火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ   作:完全怠惰宣言

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My HERO

人工移動都市"I・アイランド"。

世界中のヒーロー関連企業が出資し、個性の研究やヒーローアイテムの発明などを行うために作られた学術研究都市。

研究成果や発明品を狙うヴィランから科学者とその家族たちを守るため、移動可能な人工島。

直径約14kmの大きな円形の内部に中央の六角形のブロックを取り囲むように3つのブロックが浮かんでおり、複数の橋で連結されている。

島への移動手段は飛行機のみで、島の警備システムはタルタロスに相当する能力を備えており、これまで一度もヴィランによる犯罪が発生したことがない。

そんなI・アイランドでは今、個性技術博覧会と銘打たれたイベント"I・エキスポ"の準備に島全体が追われていた。

個性の研究やヒーローアイテムの最先端が集まるI・アイランド。

だからこそ、その規模は大きく、そして発表される内容も最先端の内容ばかり。

一般市民も楽しめるように、技術を応用して作られたアトラクションもあるが、やはりヒーローやその候補生、サポート企業などは、公開される情報や試作された実物に興味を持つ。

そんなI・アイランドに向けて1台のプライベートジェットが飛んでいた。

 

「HAHAHAHAHAHAHAHA、まさか私がこうして誰かとI・アイランドに行く日が来ようとわね」

 

日本人にしては筋骨隆々、兎のような特徴的な髪型をしたオールマイトがオーダーメイドのストライプのスーツを着ながら嬉しそうに自作のクラフトコーラを傾けながら笑っていた。

 

「しかし、良かったんですか?大師匠(グラントリノ)師範(サー・ナイトアイ)ではなく僕ら(・・)が随伴者で」

 

オールマイトの向かいの席にて少し狭そうに真ん中に座らされ両隣にガッチリ身体的にも精神的にも捕獲されている火埜が質問を投げかける。

 

「2人とも仕事があるから今回はパスだそうだ。しかし、本当にどうしたんだい緑谷少女に爆豪少年は」

 

オールマイトの視線の先、そこには頬を可愛らしく膨らませ右隣に座らせた火埜の腕をガッチリ抱きしめる緑谷と搭乗後からずっと無言ながら火埜のパーソナルスペースを無視してくっ付いたままの爆豪が不機嫌そうに座っていた。

 

「いや、この間買い物行ってからこの調子でして。あ、警察の根回しありがとうございます」

「いやいや、君たちの懸念通りなら大々的に報じられないからね。決して褒められた行動ではないが、あの時の最善であったと思うよ私はね」

 

2人の会話に反応したのか更に腕を抱き込み、最近また大きく実り育った胸部に火埜の腕を抱き込む緑谷。

そして、あからさまな舌打ちと共に更に火埜にくっ付く爆豪。

 

「本当に、どうしたよ2人とも?」

「絶対に教えてあげない」

「黙ってそこに座ってろボケが」

「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!」

 

そんなある意味いつも通りな4人を乗せたプライベートジェットはI・アイランドへと到着した。

 

「・・・・・・・・チッ」

「ほんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっとうにゴメンね火埜少年」

 

到着後、ヒーローコスチュームに着替えた4人はオールマイトの引率の元一般ゲートを通ってI・アイランドに降り立った。

そう“一般ゲート”を通って。

世界各国のマスメディアが偶然集っていた一般ゲートに現れた世界ヒーローランキングにアジア人で初の殿堂入りを果たしたオールマイトという素材。

そんな状況だから人が集まる集まる。

そして、知らない人間の匂いが得意でない火埜の機嫌は急激に降下し底辺に墜ちていた。

 

「なんで態々一般ゲートなんか通るんだよ」

「イヤ、ゴメンね。通るゲート間違えちゃった」

「トー君大丈夫?お水飲む?」

 

ホテルの一室(スイートルーム、勿論オールマイトのおごり)にてヤの付く自由業も真っ青な怒り顔で外を眺める少年に対してガチ目の謝罪土下座をする大人。

4人にとってはおなじみのやらかしたオールマイトの土下座謝罪。

 

「ははは、待ち合わせの時間になっても来ないと思ったらそういうことか」

「もう、マイトおじさまったらトーリが可哀想でしょ」

 

そんな中、この部屋には2人の来客が会った。

 

「旦那からもこのダメヒーローに言ってくれよ。ヒーローとしては兎も角大人としてダメすぎだろ」

「メリッサさんもあまり甘やかさないでね。この間からここに来れるのが嬉しすぎてポカし過ぎておじいちゃん(グラントリノ)にも怒られたばっかなんだから」

 

そこにはお腹を押さえながら過呼吸気味に笑いを堪えようともしないデヴィット・シールドとオールマイトと緑谷に甘いことで定評のあるメリッサ・シールドが私高級ですと言っているようなソファに腰を下ろしていた。

 

「はぁ、もう良いっすよ。それよりも博士、ボクの“SISTEMA C.A.I.”調整お願いします」

「オレも“X-PROMINENCE(エクスプロミネンス)”の調整お願いします」

「私も、“O.F.A(オペレーション・ファイティング・アークス)”の調整を。それとこれ約束のオクタコスの詳細資料です」

 

火埜は腰にぶら下げていた複数の匣型サポートアイテムを、爆豪は手榴弾を模した籠手を、緑谷は手袋と強化ブーツをコスチュームから取り外すとデヴィットの前に差し出す。

 

「うん、確かに預かったよ。調整は明日からになるから皆はエキスポに行ってきなよ。メリッサも久しぶりに会ったんだから行ってきな」

「それじゃわたしも「トシ、君の用事が最優先事項なんだからさっさと行くよ」

 

ズルズルと雑に引きずられていくオールマイト、数ヶ月前までこの友人関係が壊れかけていたと誰が想像できようか。

歳を重ねた大人2人が青年期の学生の頃のように連んでいる姿に娘であるメリッサは安堵していた。

 

「それじゃ、3人とも着替えたらエントランスに集合ね。エキスポを案内するわ」

「うぃっす」

「静空のことよろしくお願いします」

「え、心配されるの私?」

 

私服に着替えた3人を伴ってエキスポを歩くメリッサ。

時に火埜のハムスター食いをお姉さんのような視線で愛で、爆豪が緑谷の私服を褒めようとどもっているのを横から掻っ攫って褒めて勝ち誇った視線を送ったり、緑谷を可愛い可愛いと頬ずりして互いの胸部装甲が大変なことになっていても無視して練り歩いていった。

 

「いやぁ、明連れてきたら発狂してただろうな」

「発目の奴、最近完全に翔織の専属メカニック化してるだろ。この間なんかデヴィトの旦那と深夜にテレビ電話でやり合って寝不足登校とかマジでヤベえだろ」

「メイちゃんってオクタコスの開発者の子でしょ?パパもテンション昂ぶって何か似たようなコンセプトで図面引いてたわね」

「あはははは、博士らしいですね」

 

4人が休憩がてらよった喫茶店。

その前では何やらタイムアタックが行われていた。

 

「あら、ヴィランアタックじゃない」

「標的倒しのタイムトライアルみたいなものせすね」

「勝己、ヒロコスだったら参加してただろうな」

「あ゛あ゛、なんだったらこのまま参加し殺してやるわ。翔織いくぞ」

「え!?オレも?てか引っ張るな」

 

数分後

 

『それでは、次の挑戦者はコスチュームではないですが参加してくれたジャパニーズが登場だ』

「なんでオレから?」

 

そこには何か諦めたように空を眺める火埜がやる気なさそうに立っていた。

 

「翔織!!やったれぇ!!」

 

その後にはじゃんけんで負けた爆豪が両手を爆発させながら火埜の応援をしていた。

 

「はぁ、まあ頑張りますか」

『それではヴィランアタック、レディ』

 

司会の声に即座に思考を切り替え両腕を翼に変える火埜。

 

『ゴーーーーーーーーーー!!』

 

開始の声が響いたその瞬間だった。

 

「鳳凰印」

 

翼で輪を作るとその中心に真紅の炎の玉が出現する。

 

火銃華(ひがんばな)

 

炎の玉は火埜の声に呼応するように弾け飛び的を全て撃ち抜いた。

 

『な、なんという広範囲攻撃だ、そしてタイムは!!』

 

司会がじらすようにタイムの表示計を見るそこに映し出されていた数字は。

 

『なんと驚愕の9秒、しかも一歩も動かずに!!これは新しい世代の台頭か』

「・・・・終わったからもどるよ」

 

めんどくさそうにスタート位置から爆豪の傍に戻る火埜。

そんな彼の姿を見つめる存在に気が付かずに。

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