火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ   作:完全怠惰宣言

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お久しぶりです。
なぜか話が切りよく終わってくれない。
もう次回、無理矢理ぶった切るか。


My HERO-④

エレベーターエントラスに陣取る二人の人影。

その周囲には暴走していた警護ロボがブスブスと落雷を受けたように感電していた。

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!何も考えないでぶっ放すの楽しいぃぃぃ!!」

「最近は出力調整ばっかだったからな、これならもう少し電圧上げても大丈夫かな

「なにか不吉な発言聞こえたけど!?」

 

そこには久方ぶりに200万V全方位放電してウェらなかった上鳴ともしもの保険として残っていた火埜と火埜におぶさった峰田がいた。

彼らの作戦は至ってシンプル。

1階の開けた場所に警護ロボを集めるためにまずは電気基盤を通して上鳴が放電して注目を集める。

その隙に残りのメンバーで最上階を目指すというものだった。

 

「さてと峰田」

「合点承知!!」

 

峰田のモギモギがロボにくっついたのを確認すると火埜の両腕が緑色に光る炎を纏い始めた。

そのまま帯電している1体のロボに向けて落雷のごとく両腕の緑色の、雷の炎を放出した。

するとロボは一塊にまとまってしまった。

 

「うっし上鳴、上行くぞ」

「電磁石だっけ。おまえすごいな」

「おいらのモギモギのおかげでもあるがな」

 

火埜たちが1階から順当にロボを行動不能にしていくなか、各階でも戦闘が行われていた。

しかし、各階に配備されていた敵側は気付かずにいた。

彼等が自分達に対しての囮であるということを。

 

 

数分前

 

「屋上組は基本的に非常階段で上に向かって貰う」

 

早速行動に移ろうとした矢先に爆豪から放たれた意外な言葉。

 

「でも、かっちゃん。中央突破の方が最短で良いんじゃないの?」

 

身長差の関係から必ず爆豪を見上げるかたちになってしまう緑谷。

普段から「胸がキツいのは嫌だ」というなぞ理論を展開している彼女のドレスはそのせいか胸の部分が緩めに設計されているため、上から覗く形になるとかなり見えてしまう。

 

「(役得ぅ!!)確かに最短での解決が望ましいがなにより、安全にことを進める方が重要だ」

「(あらら、にやけちゃって)シズの意見は最もだけど、サポートアイテムも無い現状なら屋上に向かってもらう組は安全第一で行かないと」

 

緑谷を言い聞かせるように頭をなでながら語りかける火埜、その光景を羨ましそうに見つめる複数の視線が刺さるが気にする様子を見せない3人。

そして作戦が練られ、1Fにはロボ対策に適した火埜・上鳴・峰田が残って陽動を始めたのだった。

ロボを片付け終わり3人が上を目指そうと歩み始めたときだった。

 

「クケケケケ、ガキ共がテメエら邪魔しやがって」

 

屋上に通じる階段から「僕悪者です」という雰囲気と見た目のした男が現れた。

 

「まぁ、これだけ暴れて何もないってことはねえか」

「へ、こ、このぐらい余裕だろう」

「な、なんだ、ビビってんのか上鳴」

 

好戦的な笑みを浮かべる火埜、久しぶりに雷撃ブッパして気持ちに余裕がある上鳴、明らかに敵が出てきて少しビビってる峰田。

 

「ケッ、しかしガキばっかだったが上に登ってるメスはイイ身体した奴もいたな。さっさとお前らぶち殺して久しぶりに遊ぶとするか」

「あぁ?」

「「(あ、こいつ死んだ)」」

 

あまりにゲスな反応をする敵に対して、明らかにキレている火埜。

そして、敵に対して黙祷を捧げる上鳴と峰田。

一触即発の雰囲気になってきた時、タワーが突如として揺れ始めた。

 

「な、なんだ!?」

「はっはぁ、ボスが遂に手に入れやがった。デヴィット・シールド未発表にして最高傑作、「個性因子活性化装置」を手に入れやがった」

 

敵から漏れた言葉に3人は即座に理解する。

 

「火埜、行きやがれ!!」

「こんな雑魚、おいら達で十分だ!!」

「悪い!!」

 

そのまま、敵に背を向けて屋外に出ようとする火埜。

 

「おっと逃がすと思ってるのか?オレの個性“分身”はこう言う時こそ輝くんだぜ」

 

そう言うと敵は自身が手にしていた銃火器ごと20人近くに分身した。

しかし、火埜は振り返ることをしなかった。

 

「200万ボルト“纏飯綱(まといづな)”」

「モギモギボール“形態変化(カンビオ・フォルマ)”“捕縛蔓(グレープソーン)”」

 

21人の敵を前に上鳴と峰田に怯えという感情はなぜか消え去った。

 

 

「モテたい」

 

夏休みに入った初日、雄英名物U.S.JにてAB組で集まり「第24回・必殺技を編み出そうの会」が行われた日であった。

休憩中に火埜の背中を座椅子代わりに寄りかかろうとする柳と小大と葉隠と芦戸の牽制しあいを尻目に胡座の中に収まった小森とか更に漁夫の利を得て背中に寄りかかった緑谷。

その光景を嫉妬100%の視線を送る爆豪と轟と飯田と心操と峰田。

そんな光景の外で塩崎の茨に巻き付かれイイ具合にヤンデレた瞳で見つめられ続ける上鳴を肴に休憩する面々がいた。

そして、全員じゃんけんの敗者となった峰田(言い出しっぺ)による合計36人分の飲み物買いだしなどが起きたそんな日の終わりだった。

小回りを効かせるべくモギモギの特性を利用した高速移動の確立を目的にした峰田の特訓に付き合った上鳴と様子を見に来た火埜しかいない状態で呟かれたそんな一言は静かに響いた。

 

「は?お前最近手紙もらったりしてるじゃん?」

「そうそう、この間も沢山の女の子に囲まれてたじゃん」

 

それは学校帰りにA組みんなでクレープを食べた日のことだった。

黙っていればマスコット扱いされる峰田はその本性を見抜けない女性に人気だった。

 

「みんな幼稚園児だったじゃないか、オイラは高校生以上のお姉さんにモテたいんだよ!!」

 

峰田の魂の叫びに火埜はただただ笑っていた。

 

「なんだ、余裕か、このハーレムやろう!!」

「いやいや峰田さんや、現時点で明確に嫁いるの上鳴だけだし」

「うぐ、不名誉な飛び火」

「上鳴も嫌がってるフリしてんじゃねえよ!!」

「いやぁ、茨のことはそこまで嫌いじゃないしなぁ。ただ、愛が重いんよ」

「名前呼びしてる時点でお前はオイラの敵だ!!」

 

コントの様な遣り取りをしながら3人は楽しそうに笑っていた。

 

「でも、オレは峰田のこと尊敬してるんだぜ」

 

ひとしきり笑い終えた火埜が唐突に語った衝撃の言葉。

エロの権化と呼ばれ始めた峰田のどこに尊敬に価する箇所があるのか。

 

「だってお前、差別しないじゃん」

 

人間は自分と異なる、たったそれだけで相手を異分子として排除する。

個性という異能が一般的になった現代においても異形型に分類されてしまう外見だったり、個性がない無個性というだけで排他される。

そんな世の中で峰田は違った。

彼の価値観は「モテるかモテないか」そして「エロいかエロくないか」の二極で構成されていると言っても過言ではない。

だから、どんな外見であっても仲間なんだから壁を作らず話しかける。

女性だから、自分がモテるためにあわよくばエッチイことに発展してほしいがために紳士的にあろうとする。

だから、峰田実は差別をしない。

 

「そんなお前だから、いつかきっと、お前を好きになってくれる人が現れると思うよ」

 

峰田にとって火埜翔織は目標であり、悪友であり、代えがたき理解者であった。

 

 

「はい、電気くんのちょっと良いとこ見てみた~い」

「しぬ、“コレ”流石に死んじゃうからぁ!!」

 

放課後訓練にてグランドに連行された上鳴は両腕両足を発目が開発した拘束鎖で拘束されるとパワーローダーがストレス発散のために作り上げてしまった超電圧発電機から伸びた電線を両手に装着されていた。

そして、グランドに作られた安全地帯では両手に別々の属性の焔を灯らせる訓練をしながらタンクトップで明らかに下着を着けていないフニャフニャに蕩けきった笑顔の発目に抱きつかれた火埜から電圧コールを受けていた。

 

「泣き言なんか聞きたく有りません。“帯電”という個性の特性上、耐えられる電圧と電気容量を上げろといってるのに放電ばっか訓練してる奴に慈悲はありません」

「んみゅ、だぁりんおひさまのにおいしますぅ」

「火埜!!テメエ、なにイチャついてんじゃ!!」

「・・・・・嫁ちゃん、呼ぶか?」

「すいません!!ちゃんと訓練します!!」

 

そして始まる耐久電圧訓練、その間も発目に焔の影響が出ないよう細かいコントロールを続けながら焔の属性を変化させていく火埜に仰天しかけながらウェイっては休憩して復活したら耐電訓練を繰り返した上鳴。

その結果。

 

「むふん、流石ダーリンと私の計画通り!!」

「うお、マジで避けれた!!」

「オレが意味も無く美少女を侍らせながらお前の特訓に付き合ってると本気で思ってたのか?」

 

上鳴のゴーグル型サポートアイテムを介してではあるが、火埜の最速の蹴りが飛んでくる前にサポートアイテムが上鳴の間合いに来た攻撃を感知して電気信号として脳に直接避ける命令を出したことで、上鳴にとって本来ではあり得ない回避を行えた。

 

「帯電した電気量を上手く使えば動きを自動反応で繰り出すことも、自分の意志で肉体を操作することも出来るっていったじゃんか。だから耐電訓練しろっていったのにしないから強制でやるんだよ」

 

サポートアイテムを上鳴から奪うと持ってきてた計器類に接続して何やらバーチャルキーボードを高速でタイプし始める発目。

 

「でさぁ、正直なとこ塩崎とはどうなのよ?」

 

上鳴は飲んでいたスポーツドリンクを一気に吹き出して噎せていた。

 

「なんで、今聞くかなぁ」

「いや、暇だから」

 

火埜の指差す先では久方ぶりにマッドな笑い声をあげながら何やらシステムを構築している発目がいた。

 

「まぁ、愛が重いっていったことあるよな」

「嫌なの」

「あそこまで一途に思ってくれるのは正直嬉しい!!」

「だろうね」

「だけど、あんなに可愛くて良い子が“オレ”なんかで良いのかなと思うことが増えてきまして」

「現実逃避で放電訓練ばかりしてたと」

「すいません」

 

ペシ、と軽く空のペットボトルで叩かれた上鳴は顔を上げる。

そこには困ったような顔をした火埜が何かを指さしていた。

上鳴は指の先に視線を追っていくとそこには自分を心配そうに見つめながら、でも訓練を邪魔したくないからと持ってきたタオルを握りしめて我慢している塩崎がいた。

 

「“護るもの”があれば人は強くなれる。もう、持ってるんだから頑張れ。怪我ばっかしてたら塩崎に毎回泣かれるぞ」

「うへぇ、それはキツいな」

 

互いに顔を見合わせると火埜は発目の方へ向かって歩き始め、上鳴は塩崎に向けて手を振ってこちらに来るように催促する。

 

「(まぁ、嫌われないようにがんばるか)」

 

うれしそうに走ってくる塩崎を見ながら、明日のオフはデートに誘おうと考える上鳴は無くしていた心の余裕を取り戻していた。

 

 

そして、現在。

 

「鬼さんこちら、電気のほうへ!!」

 

雷の速度で移動しながら四肢に帯電させた電気で相手を気絶させ続ける上鳴。

 

「オラオラオラオラ、オイラの糸に絡まれたら終わりだぞ!!」

 

糸状に伸ばしたモギモギであやとりをするように手を動かして大きめな網を作りあげると敵が集団で固まっている箇所に投げ込み一網打尽にしている峰田。

 

「な、なんなんだこのガキ共は!!」

 

敵の個性を分析しながら戦うことの重要性は相澤からたたき込まれている二人は敵の個性が一気に20人の分身を作りあげることが出来るということ。

そして、時間が経過すれば分身が消えること、分身の耐久性は本体と変らないことを導き出していた。

 

「お前の敗因はな!!」

「オイラ達を嘗めきってたことだ!!」

 

敵が気がつくと自分の素肌に直で紫色の糸がくっ付いていることに気がついた。

その糸の先は手袋をいつの間にかした上鳴の右手に繋がっていた。

 

「行くぜ、全力放電」

「ま、まて!!」

 

敵の制止の声を完全に無視し上鳴は糸に向けてウェイらないギリギリまで放電圧を上げた。

 

「200万V!!紫糸落雷(ししらくらい)

「アギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ!!」

 

上鳴の放電を受けた本体は焦げながら気絶した。

 

「よっし!!」

「勝利!!にしても“ししらくらい”って何だよ?」

「え?お前のモギモギ糸を伝って流すから紫の糸で“しし”だよ」

「ほぉん、照れるぜ」

 

1F戦闘 峰田・上鳴 勝利!!

 

 

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