火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ 作:完全怠惰宣言
近所の映画館軒並み全滅でヒロアカ映画見に行けてない。
本日の昼食
・土鍋で炊いたご飯で作った塩むすび
・具だくさん豚汁(豚バラ、焼き豆腐、油揚げ、蒟蒻、白菜キムチ、人参、大根)
・モロヘイヤとエノキと納豆のたたき合え
「それでは、火埜君の目が本当に危ないので頂きます」
「「「いただきます!!」」」
現在、13時。
昼食には遅い時間だがA組(+心操+発目)はよく食べそして食へのこだわりが半端ない火埜とその暴走を制御した爆豪と緑谷によって作られた昼食をとっていた。
「塩むすびウメぇ、ほんのり昆布の味がする」
「米炊くときにぶち込めば味がつくからな、塩むすびにするにしても下味がついてる方がいいだろ」
流石に量があったからか全員で塩むすび作りをしたわけだが如実に家事技能の差が出てきており。
「むぅ、くずれる」
「ケロ、だったら私のと交換しましょう轟ちゃん」
「いや、自分で作ったやつ食べる」
クラスメートといるとどうしても末っ子化する轟はクラスのお姉ちゃん化してきた蛙吹に見守られながら、初めて自分で作ったおにぎりを食べつつ、横目で綺麗に三角形に握られた蛙吹のおにぎりに尊敬の眼差しを向けており。
「豚汁、うまぁ」
「これもしかしてコチジャンはいっとる?」
「そうだよ、まぁかっちゃんのには」
「ほぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
緑谷が豚汁の説明をしているその奥で豚汁のおかわりをしようとしていた上鳴が滝のような汗を流しながら奇声を上げて机から飛び退いていた。
「・・・・・・、かっちゃんのにはデスソース入ってるから皆は興味本位で食べちゃ駄目だよ」
「いや、おせえよ」
上鳴の声にならない異議を笑顔で無視して。
「ネバネバ美味しい」
「ちょっと味濃いのが疲れた身体に効くわぁ」
「てか、爆喰大王の量が凄いんだけど」
「ん?(モキュモキュ、ゴックン)!!砂藤も足りんの?」
「違うから、安心してお食べ」
そして、食べ終え片付け荷解を終えたA組+α。
峰田を瀬呂テープで縛り上げ空気穴だけ開けてガチガチに拘束すると男子部屋で昼寝を始めた。
無論荷解の後になのだが、相澤から15時に玄関前にジャージで集合と言付かっており、だったら全員で動こうと言うことになり女子陣が男子部屋に乗り込んできて、全員でお昼寝となったのである。
「っかしよ」
「まぁ、凄い光景だよね」
「まったく、不埒だぞ火埜君」
一足先に大の字で眠ってしまった最近睡魔に正直な火埜。
そんな火埜の胸元に気がついたら葉隠が、左腕は耳郎が、右腕は麗日が、腰に抱き付く芦戸、右太股に八百万、左太股に発目が。
思い思いに陣取って眠っていた。
「しかし、火埜の奴、この状況でなぜ起きない?」
「最近どうも眠気に逆らえないらしくてな。5分も寝れば直ぐ目覚ますが心配だな」
「ンンン!!ンンンン、ンンンンンンンン!!!!!!!」
「峰田の奴、血涙流してるぞ」
「久々だなおい」
そして、15時になり玄関前に全員集合。
相澤の先導で歩き始めるも、まだ眠そうに目をこするいつもより幼い雰囲気の火埜とそんな火埜の周りで心配そうに引っ付く女子達と轟と心操、そんな火埜に恨み辛み嫉妬羨望様々な感情が乗った眼差しを送る峰田(with血涙)というちょっとした地獄絵図が展開されていた。
「よし、お前ら注目!!」
目的地であろう更地に着いた相澤の一声、途端に視線を集中させる、その反応に心操と発目はA組の調教具合を知ってしまうことになる。
「本格的な強化合宿は明日からだ、今日はこの後からは自由時間にしてやるから明日に備えて休憩するなり自主トレするなり好きにしろ」
言外に「今日は休めよ」と相澤が、
「え、いいんですか?先生具合でも悪いんですか?」
思わず漏れた麗日の言葉にギラリと視線を向ける相澤。
「時間は有限、だからこそ休息は確りと取るべきだとオレは考えている。今回の合宿の目的は全員の強化及びそれによる仮免の取得だ」
今年の1年生はヒーロー科とはいえヴィランとの会敵率が高すぎる。
だからこそ、いつ接触するかも分からない悪意に立ち向かう為の力を手に入れるために今回の林間学校は少しハードに逝くということらしい。
誰かが、もしくは全員がゴクリと息を飲む中、相澤はいつも通りの気軽さで手に持っていた球体を爆豪へと投げ渡した。
思わずキャッチしてしまった爆豪、自然と周囲の視線も彼の手元に集まる。
そこには体力テストで使用されたボール投げの際に使用されたボール型測定器があった。
「爆豪はたしか入学直後で1002か1003mだったな。どれだけ成長したか試しに投げてみろ」
後頭部を掻きながら興味なさげに指示する相澤。
既に結果はわかっていると言いたげな態度だ。
「おぉ、成長具合の確認っすか!」
「今年は色々あったしね!爆豪君なら2kmとかいくんじゃねない?」
「いったれバクゴー!」
『まずは己の現状を知れ』ということなんだろう。
自身に対してもストイックな爆豪ならと周囲もノリノリでバクゴーコールを始める。
意外にそういった応援が力になる爆豪、特にノリノリで応援してくれている中に緑谷がいるとなれば自然と殺る気スイッチもといやる気スイッチは簡単に入る。
ならば遠慮は要らないよなと爆豪は獰猛に笑いながらグルグルと肩を回す。
そんな爆豪の雰囲気を察知したのかスッと爆豪から離れる一同。
右手に掴んだボールを腰の捻りと共に大きく引き絞る。
体を捻り、回転し更にボールを持っていない左手から数回徐々に爆発の威力を強め、回転を加速させる。
そして、その回転力を乗せて右手に握られたボールをリリース、更にリリースの瞬間、前回と違い絶妙なタイミングで右手の甲からも爆発を発生させたのだった。
「死に晒せぇぇぇぇぇ!!!!」
お前本当にヒーロー志望かと疑われるようなかけ声と共にリリースされる測定器。
少しでも手元が狂えばあられもない方向へと飛びかねない【爆破】によるブーストを乗せた投擲。
全員の期待を一身に背負ったその一投は。
-1507m-
伸びていることは伸びていた。
相澤が若干驚いていることが何よりの証拠だろう。
しかし前回の記録から500m程度の距離しか伸びておらず、他の生徒や爆豪自身も想定よりずっと少ない成長に驚愕していた。
“思ったより伸びてない”というのが正直な感想だろう。
その後、クラス全員に加え心操も行うが軒並み思っていたよりも結果は伸びなかった(といっても相澤が驚嘆していることから予想値は超えているようであるが)。
体育祭や演習試験などの山場を超えてきて、「自分たちは日々成長している」と思っていたがその進歩はほんの僅かな物で困惑していた。
何となく理由を察していた爆豪と火埜、轟そして直弟子の心操は冷や汗を流している。
「多少の体力や筋力が育ったようだが、お前達の成長のほとんどは精神面や技術面だ」
「まぁ、身体作るのは短期じゃ無理ですからね」
「オレの予想は超えてきたが、今見た通りで個性の成長はそこまでしていない。だから明日からは君らの個性を伸ばす」
相澤の指摘にハッとさせられた。
放課後訓練も含めて、今までの訓練は全て『個性を使った上での動き方』の訓練でしかなく、その内容のほとんどはシチュエーションに則した動きや考え方を教えられていた。
一部では“個性”を鍛える訓練は行ってきたが、それでも結果がそぐわない。
今まで学校では多少の不備には目をつむり、自分たちの“個性に適応できる身体作り”が行われてきた。
今回の合宿では“出来上がった身体に合わせて個性を伸ばす”本当の個性強化が行われるらしい。
そして、いつものサディスティックな良い笑顔を相澤が浮かべていることに全員が気付く。
「先に言っておく・・・・・、死ぬほどというか死ねる程キツい」
「しねるほど!?」
「あぁ、だから諸君。くれぐれも死なないように」
生徒の恐怖心を煽る相澤。
その姿がやけに生き生きとしている様に見えるのは気のせいだろうか。
きっと気のせいだろう、そういう事にしておこう、自分の精神衛生のために。
生徒の護衛で着いてきていたクラウディーホープこと白雲朧は友人の見てはいけない一面を見てしまったように感じ心の中でそう呟いた。
また、身体がおかしくなってきた。
皆さんも体調管理だけは気をつけてください。