火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ 作:完全怠惰宣言
みんな大好き相澤先生、この世界線でも相変わらずの合理主義。
イレイザーヘッドとしてアングラ活動のヒーローだったが親友を自称する山田と卒業後一時的にお世話になった火埜の保護者の影響で知る人ぞ知る玄人好みのヒーローとして認知されており、『通が選ぶヒーローランキング』で5位になったこともある。
火埜の保護者の影響でちゃんと人間的な生活を送っている様子。
今年の受持ちは見どころあるなと思っていたところに色々な意味で問題児になりそうな奴らが見つかって頭と胃が痛い。
火埜式温熱マッサージによりドライアイが改善したため、原作世界線よりも強化された状態にある。
作者の趣味で既にCP候補がいるという作者の犠牲者。
第1回戦の総評も終わり、2回戦の準備となった。
「お疲れ勝己」
壁際でへたり込んでいる爆豪へと火埜が話しかけていた。
1回戦を終えた4人の中で最も疲弊していた爆豪を気遣ってか、他のクラスメートたちは残りの3人に集まっていた。
「シズクの奴やべえな、たぶん個性のブーストに慣れてきたみたいだし、そろそろお師匠たちが言っているように
「シズはオールマイトフリークだから殴り合いを主眼に置いてくだろうけどね」
幼馴染2人で話す時、話題はどうしてももう一人の幼馴染である緑谷静空に関する内容になってしまう。
「ところでよ」
「なんじゃい」
「お前、いつまで葉隠の手握ってるつもりだ」
「・・・・・えへっ」
実は1回戦の途中からある理由からずっと手を繋いでいる火埜と葉隠。
ブーツと手袋を火埜に預け
火埜は見る人が見ればわかるが頬が赤い。
「爆豪君スゴイ、良く気付いたね」
「葉隠、翔織はこう見えて純情野郎だからな“可愛い”女の子と手を繋いでるだけで顔が赤くなるんだよ」
「黙れ、純情マイルドヤンキーが」
2回戦。
ヒーロー「Jチーム:上鳴電気・耳郎響香」Vs 敵「Cチーム:峰田実・八百万百」
終始峰田が八百万のベストポジションに移動していてはた目には役に立っていなかったが、自身の個性“もぎもぎ”を生かした行動不能トラップを作成、爆弾の置いてある部屋までの時間稼ぎに貢献。
部屋自体も八百万の個性“創造”によって作られた各種防犯装置により扉が開かず、結果耳郎の個性“イヤホンジャック”で正確に位置を特定できたにもかかわらず個性を使用できなかった上鳴が完全にお荷物となりCチームがタイムアップにより勝利。
なお、総評でオールマイトの要らん気遣いを受けて上鳴はそれなりに傷ついたようだった。
3回戦。
ヒーロー「Gチーム:蛙吹梅雨・常闇踏陰」Vs 敵「Fチーム:口田甲司・砂藤力動」
開始を告げられても作戦を煮詰めていたため、時間的な余裕が幾分無くなったヒーローチームだった。
しかし、常闇の個性“ダークシャドウ”の特性が生きた薄暗い部屋での戦闘で砂藤の個性“シュガードープ”と互角に渡り、口田が個性を使用する間もなく窓から蛙吹の奇襲に遭い爆弾を確保されてしまいGチームが勝利する。
そして、4回戦
「というわけで葉隠さん、僕らが敵としてこの爆弾を守らなきゃいけないんだけど、正直轟君の個性意味解りません」
「だね、個性テストでは氷だして滑ってるだげだったし」
ウンウンと互いに腕を組んで頷くのは敵役Hチーム。
「あれ、火埜君もしかして私見えてたりする?」
「あっ、・・・・ダマッテタワケジャナイヨ。タイヘンオキレイナカオダチデガンプクデシタ」
「てことは?イヤーーーーもしかして見えてたりするの」
「だから、視線を下げないようにしてたの。黙っててごめんなさい」
「あぁ、もう理由は解ったから後で説明してね」
「アイ」
「中、騒がしいな」
「本当にな(火埜の奴不憫な)」
一方、ヒーロー役Cチーム。
騒がしいことは解る轟が無表情で入口を見ているのに対し、障子は複製腕の変異確認中に偶然拾ってしまった二人の会話から事情を察し対戦相手の一人に同情を示していた。
「確認なんだが本当に良いのか」
「あぁ、障子はなにもしなくて良い」
轟の発言の後、開始のブザーが鳴り響いた。
「直ぐに終わらせる」
そう言って轟が右足で地面を踏みつけると瞬時に氷が発生、ビル丸々一棟を氷付けにしてしまった。
「ビル内部で動く音はしない」
「障子は其処にいてくれ、爆弾は俺が確保する」
そう言って悠々とビルに入っていく轟。
障子はその後ろ姿に頼もしさよりも何か別の恐ろしさを感じた。
「さ、寒い。轟の奴もっと速く歩けよな」
「お、おそらく轟少年自身が滑らないようにゆっくり歩いてるんじゃないかな(あの歳でこの出力、一体どんな訓練をさせたんだ)」
グラウンド・β地下に作られた移動型モニタールーム。
ここにも轟の個性の影響が現れていた。
「さ、さすが轟君。推薦1位の実力をしかと見させてもらったよ」
「あれ、でも葉隠達の部屋のカメラ可笑しくない?」
凍った階段を登りきり、目的の部屋までやって来た轟。
彼の目の前には足を氷付けにされ動けなくなっている火埜と葉隠の姿があった。
「悪い、実力の差が有りすぎたな」
「爆弾に触ればオレ達の勝ちだ。そのあと直ぐに溶かしてやるからもう少し待ってろ」
そう言って部屋の奥に置かれた爆弾に手を振れようとした。
「轟、捕獲」
突如、爆弾が消え去り変わりに複数の手錠により拘束された轟と手錠から延びる鎖を握って立つ火埜がモニターに写された。
「「「「はぁ!?」」」」
「ケッ、楽しやがって」
「とーくんらしいね」
訓練会場となったビルでは手錠の拘束具により身動きがとれず転がされ目を白黒させた轟がいた。
「葉隠さん大丈夫?今溶かすね」
「び、ひ゛の゛く゛ん゛、は゛や゛く゛し゛て゛~」
恐らく葉隠が居るであろう場所まで火埜が移動すると火埜が姿を変えた。
全身をオレンジ色に染めた巨大な翼を持った孔雀のような鳥へと姿を変えた火埜。
少し浮かび上がると翼で何かを包み込むような姿になる。
すると、段々と何かの輪郭が現れてきた。
そして、ついにしっかりと現れたのは。
「なんじゃー、あの目鼻立ちがくっきりした美少女は!?」
モニタールームに響く峰田の絶叫のとおり、オレンジの火の鳥に抱きつき温もりを堪能している美少女が姿を表した。
「オレンジてことは大空、“調和”か。周囲の状況と調和すると葉隠の場合は個性が一時的に弱まるのか」
「はぁ~、葉隠さん美人だな」
モニタールームを混乱に陥れたHチーム。
「あ、葉隠さん悪いんだけどこれ着て」
人型に戻り、スーツの上着とベストを脱いで葉隠に渡すと半獣態と言うべき姿になり翼となった両腕で再び葉隠を包み込む火埜。
「え、なんでなんで?そんなことしたら障子君に見えちゃうよ?」
「うん、葉隠さん今色々と危ないから取り敢えずベストを着て上着はスカートみたいに巻いて、お願い」
不思議そうにしながらベストを着て上着を腰に巻き付ける葉隠。
「着たよ~」
葉隠のその言葉を聞くと人型に戻り顔を両手で覆いブツブツと何かを呟き始める火埜。
「イヤイヤイヤイヤ、不味いって。葉隠さんこれで動いたらもう完全に痴女じゃん。訓練終わる頃には効果切れてるだろうけど、この状態で格闘戦なんて絶対に駄目でしょ」
覆っていた手の間から葉隠を見上げる火埜。
そこには目鼻立ちがくっきりした美少女が不思議そうに自分を見ている姿があった。
「葉隠さん、取り敢えず轟君を漁って捕獲テープを探して首に巻き付けて」
「はーい」
「とどろきーーー、オイラとそこ変われーーーー」
血涙を流し、ハンカチを噛み千切った峰田の魂の咆哮がモニタールームに響き渡った。
肌色率60%弱の美少女にまさぐられる様は、何となくいけないものを見ている気がして恥ずかしかった。
実際、轟の顔近くに葉隠の胸部が近づいた際には峰田以外の男子は一斉に顔を背けた。
「よし、葉隠さんはそのまま爆弾の置いてある部屋に移動して爆弾の警備」
「了解!!ところでいつまでコレ着てれば良いの?」
「せめてこの訓練が終わるまでは着てて、お願い」
もう障子に聞こえてようと構うもんか、そんな感じで普通の声量で話すHチーム。
「火埜」
突如、轟が声を上げた。
2人で寝転がした轟を見ると何やら申し訳なさそうに、且つ不思議そうな顔を向けていた。
「お前の個性は“火の鳥”じゃないのか?」
あれ、こんな顔出来たんだと火埜が考えていると。
「轟君、そう言うのは後だよ。さぁ、火埜君も行った行った」
あ、いつも表情コロコロ変わってたんだなと火埜と轟が認識したのは同時だった。
一方、ビルの入口で待つ障子は。
「(あまりにも遅い、中で何かあったな)」
静観状態だった自分を恥、直ぐ様複製腕全てに耳を複製して中の様子をうかがった。
すると、自分に物凄いスピードで近づく風切音が聞こえた。
音のする上空を見上げると、そこには紫色の炎を纏った火の鳥が自分に猛スピードで突っ込んでくる姿があった。
「しょーーーじーーーー、僕の精神安定のためにおとなしく捕まってくれーーーー」
その叫びと共に火の鳥が自身を通り過ぎると障子は轟同様手錠の拘束具に捕まっており額には鉢巻のように捕獲テープが巻かれていた。
「敵チーム、Win!!」
その瞬間、オールマイトの勝敗アナウンスが流れHチームの勝ちが確定した。
そして、モニタールームにも音声が流れると。
「八百万、絶対聞こえてるよな?後で何でもするからワンピースみたいな服作っといて」
勝利した火埜の魂からの願いが響き渡った。
轟 焦凍(とどろき しょうと)
原作御三家最後の一人。
父親の遣らかした負債を一身に背負わされている印象を作者に与えた天然系美少年。
当初は火埜及び爆豪の個性が父親を思い起こさせるため、近寄らないようにしていた。
戦闘訓練で火埜の個性を知り、反省会で詳細を知ったことで一方的に仲直りをする。
物語が進むにつれて面白い方向に進化していく様は作者的に見ていて飽きないので優遇されること間違いなし。
緑谷から発せられる母性を敏感に感じ取っているので原作同様堕ちる予定。
勝己的強ライバルに仕立て上げたい子である。