を敵に“巻き付ける”ことさ」
そう言って、新品のテープがオールマイトの指に現れ、フラフープのようにクルクルと指先で回されていた。
「それは、テープですか?」
「正解!!これは雄英印の訓練用捕縛テープ、何も相手をボコボコにしなくても、こいつを体に“巻きつけた”その時点で相手の無力化成功ってことになるぞ!!」
「まぁ訓練って言ってもあまりに過激なことやって取り返しのつかないことになったら大変だからね!ヒーロー側は各自一つずつこれ持っていくように!」
「さあ、コンビ及び対戦相手はくじ引きで決定だ!!」
何処に持っていたのか、オールマイトは勢いよくチーム分け用の札が入った入物を前に出した。
「適当なのですか?」
くじで決めることに対して、飯田が不満の声を上げる。
「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップする事が普通さ。今回はそういったことも含めて最初の授業とするのさ」
「そうか!!先を見据えた計らい、失礼いたしました!!」
「それじゃ、準備はいいかな?Let’S“KUJIBIKI TIME”」
Aチーム:麗日お茶子、緑谷静空
Bチーム:
Cチーム:
Dチーム:飯田
Eチーム:
Fチーム:
Gチーム:蛙吹
Hチーム:
Iチーム:切島鋭児郎、
Jチーム:
「お、火埜君とだ。よろしくね」
「えぇ、こちらこそ。よろしくお願いします葉隠さん」
若干視線を下げっぱなしにして会話する火埜と、手袋とブーツだけなのにバタバタと忙しなく動く葉隠。
「そして、記念すべき最初の対戦チームはこの二つ“Aチーム”VS“Dチーム”!!」
対戦チームの発表されると、緑谷と爆豪の視線が合わさる。
「本気で行くよ、かっちゃん」
「
互いに視線をぶつけ合い、互いを鼓舞するかのようにやる気を漲らせる両者。
「それじゃ、それ以外の皆は私と共に移動だ」
「役柄、決めてないですよ」
「・・・OhNo」
何かと締まらないオールマイトだった。
コイントスの結果、Aチームが敵でDチームがヒーローとなった。
火埜は他の生徒たちが移動する中、幼馴染2人を見ていた。
「(ま、面白くなりそうじゃん)頑張れよ2人とも」
「火埜君、行くよ」
そう、聞こえないほどに小さな声でエールを送る火埜とその腕を持って皆の後に続く葉隠。
「飯田、テメエの個性は脚力強化の類なんだな」
ヒーロー側、爆豪が飯田に詰め寄る様に作戦会議が始まった。
「あっああそうだ、ぼ・・オレの個性は“エンジン”。ギアチェンジをしていく事で誰よりも速く走れるようになる。爆豪君は」
「オレは“爆破”、この両手から爆発を起こさせることが出来る。正直、今回の訓練はオレ達に分が悪い」
一方、アジトとなるビルでは。
「お茶子ちゃんの個性は“無重力”だっけ?」
「うん、私の両手の指先の肉球、五本の指全部で触れた物を一時的に無重力状態にできるんよ。シズクちゃんは“超パワー”やったっけ?」
「少し違うんだけどね、増強型ではあるんだけど、自分の地力を底上げして、力だけじゃなくて反射神経の類もパワーアップ出来るんだ(実際は全然違うんだけど)」
張りぼての爆弾の前で可愛らしい女の子二人がキャッキャッとしている光景、恐ろしく違和感だらけの光景だが非常に眼福である。
「今回の訓練、ボクらが有利だよ」
「ん?どうゆうこと?」
「分が悪い、とはどういうことだ爆豪君」
「いいか飯田、テメエの個性を十全に使うなら今回の場合、屋上みたいに開けた場所に限定される。テメエ仮に最速状態にもってけてもこの中ぶつからずに走り回れるのか」
「んん!?ん~、ハッ!!無理だ」
「オレにしたって相手が爆弾を持っている、この状況で近くで個性を使用しようものなら、誘爆させる危険性がある、そうなるとだ」
「かっちゃん達は行動に制限がかかった状態になる」
「ほへ~、なら楽勝なんじゃないの?」
「ただし、それは理想的な形になればの話だよ」
「だが、逆にシズクたちは取れる手段が多すぎるあまり、時間切れを目指すしかない」
「確かに最悪麗日君の個性で爆弾を浮かせられてしまったらオレたちは捕獲するしか方法がない」
「もともと、“捕獲”することしかできないなら最初っからそれ狙いでいけばいいんだよ」
「と2人は考えてるだろうな」
モニタールームにて試合観戦の準備に入ったオールマイト。
知り合い2人の対決ということもあり、火埜に解説役が回ってきた。
そして、見事に2人の考えを言い当てた火埜。
「流石、幼馴染」
「知力戦は互角というところでしょうか」
周囲のざわめきを隠れ蓑に、火埜は一番後ろまで移動した。
「ま、オールマイトの説明をどう解釈するかで、この訓練の難易度が変わってくるんだけどね」
「え?どうゆうこと」
火埜の漏らした言葉にペアとなった葉隠が火埜の顔を覗き込む(見えてないけど)様にして質問してくる。
「オフレコですよ。今回オールマイトはあの物体を“爆弾”と説明しました」
「うん、そうだよ」
「でも、それがどんな爆弾なのか説明していません」
「うん?何が可笑しいの?」
「起爆方法も時限式とは言っていません、あくまで訓練の性質上、時間制限が設けられましたが、それよりも前に爆破してはダメともイイとも言っていません」
「!!確かに」
他人から姿が見えないのに動きと声色で感情が伝わりやすい葉隠にホッコリし始めた火埜。
「それに互いの勝利条件の共通項である“無力化”についても敵側は特に指定はされませんでした、と言うことはヒーロー側から捕縛テープを奪い、ヒーロー側に巻き付けても“テープを巻き付けられた者は無力化された”というルールは適応されてしまいます」
「あ、本当だ」
「あえてそう言われたのか、それとも初授業で緊張されていたからなのか解りませんが、解釈次第ではどちらも不利になるんですよ」
「ほへ~、火埜君頭いいね」
そして、同様の会話を幼馴染がしていることは火埜は考え付いていたし、審判役のためイヤホンをつけているオールマイトも会話を聞いて非常にいい笑顔になっていた。
「(やっべー、説明ミスったのバレてた)」
冷や汗を流しながら。
飯田天哉(いいだてんや)
ザ・メガネ。
試験で緑谷に噛みつくも爆豪の威嚇で黙る。
試験では原作同様0Pロボをブッ壊した緑谷を勘違いして評価が勝手に鰻上りしている。
爆豪に関しては最初の印象が互いに悪いため溝がある。
火埜に関しては良い関係を築けていると思っているが、火埜からは正しさを押し付けられているようで嫌だなと思われている。
試験の時のこともあり緑谷とは行動を共にすることが多いが、そこから恋愛に発展してもおかしくない状況にある。